ビタミンCの代表的な6つの効果について、研究結果から専門家が詳しく解説

2023. 05. 17
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「ビタミンCって、結局何に効果があるの?」
「美容や健康に良いイメージがあるけど、具体的な効果はよくわからない」

このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、ビタミンCの主な効果は、次の3つです。

  • 肌を美しく保つ
  • 身体を元気にする
  • 心を元気にする

以下の表は、ビタミンCの主な効果と、予防・改善が期待できるものをまとめた一覧です。

ビタミンCの主な効果一覧表
1.肌を美しく保つ
抗酸化作用・メラニン生成の阻害によって肌にハリと透明感を与える
  • シミ(肝斑・色素沈着)の予防改善
  • 毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする
  • たるみ・しわの予防・改善
  • くすみの改善
  • ニキビ などの予防・改善
2.身体を元気にする
免疫力をアップさせ身体の不調や病気を予防・改善する
  • 筋肉の機能維持
  • 歯周病の予防・改善
  • 女性の認知症のリスク低下
  • 風邪予防
  • 疲労回復
  • ダイエット効果
  • 貧血の予防・改善
  • 二日酔いの予防・改善
  • 口内炎予防・改善
3.心を元気にする
ホルモン分泌・自律神経調整作用などにより精神を安定・前向きにさせる
  • ストレス緩和
  • 脳の疲労回復
  • うつ症状の軽快
  • 集中力・やる気のアップ

このように「肌・身体・心」のさまざまな悩みを解消するビタミンCですが、なかでも特に効果が期待でき、他の栄養素で代用できないとされているものは次の6つです。

ビタミンCの効果が特に期待できるもの
肌の悩み シミ(肝斑・色素沈着)の予防・改善
毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする
身体の悩み 筋肉の機能維持
歯周病の予防・改善
女性の認知症のリスク低下
心の悩み ストレス緩和

あなたが上記の6つの悩みのいずれかを持っている場合は、食事やサプリメントなどでビタミンCを積極的に摂取することをおすすめします。

本記事では、ビタミンCの代表的な6つの効果について、詳しく解説します。

日常でビタミンCをどのように摂ればいいのか、効果的な摂取方法についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • ビタミンCの効果①肌を美しく保つ
  • ビタミンCの効果②身体を元気にする
  • ビタミンCの効果③心を元気にする(ストレス緩和)
  • ビタミンCの積極的な摂取がおすすめな人
  • ビタミンCを効果的に摂取する方法

ビタミンCの効果①肌を美しく保つ

ビタミンCは、心身の健康以外にも、肌を美しく保つという効果が期待できます。

具体的な作用は、次の2つです。

  • シミ(肝斑・色素沈着)の予防・改善
  • 毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする

それぞれ詳しくお話ししていきます。

1-1.シミ(肝斑・色素沈着)の予防・改善

シミ・肝斑・色素沈着といったお肌の悩みを予防・改善するのは、ビタミンCの代表的な美容効果です。

ビタミンC摂取によるシミの予防・改善
ビタミンCがシミを予防・改善するしくみ
  • メラニン色素還元作用で、黒くなったメラニン色素(シミ)の色を薄くする
  • メラニン生成抑制作用で、新たなシミができるのを防ぐ
効果的なビタミンCの摂取方法
  • 紫外線を浴びる前後にビタミンC(もしくはビタミンC誘導体)配合の化粧品を肌に塗布する
  • 食事・サプリメントなどから経口摂取する

シミの原因は、紫外線や炎症などによる肌へのダメージです。

ダメージを受けた肌では「メラニン色素」が過剰に作られ、それが肌の表面へ出てシミとなります。

このサイクルを予防・改善するのがビタミンCです。

ビタミンCのメラニン色素の色を薄くする「還元作用」によってすでにできたシミを改善し、過剰なメラニン色素の生成を防ぐ「抑制作用」によって新たにできるシミを予防します。

