PMSはいつから始まる?出現パターンや妊娠・病気との見分け方を婦人科医を解説

2023. 06. 16
監修:松村 圭子 プロフィールを見る >

日本産科婦人科学会専門医
成城松村クリニック院長
若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、女性のカラダをトータルサポートしている。

(https://www.seijo-keikoclub.com/)

「PMS(月経前症候群)がいつもより早い気がする。他の病気なのかも…」

「急に吐き気がする、いつもはPMSがないのに…」

月経(生理)前に腹痛や頭痛、吐き気などが現れると不安な気持ちになりますよね。

ましてやいつもとちがう時期や症状だと「妊娠や病気だったらどうしよう」と、押し寄せてくる不安に押し潰されそうになることもあるでしょう。

ご安心ください。PMSがいつもとちがう時期や症状でも、それほど心配する必要はありません。

なぜなら、PMSの症状や時期は、その月の体調や人によって変わるため、そもそも個人差が大きいものなのです。

とは言え、PMSが始まる時期や、症状の目安はあります。

下記のカレンダーのように、PMSは月経前、「約3日〜10日の間」続くことが多いです。

あなたのPMSが起こる時期が、一般的な期間から大きく外れている場合は、原因を知るためにも婦人科を受診することがおすすめです。

また、PMSは時期だけでなく、いつもとちがう症状が現れることも、不安になりますよね

人により個人差がありますが、PMSの症状で多いものは、次の通りです。

PMSの主な症状
精神的症状
  • 情緒不安定
  • イライラ
  • 抑うつ
  • 不安
  • 眠気
  • 集中力の低下
  • 睡眠障害
  • 自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感
身体的症状
  • 腹痛
  • 頭痛
  • むくみ
  • お腹の張り
  • 乳房の張り

出典:日本産科婦人科学会

上記のように、PMSは、イライラなどの精神症状だけでなく、腹痛や頭痛、むくみなども現れることがあります。

病気や妊娠のときと、よく似た症状が起こることも多く、見分けがつきにくいですよね。

そこでこの記事では、PMSが起こる時期や症状にくわえ、次のポイントについて解説します。

▼この記事のポイント

PMSが続く時期を出現パターンと共に解説
PMSの症状と似ている病気を比較して解説
辛いPMSを軽減する方法を紹介

この記事を最後までお読みになれば、PMSがいつから始まり続くのかを知り、自分の症状がPMSかどうかを、判断することができます。

「もしかしたらPMSじゃないかも」と何も手に付かなくなる状況が改善され、あなたが月経前の不安定な期間を、心穏やかに過ごせることを願っています。

PMSは通常、月経前の3日~10日の間続く!

日本産科婦人科学会によると、PMSは「月経前、3日〜10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」とされています。

上記を踏まえて、PMSが続く期間を示した、次の図をご覧ください。

上記のように、PMSがいつから始まるのかは、大きく幅があります。

PMSは、その月の体調や精神状態などにより、始まる時期や症状が変化するからです。

今この記事を読んでいる人の中には、
「いつもは月経3日前にPMSが始まるのに、今回は10日前から始まったからすごく不安…」
と、悩んでいる人もいるでしょう。

いつもとちがう時期にPMSが始まっても、一般的な時期と大きくズレていなければ、心配しすぎることはありません。

ただ、PMSの時期がいつもとちがうことに不安を感じる人は、下記のような心当たりがあるのではないでしょうか。

  • 妊娠したかもしれない
  • 病気かもしれない

上記の不安を確実に解消するには、婦人科を受診するしか方法がありません。

PMSであれば、月経が始まると症状が治まっていきます。

月経が始まった後や、月経が始まるまで2週間以上あるのに症状が起こるときは、「3.PMSの開始時期が異なる時は疑って!PMSと似た症状や病気を紹介」で紹介するような、他の病気や症状の可能性があります。

