女性だけでなく、男性にも嬉しい。葉酸の7つの効果と摂取するための2つのポイントを専門家が解説

2023. 06. 12
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「葉酸はどんな効果があるのかな?」
「妊娠中には葉酸が必要と聞くけど、本当に効果あるのかな?」

そうお考えではありませんか?

葉酸には、妊娠中の方はもちろん、男性や年配の方にも嬉しいさまざまな効果があります。

葉酸は、ビタミンB群の水溶性のビタミンで、ビタミンB12とともに赤血球を作ので「造血のビタミン」とも言われています。

また、葉酸には体の中の細胞や組織をつくることを促進する働きがあるため、上の表のような効果があるのです。

その中でも特に、妊娠中の方は絶対に摂取するべき栄養素です。

なぜなら、妊娠初期に十分な量の葉酸を摂っていないと、お腹の中の赤ちゃんに先天性異常が生じるリスクが高まるからです。

先天性異常により、赤ちゃんに機能障害や知的障害があったり、最悪の場合は流産になったりすることもあります。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

この記事を読むと分かること
  • 葉酸に秘められた7つの効果
  • 葉酸が不足するとあらわれる体の不調
  • 妊活中の方、妊娠中の方は絶対に摂るべき理由
  • 葉酸を効果的に摂取するコツ2つ
  • 1日に摂るべき葉酸の摂取量と葉酸が多く含まれる食品
  • 葉酸の摂取量は食事よりサプリメントの方が2倍も高い

この記事を最後まで読むと、葉酸にはどのような効果があるのか理解でき、自分は葉酸を摂取すべきかどうか・どのように葉酸を摂れば良いのかが分かります。

葉酸によって自分の健康を保ちたい方や、赤ちゃんをすくすく育てたい方は、是非お役立てください。

女性だけでなく男性にも嬉しい!葉酸に秘められた7つの効果

まずは、気になる葉酸の効果について見ていきましょう。

葉酸の効果は主に、下記の7つです。

それぞれ解説していきますね。

1-1.赤ちゃんの成長促進

葉酸は、赤ちゃんの成長促進に効果があります。

「葉酸=妊娠中の方がとるもの」というイメージを持っている方も多いと思いますが、これは葉酸が赤ちゃんの発育に非常に重要な栄養素だからです。

葉酸は、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける働きがあります。

妊娠初期の胎児の神経や脳など身体の重要な部分が形成されるときに、葉酸は非常に重要な役割を果たすのです。

反対に、人間が形成される一番重要な時期に葉酸が不足していると、赤ちゃんの発育不全になることが分かっています。

葉酸は赤ちゃんの発育にとって非常に重要な栄養素なので、しっかり摂取する必要があります。

詳しくは3章の「葉酸は妊活中・妊娠初期の方はとくに摂取しよう」をご覧ください。

1-2.美肌効果

葉酸には、美肌効果があります。

なぜなら、葉酸にDNAの合成を促進する働きがあるからです。

DNAが正しく合成されると、古い細胞と新しい細胞の入れ替わりが正常に行われます。

結果として、新陳代謝が良くなり、血行促進に繋がります。

新陳代謝によって、肌のターンオーバーが促され、きれいな肌に生まれ変わるスピードが早くなるのです。

また、血行促進作用から、くすみや肌荒れの改善にも繋がります。

1-3.発毛促進・抜け毛や白髪の予防

発毛促進や抜け毛予防にも、葉酸は期待できます。

1-2.美肌効果」でもお伝えした、葉酸の新陳代謝・血行促進作用が関係しています。

新陳代謝や血行促進により発毛促進効果があったり、血行促進により髪に必要な栄養素が行き届きやすくなったりするためです。

薄毛や抜け毛、白髪に悩まれている方は、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。

1-4.疲労回復

葉酸は、疲労回復にも効果があります。

葉酸は、細胞分裂を促進する働きがあるほか、「造血のビタミン」とよばれ、ビタミンB12とともに血を作る働きがあります。

血の巡りが良くなり、血中の酸素が体内に行き届きやすくなるので、疲労回復も期待できるのです。

疲労回復しやすい身体を作ることはもちろん、更年期の症状による疲労感の回復にも効果的です。

1-5.認知症の予防

葉酸は認知症を予防できる可能性があると言われています。

記憶障害や精神症状をきたすビタミンB12欠乏症と同様に、葉酸欠乏症についても認知機能障害を引き起こすことがあるといわれているため、認知症の予防には葉酸の摂取も必要と考えられているのです。