また、ビタミンCと紫外線に関する研究論文では「紫外線を浴びる前後に肌にビタミンCを塗ることで紫外線ダメージを軽減できる」という内容が発表されています。

このことから、食事やサプリメントからの経口摂取と共に、肌にビタミンC配合の化粧品(美容液など)を塗るのも、シミの予防・改善方法として有効であると言えます。

【「ビタミンC配合の化粧品を朝使うとシミになる」は誤り!】

「ビタミンC配合の化粧品を塗った状態で紫外線を浴びると、かえってシミになる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、紫外線の吸収を促進するのは柑橘類に含まれる「ソラレン」という物質で、ビタミンCを朝に塗ってもシミの原因にはなりません

多くのビタミンC配合化粧品にソラレンは含まれておらず、化粧品メーカーも、朝晩の使用を推奨しています。

参照:紫外線の皮膚障害に対するビタミン C の前塗布,後塗布による保護効果

1-2.毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする

ビタミンCは、毛穴の黒ずみや開きを目立たなくするのにも有効な栄養素です。

ビタミンC摂取によって毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする
ビタミンCが毛穴の黒ずみ・開きを目立たなくするしくみ
  • 抗酸化作用によって、皮脂の酸化による毛穴の黒ずみを防ぐ
  • コラーゲンの合成促進作用によって、開いた毛穴にハリと弾力を与える
効果的なビタミンCの摂取方法
  • 食事サプリメントなどから経口摂取する
  • ビタミンC(もしくはビタミンC誘導体)配合の化粧品を肌に塗布する
同時に摂ると良い栄養素
  • ビタミンE
    ※同時に摂ることでより高い抗酸化作用が期待できる
  • アミノ酸
    ※コラーゲンを生成する

毛穴のトラブルにはさまざまなものがありますが、主な原因は次の通りです。

  • 毛穴の黒ずみ
    →毛穴に詰まった皮脂や汚れが酸化して黒くなる
  • 毛穴の開き
    →皮脂や汚れの詰まり・摩擦などの刺激によって毛穴が押し広げられる
  • 毛穴のたるみ
    →開いた毛穴が加齢などにより下に下がる

ビタミンCには、これらの3つの原因を解消する作用があります。

  • 抗酸化作用
    →皮脂の酸化を防ぎ、毛穴の黒ずみを目立たなくする
  • コラーゲンの合成促進作用
    →肌にハリと弾力が生まれ、毛穴の開き・たるみが目立たなくなる

ビタミンCを身体の内側(食事・サプリメント)と外側(化粧品)で摂取することで、黒ずみ・開き・たるみといった毛穴のトラブルを複合的にケアできます。

【「毛穴のつまり」には、ビタミンB群がおすすめ】

ビタミンCは毛穴の黒ずみや開き・たるみに効果的ですが、黒ずみのない「毛穴のつまり」には、皮脂の過剰な分泌を抑えコントロールするビタミンB群の摂取がおすすめです。

同じ毛穴のお悩みでも、タイプによって必要な栄養素が異なるので、注意が必要です。

ビタミンCの効果②身体を元気にする

ビタミンCの効果のひとつである「身体を元気にする」として、特に期待できるものは、次の3つです。

  • 筋肉の機能維持
  • 歯周病の予防・改善
  • 女性の認知症のリスク低下

それぞれひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

2-1.筋肉の機能維持

筋肉の機能維持も、ビタミンCの代表的な効果です。

ビタミンC摂取による筋肉の機能維持
ビタミンCが筋肉の機能を維持するしくみ
  • 筋肉内のビタミンCが欠乏すると筋肉の萎縮が起こり、運動機能が低下する
  • ビタミンCを摂取すると筋肉の機能が維持・回復できる
効果的なビタミンCの摂取方法
  • 食事・サプリメントなどから経口摂取する
同時に摂ると良い栄養素
  • タンパク質
    ※ビタミンCに筋肉を作る機能はないため、筋肉量を増やすにはその元となるタンパク質が必要

動物の筋肉の中にはビタミンCが存在しており、ビタミンCが不足すると筋繊維が細くなる・筋肉の重量が減少するといった「筋肉の萎縮」が起こるという性質があります。

人間はビタミンCを自らの体内で生成できないため、外側から摂取することで、筋肉の機能を維持できます。

「なぜビタミンCが筋肉の機能を維持するのか」という理由までは解明されていないものの、東京都健康長寿医療センター研究所が行った実験・調査では、次のような結果が出ています。

