意外と知らない、ナイアシンの6つの効果と摂取方法について専門家が解説

2024. 06. 27
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「ナイアシンを摂取すると、どのような効果があるの?」
「何からナイアシンを摂取したらいいの?」

最近、ナイアシンという言葉をよく耳にするけれど、正直よくわからないという方は少なくありません。

ナイアシンとは、ナイアシン(ニコチン酸)とナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)の両方を指す総称です。

このように、ナイアシンは栄養素単体の場合と、ニコチン酸とニコチンアミドをまとめた総称として使われている場合があります。

今回は健康面に特化した、「ナイアシン(ニコチン酸)」について解説していきましょう。

健康面ではなく、美白やシワ改善などの美容効果について知りたい方は「【医師監修】ナイアシンアミドの効果について美容皮膚科医が詳しく解説」をご覧ください。

ナイアシンには、下記の6つの効果があります。

ナイアシンの6つの効果
代謝をアップして脂肪燃焼を助ける
二日酔いや悪酔いを防げる
肩こりや偏頭痛などのさまざまな体調不良を防げる
肌のくすみやクマを改善できる
うつ病や不眠症などの精神面の不調も緩和できる
肌荒れや口内炎の改善と予防につながる

ナイアシンは、私たちの健康面に効果があるため積極的に摂取したい栄養素のひとつです。

ナイアシンが不足してしまうと、さまざまな体調不良に悩まされてしまうかもしれません。

そこでこの記事では、ナイアシン不足を解消して、効率よく効果を発揮させるために必要な、ナイアシンに関する、以下の知識を解説していきます。

  • ナイアシンの6つの効果
  • ナイアシンの1日の摂取基準量
  • ナイアシンを摂取できる食べ物
  • ナイアシンの不足・過剰摂取で引き起こされること

ナイアシンに関する知識を身につけておくことで、あなた自身の生活にナイアシンを取り入れる必要性と、取り入れる方法を理解できます。

より健康的な体を作っていくためにも、この記事で解説しているナイアシンの知識を取り入れてみてくださいね。

【美容・健康に抜群!】ナイアシンを摂取すると期待できる6つの効果

ビタミンB群の一種であるナイアシンは、私たちの体の中でエネルギーを作り出す際に必要な酵素の働きを助けてくれます

私たちの体を健康的に保つためには、酵素の働きが欠かせません。

ナイアシンを摂取することで、体内の酵素を活性化させてくれる補酵素として活躍してくれるのです。

具体的には、以下の6つの効果が期待できます。

ナイアシンの6つの効果
代謝をアップして脂肪燃焼を助ける
二日酔いや悪酔いを防げる
肩こりや偏頭痛などのさまざまな体調不良を防げる
肌のくすみやクマを改善できる
うつ病や不眠症などの精神面の不調も緩和できる
肌荒れや口内炎の改善と予防につながる

それぞれの効果について、より詳しく解説していきます。

1-1. 代謝をアップして脂肪燃焼を助ける

ナイアシンを摂取することで、体内の代謝を向上させて、脂肪燃焼を促すことができます。

私たちは、食べた食べ物の糖質や脂質、たんぱく質を体内で代謝させることでエネルギーを生み出しています。

そして、エネルギーを生み出すために欠かせないのが、代謝を引き起こすさまざまな「酵素」の働きです。

ナイアシンは、この酵素の働きを促すために必要な「補酵素」として重要な役割を担っています。

私たちの体内では、以下のようにエネルギーが作り出されています。

エネルギー産生栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)を代謝するためには、ナイアシンが欠かせません。