米国マウントサイナイ医科大学などの研究では「血中葉酸レベルが低い高齢者は、認知症の発症リスクや全死因による死亡リスクが高まる可能性がある」と報告されています。

参考:高齢者の葉酸低下は認知症と死亡リスクの上昇に関連している?|リンクDEダイエット

1-6.うつ病の予防や改善

葉酸は、うつ病の予防や改善にも効果が期待できると言われています。

葉酸には「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌量を増やす働きがあるからです。

セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸を材料として、ナイアシン、鉄、葉酸、ビタミンB6によって合成されます。

ストレスの軽減・気分を落ちつかせるなどの働きがあるため、葉酸がうつ病の予防・改善に効果が期待できると言われています。

また、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』の発表でも、葉酸がうつ病に期待できる可能性があることを示唆しています。

1-7.心筋梗塞・脳卒中・動脈硬化の予防

葉酸は、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化の予防効果が期待できると言われています。

厚生労働省の発行した「食品摂取基準2020年版」の中でも、脳卒中や心筋梗塞の予防に葉酸が期待できることが述べられています。

しかしその一方で、効果がなかったという研究報告も数多くあり、まだ研究段階であるようです。

【セルフチェックシート付き】葉酸が不足すると起こる症状

葉酸は、妊活中・妊娠中の方を中心とした女性だけでなく、男性にも嬉しい効果があることをお分かりいただけたと思います。

たくさんの効果がある葉酸ですが、葉酸が不足してしまうと葉酸欠乏症になり、体にさまざまな不調があらわれます。

【葉酸欠乏症とは】
葉酸の摂取量が不足したり、摂取したあとに十分に吸収されなかったりしたことで、体に必要な葉酸が不足して起こる病気

葉酸欠乏症になると、以下のような症状が見られます。

葉酸欠乏症になると起こる症状
  • 胎児が先天性異常になるリスクが高くなる
  • 貧血
  • めまい
  • 息切れ
  • 味覚の低下
  • 下痢

葉酸は私たちの体にとって重要な栄養素であるため、不足すると体にさまざまな不調があらわれます。

不足しないように、しっかりと摂取しましょう。

不足すると大変な葉酸。もしかすると、あなたも葉酸不足になっているかもしれません。

葉酸が足りているか、下記の不足チェックシートで確認してみましょう。

葉酸不足チェックシート
貧血になりやすい
めまいがある
息切れがある
疲労が取れない
舌炎がある
味覚異常がある
下痢がある
最近うつっぽい

このような症状がある方は、葉酸が不足している危険信号かもしれません。

普段の食生活や生活習慣を見直して、葉酸を十分に摂取するようにしましょう。

葉酸は妊活中・妊娠初期の方はとくに摂取しよう

葉酸にはさまざまな効果がありますが、特に妊活中の方・妊娠初期の方・授乳をしている方は、積極的に葉酸を摂取する必要があります。

ここでは、下記の内容について解説していきます。

  • 妊活中に葉酸を摂り始めるべき理由
  • 妊娠初期に葉酸を摂取すると期待できる効果
  • 妊活中、妊娠中の方はどれくらいの量の葉酸を摂れば良いのか

3-1.妊娠初期に葉酸が不足すると赤ちゃんの先天異常のリスクが高くなる

妊活中の方が葉酸を摂るべき理由として、葉酸不足による胎児への影響があります。

妊娠初期(4週目から12週目)に葉酸が不足すると、赤ちゃんの先天異常のリスクが高くなってしまうのです。

下記の表は、妊娠初期に起こるリスクがある赤ちゃんの先天異常についてです。

妊娠初期に起こるリスクがある
赤ちゃんの先天異常(神経管閉鎖障害)
症状 状態
二分脊椎
(にぶんせきつい)
脳や脊髄の元となる神経管がうまく作られず、管の形にならないことが原因で起こる。

機能障害が起こる(無呼吸・飲食が難しい・歩行困難・排泄障害など)。

無脳症 脳の組織が発達できず脳の一部や全部が欠損した状態。

流産や死産、生後数日で亡くなってしまうことがある。

脳瘤
(のうりゅう)
神経管がしっかり閉鎖されず頭蓋骨の一部に穴が開いてしまい、脳の中にあるはずの脳や髄膜が頭蓋骨の外側に出てしまった状態。

水頭症や発達の遅れ、知的障害などの症状が出る。

妊娠初期に葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんの発育に異常が見られたり、最悪の場合、流産や生後数日で亡くなったりしてしまうのです。