  • 東京在住の70~84歳の女性を対象に、血中のビタミンC濃度と身体能力の関係性を調査

→血中のビタミンC濃度が高い人ほど、握力や歩行速度といった身体能力が高いという結果が出る

  • 体内でビタミンCを作れないマウスを用いて、筋肉内のビタミンCの減少が筋肉の機能にどう影響するかを実験

→ビタミンC不足の期間が長くなるほど筋繊維が細くなり、再びビタミンCを投与すると回復することが判明

筋肉を大きくしたい・筋力をアップさせたい場合にはタンパク質の摂取や筋力トレーニングが必要ですが、すでにある筋肉・筋力を維持するためには、ビタミンCの摂取が欠かせません。

2-2.歯周病の予防・改善

ビタミンCの体への効果として代表的なのが、歯周病の予防・改善です。

ビタミンC摂取による歯周病の予防・改善
ビタミンCが歯周病を予防・改善するしくみ
  • コラーゲンの合成を促進して、破壊された歯ぐきのコラーゲン繊維を修復する
  • 抗酸化作用で歯ぐきをダメージから守る
効果的なビタミンCの摂取方法
  • 食事・サプリメントなどから経口摂取する
  • ビタミンC誘導体を含んだ歯磨き粉を使用する
同時に摂ると良い栄養素
  • ビタミンE
    ※同時に摂ることでより高い歯周病の予防効果が期待できる

歯周病とは歯に付着した細菌によって歯ぐきに炎症が起こる病気のことで、進行すると歯と歯ぐきの境目である「歯周ポケット」が広がり、歯を支える骨まで溶け出してしまう恐れがあります。

歯周病の主な原因は、大きく分けて以下の2つです。

  • 歯磨きが不十分で歯周ポケットに汚れが溜まり、歯ぐきのコラーゲン繊維が破壊される
  • 栄養不足により歯ぐきの修復力が低下し、活性酸素によって細胞を傷つけられる

この2つの原因に、同時にアプローチできるのがビタミンCです。

コラーゲンの合成促進作用 抗酸化作用
歯周病は歯ぐきのコラーゲン繊維が破壊されている状態

→コラーゲンの合成促進作用があるビタミンCを摂取することで、壊れたコラーゲン繊維を修復できる

呼吸から取り込んだ酸素の一部が活性酸素となり、歯ぐきの細胞が傷つけられる

→抗酸化作用のあるビタミンCを摂取することで、活性酸素によるダメージを受けない健康な歯ぐき

ビタミンCの持つ「コラーゲンの合成促進作用」と「抗酸化作用」が、ダメージを受けた歯ぐきを修復し、健康な歯ぐきを保ちます。

実際に、ビタミンCと歯の健康に関する論文では、次のような内容が報告されています。

  • 歯周病患者は健康な成人と比べて、歯肉組織の血中ビタミンC濃度が低い
  • 普段の食事にビタミンCをたくさん摂取している(1日あたり151~241mg)人と少量しか摂取していない(1日あたり49~127mg)人の歯周ポケットの深さを比較すると、3mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合が、前者は後者の半分

参照:抗酸化ビタミンと健康―歯の健康と心の健康を中心にして―

これらのことから、ビタミンCは歯周病の予防・改善に役立つ栄養素だと言えます。

2-3.女性の認知症のリスク低下

女性の認知症のリスク低下も、ビタミンCの効果として近年注目されています。

ビタミンC摂取による認知症の予防
ビタミンCが認知症のリスクを低下させるしくみ
メカニズムについては解明されていない

高齢者を対象にした実験で、一部の女性において「血中のビタミンC濃度が高いと認知症リスクが0.1倍に減少する」という結果が出ている

効果的なビタミンCの摂取方法
野菜などの食事から摂取する

認知症の原因となるアルツハイマー病は、遺伝的要因で発症するケースが多く、「アポリポタンパクE4(アポE4)」というタンパク質の遺伝子を持っている人ほど発症リスクが高い傾向にあります。

