更年期サプリはエクオールを自分で作る力を高めるものを選ぶ。

2021. 11. 09
監修:望月みどり 漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

この記事を読んでいる方は「更年期」と呼ばれる年代になって不調を感じるようになり、できればサプリメントで改善していきたいと思っているのではないでしょうか。

更年期のサプリとしておすすめなのは「エクオールを自分で作る力を高める商品」です。

「エクオール」は大豆イソフラボンを摂ると体内で作られる成分です。更年期に入ると減っていく女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをするため有効なのですが、日本人の約50%は大豆イソフラボンを摂っても体内でエクオールに変えることができないといわれてきました。

しかし、詳しくは後述しますが、エクオールを体内で作ることができない人がいるというのは誤りであり、本来は自分の力で生み出すことができます。それを実現するのが、エクオールを自分で作る力を高める成分を含むサプリなのです。

この記事では、以下の内容をまとめて説明しています。

・更年期のサプリは「エクオールを自分で作る力を高める商品」がおすすめの理由
・更年期のサプリとしておすすめの成分
・更年期のサプリを選ぶときに見るべきポイント
・更年期のサプリを健康的に摂るポイント
・更年期のサプリを摂るときの注意点
・更年期の不調は健康バランスを整えて改善することも重要

更年期の不調を改善するサプリをお探しの方におすすめの内容になっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

更年期のサプリは「エクオールを自分で作る力を高める商品」がおすすめの理由

冒頭でも説明した通り、更年期のサプリは「エクオールを自分で作る力を高める商品」がおすすめです。

この章では、その理由を次の4つの内容に分けて説明していきます。

1. エクオールとは
2. エクオールが更年期の不調に効く理由
3. 女性のエクオール産生実態
4. 「エクオールを自分で作る力を高めるサプリ」とは

 

1-1. エクオールとは

「エクオール」とは、大豆や大豆食品(豆腐や納豆など大豆が原料の食品)に含まれている「大豆イソフラボン」が体内で変化して作られる成分のことです。

どのようにエクオールは作られるのかというと、以下の通りです。

 

大豆イソフラボンは、3つ種類があります。

1. ダイゼイン
2. グリシテイン
3. ゲニステイン

大豆イソフラボンには、吸収されやすい「アグリコン型」と吸収されにくい「グリコシド型」があり、「アグリコン型」には、さらに「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」3つの種類があります。エクオールに変化するのは1の「ダイゼイン」です。腸にある細菌の力によって、ダイゼインがエクオールに変わります。つまり、ダイゼインの比率が多い種類がエクオールを体内で作る力を高められるものになり、該当するのが大豆胚芽から抽出されたアグリコン型大豆イソフラボンになります。

 

1-2. エクオールが更年期の不調に効く理由

エクオールが更年期の不調に効くのは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た作用があるからです。

エストロゲンは女性らしさを作るホルモンですが、加齢と共に分泌量が減っていき、更年期になると急激に減少していきます。更年期を迎えると様々な不調が生じるのは、このエストロゲンの分泌量の減少が原因である可能性が高いです。

エストロゲンは加齢と共に減少してしまうと、増やすことはできません。そこで活用されるのが、エストロゲンと似た作用を持つエクオールです。

大豆イソフラボンを摂取すると、体内の細胞がエストロゲンと認識して受け入れるようになります。前述した通り、大豆イソフラボンの働きがエストロゲンと似ているためです。

細胞に受け入れられた大豆イソフラボンは、「1-1. エクオールとは」でも説明した通り、構成成分のダイゼインが腸内細菌によってエクオールに変わります。その後、エストロゲンと似た作用を発揮するようになるため、エストロゲンの減少が原因で生じる更年期障害の不調を改善させることができるのです。

また、エクオールの作用は穏やかといわれています。エストロゲンは女性らしさを作るホルモンのため分泌量が多いと良いのですが、過剰に分泌されてしまうと

・月経困難症(生理不順や過多月経など)
・子宮内膜症、子宮筋腫
・乳がん

といったリスクが生じやすくなるものです。しかし、イソフラボンのエストロゲン様作用は非常におだやかなことから、エストロゲンが十分に分泌されているときはエストロゲンの働きを助長することはありません。エストロゲンが不足しているときにはエストロゲンを助ける働きをし、逆にエストロゲンが過剰なときはエストロゲンを押さえる作用をするのです。

