もう悩まない!男性更年期に効くサプリの選び方、おすすめ成分3つを専門家が解説

2023. 06. 01
監修:石川 ロバート誠 プロフィールを見る >
サプリメントアドバイザー・パーソナルトレーナー
40代に慢性的な疲労感、不安感、不眠など典型的な男性更年期症状が現れ、栄養バランスのよい食事、適度な運動、サプリメントの利用による体質改善により男性更年期を克服した経験を持つ。 60歳を前にして、仕事に、遊びに全力投球で人生を楽しんでいる。

「男性更年期に効くサプリってどんなもの?何を基準に選べばいい?」

「サプリで更年期症状が軽くなるのかな?辛い症状に効くなら飲みたいけど…」

近年、男性にも更年期があることが広く認知されてきましたが、それでも、病気じゃないし…と表立って口にできず、ひとりで悩みを抱えている方は少なくないようです。

そんな悩みがサプリで解消されるのなら飲んでみたいですよね。

男性更年期に効くサプリは、端的にいうと、男性ホルモン「テストステロン」の生成をサポートする成分が配合されたサプリです

男性の更年期はほとんどにおいて、加齢によるテストステロンの減少によって引き起こされるからです。

この記事では、男性更年期に効くサプリの選び方や、効果的な成分についてくわしく解説します。

ただサプリはあくまでも栄養補助食品で、薬ではないため、飲めばすぐ症状が回復するというわけにはいきません。

男性更年期の症状には悪い生活習慣の蓄積も影響していることから、回復には、サプリを継続して摂ると共に、これまでのライフスタイルを見直し、改善することが必要になります。

記事後半では、サプリと併用して行うと良い更年期対策も紹介しますので、そちらも参考にしてください。

この記事を読めばこんなことがわかります!
  • 男性更年期に効くサプリは何を基準に選べば良いか
  • 男性ホルモン「テストステロン」の分泌を促進する成分とは
  • 男性更年期に効くサプリに副作用はあるのか
  • 男性更年期に効くサプリの注意点
  • サプリ以外の更年期対策

男性更年期に効くサプリとはどんなものかが把握でき、あなたに合うものが選べる内容になっていますので、ぜひ最後まで目を通して頂けたらと思います。

男性更年期に効くサプリの選び方

男性更年期に効くサプリの選び方のポイントは2つあります。

  • 男性ホルモンの生成をサポートする成分配合のサプリを選ぶ
  • 複合成分配合のサプリを選ぶ

それぞれ解説していきましょう。

1-1.男性ホルモンの生成をサポートする成分配合のサプリを選ぶ

男性更年期症状の改善には、男性ホルモン「テストステロン」の生成をサポートする成分が配合されたサプリを選びましょう

男性更年期の症状はほとんどにおいて、テストステロンの減少によって引き起こされるからです。

「テストステロン」は、男性の体内で生成される重要なホルモンの1つで、骨密度や筋肉量、赤血球数、性欲などに重要な役割を果たしています。

しかし、テストステロンの分泌は、30代後半ごろから徐々に低下していきます。

テストステロンが減少すると、筋肉量や骨密度が低下し、体力が低下して疲れやすくなったり、不眠や集中力の欠如といった男性更年期の症状があらわれます。

こうした症状の改善には、男性ホルモン「テストステロン」の減少を食い止め、分泌を促進させるしかありません。

男性更年期に効くサプリを選ぶ際は、下記に示すようなテストステロンの生成を促す成分が配合されているかどうかに着目しましょう

CHECK!
【テストステロンの生成をサポートする主な成分】
  • ユーグレナ
  • マカ
  • アルギニン
  • 亜鉛
  • ビタミンD
  • トンカットアリ

中でも特におすすめの成分、「ユーグレナ」、「マカ」、「アルギニン」について、2.男性更年期に効く!おすすめの「テストステロン」生成をサポートする成分で詳しくお伝えしますので、そちらも参考にしてください。