金沢大学の研究では、「アポE4遺伝子を保有している女性において、食事由来のビタミンCの摂取が認知症のリスクを下げる」ということがわかっています。

アルツハイマー病を発症しやすい遺伝子「アポE4遺伝子」を持つ女性の場合

血中のビタミンC濃度が低い→将来認知症のリスクも高まる
血中のビタミンC濃度が高い→将来認知症のリスクが低下する(リスクは①の約0.1倍

参照:抗酸化ビタミン(C・E)と認知症・アルツハイマー病

「アポE4遺伝子」を保有していない人の場合、ビタミンCをたくさん摂取しても認知症リスクの低下には繋がらない可能性があるため、ビタミンCによる認知症対策は遺伝子検査をしてから行うのがおすすめです。

ビタミンCの効果③心を元気にする(ストレス緩和)

「ストレス緩和」は、ビタミンCが心の健康にもたらす代表的な作用です。

ビタミンC摂取によるストレス緩和
ビタミンCがストレスを緩和するしくみ
精神的ストレスによって発生した活性酸素※を、ビタミンCの抗酸化作用が中和し、ストレスが溜まりにくくなる

活性酸素:呼吸から取り込んだ酸素の一部が活性化したもの。
過剰発生すると体内の細胞が傷つけられる

効果的なビタミンCの摂取方法
食事・サプリメントなどから経口摂取する
同時に摂ると良い栄養素
ビタミンA
※同時に摂ることでより高い抗酸化作用が期待でき、ストレスが溜まりにくい心身が作れる

人は精神的なストレスを感じると、呼吸から取り込んだ酸素が活性化して「活性酸素」が発生しやすくなります。

活性酸素が体内に増えすぎると、体のあらゆる細胞を傷つけ、気分の落ち込みや疲労・集中力の低下といったさまざまな不調を来たします。

このような心身の悪循環を改善してくれるのが、ビタミンCです。

ビタミンCの持つ抗酸化作用により、体内の活性酸素を減らし、ストレスが溜まりにくい体を作ります。

また、中村学園大学が同校の学生を対象に行った実験では「ビタミンCの摂取量が少ない人ほど不安や緊張を感じやすい」という結果が出ており、ビタミンCはストレスの中でも特に「不安や緊張によるストレス」に有効であると考えられます。

【ストレスの種類と栄養素の摂取量の関連性調査】

緊張・不安によるストレス
ビタミンC・ビタミンA不足と関連性が高い

抑うつ・落ち込み・混乱によるストレス
飽和脂肪酸の過剰摂取と関連性が高い

参照:女子大学生におけるストレスと食事摂取状況および身体組成との関連―2つのストレス評価法を用いた検討―

「あがり症」や「不安を感じやすい性格」といった原因で精神的ストレスを抱えている方は、ビタミンCの積極的な摂取が必要だと言えるでしょう。

ビタミンCの積極的な摂取がおすすめな人

ビタミンCの積極的な摂取をおすすめしたいのは、次のような方です。

  • 筋トレを始めたばかりの人
  • 肌や体に年齢を感じることが増えた人
  • 仕事などでプレッシャーを感じるシーンが多い人

ビタミンCには幅広い効果がある一方で、他の栄養素でも代替できる効果も多いため、

「効果がたくさんあって、結局自分にビタミンCが必要なのかわからない」
「ビタミンCよりも他の栄養素を優先的に摂った方がいいのでは?」

と感じる方もいるかもしれません。

迷った場合は、これから解説する3つのいずれかに自分が当てはまっているかどうかで、ビタミンCの摂取をすべきか判断してみてはいかがでしょうか。

4-1.筋トレを始めたばかりの人

筋トレを始めたばかりの人は、ビタミンCを積極的に摂ることをおすすめします。

「筋トレと言えばタンパク質」というイメージがあるかもしれませんが、筋肉の機能を維持する効果があるビタミンCは、筋トレをする人にとってタンパク質と同じくらい欠かせない栄養素です。