 

1-3. 女性のエクオール産生実態

大豆や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンを摂ると作られるエクオールですが、これまでは全ての人が体内で作れるわけではないといわれてきていました。現在もなお、大豆イソフラボンをエクオールに変える腸内細菌を持っていなければ作れないといわれています。

これはつまり、エクオールを作れる人と作れない人がいるということを意味します。特に、日本人は約50%がエクオールを作れないといわれているのです。

しかし、実はそれは間違いです。人間は本来、体内でエクオールを作る力を持っています。

・腸内環境は食習慣によって変化するため、ある時点でエクオールを作る腸内細菌を持っていなくても、その後エクオールを作れる体質になる可能性がある
・エクオールを作れる人の割合についての調査報告のほとんどがアグリコン型大豆イソフラボンではなく、グリコシド型大豆イソフラボンを用いたものである

といったような理由があるからです。

現に、大規模ヒト臨床試験において、「1-1. エクオールとは」で取り上げたアグリコン型大豆イソフラボンを摂取すると、血液中のエクオール濃度が用量に比例して現れることが分かっています。

 

エクオールを作れる人が半数といわれる日本人であっても、エクオールを体内で作ることは十分に可能なのです。

 

1-4. 「エクオールを自分で作る力を高めるサプリ」とは

人間には本来、エクオールを自分で作る力があると説明しましたが、どのようにすれば良いのでしょうか。

それを解決するのが、冒頭で説明した「エクオールを自分で作る力を高めるサプリ」です。

具体的にいうと、アグリコン型大豆イソフラボンを含むサプリになります。「1-1. エクオールとは」でも説明した通り、アグリコン型大豆イソフラボンは、糖とイソフラボンが分解されているため、身体への吸収力が高いからです。アグリコン型大豆イソフラボンについては、次の章で紹介する更年期サプリとしておすすめの成分「2-1. アグリコン型大豆イソフラボン」で詳しく説明するので、ぜひご覧になってください。

ここで、「エクオールが更年期の不調に有効であれば、エクオールそのものを含むサプリを摂った方が良いのでは?」と思った方もいるかもしれませんね。

確かに、エクオールを自分で作る力を高めるというのは遠回りであり、エクオールそのものを摂った方が効果的ということもできます。

しかし、エクオールそのものを含むサプリの場合、摂取を終えてしまったらそれで終わりで、以降はエクオールを体内に取り込むことはできません。

また、エクオールを含むサプリを摂取し続けるのは、お財布にあまりやさしくないといえます。エクオールを含むサプリを摂り続けないとならないからです。

エクオールを自分で作る力を高めるサプリであれば、エクオールを摂取し続けなくても自然に体内でエクオールを作れるようになります。「1-3. 女性のエクオール産生実態」でも説明した通り、人間にはエクオールを自然に作る力があるというエビデンスもありますから、エクオールを自分で作る力を高めるサプリを活用するのが有効的・経済的です。

更年期のサプリとしておすすめの成分

更年期のサプリとしておすすめなのは「エクオールを自分で作る力を高めるサプリ」であり、それを叶えるのが「アグリコン型大豆イソフラボンを含むサプリ」であるのは前述した通りです。

しかし、更年期のサプリにはこのアグリコン型大豆イソフラボンだけを含んでいると良いわけではありません。

アグリコン型イソフラボンはエクオールを作れる体質に変えられる成分で更年期の不調に良いものではありますが、更年期の不調というのは複数あるため、エクオールを作れたからといって更年期に起こる不調全てを改善できるとは限らないからです。

更年期に生じやすい複数の不調にアプローチしていくには、エクオールを作れる体質に変えるアグリコン型大豆イソフラボンに加え、以下の成分も摂れるサプリが良いです。

更年期サプリとして
おすすめの成分
アグリコン型大豆イソフラボン
高麗人参
沙棘
クコの実
ヘム鉄
マグネシウム
シトルリン

 