参考:男性更年期障害(LOH症候群)​​|日内会誌 102:914~921,2013

1-2.複合成分配合を選ぶ

二つ目のポイントは、複合成分配合のサプリを選ぶことです

男性更年期の症状は身体面、精神面と多岐に渡り、多くの場合、それが複合的にあらわれるため、単一成分のサプリでは全ての症状に対応できないからです

複合成分配合のサプリには、様々な症状にアプローチする複数の成分が含まれているため、多岐に渡る更年期症状の改善が期待できます。

CHECK!
【男性更年期の症状】

男性更年期の症状は、代表的なものだけでも、下記のように多岐に渡ります。

  • 疲労感
  • 動悸・息切れ
  • ほてり(発汗)
  • 頭痛
  • 耳鳴り・めまい
  • 筋力や身体機能の低下
  • 勃起障害(性欲低下)
  • 頻尿
  • 鬱・不安・イライラ
  • 記憶力や集中力の低下

こうしたさまざまな症状を、1つの不調にアプローチする単一成分のサプリで解消しようとすると、いくつもの種類を摂取しなければならなくなります。

また、男性更年期のあらわれ方には個人差があり、症状もそれぞれ異なるため単一成分のサプリで完全に解決することは困難です。

一方、複合処方のサプリメントは、より広範囲な症状に対処するために複数の成分を含んでいます。

有効な成分を組み合わせることで、より総合的なアプローチを実現し、特有の症状に対処することができます。

人によって症状のあらわれ方や程度が異なる男性更年期に効くサプリを選ぶなら、今抱えている体や心の複数の不調にアプローチする、複合成分配合のサプリが良いでしょう。

では、どのような成分が複合処方されているといいのか?、次章でくわしくお伝えします。

男性更年期に効く!おすすめの「テストステロン」生成をサポートする成分

男性更年期のサプリに複合処方されていると良い、テストステロンの生成をサポートする成分の中でも、特におすすめしたい3つの成分をご紹介します。

  • ユーグレナ
  • マカ
  • アルギニン

男性更年期にどんな良い効果を及ぼすのか、気になる副作用も含めて解説します。

それぞれの成分について知識を深めておきましょう。

2-1.ユーグレナ

【「ユーグレナ」の効果】

  • テストステロンを増やす栄養素が豊富に含まれている
  • ストレスによる諸症状や睡眠障害を改善する

※臨床試験やモニタリングにおける研究データなどから、ユーグレナは1日に1g(1,000mg)以上の摂取が推奨されています。

ユーグレナは藻の一種で、和名を「ミドリムシ」といい、植物と動物、両方の性質を併せ持っているのが特徴です。

野菜に含まれるビタミンやミネラルに加え、魚に含まれるDHA、EPAといった不飽和脂肪酸など59種類もの栄養素を持っているため、『栄養の宝庫』とも呼ばれています。

2-1-1.「ユーグレナ」のテストステロン増加に関連する効果

ユーグレナには、テストステロンの分泌を促進する「亜鉛」や「ビタミンD」が豊富に含まれています

手軽に栄養素を複数摂取できるため、テストステロンに良い影響を与えます。

ユーグレナに含まれる59種類の栄養素(有用成分7種類を除く)は下記になります。

ビタミン14種類
  • α-カロテン
  • β-カロテン
  • ビタミンB1
  • ビタミンB
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK1
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • 葉酸​​
ミネラル9種類
  • マンガン
  • 亜鉛
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • カリウム
  • リン
  • ナトリウム
アミノ酸18種類
  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • アラニン
  • アルギニン
  • リジン
  • アスパラギン酸
  • グルタミン酸
  • ブロリン
  • スレオニン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • ヒスチジン
  • チロシン
  • トリプトファン
  • グリシン
  • セリン
  • シスチン
不飽和脂肪酸11種類
  • DHA
  • EPA
  • パルミトレイン酸
  • オレイン酸
  • リノール酸
  • リノレン酸
  • エイコサジエン酸
  • アラキドン酸
  • ドコサテトラエン酸
  • ドコサペンタエン酸
  • ジホモγ-リノレン酸

「亜鉛」「ビタミンD」のほか、「アルギニン」、「マグネシウム」も成長ホルモンの分泌を促す役割を持っています。

肉や魚、卵などエネルギー源となる食品を日常的に食べられない人も、​​ユーグレナを摂取することで、多くの栄養素を補うことができ、テストステロンの分泌促進が期待できます。

ユーグレナとテストステロンの直接的な関係については未だ明らかにされていませんが、ユーグレナの摂取で、更年期の代表的な症状であるストレス症状や睡眠障害が改善された事例があります