【筋トレ中に欠かせない栄養素】

タンパク質
→筋肉の元を作り、大きく育てる

ビタミンC
→筋トレとタンパク質によって育てた筋肉を維持する

体内のビタミンCが不足すると筋肉が萎縮して繊維が細くなり、せっかくトレーニングをしても筋力がアップしにくくなります。

筋トレの効果を無駄にせず効率よく鍛えるために、「タンパク質とトレーニングで育てた筋肉を、ビタミンCでキープする」といったイメージでビタミンCを摂取しましょう。

こんな人におすすめ
  • 運動不足による筋力低下が心配で筋トレを始めた人
  • 筋トレで代謝をアップさせて、健康的にダイエットしたい人
  • 取り組んでいるスポーツの上達に筋力アップが必要な人

4-2.肌や体に年齢を感じることが増えた人

ビタミンCは、肌や体に年齢を感じることが増えた人にも効果的です。

ビタミンCの持つ「抗酸化作用」「コラーゲンの合成促進作用」は、年齢による肌や身体のさまざまな悩みを解消してくれます。

年齢による肌・身体の悩みを解消してくれるビタミンCの2つの作用
①抗酸化作用
身体・肌の老化の原因となる「酸化」を防ぐ
  • 肌のくすみやシミ・毛穴の黒ずみを目立たなくする
  • 健康な歯ぐきを作り歯周病を予防する
  • 疲れにくい体を作る
②コラーゲンの合成促進作用
年齢とともに減少しやすくなるコラーゲンの生成を助ける
  • 毛穴の開き・たるみを予防する
  • 肌にハリを与えてシワ・たるみを改善する

肌や身体の老化が進む原因の多くは、「身体の酸化」や「コラーゲン不足」である可能性が高いです。

日頃の食生活を見直してバランスよくエイジングケアしたいのであれば、ビタミンCを優先的に摂取することをおすすめします。

こんな人におすすめ
  • 最近、肌のハリや明るさが失われてきたと感じている人
  • 年齢とともに疲れやすくなり、スポーツやレジャーに打ち込めなくなってきた人
  • なんでも「歳のせい」にせず、日常生活から無理なくケアしたい人

4-3.仕事などでプレッシャーを感じるシーンが多い人

仕事などでプレッシャーを感じるシーンが多い人も、積極的にビタミンCを摂取しましょう。

ビタミンCの持つ「抗酸化作用」には、精神的ストレスを感じた際に体内に増える活性酸素の量を減らし、ストレスが溜まりにくくなるという特長があります。

さまざまなストレスの中でも、特に「不安や緊張によるストレス」を感じる人ほどビタミンCが不足しているという実験結果が出ており、生活の中でプレッシャーを感じるシーンが多い人ほど積極的に摂取してほしい栄養素です。

こんな人におすすめ
  • 会議やプレゼンなどで強いプレッシャーを感じるシーンが定期的にある人
  • あがり症・心配症を改善したい人
  • 人との約束や締め切りを常に意識してしまう真面目な人

ビタミンCを効果的に摂取する方法

ここからは、ビタミンCを積極的に摂取すると決めた方に向けて、効果的な摂取方法についてお話しします。

  • 「食べ物から摂取・不足分をサプリメントと化粧品で補う」が基本
  • 摂取量の目安は「1日あたり100~1000mg」推奨摂取量は1日100㎎とされている
  • ビタミンCの理想的な摂取例