では、上記の成分について詳しく見ていきましょう。

 

2-1. アグリコン型大豆イソフラボン

アグリコン型大豆イソフラボンは、「1-1. エクオールとは」でも説明した通り大豆イソフラボンの一種です。

一般的な大豆イソフラボンは「グリコシド型大豆イソフラボン」と呼ばれるものなのですが、アグリコン型大豆イソフラボンはこのグリコシド型大豆イソフラボンにある糖とイソフラボンが分解されることによって作られるものです。

 

アグリコン型大豆イソフラボンは糖とイソフラボンが分解されているため、身体への吸収力が高いのが特徴です。というのも、糖は身体への吸収を妨げているものだからです。

ただ、このアグリコン型大豆イソフラボンであれば何でも良いわけではありません。

更年期サプリの成分として摂ると良い、アグリコン型大豆イソフラボンの種類があります。それが、「AglyMax(R)」と呼ばれるアグリコン型大豆イソフラボンです。

AglyMax(R)というのは、

・遺伝子組み換えをしていない大豆胚芽が原料
・麹菌発酵技術を使って糖とイソフラボンの分解

といったように、従来のアグリコン型大豆イソフラボンとは異なる特殊な特徴を持っているものです。このような特徴を持つAglyMax(R)がなぜ更年期のサプリの成分として良いのかというと、大豆胚芽から抽出したイソフラボンには、体内でエクオールに変化するダイゼインの比率が70%と多く含まれているからです。

AglyMax(R)の身体への吸収力は、一般的な大豆イソフラボンであるグリコシド型大豆イソフラボンの約3倍といわれています。アグリコン型大豆イソフラボンの中でもAglyMax(R)を含むサプリを摂れば、エクオールを体内で作る力を高めることが可能になります。

 

2-2. 高麗人参

高麗人参は、滋養強壮剤としてサプリに使われることの多い和漢素材です。

更年期のサプリに含まれていると良い成分として挙げられるのは、高麗人参に含まれるサポニンの一種「ジンセノサイド」の働きが更年期障害の症状改善に役立つからです。

改善を期待できる
更年期障害の不調(一例)
ジンセノサイドの
働き

【身体的な不調】
動脈硬化

【美容面の不調】
たるみやシワ

【精神的な不調】
①記憶力の低下
②不安・イライラ・憂鬱

【身体的不調】
ホルモンバランスの乱れによる
脂肪やコレステロールの蓄積を解消し、
血管の詰まりを予防する

【美容面の不調】
ホルモンバランスの乱れを引き起こし
コラーゲンの働きを弱める活性酸素を除去する

【精神的な不調】
①ホルモンバランスの乱れによって
低下した認知機能を刺激する

②ホルモンバランスの乱れによって
生じる自律神経の乱れを整える

 

上記を見てお分かりいただけるように、高麗人参に含まれるジンセノサイドは女性ホルモンバランスの乱れにアプローチします。このため、女性ホルモンバランスの乱れによって生じる更年期の不調に有効なのです。

 

2-3. 沙棘

沙棘(サジー)は、オレンジ色の小さな果実を持つ植物です。寒暖差の激しい過酷な環境でも育つため、様々な栄養素を含んでおり栄養価の高い植物として知られています。

沙棘は、更年期の不調を改善する健康食品の原料として使われていることが多いです。その理由は、様々な不調が生じる更年期を乗り越えるのに有効なビタミンCとポリフェノールの一種「フラボノイド」が豊富に含まれているからです。

ビタミンCとフラボノイドが更年期の不調に有効な理由は、次の通りです。

栄養素名
更年期障害の不調に
有効な理由
ビタミンC
抗酸化、抗ストレス、免疫力強化作用
鉄の吸収を高める
フラボノイド
(ポリフェノール)
ホルモンバランスの乱れを
引き起こす活性酸素を除去する

 