赤ちゃんが無事に生まれてくるために、また健やかに成長するために、葉酸は必要不可欠な栄養素なのです。

3-2.妊娠初期に葉酸を摂取すると赤ちゃんの先天異常のリスクを抑えられる

妊娠初期に葉酸を十分に摂取しておくことで、赤ちゃんの先天異常のリスクを抑えられることが分かっています。

葉酸には、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける働きがあるからです。

妊娠初期(特に4週目~7週目)は胎児の細胞分裂が盛んにおこなわれ、神経管など身体の重要な部分の形成期となっています。

この過程で、胎児が発育するのに重要な葉酸が足りないと、先天異常のリスクが生じてしまうのです。

葉酸のサプリメントを摂取することで、胎児の神経管欠損症や二分脊椎児が起こるリスクが下がることがわかっています。

このことから厚生労働省より2000年に、妊活中・妊娠中の方は積極的に葉酸を摂るべきであると通知されています。

参考:神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について

元気な赤ちゃんが生まれてきてくれるために、妊娠中の方は積極的に葉酸を摂りましょう。

3-3.葉酸を摂り始めるタイミングは妊活中から

葉酸が赤ちゃんの発育に重要なことはお分かりいただけたかと思います。

そのために葉酸を一番摂取すべきタイミングは、妊活中~妊娠3ヶ月までです。

なぜなら胎児の脳や神経管など重要な部分は、妊娠1週目~7週目の間に作られるからです。

厚生労働省からも、妊娠した時点で葉酸を摂るべきという報告がでています。

妊娠が発覚するのは、妊娠5週目以降になることが多いため、妊活中から積極的に葉酸を摂取するべきなのです。

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、普段の食事から240μg、さらにサプリメントにて1日に400μg摂取することを推奨されています。


※単位:㎍=マイクログラム

1日に摂るべき葉酸の摂取基準量と実際の摂取量

まずは1日に摂るべき葉酸の量を確認してみましょう。

男性・女性ともに、12歳以上の1日の葉酸の摂取基準量は240μgとなっています。

こちらは、厚生労働省が推奨する「1日に摂取すべき葉酸の量」と「実際に摂取している葉酸の量」を比較した表です。

【男性】葉酸の食事摂取量基準と摂取量の中央値(μg/日)
年齢 推奨量 摂取量
(中央値)
推奨量との差
0~5ヶ月
6~11ヶ月
1~2歳 90 152 +62μg
3~5歳 110 152 +42μg
6歳 140 152 +12μg
7歳 140 228 +88μg
8~9歳 160 228 +68μg
10~11歳 190 228 +38μg
12~14歳 240 228 -12μg
15~17歳 240 243 +3μg
18~29歳 240 214 -26μg
30~39歳 240 236 -4㎍
40~49歳 240 253 +13μg
50~59歳 240 265 +25μg
60~69歳 240 307 +67μg
70~79歳 240 332 +92μg
【女性】葉酸の食事摂取量基準と摂取量の中央値(μg/日)
年齢 推奨量 摂取量
(中央値)
推奨量との差
0~5ヶ月
6~11ヶ月
1~2歳 90 133 +43μg
3~5歳 110 133 +23μg
6~7歳 140 133 -7μg
8~9歳 160 216 +56μg
10~11歳 190 216 +26μg
12~14歳 240 216 -24μg
15~17歳 240 235 -5μg
18~29歳 240 209 -31μg
30~49歳 240 215(30~39歳)
230(40~49歳)
-25μg
50~59歳 240 255 +15μg
60~69歳 240 307 +67μg
70~79歳 240 319 +79μg
妊娠中の付加量 +240

※妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、付加的に400㎍/日の葉酸サプリメントの摂取が推奨されています。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」

実際の葉酸摂取量と、摂取基準量を比較してみると、下記のことが分かります。

  • 男性は12~14歳、20代で葉酸摂取量が不足している
  • 女性は12~14歳、20~30代の方は葉酸摂取量が不足している

特に20~30代の女性は妊娠・出産の多い時期ですので、胎児の成長に重要な葉酸を必要量摂るように気をつけましょう。

葉酸が多く含まれる食品一覧

葉酸はどのような食品にどれくらい入っているのか確認してみましょう。

葉酸を多く含む食品は、下記の表をご覧ください。

具体的な食材 葉酸の量(μg)
藻類
(のり等)
あまのり 焼のり 38μg(1枚2gあたり)
乾燥わかめ 10μg(1人分2g)
あおのり 24μg(小さじ1・2g)
お茶類 玉露(浸出液) 150μg(1杯100ml)
肉類
(特にレバー)
鶏 肝臓 1,300μg(100gあたり)
牛 肝臓 1,000μg(100gあたり)
豚 肝臓 810μg(100g)
野菜類 枝豆(生) 320μg(10さや)
パセリ 220μg(1枝・15g)
ブロッコリー 220μg(1株・250g)
ホウレンソウ 210μg(10g)
鶏卵 卵黄 150μg(1個16gあたり)
豆類 納豆 120μg(1個あたり)
きな粉 220μg(大さじ1)