順番にひとつずつ、見ていきましょう。

5-1.「食べ物から摂取・不足分をサプリメントと化粧品で補う」が基本

ビタミンCの摂取方法は、「食べ物から摂取・不足分をサプリメントと化粧品で補う」が基本です。

ビタミンCの効果は日常的に摂取することでゆるやかに発揮されていくものなので、なるべく生活に根付いた方法を選択して習慣化させる必要があります。

ビタミンCを摂取する一般的な方法には、次のようなものがあります。

  • 野菜や果物などの食事から摂取する
  • サプリメントを飲む
  • 化粧品を塗布する
  • 内服薬を飲む
  • 注射・点滴で静脈摂取する

通院が必要な薬や点滴では、一時的な効果を感じられても、人によっては日常的に継続するのが困難です。

以上のことから、ビタミンCの摂取を無理なく習慣化させるためには、食品やサプリからの経口摂取が基本とされています。

【肌のお悩みには「塗るビタミンC」をプラス】

シミや毛穴の黒ずみといった肌のお悩みには、日常的な経口摂取に加えて、ビタミンCの含まれる化粧品を「肌に直接塗る」という摂取方法も効果的です。

ビタミンCを肌に塗ることで、次のようなメリットがあります。

  • あらゆる肌トラブルの原因となる紫外線のダメージから保護できる
  • 経口摂取では肌に行き届かなかったビタミンCをダイレクトに補給できる

ビタミンCを身体の内側と外側の両方から摂取することで、より効果を感じやすくなります。

ビタミンCを効果的に摂取するためには、どのような食べ物・サプリメント・化粧品を選べばいいのか、以下で詳しく解説します。

5-1-1.食べ物

ビタミンCを多く含む身近な食べ物には、次のようなものがあります。

ビタミンCを多く含む身近な食べ物
食品名 100gあたりに
含まれる
ビタミンCの量
(mg)
備考
アセロラ 800~1700 品種によって
ビタミンCの含有量が異なる
赤パプリカ 170 加熱しても
ビタミンCが豊富に残る
黄パプリカ 150 加熱しても
ビタミンCが豊富に残る
ブロッコリー 150 加熱しても
ビタミンCが豊富に残る
キウイフルーツ 140
レモン 100

参考:食品成分データベース

これらの食材を、無理のない範囲で日々の食事に取り入れてみましょう。

他の食品の10倍近くビタミンCが含まれるアセロラは、手に入りにくいイメージがあるかもしれませんが、冷凍されたものがスーパーやネットショップで販売されています。

ビタミンCは水溶性の栄養素なので、

  • 水で洗いすぎない
  • できるだけ生で食べる(ブロッコリー・パプリカ・イモ類は加熱してもOK)
  • ジュース等の加工品ではなく食品そのものを食べる

といったポイントに注意すると、より効率よくビタミンCを摂取できます。

5-1-2.サプリメント

サプリメントは、ビタミンC単体のサプリメントよりも、その他の栄養素も一緒に摂取できる複合タイプを選ぶのがおすすめです。

ビタミンCを効率よく摂取するためには単体のサプリメントを選んだ方が良いように思えるかもしれませんが、これまで紹介してきたビタミンCの効果は、他の栄養素も一緒に摂ることでより高い効果が期待できます

効果別・ビタミンCと一緒に摂った方がいい栄養素
筋肉の機能維持 タンパク質
歯周病の予防・改善 ビタミンE
ストレス緩和 ビタミンA
毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする ビタミンE
アミノ酸

心身の調子を整えるためには、さまざまな栄養素をバランス良く摂り、体調を根本的から改善していくことが重要です。

年齢による身体・心・肌のお悩みが増えてきた方の場合は、ビタミンCをはじめとするさまざまな栄養素を豊富に含む「アンチエイジングサプリ」を選ぶなど、解消したい悩みや目的から選ぶようにしましょう。

アンチエイジングサプリについて詳しく知りたい場合は、飲み方や注意点などをまとめたこちらの記事をご覧ください。

5-1-3.化粧品

化粧品によってビタミンCを肌から摂取する方法は、次の2つがあります。

  • ビタミンC配合の化粧品を塗る
  • ビタミンC誘導体配合の化粧品を塗る

「ビタミンC」と「ビタミン誘導体」にはそれぞれ違った特徴があるため、より自分に合っていると思われる方を選びましょう。

成分 ビタミンC ビタミンC誘導体
どんなもの? 純粋なビタミンC
「アスコルビン酸」とも
呼ばれる
ビタミンCを
皮膚に吸収しやすく
改良したもの
メリット 即効性が高い 安定性が高く
肌に浸透しやすい
デメリット 水・光・酸素に弱く
効果が不安定
※保護成分などで
安定させた製品を選ぶ
効果が出るまでに
時間がかかる
こんな人に
おすすめ
短期間で効果を出したい
一定期間だけ試してみたい
じっくり継続的に
ケアをしたい

ビタミンC配合の化粧品として代表的なアイテムには、下記などがあります。

  • 化粧水
  • 美容液
  • クリーム

まずは単体のアイテムで試してみて、肌に合うものがあれば、同じメーカーで他のアイテムを「ライン買い」するのがおすすめです。

5-2.摂取量の目安は「1日あたり100~1000mg」

ビタミンCの摂取量の目安は、「1日あたり100~1000mg」です。

厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」にて推奨しているビタミンCの摂取量は、男女ともに1日あたり100mgです。