ビタミンCと聞くと肌トラブルの改善に有効な栄養素をイメージすると思いますが、実は更年期の不調にもアプローチしてくれます。ビタミンCはストレスへの抵抗力を高め、身体を守るはたらきのある成分です。また、女性に不足しがちな鉄の吸収を高める働もあります。更年期に感じるイライラを和らげることが期待できます。

フラボノイドには、ホルモンの乱れを引き起こす活性酸素を取り除く抗酸化作用があります。抗酸化作用があれば老化を遅らせることもできるので、年齢に負けない体作りも可能になります。

更年期を乗り切って身体を元気な状態に変える効能があるのが、沙棘なのです。

 

2-4. クコの実

クコの実も高麗人参と同様、滋養強壮剤として使われることが多い食材です。

クコの実には様々な栄養素が含まれているのですが、その中でも以下3つが更年期障害の不調に有効といわれています。

1. ビタミンC
2. ルチン、タンニン(ポリフェノール)
3. ゼアキサンチン(カロテノイド)

ビタミンCの抗酸化、抗ストレス、免疫力強化作用や、鉄の吸収を高める働きは「2-3. 沙棘」で説明した通りです。

ポリフェノールの一種であるルチンは、ビタミンCが身体に吸収されるのを助ける働きに優れています。また、身体に酸素や栄養素などを送る毛細血管を強くする効能があるため、更年期に生じやすい動脈硬化や高血圧を予防することができます。

ルチンと同じくポリフェノールの一種であるタンニンには、女性ホルモンバランスの乱れを引き起こす活性酸素を除去する効能があります。また、タンニンには引き締める効果があるため、更年期を迎えると起こりやすい下痢を改善する効果があります。

カロテノイドの一種「ゼアキサンチン」は活性酸素を除去する抗酸化作用があり、また目の網膜に含まれてるもので、ものを見る働きに影響します。

更年期に生じやすい不調にアプローチしながら、病気に負けない身体作りをサポートしてくれるのがクコの実です。

 

2-5. ヘム鉄

ヘム鉄は、肉や魚に含まれている鉄分の一種です。身体への吸収力が高いため、サプリに含まれていることが多い鉄分でもあります。

ヘム鉄には、更年期を迎えると生じやすい貧血が原因の疲れやすさを改善する効能があります。貧血が起こるのは鉄不足が原因なのですが、その鉄不足によって疲れが生じるのは身体に酸素が十分に送られないからです。

ヘム鉄は身体に酸素を運ぶ赤血球を作るため、摂取することで酸素が全身に行き渡るようになります。結果として貧血が解消され、疲れも改善させることができるようになるのです。

 

2-6. マグネシウム

ミネラルの1つであるマグネシウムには、更年期を迎えると起きやすい高血圧や精神的な不調を改善する効能があります。

更年期を迎えると高血圧になる一因は、女性ホルモンバランスの乱れによって動脈の血管が収縮したり、硬くなって細くなったりするためです。マグネシウムにはそんな動脈を広げる働きがあるため、血圧を下げることができるのです。

精神的な不調も女性ホルモンバランスの乱れによって生じますが、マグネシウムには神経の興奮を抑える働きたあるため、摂取すれば精神を安定させることが可能になります。

女性ホルモンバランスの乱れには直接アプローチしませんが、前述したような働きで更年期の不調を改善してくれるのがマグネシウムなのです。

 

2-7. シトルリン

シトルリンはスイカやキュウリといったウリ科の食材に多く含まれているアミノ酸の一種で、更年期を迎えると生じやすい冷え症やむくみといった血管の老化につながる問題を改善する効能があります。

冷え症やむくみが生じるのは、女性ホルモンバランスが乱れることによる血行不良が一因です。血行が悪くなるのは血管の詰まりですが、シトルリンには血管を広げる一酸化窒素を作る働きを活性化させます。

シトルリンによって一酸化窒素が作られて血管が広がれば、血流が改善されて血行が良くなり、身体に溜まった余分な水分も排出されやすくなります。結果として、冷え症とむくみが改善されるのです。