CHECK!
【ユーグレナでストレス症状が抑制され睡眠の質が改善された!】

20代〜64代の男女77名を対象に、ユーグレナ粉末を朝夕食後2回に分けて、500 mg、1,000 mg、3,000 mgそれぞれを12週間毎日摂取する実験を行いました。

その結果、下図のように作業ストレス負荷時に自律神経のバランスを調整し、心身の健康を保ちやすくなることが分かりました。(図1)

 

作業ストレス負荷時のイライラ感や緊張感を抑制することも確認されました。(図2)

 

さらに、睡眠への満足度が上がったことも確認されています。(図3)

出典: ​​第74回日本栄養食糧学会​​
参考: ​​ユーグレナ(ミドリムシ)の健康に嬉しい3つの効果と7つの研究結果を専門家が解説​​

ユーグレナには、ほかにも、

  • 腸内環境を整える
  • コレステロール値を下げる
  • 生活習慣病を予防し改善する

などの効果が期待できます。

2-1-2.ユーグレナ|過剰摂取による副作用

ユーグレナの摂取では、これまでに副作用の事例は報告されていません。

しかしながら、過剰に摂取したとき、その人の胃酸が少なかったり、腸の動きが悪い状態だった場合に、まれにお腹の張りや便秘、下痢、ゲップなどの症状が起こる可能性があります。

これは主に、ユーグレナの食物繊維の働きが過剰に作用したものと考えられます。

症状が出てしまった場合は、一旦摂取をやめる、量を減らすなど、自分の体調、体感に合わせた調整をしてください。

2-2.マカ

【「マカ」の効果】
※1日の摂取量目安は、1.5g〜5g

  • 滋養強壮
  • 血流改善や自律神経の調整​​作用

マカは、南米ペルーのアンデス山脈に自生する植物の一種で、 栄養価が高く、古くからスタミナ源として重宝されています。

2-2-1.「マカ」のテストステロン増加に関連する効果

滋養強壮剤などに配合されていることが多いマカは、栄養価が高く、アミノ酸、ミネラル、ビタミン​​など豊富な成分の働きで、血流改善や自律神経の調整作用が期待できます。

マカとテストステロンの直接の関係性については未だ明らかではありませんが、マカの摂取で性欲が高まったり、生殖機能が向上することはいくつかの研究で実証されています

CHECK!
【マカの研究】

​健常成人男性57名にマカを1日当たり1.5g、もしくは3.0gを、12週間摂取させたところ、性欲の改善が認められました。​

また、健常成人男性9名に、マカを1日当たり1.5g、もしくは3.0gを、4カ月間摂取させたところ、精液量や精子数、運動性精子数が増加しました。

このことから、マカには、生殖機能改善効果があることが示唆されました。​​

参考: ​​PubMed|健康な成人男性の性欲に対するLepidium meyenii(MACA)の影響と血清テストステロン値との関係の欠如​​
PubMed|Lepidium meyenii (マカ) は、成人男性の精液パラメータを改善しました​​

マカには、ほかにも、

  • 疲労回復
  • アンチエイジング
  • 動脈硬化の予防

などの効果があります。

2-2-2.マカ|アレルギーや過剰摂取による副作用

マカはアブラナ科の植物なので、下記のようなアブラナ科の野菜にアレルギーがある場合、テストステロンサプリに配合されている「マカ」に対してもアレルギー反応が出てしまう可能性があります。

【アブラナ科の主な野菜】

  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • クレソン
  • 小松菜
  • ダイコン
  • 高菜、白菜、水菜

他に、過剰摂取により頭痛、不眠症状、ホルモンバランスの崩れといった不調をきたす場合があります。

マカの1日の摂取量目安は、1.5g〜5g​​となっています。過剰摂取をしないように留意しましょう。

参考:厚生労働省|日本人の食事摂取基準​​(2020年度版)