みんな同じではない!PMSの出現パターン4つ

PMSは、始まる時期だけでなく出現パターンも人それぞれで、主に4パターンあります。

女性がみんな同じ流れではないことを知っておき、周りとちがうパターンでも、不安になりすぎないようにしましょう。

PMSの出現パターンは、次の4つです。

月経前、3日〜10日の間に始まり、月経開始と同時に消失
月経前、3日〜10日の間に始まり、月経開始から徐々に減退
排卵直後に始まり、月経開始と同時に消失
排卵直後に始まり、一度消失した後症状が再発して、月経開始と同時に消失

出典:Clinical Obstetrics and Gynecology 26(3):p 710-718, September 1983.「The Premenstrual Syndrome」/Reid, Robert L. MD1; Yen, S S C MD2)

イメージしやすいように図解で示すと、次のようになります。

PMSは、症状が始まってから月経開始までずっと続くパターンがあれば、途中で一度消失して再度月経開始まで続くパターンもあります。

さらに、人によっては、月経開始前14日前後の排卵の時期に、症状が強まる場合もあるのです。
(出典:日本産婦人科心身医学研究会「月経随伴症状の解析と月経前症状の自覚」)

どのパターンかは個人差があり、その月の体調やストレスが影響します。

あなたのPMSが、毎回同じパターンで起こるとは限りません。

一度始まったPMSの症状が一旦治り、再度始まっても、心配しすぎないようにしましょう。

PMSの開始時期が異なる時は疑って!PMSと似た症状や病気を紹介

PMSの始まる時期や終わる時期が「1.PMSは通常、月経前の3日~10日の間続く!」で説明した、一般的な時期と大幅にズレている場合は、要注意です。

なぜなら、あなたの身体はちがう症状や病気、妊娠の可能性があるからです。

PMSと間違えやすい症状と病気は、次の7つです。

PMSと間違えやすい症状と病気
  • 排卵痛
  • 子宮内膜症
  • 月経困難症
  • PMDD(月経前不快気分障害)
  • 妊娠
  • 更年期障害
  • うつ病

上記の症状や病気は、PMSで現れる症状と非常によく似ています。

そこでこの章では、7つの症状と病気について、PMSとのちがいと共に説明していきます。ぜひ、お役立てください。

3-1.排卵痛

排卵痛とは、卵子が排出されるときに卵胞が破れ、卵胞液と血液が流れ出して腹膜を刺激することから起こる痛みのことです。

生理的なもので、病気ではありません。

月経開始の約2週間前(14日前)にPMSのような症状が現れた場合、排卵痛の可能性があります。

排卵痛は、正常な月経周期の場合、月経開始の約2週間前に出現し、約1~2日間続きます

その他、排卵期には次のような症状が現れることも。

排卵期の症状
  • 下腹部のチクチクした痛み
  • 身体のだるさ
  • 眠気
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気

これらの症状はPMSとほとんど同じなので、症状だけで違いを判断することはできません。

排卵痛かPMSかを見分けるポイントは、症状の開始時期が重要になります。

開始時期と期間
排卵痛 月経開始の約2週間前(14日前)に始まり
約1~2日間続く
PMS 月経前、約3日〜10日の間続き
月経開始とともに改善

症状が、月経開始の約2週間前(14日前)と、早くに始まる場合は、排卵痛の可能性が高いでしょう。

また、排卵痛は、発生してから約1~2日間程度で終わることも特徴です。

PMSは、約3日〜10日間と、排卵痛より少し長めに発生するケースが多いです。

▼PMSと排卵痛の見分けポイント!

  • 月経開始より、だいぶ前に起こる
  • 症状が1~2日間ぐらいで終わる

ただ、排卵日はストレスなどでズレる場合もあります。あくまでも、目安として判断してください。

3-2.子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮内にしか存在しない子宮内膜組織が、何らかの原因で子宮以外の場所(卵巣や卵管、腹膜など)で育ち、増える病気です。

子宮内膜症の症状には、毎回薬を服用するほど辛い月経痛や、月経時以外の腹痛・腰痛、排便痛、性交痛があります。

中でも、卵巣の中にできた子宮内膜症を「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」と言います。

発生率は0.7%程度ですが、まれにがん化する場合もあるため、注意が必要です。

PMSとの見分け方は、期間と症状の2つです。次の表をご覧ください。

発生時期 主な症状
子宮内膜症 時期は関係なく、
慢性的に起きる
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 排便痛
  • 性交痛
  • 重度の月経痛
PMS 月経前、
約3日〜10日の間続き、
月経開始とともに改善
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 乳房の痛み
  • むくみ
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 精神症状など

子宮内膜症でも、PMSと同じように、腹痛や腰痛が見られることがあります。

ただ、子宮内膜症では、症状は慢性的であることや、重度の月経痛、排便痛、性交痛という特徴的な症状が見られます。

▼PMSと子宮内膜症の見分けポイント!