更年期のサプリを選ぶときに見るべきポイント

ここまで更年期のサプリとして含まれていると良い成分を説明してきましたが、実際にサプリを選ぶときに見るべきポイントは次の2つになります。

1. アグリコン型大豆イソフラボンを含んでいるか
2. 有効成分が複合配合されているか

順に説明していきましょう。

 

3-1. アグリコン型大豆イソフラボンを含んでいるか

1つ目のポイントは、「1-4. 「エクオールを自分で作る力を高めるサプリ」とは」で説明した通り、アグリコン型大豆イソフラボンがサプリに含まれているかを見ることです。

更年期に生じやすい不調の原因であるエストロゲンの減少には、エクオールを体内で産生するのが有効であることは説明した通りです。それを実現できるのが、体内でエクオールに変化するダイゼインが多く含まれているアグリコン型大豆イソフラボンになります。

他の大豆イソフラボンを含むサプリやエクオールを直接補えるサプリを摂る方法もありますが、

・他の大豆イソフラボンを含むサプリ…ダイゼインが少ない/身体への吸収力が低い
・エクオールを直接補うサプリ…摂取を止めると体内でエクオールを作れない

といったデメリットがあるため、更年期に生じやすい不調には有効的とはいえません。

もちろん、このようなサプリを摂ることは決して悪いことではありませんし、効果もないわけではありません。

しかし、人間は本来エクオールを自分で作る力を持っているため、その力を高めて活かした方が効率的です。エクオールを自然に作れる体質になれば、更年期の不調も自力で改善していくことも可能になります。

更年期のサプリにアグリコン型大豆イソフラボンを含んでいるかどうかは、サプリのパッケージや商品の紹介ページに記載されている「成分・原材料」で分かります。以下のように記載されていることが多いので、購入時に確認してみてください。

・アグリコン型イソフラボン
・大豆イソフラボンアグリコン
・大豆イソフラボンアグリコンとして
・イソフラボンアグリコン

 

3-2. 有効成分が複合配合されているか

2つ目のポイントは、有効成分が複合配合されているかどうかです。「有効成分が複合配合」というのは、「有効となる複数の成分が配合されている」ことを意味します。

更年期に生じやすい不調の原因の大半はエストロゲンの減少のため、「3-1. アグリコン型大豆イソフラボンを含んでいるか」で説明したようにエクオールを自分の力で作る成分 = アグリコン型大豆イソフラボンを摂ると良いのですが、それだけでは更年期の不調を改善することは難しいです。なぜなら、更年期にはエストロゲンの減少によって引き起こされた様々な症状が生じやすいからです。

不調はその原因にアプローチして改善していくのが有効ですが、この改善方法をサプリで行っていこうとすると、原因が複数であった場合はサプリを複数摂らないとならなくなることもあります。

たとえば、更年期を迎えて高血圧になったとしましょう。更年期になると高血圧になる原因は、女性ホルモンの乱れによって動脈の血管が収縮したり、硬くなって細くなったりするためであることを「2-6. マグネシウム」で説明しました。

この更年期による高血圧をサプリで改善しようとすると、

・エストロゲンと似た働きをするエクオールを作る「アグリコン型大豆イソフラボン」
・動脈の血管を広げる効能を持つ「マグネシウム」

の2つが必要になるといえます。

もし高血圧だけであればサプリは上記の2つだけで済みますが、他の不調も生じていたらその原因を解消するサプリも必要になります。そうなってしまうと、いくつものサプリを購入して摂らなければなりません。

そこで有効になるのが、有効成分が複合配合されているサプリです。このようなサプリは、商品によりますが不調改善に特化していることが多く、その不調を引き起こした原因を解消する複数の有効成分が配合されているので、このサプリだけを摂取すれば良いことになります。

では、更年期のサプリとしてはどのような有効成分が複合配合されていると良いのかというと、「2. 更年期のサプリとしておすすめの成分」で取り上げた7つの成分になります。更年期のサプリを選ぶときは、参考にしていただくことをおすすめします。