参考:食品成分データベース

葉酸は、のりなどの藻類を中心に、野菜や肉、卵など日常の食事で比較的摂取しやすいです。

ただ、厚生労働省によると、葉酸の食事による摂取は吸収率が悪く、実際には上表の葉酸の量の25%~81%ほどしか摂取できていないと報告されています。

葉酸が含まれる食品を上手に使って、1日の摂取量を摂取できるようにしましょう。

【1日に必要な葉酸を摂取できる食事メニュー】
ご飯+目玉焼き+納豆+のり+わかめと海藻のお味噌汁 80μg
カレー+ナン 12.5μg
ご飯+焼肉200g+サラダ+ほうれん草のスープ 185μg
合計 277μg

※25%の摂取率にて計算

葉酸を効果的に摂取するためのコツ2つ

ここでは、葉酸を摂取する方法について以下の観点で解説していきます。

  • 葉酸の食品を調理するときのポイント
  • 一緒に摂取すべき栄養素

それぞれ解説していきますね。

6-1.葉酸の食品を調理するとき4つのポイント

葉酸を調理する場合、調理方法に気をつけましょう。

葉酸は水溶性ビタミンなので、水に溶けやすいなど調理方法によって栄養価を奪われやすいからです。

葉酸の食品を調理するポイントは、下記です。

葉酸の食品を調理するポイント
水に長時間さらさない 葉酸は水溶性ビタミンであるため、水に溶けやすい性質を持っています。

水で洗ったり、お湯で茹でたりすると、すぐに栄養素が水に溶けて流れてしまいます。

▶さっと洗う・茹でるのは要注意

保存するときは新聞紙に包む 葉酸は光に当たると栄養素が分解されてしまいます。

▶保存する時は新聞紙などに包み、光になるだけ当てない

熱に対しては安定している 熱に弱いと言われている葉酸ですが、熱による損失率は低いという研究もあります。
収穫したらなるべく早く食べる 収穫されてから時間が経つと、栄養価がどんどんなくなってしまうので、なるべく早く使い切りましょう。

ベストな食べ方は、生のまま食べることですが、生のまま食べられないものは、蒸す・炒める・スープなどにして食べるのがいいでしょう。

茹ででしまうと、栄養素がゆで汁と一緒に無くなってしまいますが、スープだとゆで汁も一緒に飲めるので、栄養素を逃がさず摂取できます。

摂取するときは、できるだけ栄養素を逃がさないように、調理方法や保存方法に気をつけましょう。

6-2.【ビタミンや亜鉛】葉酸と一緒に摂取すべき栄養素

葉酸は、ビタミンや亜鉛など他の栄養素と一緒に摂取するのがおすすめです。

亜鉛やビタミンなどの栄養素は、葉酸の働きをサポートしてくれるため、より効率的に葉酸を摂取することができるのです。

葉酸の働きをサポートしてくれる栄養素は以下の5つです。

亜鉛
  • タンパク質の合成や糖の代謝、免疫機能に深く関わっているミネラル
  • 食べ物に含まれる葉酸を体内に取り込む際に必要な酵素の働きを、亜鉛が助けてくれる
ビタミンC
  • 美容のためのビタミンとして知られる
  • 体内で活性化された葉酸を維持するために欠かせない栄養素
ビタミンB6
  • タンパク質の代謝に関わっており、不足すると皮膚炎や口内炎などを起こす
  • 体内で活性化した葉酸の代謝にも関わる
ビタミンB2
  • 糖質、脂質、タンパク質を代謝してエネルギーにする
  • 葉酸の代謝にも必要なビタミン
ビタミンB12
  • 葉酸と協力して赤血球を作る「造血」のビタミン
  • 葉酸の再生成に関わる酵素の働きを助ける

葉酸を効率的に摂取できるように、これらの栄養素も一緒に意識して摂りましょう。

葉酸の摂取率は食事よりサプリメントの方が2倍も高い!