  • PMSと違い、期間が関係なく症状がずっと消えない
  • 重度の月経痛や排便痛、性交痛がある

上記の場合は、子宮内膜症の可能性があります。

治療には、手術や症状を抑える方法がありますが、まずは婦人科を受診しましょう。

3-3.月経困難症

月経困難症は、月経期間中に、月経にともなって起こる症状です。

症状で一番多いのは、耐えられないほどの月経痛です。

そのほか、PMSと似たような症状も起こります。

肛門周囲に痛みを感じることもあり、「3-2.子宮内膜症」と合併して起こる場合もあります。

月経困難症の症状
  • 腰痛
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 肛門周辺の痛み

PMSとの見分け方は、発生時期に注目しましょう。

月経困難症は、月経中にしか起こりません。

発生時期
月経困難症 月経期間中
PMS 月経前、約3日〜10日の間続き、月経開始とともに改善

▼PMSと月経困難症の見分けポイント!

  • 耐えられない月経痛がメインで起こる
  • 月経中しか起こらない

「月経が始まっても、ずっとPMSの症状が治らない…」

上記の場合は、月経困難症の可能性があるため、婦人科を受診することがおすすめです。

月経困難症は放置すると、悪化したり、不妊の原因になったりする場合があります。

少しでも「おかしいな」と感じたら、痛みをガマンせずに、婦人科を受診してくださいね。

3-4.PMDD(月経前不快気分障害)

PMDD(月経前不快気分障害)とは、PMSの症状のうち、精神症状が日常生活に支障をきたすレベルで起こる状態を指します。

PMDDの場合、PMSのように、単に「イライラする」「不安になる」というものではありません。

PMDDの症状に苦しむ人たちが、その心境を吐露しているSNSをご覧ください。

上記のSNS上の書き込みからも分かるように、PMDDは、下記のような気持ちを感じる程、自他ともに非常に辛い状況です。

▼PMSとPMDDの見分けポイント!

  • PMSのように、「イライラする」程度ではすまないレベルで、精神が不安定になる
例1) 人や自分を傷つけてしまうかもしれない
例2) 引きこもりになって社会生活を送れない
例3) イライラして暴言を吐きそうになったり、死にたくなったりする

PMDDの場合は、PMSの対処法のような、軽い運動や気分転換などのリフレッシュ方法では、対処できません。

激しく落ち込んだり、涙が止まらなくなったり、他者に対して攻撃的になるPMDDは、抗うつ剤が処方されるくらい、深刻な症状なのです。

腹痛などの身体症状よりも、精神症状の方が多くて重い場合は、自分がPMDDである可能性を疑ってみましょう。

3-5.妊娠

妊娠の初期症状はPMSと酷似しているため、心当たりがある場合はしっかり見極める必要があります。

妊娠の初期症状とPMSの違いは、次の表の通りです。

発生時期 主な症状
妊娠初期
症状
着床後から
(前回の生理開始日から、
約3週間後)
  • 下腹部痛
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 眠気
  • 少量の不正出血
PMS 月経前、
約3日〜10日の間続き、
月経開始とともに改善
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 乳房の痛み
  • むくみ
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 精神症状など

妊娠初期症状とPMSの症状は似ており、ほとんど見分けがつきません。

ただ、おりものに少量の血が混じり、ピンクや茶色っぽい色になっている方は、妊娠初期症状の可能性があります。

ただ、PMSと妊娠初期症状は、症状が似ているだけでなく、ほとんど同時期に起こります。

月経が来れば、妊娠はしていません。ですが、「妊娠しているかも」と悩むと、ストレスとなって月経が遅れるケースもあります。

少しでも妊娠に心当たりがある方は、妊娠検査薬の使用や、婦人科を受診して、確認しましょう。

▼PMSと妊娠初期症状の見分けポイント!