2-3.アルギニン

【「アルギニン」の効果】
※1日の摂取量目安は、2,000mg〜4,000mg

  • 筋肉や骨の健康、代謝機能を維持​​する作用
  • 成長ホルモンの分泌を助ける働き

アルギニンは、体内のエネルギー産生をサポートするアミノ酸です。

2-3-1.「アルギニン」のテストステロン増加に関連する効果

滋養強壮の源となる存在として知られるアルギニンは、筋肉や骨の健康や代謝機能を維持します。

また、成長ホルモンの分泌を助ける働きがあることから、若々しさを保つために必要不可欠な成分といえます。

アルギニンとテストステロンの関係は未だ明らかにされていませんが、アルギニンの摂取でEDの症状が緩和されることはわかっており、病院でのED治療でも使用されています

CHECK!
【アルギニンはEDを改善する】

​アルギニンは、体内に吸収されたあと、一酸化窒素とよばれる物質に変わります。

一酸化窒素には、体の血管を拡張させる働きがあることから、アルギニンを摂取すると、全身の血流が増加して、ED症状の改善につながります。

参考: J-GLOBAL|ピクノジェノール・アルギニン含有食品の精神神経疾患患者におけるED改善作用
血管性勃起不全患者における長期高用量L-アルギニン補給: 多施設二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験​​

アルギニンには、ほかにも、

  • 生活習慣病の予防
  • 活力を甦らせる
  • 集中力アップ

などの効果が期待できます。

2-3-2.アルギニン|過剰摂取等による副作用

アルギニンは過剰摂取すると、消化器官へ影響が生じ、胃痛や下痢などの症状が起こる可能性があります。

また、アミノ酸の過剰摂取の症状として肝臓や腎臓に負担がかかることがあります。

アルギニンの1日の摂取量目安は、2,000mg〜4,000mg程度です。

くれぐれも摂り過ぎには注意しましょう。

さらに、アルギニンには血管の拡張作用があるため、高血圧や低血圧の薬を服用している人が、アルギニンを摂取して血管を拡張してしまうと逆効果となって健康被害を起こす危険性があります。

血圧の薬を服用している人が、アルギニン配合のサプリを服用する際は、かかりつけの医師に相談してからにしてください。

参考:厚生労働省|日本人の食事摂取基準​​(2020年度版)

男性更年期サプリは、こうしたテストステロンの分泌を促進する成分を、複合処方したサプリを選びましょう!

男性更年期に効くサプリ|6つの注意点

男性更年期サプリを摂取する際は、次のことに注意してください。

  • 過剰に摂取しない
  • 薬を服用している人は飲み合わせに注意
  • 安物は避ける
  • レビューだけにとらわれない
  • 数ヶ月は続けて飲む

サプリを安心して摂取して最大限の効果を得るために、よく読んでしっかり把握しておきましょう。

3-1.過剰に摂取しない

注意点のひとつめは、過剰に摂取しないことです。

男性更年期サプリを過剰に摂取すると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、摂取量が多くなると、成分の相互作用によって副作用が発生する場合もあります。

栄養素の中には、摂り過ぎると健康被害を及ぼす成分があります。

そのため、複数のサプリメントを併用したり、規定量以上を摂取してしまった場合に、体調を崩してしまうことがあります。

たとえば、先述のようにマカを過剰摂取すると頭痛、不眠症状、ホルモンバランスの崩れといった不調をきたす場合があります。

また、アルギニンは過剰摂取すると、消化器官へ影響が生じ、胃痛や下痢などの症状が起こしたり、肝臓や腎臓に負担がかかることがあります。

他にも、よく飲まれているビタミン剤の摂り過ぎで、手足の痺れなどの神経障害や、感覚障害、腎臓結石などの健康被害が報告されています。

食品の素材そのもので摂るよりも成分が濃縮されていることが多いサプリメントは、過剰摂取による健康被害を受けやすいのです。

決められた量を服用しても、複数のサプリメントを併用すれば過剰摂取になることも考えられます。

そのようなリスクを回避するためにも、1-2.複合成分配合を選ぶでお伝えしたように、単一成分のサプリメントを複数摂取するのではなく、複合成分配合の商品を選ぶようにしましょう

男性更年期サプリは、かならず商品の用法用量を守って飲むようにしてください。

参照:ビタミンの過剰症|東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学​​・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細胞生理学分野​​