体内のナイアシンが不足してしまうと、代謝を起こすための酵素を上手に分解できず、体内に体脂肪や内臓脂肪として蓄積されてしまうのです。

代謝力が低下したことで脂肪を溜め込まないためにも、十分な量のナイアシンを摂取しなければいけません。

ナイアシンを積極的に摂取することで、脂肪燃焼を促したうえでの肥満防止が期待できるのです。

1-2. 二日酔いや悪酔いを防げる

ナイアシンは、二日酔いや悪酔い防止にも効果があります。

なぜなら、ナイアシンは体内でアルコール分解を助けてくれるからです。

私たちが摂取したお酒のアルコール分は、体内で分解され、肝臓でアセトアルデヒドという物質に変換されます。

アルコールが分解される流れは、以下のとおりです。

私たちがアルコールを摂取すると、ナイアシンによりアルコールは肝毒性のあるアセトアルデヒドへと変わります。

アルコールが分解される過程で、分解に必要なナイアシンが不足してしまうと、アセトアルデヒドが体内に残ってしまいます。

その結果、二日酔いや悪酔いが引き起こされているのです。

お酒を飲むときは、ナイアシンも一緒に摂取することで、二日酔いや悪酔い防止の効果が期待できるのです。

1-3. 肩こりや偏頭痛などのさまざまな体調不良を防げる

私たちの体は、血行が悪くなるとさまざまな不調を引き起こします。

肩こりや偏頭痛、そして冷え性なども血行不良が原因の場合もあるのです。

ナイアシンには、毛細血管を拡張してくれる効果があるため、からだ全体の血行を良くしてくれます。

血行が良くなることで、下記の体調不良の緩和や改善も期待できるでしょう。

  • 肩こり
  • 冷え性
  • 偏頭痛
  • 便秘
  • むくみ

毎日感じていた体調不良を改善するために、体の血行を良くしてくれるナイアシンの摂取がおすすめです。

1-4. 肌のくすみやクマを改善できる

ナイアシンを摂取して、からだの血行が良くなることは、肌のくすみや目の下のクマの改善にもつながります。

体の血行不良は、私たちの肌の状態にも影響しているのです。

血行不良が肌に与えるトラブルには、以下のようなものがあります。

  • くすみ
  • 目の下のクマ
  • しみ
  • 肌のかさつき

上記のような、血行不良によって引き起こされる肌トラブルを改善・予防するためにも、血行を良くしてくれるナイアシンが活躍してくれます。

ローヤルゼリーにはナイアシンをはじめ、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・パントテン酸・葉酸・ビオチンなども含まれ肌サポート成分として注目されています。

1-5. うつ病や不眠症などの精神面の不調も緩和できる

ナイアシンには、精神面の不調から引き起こされるうつ症状や不眠症などを緩和する作用があります。

具体的には、以下のような精神面の不調の緩和・予防が期待できるのです。

  • 不眠症
  • うつ病
  • 統合失調症
  • アルツハイマー病   など

上記のような症状の緩和・予防が期待できる理由は、ナイアシンが精神を安定させる働きをする神経伝達物質「セロトニン」と、深い関係があるからです。

別名「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを体内で生成するためには、ナイアシンの生成にも関わるトリプトファンが欠かせません。

トリプトファンは、セロトニンとナイアシンの両方を生成するため、体内の状態によって生成する成分の優先度が変わってしまうのです。

体内のナイアシンが不足している場合、トリプトファンを摂取してもナイアシンの生成が優先されてしまいます。

そして、セロトニンが生成されない状況になってしまうのです。

体内のセロトニンが不足してしまうと、神経症状が悪化してしまい、さまざまな精神面での不調を引き起こしてしまいます。

セロトニンの分泌を促して、神経症状を安定させるためにも、ナイアシンの摂取が欠かせないのです。

1-6. 肌荒れや口内炎の改善と予防につながる

肌荒れや口内炎の改善と予防には、ナイアシンの摂取が欠かせません。

補酵素として働くナイアシンは、代謝の過程でNADP(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸)へと変化します。

このNADPには、ホルモン生成やDNAの修復や合成をサポートする効果があり、皮膚や粘膜を健康的に維持してくれるのです。

具体的には、以下のような症状に効果を発揮します。

  • ニキビ
  • 皮膚炎
  • 口内炎
  • 舌炎
  • しわ

ナイアシンを摂取することで、皮膚や粘膜の損傷をいち早く修復して、健康な状態の肌を維持できるのです。

【セルフチェック】もしかしてあなたもナイアシン不足?不足症状一覧

ナイアシンが欠乏すると、皮膚炎、下痢、精神神経症状などを主症状とするペラグラ(ナイアシン欠乏症)を起こす可能性があります。

参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 ビタミン(水溶性ビタミン)|厚生労働省

また、あなたが日々感じている不調が、実はナイアシン不足によるものかもしれません。

【ナイアシンが不足している時の症状】
身体的な
症状
口内炎
舌炎
皮膚炎
ニキビ
下痢
便秘
嘔吐
消化不良
食欲不振
ペラグラ
精神的な
症状
イライラ
不安感
幻覚症状
思考力の低下
うつ症状
(無気力・憂うつ・疲れやすい・集中できない)

もしも、あなたが上記のような不調を感じている場合は、ナイアシンが不足している可能性があります。

「なかなか口内炎が治らない」や「だるい日々が続いている」というような方は、一度ナイアシンの摂取を意識してみてくださいね。

ナイアシンは女性こそ、積極的に摂取しよう!