  • おりものに少量の血が混ざっている
  • 月経がいつもよりかなり遅れている

3-6.更年期障害

40代後半以降の方で、月経前以外に不調が見られる場合は、更年期障害の可能性があります。

更年期障害とは、40代後半になり、ホルモン分泌量の低下が原因で起こる、自律神経の乱れによる症状のことです。

更年期障害とPMSとの違いは、次の通りです。

発生時期 主な症状
更年期
障害
40代後半以降、
閉経前後の約10年間
発症したら慢性的に
起こる
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 精神症状
  • 不眠
  • 月経不順
  • のぼせ
  • 火照りや発汗
  • 動悸や息切れ
  • 血圧の上下
  • 耳鳴りなど
PMS 月経前、
約3日〜10日の間続き、
月経開始とともに改善
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 乳房の痛み
  • むくみ
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 精神症状など

上の表にあるように、更年期障害の症状はPMSと似ています。

見分けるには、症状の発生時期で判断しましょう。

PMSの場合は、月経が始まれば症状は改善します。

更年期障害の場合は、症状が慢性的です。

あなたが40代後半以降で、症状が慢性的な場合は、更年期障害の可能性があるといえるでしょう。

▼PMSと更年期障害の見分けポイント!

  • あなたが40代後半以降で、症状が起きている
  • 月経の時期は関係なく、慢性的に症状が起きている

3-7.うつ病

うつ病の症状は、気分が落ち込む、眠れないなど、PMSの精神症状と似ている場合があります。

精神症状が中心で、症状が慢性的なら、うつ病の可能性も視野にいれましょう。

具体的には、次の通りです。

発生時期 主な症状
うつ病 発生時期は
月経に関係なく、
慢性的に起こる
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 気分の落ち込み
  • 自己否定
  • 涙もろさ
  • 不眠
  • 過眠
  • 食欲不振
  • 性欲減退
  • 肩こり
  • 動悸
  • 胃腸障害
PMS 月経前、
約3日〜10日の間続き、
月経開始とともに改善
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 乳房の痛み
  • むくみ
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 精神症状など

上の表にあるように、うつ病とPMSの症状は非常に似ています。

さらにうつ病は、精神症状だけでなく、不眠や倦怠感、頭痛など身体的な症状も発生するので、余計に見分けがつきにくいのです。

自分の症状がうつ病かを判断するには、症状の発生時期に着目しましょう。

PMSの場合は、月経開始とともに改善します。

うつ病の場合は、月経とは関係なく慢性的に症状が出るため、一つの目安になるでしょう。

放置すると、気づかないうちに症状が進行し、日常生活を送ることができないほど辛いときもあります。

うつ病は、できるだけ早く専門家の診察を受け、休養や服薬など然るべき方法で対処する必要があります。

少しでも不安な人は、心療内科や精神科を受診するようにしましょう。

▼PMSとうつ病の見分けポイント!

  • 発生時期は月経に関係なく、慢性的に起きている

PMSの辛い症状を軽減する方法6つ

PMSかどうかが判断できたところで、辛いことには変わりありません。

月経前の辛い時期を乗り越えるために、この章では、症状を少しでも軽減する方法をお伝えします。

PMSを軽減する方法は、次の6つです。

PMSを軽減する方法6つ
大豆イソフラボンのサプリを摂取する
ピルを服用する
リラックスする
十分な睡眠をとる
軽い有酸素運動をする
栄養バランスの良い食事をとる