3-2.薬を服用している人は飲み合わせに注意

病院から処方された薬を飲んでいる人は、サプリを選ぶ前に、かかりつけ医や薬剤師に飲み合わせを確認しましょう。

自己判断で男性更年期サプリを摂取すると、処方された薬の効き目を薄くしてしまったり、最悪の場合、病状を悪化させてしまうリスクがあります。

サプリの中には特定の薬と相性が悪いものがあり、一緒に摂取すると効果は足し算にならず、減弱してしまいます。

効果が弱まるだけならまだしも、薬とサプリの相互作用により、症状が悪化してしまう可能性があります。

たとえば、ビタミンB6と抗てんかん薬のフェニトインを併用すると、薬の効果が弱まってしまいます。

その他、ビタミンC、D、Kや葉酸、ナイアシンなども、飲み合わせによって相性の悪い薬があるとされています。

病院で処方される薬を常用している方が男性更年期サプリを飲むときは、購入前に医師や薬剤師に飲み合わせについて確認するようにしてください。

参照:厚生労働省e-ヘルスネット|食物と薬の相互作用(サプリメント編)​​

3-3.安物は避ける

一般的な価格より安価な男性更年期サプリはおすすめできません。

安価なサプリメントには、それなりの品質の原料しか使われていないか、もしくは主要成分の含有量が少ないことが考えられます。

ほとんどの場合、天然成分より合成成分の方が安価ですが、その分、メインとなるべき有効な成分が少なく、添加物が多くなります。

また、そうした合成原料のほとんどは粗悪な場合が多い海外製ですので、国内のものと比べて安全性が低いです。

良い原料を使用してきちんと管理し、製造するにはそれなりの費用がかかります。

高額なら良いというわけではありませんが、サプリに関して、少なくとも「破格の安さで質の高いものはない」という認識を持っておいた方が良いでしょう。​

3-4.レビューだけにとらわれない

商品のレビューや体験談に流されないよう注意しましょう。

サプリメントの効き方には個人差があります。

信じるなとはいいませんが、個人のレビューや体験談だけを鵜呑みにしてサプリを選ぶと期待外れになることが少なくありません

たとえば、タレントや有名人の感想は、仕事として行っている場合がほとんどです。

実際にそのサプリメントを飲んでいるかどうかも定かではありません。

テレビやインターネットの広告では、よく見ると「個人的な感想です」と表示されていますよね。

あれは、「効果が絶対ではない」、「誰にでも効果があるわけではない」という但し書きです。

実際に摂取した人の感想がきちんと紹介されている場合もありますが、効果を感じた人のものばかりで、効果が得られなかった人の感想は出ていないこともあります。

レビューや体験談をチェックするのは良いですが、参考程度の受け止め方に留め、それだけを指標にすることは避けましょう

​​3-5.数ヶ月は続けて飲む

男性更年期に効くサプリは、短くとも数ヶ月は続けて飲むようにしてください。

サプリメントは栄養補助食品であり、薬ではないので即効性はありません。

満足のいく効果が得られないとすぐやめてしまう人がいますが、それはサプリに効き目がないからではなく、飲用期間が短すぎることが原因であるケースが少なくありません。

特に、加齢による体の変化や、長年の生活習慣から起こる男性更年期症状を緩和するには、必要な栄養を吸収できる体のベースを整えることが必要になります

荒れ果てた土地に種を蒔いても良い芽が出てこないのと同じように、体も、まずは土壌を整えてからでないと、活き活きとしたエネルギーは湧いてこないのです。

そのためには、サプリを地道に継続的に飲むことが必要になります。

選んだ男性更年期に効くサプリは、すぐに効果があらわれなくても、一定期間続けて飲むようにしましょう。

サプリと併用して行うと良い更年期対策

男性更年期に効くサプリについて解説してきましたが、それだけで更年期の悩みが解決するわけではありません。

加齢による体の器官の減退を防ぎ、健康の基礎を作り上げるためには、これまでのライフスタイルを見直し、改善することが必要です。

サプリだけに頼るのではなく、次のような生活習慣の改善を含めた総合的なアプローチをとることが、より効果的な更年期の対策につながります。

  • 運動を日常的に行う
  • テストステロンを増やす食事を摂る
  • ストレスを減らす努力をする

こうした自力での対策には時間と労力が必要になりますが、サプリと併せて行うことで長期的な健康が望めます。

順に解説しますので、できることから始めていきましょう。

4-1.運動を日常的に行う

対策のひとつめは、適切な運動を日常的に行うことです

男性ホルモン「テストステロン」は、筋肉に刺激を与えると分泌が促進されるため、毎日運動をしている男性は更年期の発症リスクが低くなるといわれています

特に大きな筋肉群を使うスクワットやベンチプレス、デッドリフトなどの筋肉トレーニングは、筋肉の収縮によって、テストステロンの分泌を刺激するのに効果的です。

ですので、定期的にジムなどで筋トレを行う方法が有効ですが、それができなくても日々のちょっとした心がけで、筋肉に刺激を与え、筋力の低下、及びテストステロンの低下を防ぐことはできます。