葉酸を含む食品や摂取の仕方などについて解説してきましたが、食事で葉酸を摂りながら、足りない部分はサプリメントで補うことをおすすめします。

なぜなら、サプリメントで摂取できる葉酸は、食事でとる葉酸より吸収率が2倍高いからです。

実は、食事で摂取できる葉酸と、サプリメントで摂取できる葉酸の種類は異なります。

食事で摂取できる葉酸 ポリグルタミン酸型
サプリメントで摂取できる葉酸 モノグルタミン酸型

このように葉酸の吸収率は、通常の食品よりもサプリメントの摂取の方が2倍高いことから、厚生労働省でも、葉酸の摂取をサプリメントで補うことを推奨しています。

またサプリメントだと、葉酸と一緒に摂取した方がいい他のビタミンやミネラル(亜鉛・ビタミンC・ビタミンB6・ビタミンB2・ビタミンB12)などを一緒に摂取することもできます。

サプリメントを上手に利用しながら、適正な量の葉酸を摂取しましょう。

【葉酸サプリの摂取タイミングは食事から2時間後・1日2~3回に分けて摂るのがおすすめ】

葉酸のサプリメントを摂るタイミングとしては、食事のあと2時間ほど空けてからの摂取がおすすめです。

食事に含まれる栄養素が、葉酸の吸収を阻害してしまう恐れがあるからです。食事による胃の吸収が落ち着いた、食後2時間後くらいに摂取しましょう。

▶サプリを摂るタイミングについて詳しくはこちら:種類別にサプリメントを飲むべきタイミングを専門家が詳しく解説

参考:日本人の食事摂取基準2020年(P233)

過剰摂取は厳禁!葉酸は1日の摂取基準量を必ず守ろう

さまざまな効果がある葉酸ですが、摂りすぎには注意しましょう。

食事から摂る葉酸については摂りすぎになる心配はありませんが、サプリメントから摂取する場合、葉酸を摂りすぎると健康にさまざまな悪影響があるのです。

食事で摂取する葉酸と比べ、サプリメントで摂取する葉酸は吸収率が高い傾向にあります。過剰摂取によって、以下のようなリスクを引き起こしてしまいます。

サプリメントによる葉酸の過剰摂取により起こりうるリスク
ビタミンB12欠乏による神経障害の発見が遅れる ビタミンB12欠乏症(手足のしびれ・味覚障害・動悸・めまい・歩行困難・記憶障害・衰弱)などの発見が遅れてしまう
葉酸過敏症 じんましんや発熱、かゆみ、呼吸障害
亜鉛の吸収阻害 亜鉛の吸収を阻害し、脱毛や味覚異常・貧血・食欲不振・下痢などの症状が現れやすくなる

サプリメントによる摂取の耐容上限量は、下の表のとおりです。必ず守りましょう。

サプリメントによる葉酸の耐容上限量(㎍/日)
年齢 男性 女性
0~5ヶ月
6~11ヶ月
1~2歳 200 200
3~5歳 300 300
6~7歳 400 400
8~9歳 500 500
10~11歳 700 700
12~14歳 900 900
15~17歳 900 900
18~29歳 900 900
30~49歳 1,000 1,000
50~64歳 1,000 1,000
65~74歳 900 900
75歳 900 900

参考:日本人の食事摂取基準2020年版

このように、サプリメントによる葉酸の過剰摂取は、さまざまなリスクがあるため、上限量を守って摂取しましょう。

目安量を守って摂取すれば、食事での摂取より手軽なサプリメントはおすすめです。

前述したように、食事で摂取する葉酸は、サプリメントで摂取する合成葉酸と異なるため、通常の食事で葉酸を過剰に摂取することは考えにくいとされています。

また、これまで食事による葉酸の摂りすぎで健康障害が発現したという報告もないため、厚生労働省の発表する食事摂取基準でも、食事で摂取する葉酸の量には耐容上限は設けられていません

食事からの葉酸の過剰摂取を心配する必要はありません。

まとめ

いかがでしたか?

葉酸の効果について分かり、どのように摂取すればよいか理解できたと思います。

この記事を最後にまとめますと、

葉酸の嬉しい効果7つ
葉酸は胎児の成長に大きく関わるので、妊活中・妊娠中の方は積極的に摂るべき
1日に摂取すべき葉酸の量は
  • 12歳以上のすべての方は1日240μg
  • 妊娠中の方はプラス400㎍をサプリメントで補う
葉酸は、のりなど海藻類を中心に、肉や野菜などさまざまな食品に含まれており摂取しやすい
  • 食事による葉酸の摂取に上限量は定められていない
  • 葉酸は、亜鉛やビタミンなどと一緒に摂取することで、より効果的に働く
葉酸は食事よりサプリメントの方が吸収率が2倍で高い
  • サプリメントを上手に利用して必要量を摂取する
葉酸をサプリメントで摂取する場合は、1日1000μgまでにする

この記事を元に、葉酸を必要量正しく摂取でき、あなたの生活がより良くなることを願っています。

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