更年期のサプリを健康的に摂るポイント

サプリは食事を摂るように気軽に取り入れられる健康食品ですが、成分によっては摂り方に注意しないと不調が生じる恐れがあります。

更年期のサプリは、

1. 摂取目安量を守る
2. 飲用中の漢方やサプリの成分と重複していれば上限量に従う
3. 治療中・薬を服用中であれば医師に相談する
4. 天然由来成分のサプリを摂る
5. 安全性が確認されているサプリを摂る

の5つを踏まえて健康的に摂ることがポイントになります。順に説明していきましょう。

 

4-1. 摂取目安量を守る

1つ目のポイントは、サプリの摂取目安量を守ることです。

更年期のサプリに含まれる成分によっては、1日で決められている摂取目安の上限量があります。この上限量は、守れば副作用が生じることはありませんが、守らず多く摂取してしまうと健康被害にあう恐れがあるため決められているものです。

たとえば、「2. 更年期のサプリとしておすすめの成分」で取り上げた以下の成分には推奨上限量が決められています。

成分の名前
1日の
摂取上限量
上限量を超えると
生じるリスク
ヘム鉄
40mg
鉄沈着症(鉄過剰症)
※体内に鉄が多く蓄積されて
臓器障害を起こす症状
マグネシウム
350mg
・下痢
・腎機能が低下している場合は、
血圧低下や吐き気など

 

一度過剰に摂取してしまったからといって、上記のリスクがすぐに生じるわけではありませんが、長期に渡って多く摂取することを続けてしまうと身体に悪影響を与えることは忘れてはなりません。

また、サプリによっては摂取のタイミングが決められているものもあります。そのタイミングに従って摂らないと、成分の効能が身体で発揮されなくなる恐れがあるため注意しなければなりません。

サプリの成分が持つ効能を最大限に得るためにも、パッケージや商品紹介ページに記載のある摂取目安量を守って摂るようにしましょう。

 

4-2. 飲用中のやサプリの成分と重複していれば上限量に従う

2つ目のポイントは、数種類のサプリメントを飲用中であれば成分の重複を確認することです。

これから取り入れようとするサプリメントに含まれる成分と同じものがあった場合、「4-1. 推奨摂取量に従う」で触れたように過剰摂取になる恐れがあります。

たとえば、今ヘム鉄のサプリを摂取している場合、これからヘム鉄を含む更年期のサプリを取り入れると、配合量によっては過剰摂取となり、「4-1. 摂取目安量を守る」で説明したような不調が生じてしまうかもしれません。

今摂取しているサプリの成分と摂取を検討しているサプリの成分の重複がある場合は、その成分の摂取上限量を確認することをおすすめします。1日の摂取上限量が決まっている成分については、厚生労働省が「第6次改定日本人の栄養所要量について」で公表しているので確認してみてください。

重複している成分が上限量を超え、過剰摂取によって副作用が生じるようであれば、優先して改善したい不調にアプローチするサプリを摂っていきましょう。

 

4-3. 治療中・薬を服用中であれば医師に相談する

3つ目のポイントは、治療中あるいは薬を服用中であれば医師に相談することです。

薬とサプリを併用することで、薬の効果が薄れたり、逆に薬の効果が強くあらわれすぎたりすることがあるからです。

今、医師の診察を受けている場合は、

・治療中に摂取しようと考えているサプリを摂っても問題ないか
・摂取しようと考えているサプリと服用中の薬との相性はどうなのか

をかかりつけ医に尋ねるようにしましょう。

 