たとえば、次のようなことです。

  • 駅や職場でエレベーターを使わず階段を使う
  • 階段を昇る際、一段飛ばして昇る
  • 一駅分を歩く
  • 朝や休日にウォーキングをする
  • スクワットや腹筋、腕立て伏せを日課にする
  • 寝る前にストレッチをする

更年期の予防改善に、筋力に刺激を与える運動を日常的に行いましょう。

ただし過剰な運動は、体に負担がかかるだけでなく、テストステロンの分泌を妨げて不調を拡大してしまうこともあるため、やり過ぎには注意してください。

適度な運動を毎日継続して行い、十分な休息をとることが、不調改善への近道です。

4-2.テストステロンを増やす食事を摂る

男性更年期対策として、男性ホルモン「テストステロン」を増やす食事を摂ることが有効です

加齢やストレスで減少するテストステロンの低下を抑制することで、体力の減退を防ぎ、疲労感や精神的な落ち込みなど男性更年期にみられる症状の改善が期待できます。

テストステロンは体内で作られるホルモンなので、食べ物から直接摂取することはできませんが、分泌を促進する​​働きを持つ下記の栄養素を摂ることで、生成を促進させることができます。

  • 肉や魚、卵に多く含まれる「タンパク質」
  • 牡蠣やナッツ類に多く含まれる「亜鉛」
  • 魚に多く含まれる「ビタミンD」

それぞれどんな食品に含まれているかを、ご紹介しましょう。

4-2-1.タンパク質

筋肉づくりに欠かせないタンパク質は、体を成長しやすい状況にする成分で、体にタンパク質が足りないと、十分なテストステロンが分泌されません。

これまでの研究で、高タンパク質の食事を摂取することで、テストステロン値が上昇することが報告されています。

また、タンパク質を含む食品を摂取することで、筋肉量を増やすことができます

筋肉量が増加すると、身体の代謝が改善され、脂肪の燃焼効率が高まるため、テストステロンの分泌も促進されます。

タンパク質を多く含む、テストステロンを増やす食べ物を下記にまとめました。

種類 食品
(100gあたりのタンパク質含有量)
肉類
  • 鶏ささみ(23.0g)
  • 牛もも肉(21.2g)
  • 豚ロース(19.3g)
  • 生ハム(24.0g)
  • ローストビーフ(21.7g)
  • 鶏砂肝(18.3g)
魚介類
  • サーモン(20.4g)
  • マグロ(23.2g)
  • 海老(18.0g)
  • イワシ丸干し(32.8g)
  • 焼きたらこ(28.3g)
卵類
  • 卵黄(16.5g)
  • 卵白(11.3g)
  • ゆで卵(12.9g)
  • 生卵(12.3g)

これらの食品をバランス良く食べることで、必要なタンパク質を摂取し、テストステロンの産生を促進することができます。

4-2-2.亜鉛

亜鉛には男性機能の向上や精子の生成などの作用があり、亜鉛を摂取することで、テストステロンの分泌が促進され生成量増加が期待できます。

亜鉛を多く含む食べ物を下記にまとめました。

種類 食品
(100gあたりの亜鉛含有量)
魚介類
  • 牡蠣 (14mg)
  • 帆立貝(2.7mg)
  • たらこ(3.1mg)
  • 煮干し(7.2mg)
ナッツ類
  • アーモンド(4.4mg)
  • カシューナッツ(5.4mg)

これらの食品をバランス良く食べることで、必要な亜鉛を摂取し、テストステロンの産生を促進することができます。

4-2-3.ビタミンD

ビタミンDには、体内のタンパク質を活性化させて肉体の発達や神経の伝達を正常化させる作用があり、ビタミンDの貯蔵量を増やすことで、テストステロンの分泌が促進されることがわかっています。