生理前の辛いPMSを頑張って乗り越えるために、ぜひ実践してみてくださいね。

4-1.大豆イソフラボンのサプリメントを摂取する

すでにご存知の方もいるかもしれませんが、肌や髪にもうれしい成分である大豆イソフラボンは、PMS軽減にも効果的です

なぜなら、大豆イソフラボンはPMSの原因そのものに作用する成分だからです。

前提として、PMSは、下記の2つの女性ホルモンのバランスが乱れることが原因だといわれています。

  • エストロゲン
  • プロゲステロン

大豆イソフラボンは体内で「エクオール」という成分に変換され、「エストロゲン」に似た働きをするのです。

結果的に不足したエストロゲンを補うことができ、体の女性ホルモンのバランスを整えることができます。

実際に、公益財団法人不二たん白質研究振興財団の研究によると、大豆イソフラボンの摂取により、PMSによる頭痛や不安感の軽減が認められています。

ただ、食材から大豆イソフラボンを十分に摂取するのは大変です。

1日に必要とされる30mgの大豆イソフラボンを食材からとる場合、味噌汁だと10杯程度飲む必要があります。

毎日継続するためには、食事にくわえ、大豆イソフラボンのサプリメントを活用して、効率よくPMSの改善を目指しましょう。

4-2.ピルを服用する

PMSの症状を緩和する方法として、ピルを服用する方法があります。

ピルというと避妊のイメージが強いかもしれませんが、下記のように、女性の身体にとってメリットが大きい薬です。

  • 月経不順の改善
  • 月経痛の軽減
  • PMSの症状緩和
  • 子宮内膜症予防など

ピルは、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という、2つの女性ホルモンを含んでいます。

エストロゲン 女性らしい、しなやかで潤いのある身体を作るホルモン。
幸せホルモンである「セロトニン」を増やす
プロゲステロン 妊娠の準備を整えるホルモン。
不安を抑えるGABAの効果を高める「アロプレグナノロン」に変化する

PMSは、上記の2つのホルモンの分泌バランスが崩れることで起きる症状です。

2つのホルモンを少しずつ含むピルを服用することで、バランスを整えることができます。

ただ、ピルには、下記のような副作用などのデメリットもあります。

  • 吐き気
  • 胸の張り
  • 不正出血

※副作用は1〜3ヶ月以内に消失することがほとんどが、まれに血栓症が起こる場合もあります。

個人差はありますが、ピルを服用することでPMSの症状は格段に軽くなります。

医師の診察の下で、血栓症が起きやすい体質ではないかを確認したうえで、正しく服用すれば、限りなくリスクが少ない薬です。

PMSの症状が重く悩んでいる人は、一度婦人科を受診してみましょう。

4-3.リラックスする

PMSの症状を緩和するためには、リラックスして過ごすことが大切です。

PMSの症状の重さには、心身のストレスが大きく関係しているからです。

PMSの症状を緩和するためのリラックス方法としておすすめなのは、次の3つの方法です。

アロマの香りでリラックスする
熱すぎないお湯にゆっくり浸って入浴をする
疲れたと感じたらすぐ休憩をとる

それぞれの方法をもう少し詳しく説明しましょう。

4-3-1.アロマの香りでリラックスする

アロマの香りを嗅ぐことで、心身をリラックスさせることができます。

アロマの香りには、脳内のストレス発生を抑える効果が期待できるからです。
(出典:東邦大学「アロマと嗅覚、そしてストレス」)

PMSの症状を緩和する効果が期待できる香りは、次の通りです。

アロマの種類 効果がある症状
ラベンダー
  • イライラ
  • 不安
イランイラン
  • 不安
クラリセージ
  • イライラ
ゼラニウム
  • ストレス
  • 疲れ

出典:月経前症候群におけるアロマテラピーの検討

アロマの香りは、アロマオイルやスプレー、キャンドルなどで楽しむことができます。

自分に合った方法で、毎日の生活に取り入れてみると良いでしょう。

4-3-2.熱すぎないお湯で10分程度の入浴をする

PMSで辛い時こそ、ゆっくりお湯に浸かりましょう。

熱すぎないお湯に浸かると副交感神経が優位になり、心身がリラックスできるからです。

お湯の温度は40度程度、入浴時間は10分程度がおすすめです。

長く浸かりすぎると入浴中にのぼせたり、逆に疲労が溜まってしまいます(出典:環境省「EARMBIZ」)