4-4. 天然由来成分のサプリを摂る

4つ目のポイントは、天然由来成分のサプリを摂ることです。

「天然由来成分」というのは、植物など自然に存在する原料から抽出した成分のことです。天然由来成分のサプリメントは、

・原料から成分を得ることに近い
・成分の身体への吸収力が高い
・製造の過程で不要な化学物質が混入されるリスクが少ない

といった特徴があるため、健康的に摂取することが可能になります。

ここで「サプリには天然由来成分以外の商品もあるの?」と思われた方もいるかもしれません。

実はサプリにはもう1つ、分子の構造を人工的に変化させて作った「合成成分」のサプリメントがあり、天然由来成分のサプリとよく比較されます。

合成成分のサプリメントは、

・成分の濃度が高い
・安価で気軽に手に入れられる

といった特徴があるためコストパフォーマンスは良いのですが、製造の過程で不要な化学物質が入ることが稀にあり、品質が劣ることがあります。

市販の合成成分のサプリは、健康上問題がないため展開されているため安全ではありますが、健康的に摂ることを考えると天然由来成分のサプリメントが良いといえます。

天然由来成分のサプリメントと合成成分のサプリメントは、以下のようにパッケージの表記で見分けることが可能なので、購入時に確認することをおすすめします。

天然由来成分のサプリ
合成成分のサプリ

原料名が記載されている

【例】
・オリーブ油
・キウイフルーツ
・ごま

成分名が記載されている

【例】
・ナイアシン
・ビタミンB2
・葉酸

 

4-5. 安全性が確認されているサプリを摂る

5つ目のポイントは、安全性が確認されているサプリを摂ることです。

安全性が確認されていれば安心して飲めますし、健康被害にあうリスクも低くなります。

サプリの安全性を確かめる基準の1つに、そのサプリが「GMP認定工場」で作られているかどうか、というのがあります。

GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で、一般社団法人・日本健康食品規格協会が定めた健康食品を安全に製造するためにある適正製造規範のことです。

GMPに従いながら健康食品の原料の仕入れから商品の出荷まで行い、監査に通った企業や工場がGMP認定工場と認められます。

「GMP認定工場で製造されていなければ、安全ではない」というわけではありませんが、健康食品を安全に製造するための規範に従った工場でサプリが作られているのであれば安全性が高いと判断できます。

摂取を検討しているサプリがGMP認定工場で作られているかは、パッケージや商品の公式ページに記載されているので、購入時に確認すると良いでしょう。

更年期のサプリを摂るときの注意点

更年期の不調を改善するサプリを摂るときは、

1. 水以外の飲み物で摂るのを控える
2. すぐに満足できなくても止めない
3. サプリだけに頼らない

の3点に注意することも大切です。1つずつ説明していきましょう。

 

5-1. 水以外の飲み物で摂るのを控える

1つ目の注意点は、サプリメントの水以外の飲み物での摂取を控えることです。

水以外の飲み物で摂取すると、サプリメントの成分によっては身体へ吸収されにくくなるからです。

「2. 更年期のサプリとしておすすめの成分」で取り上げたヘム鉄を例に説明しましょう。ヘム鉄は、カテキンと一緒に摂ると身体へ吸収されにくくなる成分です。カテキンが、ヘム鉄が身体に吸収されるのを阻害するからです。カテキンはお茶に含まれているため、ヘム鉄が含まれるサプリを摂るときはお茶と一緒に飲まない方が良いです。

サプリは健康食品のため水以外の飲み物と一緒に摂っても問題なさそうに思えるかもしれません。

しかし、ヘム鉄のように水以外の飲み物に含まれる成分が吸収を阻害することもあるため、サプリの成分が持つ効能を発揮させるためにも水もしくはぬるま湯で摂るようにしましょう。

 

5-2. すぐに満足できなくても止めない

2つ目の注意点は、サプリの効果にすぐ満足できなくても摂取を止めないことです。

効果を実感できないからといって摂取を止めてしまうと、サプリの成分によっては身体に蓄積されにくいものがあるため、その成分の効能を得られなくなってしまいます。

たとえば、「2. 更年期のサプリとしておすすめの成分」で取り上げた高麗人参やクコの実にはビタミンBがいくつか含まれているのですが、このビタミンBは摂取して2~3日すると尿と一緒に排出されてしまうという「水溶性」の性質があります。毎日続けて摂らないと身体に蓄積しておくことができないのです。

サプリの効果には個人差があり、いつ効果が現れるかは明言できませんが、2~3ヶ月は摂取目安量に従って継続して摂ってみましょう。

2~3ヶ月継続して飲んでも効果を得られない場合は、そのサプリとご自身の相性が良くないかもしれません。この場合は、別のサプリメントを試して様子を見ることをおすすめします。