ビタミンCを消費しやすい妊婦・授乳婦・喫煙者の場合は、さらに多い量を摂取することが推奨されています。

区分 ビタミンCの推奨量
成人男女 100mg
妊婦 110mg
授乳婦 145mg
喫煙者 100mg以上

参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

「ビタミンC100gm」はどのくらい?
  • レモン:2/3個(皮ごとの場合・果汁のみの場合は5個)
  • 赤パプリカ・黄パプリカ:およそ1/2個
  • ブロッコリー:1/3個

シミや肌荒れ対策といった美容目的の場合は、上記のような食べ物にサプリメントをプラスして、1,000mgを目安に摂取しましょう。

また、摂取量の上限は特に定められていませんが、ビタミンCは体内で吸収できる量に限りがあり、たくさん摂るほど吸収効率は悪くなります。

【ビタミンCの摂取量と吸収率】

  • 200mg以内:およそ90%を体内に吸収できる
  • 1000mg以上:50%未満

→ビタミンCを1000mg以上摂取しても、半分以上が尿と一緒に排出されてしまう

さらに、一度に多量のビタミンCを摂りすぎると、

  • 消化器官の不調(腹痛・吐き気・下痢など)
  • 細胞死や動脈硬化、ガン・生活習慣病などのリスク

※虚血状態(心臓や全身に十分な血液が行き渡っていない状態)の人場合

といったデメリットもあります。

ビタミンCの効果を早く出すために「できるだけたくさん摂りたい!」と思うかもしれませんが、「1日あたり100~1000mg」の範囲内での摂取をおすすめします。

5-3.ビタミンCの理想的な摂取例

ここでは、食事やサプリメントを組み合わせたビタミンCの理想的な摂取方法を、3つの例を用いて紹介します。

ぜひ、日頃の食事の参考にしてください。

例①シミ予防をしたい!
朝食にアセロラ50g(ビタミンC850mg)キウイフルーツ1個(100g/ビタミンC140mg)

ビタミンC誘導体配合の美容液を朝と夜に塗布
→合計で990mgのビタミンC、外側からも摂取!
例②筋肉が衰えないようにしたい!
赤パプリカ1個(150g/ビタミンC255mg)を、タンパク質の豊富な鶏ささみと一緒にソテー

ビタミンC500mg配合のサプリメントを1錠
→合計で755mgのビタミンCが摂取できる!
例③ストレスを緩和させたい!
ブロッコリー100g(ビタミンC150mg)と黃パプリカ1個(150g/ビタミンC225g)を、ビタミンAの豊富な豚肉と一緒にソテー

ビタミンC500mg配合のサプリメントを1錠
→合計で875mgのビタミンCが摂取できる!

このように他の栄養素とのバランスも考えながら、なおかつライフスタイルにマッチした方法をデザインして、無理なく継続的にビタミンCを摂取しましょう。

まとめ

最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。

▼ビタミンCの効果
①肌を美しく保つ

  • シミ(肝斑・色素沈着)の予防・改善
  • 毛穴の黒ずみ・開き・たるみを目立たなくする
②身体を元気にする

  • 筋肉の機能維持
  • 歯周病の予防・改善
  • 女性の認知症のリスク低下
③心を元気にする

  • ストレス緩和
▼ビタミンCの積極的な摂取がおすすめな人
  • 筋トレを始めたばかりの人
  • 肌や体に年齢を感じることが増えた人
  • 仕事などでプレッシャーを感じるシーンが多い人
▼ビタミンCを効果的に摂取する方法
  • 「1日あたり100~1,000mg」を目安に、食べ物やサプリメントから摂取
  • 健康目的なら食べ物から最低100mg、美容目的ならサプリメントをプラスして1,000mg摂取がおすすめ
  • 肌のお悩みにはビタミンC配合の化粧品(塗るビタミンC)も取り入れる

本記事の内容を参考に、ビタミンCを活用してあなたが心身ともに健康で美しく毎日を過ごせるよう願っています。

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