4-3-3.疲れたと感じたらすぐ休憩をとる

PMSの期間中にリラックスして過ごすためには、少しでも疲れを感じたらすぐに休憩をとることです。

なぜなら、本当は疲れているのに、「このくらいいつものことだから大丈夫」と無理をすると、症状が重くなってしまう可能性があるからです。

PMS中は、精神的にも肉体的にも疲れを感じやすい状態です。

疲労や眠気を感じやすくなっているほか、精神的にも負担を感じやすいので、「今は休んでも良いんだ」と自分を甘やかすくらいの気持ちで過ごしましょう。

4-4.十分な睡眠をとる

PMSの症状を緩和するためには、十分な睡眠をとるようにしましょう。

睡眠不足は、心身に大きなストレスを与えるからです。

十分な睡眠時間というのは個人差がありますが、目安は次の通りです。

年齢 標準の睡眠時間
25歳 7時間
45歳 6.5時間

出典:働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」

また、時間だけでなく、睡眠の質も重要です。

眠りが浅く夜中に何度も起きてしまうと、「よく眠れている」という状態ではありません。

質の良い睡眠にするためには、下記のような工夫を行いましょう。

  • 日中に適度に身体を動かす
  • 夕方以降にカフェインを摂取しない
  • 寝酒をしない
  • 入浴は睡眠の2時間前までに済ませる
  • 寝る直前にスマートフォンやパソコンを操作しない
  • 寝る場所は照明を暗くする

最初は毎日実践するのが難しいかもしれませんので、週に3日程度から始めて習慣化すると良いでしょう。

4-5.軽い有酸素運動をする

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、PMSの症状を緩和させます。

全身を動かすことで血行が良くなることにくわえ、運動には抗うつ作用があるからです。
(出典:日本体育大学「運動が心身の健康を守るー女性の身体的特性をふまえてー)

さらに、一定のリズムを刻むウォーキングやジョギングは幸せホルモン「セロトニン」を分泌させるので、PMSのイライラや不安などの精神的な症状も緩和されます。
(出典:宇美町立原田小学校「幸せホルモンセロトニンを増やす簡単な方法とは」)

ただ、お腹の痛みなどで、立つのも辛いほどPMSの症状が重い場合は、決して無理はせず休むことを優先してくださいね。

4-5.栄養バランスの良い食事をとる

PMSの症状を軽減するためには、栄養バランスの良い食事をとることが大切です。

栄養バランスがとれていると身体を整えるためのさまざまな栄養素を摂取できるので、不調が起きにくくなります。

東京労災病院治療就労両立支援センターによると、主食・主菜・副菜を揃えた食事や薄味の意識、清涼飲料水・コーヒーの摂取を控えることで、PMSの症状が軽くなる傾向が認められました。
(出典:東京労災病院治療就労両立支援センター「働く女性のためのPMSレッスン」)

PMSの期間中は甘いものを食べたくなることが増えますが、ランチに「あんパンとチョコレートクロワッサンとコーヒー」などの食事は避けましょう。

急激に糖質を摂りすぎて血糖値が上昇し、その後急降下することで、余計イライラしてしまうからです。

また、ラーメンやカレーライスなどの、塩分が高いものをとりすぎるとむくみの原因になるので、味が濃いものは控えるようにしてください。

できれば和食中心の食事にして、炭水化物やタンパク質、ビタミン類をバランスよく摂取することを意識しましょう。

栄養バランスはサプリメントでとろう
PMSの症状緩和のために栄養バランスをとらなければいけないと分かっていても、仕事や子育てなどで忙しい毎日を送っている人にとって、そう簡単なことではありませんよね。

そこで、食事に加えて、サプリメントを活用することもおすすめです

サプリメントの活用で、次の3つのメリットを得られます。

足りない栄養素をピンポイントで摂取できる
外食時や出張、旅行先でも栄養素をバランスよく摂取できる
食材を調理するよりも効率的に栄養素を摂取できる

コンビニや外食が続いたり、残業で食事が不規則になったり、PMSの症状で身体が重く、自炊が大変な時もあるでしょう。

また、食材から十分な栄養素を摂取しようとすると、さまざまな食材を使ってたくさんの料理を作らなければならず、毎日継続するのはハードルが高いです。

毎日の暮らしにサプリメントがあれば、手軽に栄養バランスを整えることができます。

いつもの食事にサプリメントを追加するだけなので、ハードルが低く、続けやすいでしょう。

特に不足しがちなビタミン類やカルシウム、マグネシウムなどは食材から十分に摂取するのが難しいです。

積極的にサプリメントを活用して、栄養バランスの整った食生活を実現してくださいね。

PMS軽減におすすめなのは大豆イソフラボンのサプリメント!