 

5-3. サプリだけに頼らない

3つ目のポイントは、サプリだけに頼らないということです。

サプリは更年期に生じやすい不調を改善につなげるものではありますが、薬剤ではないため摂ったからといってすぐに改善に向かうわけではありません。

少しでも早く不調を改善して身体を元気にさせていくには、サプリの摂取以外で更年期の不調に対する対策をすることが重要になります。

更年期の不調は女性ホルモンの乱れが原因ですが、

・有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を行う
・栄養バランスのとれた食事を摂る(農林水産省の「食事バランスガイド」を参考にする)

といったように日常生活で行える対策が有効です。不調が辛い、あるいは症状が重いようであればかかりつけの婦人科医に相談するのもおすすめです。

一気にすべて行おうとするのではなく、できることから始めていき、更年期を乗り越えましょう。

更年期の不調は健康バランスを整えて改善することも重要

更年期の不調は、

・女性ホルモンと似た作用を持つエクオールを自分で作る力を高めること
・女性ホルモンの乱れによって引き起こされた症状にアプローチしていくこと

によって改善していくことが大切であることを説明してきました。

ただ、このようなアプローチで更年期の不調を改善していっても、身体そのものは完全に健康な状態になったとはいうことはできません。なぜなら人間の身体は、1つ不調が生じたら別の不調も生じやすくなるしくみになっていると考えられているからです。

この考えのベースとなっているのが、東洋医学です。

東洋医学では、上記のように人間の身体を支える「肝・心・脾(ひ)・肺・腎」の5つの要素は、

1. どれか1つの要素に不調が生じると別の要素に不調が生じる(相生関係)
例:「肝」に不調が生じると「心」の不調が生じる
2. どれか1つの要素が強くなり過ぎてしまうとある要素が弱くなってしまう(相克関係)
例:「肝」が強くなり過ぎてしまうと「脾」が弱くなる

の関係にあるとし、いずれかの現象が1つでも起きてしまうとバランスが崩れて、健康な状態を維持できないと考えられています。

人間の身体を支える5つの要素を具体的な不調に置き換えると、以下のように示すことができます。

更年期に生じる不調は「肝」に該当するわけですが、相生関係にある「心」の不調である不安やストレスも生じやすいこともお分かりいただけるでしょう。健康な身体を作っていくには、更年期に生じる不調だけでなく、心のケアも必要なのです。

このように、更年期の不調は健康バランスを整えて改善していくことも重要になります。元気な状態を維持するためにも、更年期の不調が生じたら起きやすい不調もケアしていくようにしましょう。

まとめ

更年期のサプリとして摂ると良いのは「エクオールを自分で作る力を高める商品」です。

エクオールは、更年期に入ると減っていく女性ホルモン「エストロゲン」と似た作用を持っているため、更年期に生じる不調改善に効きます。

エクオールを直接補えるサプリよりも人間が本来持っているエクオールを自分で作る力を高めるサプリを摂った方が、自然にエクオールを作ることができて効率的です。

エクオールを自分で作る力を高める商品というのはアグリコン型大豆イソフラボンを含むサプリですが、他にも以下の成分を複合配合していると良いです。

更年期サプリとして
おすすめの成分
アグリコン型大豆イソフラボン
高麗人参
沙棘
クコの実
ヘム鉄
マグネシウム
シトルリン

 

更年期のサプリを健康に飲むためのポイントは、次の5つです。

1. 摂取目安を守る
2. 飲用中の漢方やサプリの成分と重複していれば上限量に従う
3. 治療中・薬を服用中であれば医師に相談する
4. 天然由来成分のサプリメントを摂る
5. 安全性が確認されているサプリメントを摂る

更年期のサプリを飲むときの注意点は、以下3つです。

1. 水以外の飲み物で摂るのを控える
2. すぐに満足できなくても止めない
3. サプリだけに頼らない

更年期の不調は辛いですが、サプリをうまく活用して改善していき、健康バランスを整えながら更年期を乗り越えていきましょう。

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監修:望月みどり 漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる
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