また、ビタミンDは筋肉の発達にも関与しているため、筋力トレーニングや運動効果の向上作用があります。

そして筋肉量の増加は、テストステロン値の上昇につながります

ビタミンD が主に含まれているのは魚類です。

比較的多く含む食品を、下記にまとめましたのでご覧ください。

食品 重量
(可食部)
ビタミンDの
含有量(㎍)
1切れ(80g) 25.6
サンマ 1尾(100g) 11
ブリ 1切れ(80g) 6.4
まあじ 1尾(80g) 6.3
しらす干し
(半解凍品)
10g 6.1

※㎍は100万分の1グラムを表します
※可食部とは、食品から廃棄部位(頭部、内臓、骨、ひれなど)を除いたものです。
​​

参考:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

こうした魚類を食事に取り入れることで、必要なビタミンDを摂取し、テストステロンの産生を促進することができます。

参考:​​PubMed|男性のテストステロンレベルに対するビタミンD補給の効果​​

いかがでしょうか。

これまで食事にあまり気を遣っていなかったという方は、この3種の栄養素を含む食品をバランス良く取り入れることから始めてください。

ただ、テストステロンの生成を促進する栄養素も、過剰に摂取すると、胃腸や内臓の障害、貧血などの不調を招き、かえってテストステロンを減少させてしまうことが考えられます

食生活の見直しは、栄養素をバランス良く、適切な量で摂取することを念頭において行いましょう。

栄養素の1日の摂取目安量は、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準で確認できます。

4-3.ストレスを減らす努力をする

3つめの対策は、ストレスを減らす努力をすることです

更年期の原因は加齢とストレス、といわれるくらいストレスは更年期の発症に影響を与えます。

端的にいうと、ストレスは、テストステロンの分泌を抑制してしまうのです

ストレスが増えると、体の中で活性酸素や炎症が増加し、それを防ごうとコルチゾール(※)が多く発生して、テストステロンの分泌が抑制されてしまいます。

(※)コルチゾール:別名ストレスホルモン。炎症を抑える必須ホルモンですが、ストレスを抑えようとして分泌が過多になると、脂肪を増やしたり、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を減らしてしまいます。

規則正しい生活を送ると、コルチゾールの分泌が抑制され、テストステロンが増加することが知られています。

CHECK!
【ストレスとテストステロンの研究】

これまで、多くの研究でストレスとテストステロン分泌の関係が調べられています。

その中で、以下のような報告があります。

  • ストレスが原因でテストステロンの分泌が抑制された
  • ストレスを受けた後に、テストステロンのレベルが低下した
  • ストレスを受けた人たちにストレスマネジメントプログラムを行っところ、テストステロンのレベルが増加した
参考: ​​PudMed|コルチゾールに対する社会的支援の性特異的効果と急性心理的ストレスに対する主観的反応​​
​​Gonzalez-Bono et al., 2002
​​Hellhammer et al., 2004

ストレスを減らすには、次のような方法があります。

  • リラックスする時間を確保する
  • 運動をする
  • 趣味に没頭する時間を持つ
  • 楽しいと思える人たちと過ごす

ストレスケアの方法は人によって様々です。

運動や食事以上に、コントロールするのが難しいかもしれませんが、まずは、これらを参考に自分に合った方法を試して、ストレスを減らす努力をしましょう。

ストレスを軽減して、テストステロンの分泌を促進させ、更年期症状の改善をめざしましょう。

まとめ

男性更年期に効くサプリは、男性ホルモン「テストステロン」の生成をサポートする成分を複合処方したサプリです。

サプリを選ぶ際の注意点をおさらいしておきましょう。

  • 過剰に摂取しない
  • 薬を服用している人は飲み合わせに注意
  • 安物は避ける
  • レビューだけにとらわれない
  • 数ヶ月は続けて飲む

また、男性更年期症状の改善には、サプリと併せて次のような対策が有効です。

  • 運動を日常的に行う
  • テストステロンを増やす食事を摂る
  • ストレスを減らす努力をする

あなたやパートナーの更年期のお悩み解消に、この記事を大いに役立てて頂けたらと思います。

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