「4.PMSの辛い症状を軽減する方法6つ」でご紹介した方法の中でも、一番気軽にPMS症状の軽減が期待できる方法は、大豆イソフラボンのサプリメントの摂取です。

なぜなら、PMSの原因を根本から改善することが期待でき、手軽で長く続けられるからです。

「4-1.大豆イソフラボンのサプリメントを摂取する」でもお伝えしたとおり、PMSの原因である「女性ホルモンのバランスの乱れ」を整えることができるため、根本からの改善が期待できるでしょう。

また、いつでもどこでも気軽に、サプリメントを摂取するだけで良いところも魅力です。

仕事や家事で忙しい方にとって、PMS改善用の食事メニューを考え、運動や睡眠に気をつかうことは続けにくいですよね。

サプリメントは、忙しい毎日の隙間時間にさっと飲むだけで、PMSの軽減が期待できます。

食事にくわえ、一緒にサプリメントを摂取することもおすすめですよ。

PMSが現れたら自分を責めずに優しく労ろう

毎月のようにあなたを悩ませるPMSの症状が現れたら、自分を労わることを最優先にして過ごしましょう。

PMSは、女性ホルモンバランスの崩れで精神的症状が強く出てしまいます。

ただでさえ精神が不安的になる時期にあなた自身が自分のことを責めてしまうと、PMSの症状がさらに重くなってしまうのです。

PMSの時期は、自分を責めないことが第一です。

そして、自分が攻撃的になったりイライラしてしまうことを、周囲の人にあらかじめ伝えておくようにしましょう。

あなたの言動が女性ホルモンの乱れによるPMSが原因なのだと理解してもらうために、「今はPMSだから、少しそっとしておいてね」と伝えておくと関係にひびが入りません。

身体的な症状に関しても、「いつもは簡単な家事が、どうしてもできない」などという場合は、無理せずに休んでください。

PMSで体調が優れない時は遠慮なくベッドに横になり、惣菜や宅配に頼ることがおすすめです。

PMS中でも周囲の人との関係がうまく築ければ、あなた自身も自己嫌悪に陥ることはないでしょう。

PMS中は自分を一番大切にして、たくさん甘やかしてあげてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?PMSがいつから始まりいつまで続くのか、PMSの症状や他の病気との違いなどを解説してきました。

最後にこの記事をまとめましょう。

◎PMSは月経前、3日〜10日の間続く

日本産科婦人科学会ではPMSについて、「月経前、3日〜10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」と定義している

◎PMSの出現パターンは4つ

月経前、3日〜10日の間に始まり、月経開始と同時に消失
月経前、3日〜10日の間に始まり、月経開始から徐々に減退
排卵直後に始まり、月経開始と同時に消失
排卵直後に始まり、一度消失した後症状が再発して、月経開始と同時に消失

◎PMSの開始時期が異なる場合は他の症状や病気を疑おう

  • 排卵痛
  • 子宮内膜症
  • 月経困難症
  • PMDD(月経前不快気分障害)
  • 妊娠
  • 更年期障害
  • うつ病

◎PMSを軽減する方法6つ

大豆イソフラボンのサプリを摂取する
ピルを服用する
リラックスする
十分な睡眠をとる
軽い有酸素運動をする
栄養バランスの良い食事をとる

◎PMSが現れたら自分を責めずに労ろう

以上になります。

PMSは、月経前、3日〜10日の間続く身体的、精神的症状のことを言います。

発生する時期や症状は人それぞれで、同じ人でも月ごとによって異なることも多いのです。

PMSがいつから始まるのかを正しく理解することで、自分の体調への過度な不安を取り除き、あなたが心から安心して過ごせることを願っています。

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