補酵素として体内のエネルギーづくりを助けるナイアシンは、女性こそ積極的に摂取をおすすめしたい栄養素です。

とくに、以下の理由にあてはまる人は、意識してナイアシンを摂取するようにしましょう。

【ナイアシンをおすすめする理由】
  • 代謝をアップして効率よくダイエットできる
  • 二日酔い対策をしながらお酒を楽しめる
  • 肌を健康的に維持して美肌を目指せる

具体的に解説していきます。

3-1. 代謝をアップして効率よくダイエットできる

ナイアシンは、代謝をさらに向上させて、もっと効率よくダイエットしたいと考えている女性におすすめです。

私たちが食事から摂取した糖質や脂質などが、体内でスムーズに代謝されなくなってしまうと、体には脂肪が蓄積されてしまいます。

運動や食事制限をしているのに、なかなか効果が現れないという方は、体内での代謝とエネルギーづくりが滞っているかもしれません。

ナイアシンは血行を促進してくれるため、効率的な脂肪燃焼効果が望めます。

もっとダイエットの効果を出したい方は、代謝アップをサポートしてくれるナイアシンを積極的に摂取しましょう。

3-2. 二日酔い対策をしながらお酒を楽しめる

普段からお酒を好んで飲んでいる方や、忘年会で飲み会が続いている方こそ、ナイアシンの摂取がおすすめです。

ナイアシンを摂取することで、二日酔いや悪酔い対策ができます。

連日お酒を飲む日が続いてしまった場合、体内でアルコールを分解するために大量のナイアシンを消費しなければいけません。

日常的にお酒を飲む方や、飲み会が続いていて困っている方は、事前にナイアシンをしっかりと摂取することで対策できますよ。

3-3. 肌を健康的に維持して美肌を目指せる

美肌を目指して体の内側からケアしたい方は、ナイアシンを効果的に活用しましょう。

ナイアシンによる、以下のような効果は、肌を健康的に維持するために欠かせません。

  • 血行促進
  • 炎症の改善
  • ホルモン生成
  • DNAの修復・合成 など

肌トラブルの代表格であるニキビだけではなく、シミやしわを改善するためには、肌の内側からのアプローチも忘れてはいけません。

体の内側から肌を健康的に整えつつ、肌の状態を維持できるナイアシンだからこそ、美肌になりたい女性におすすめなのです。

【美肌効果に特化したいならナイアシンアミド!】

肌が健康的な状態になり、ワンランク上の美肌を目指したい方は、ナイアシンアミドを取り入れましょう。

ナイアシンアミドには、シワ改善や美白効果、そして肌荒れ予防など、ナイアシンよりも高い美容効果が期待できます。

美肌効果をスキンケアで得たい方は「【医師監修】ナイアシンアミドの効果について美容皮膚科医が詳しく解説」をご覧ください。

1日の食事で摂取すべきナイアシンの基準量

私たちの体内でエネルギーを作り出すためには、ナイアシンが欠かせないとわかってきたかと思います。

ナイアシンは、毎日の食事から摂取可能です。ナイアシンを食事から摂取する際には、以下の摂取基準量を参考にしてみましょう。

※1: ナイアシン当量(NE)=ナイアシン+1/60トリプトファンで示しています。
※2: 身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定しています。
※3: ニコチンアミドの重量(mg/日)、( )内はニコチン酸の重量(mg/日)。
※単位はmg/日。

食事からナイアシンを摂取する場合は、性別と年齢に応じて、推奨量とされている量のナイアシンを摂取できるようにしておきましょう。

現在授乳中の方は、年齢別の推奨量にプラス3mgを基準に考えてくださいね。

ナイアシンを効果的に多く摂取できる食材一覧

摂取すべきナイアシンの量が理解できたところで、どの食材を選ぶべきか気になっていることでしょう。

私たちが普段から食べている食品の中で、100gあたりのナイアシン当量が多い食材は以下のとおりです。

▼穀類
食材名 可食分100gあたりの
ナイアシン当量(mg)
摂取量の目安
玄米 8.0 1合(150g)あたり 12mg
発芽玄米 6.4 1合(150g)あたり 9.6mg
そば(生) 5.4 1玉(120g)あたり 8.1mg
マカロニ・パスタ 4.9 1食(100g)あたり 4.9mg
▼肉類
食品名 可食分100gあたりの
ナイアシン当量(mg)
摂取量の目安
皮なし鶏胸肉(焼き) 27.0 1枚(250g)あたり 67.5mg
ビーフジャーキー 23.0 1袋(30g)あたり 6.9mg
スモークレバー(豚) 26.0 1枚(20g)あたり 5.2mg
ささみ(焼き) 25.0 1本(40g)あたり 10mg
豚ヒレ(焼き) 21.0 1枚(100g)あたり 21mg
▼魚介類
食品名 可食分100gあたりの
ナイアシン当量(mg)
摂取量の目安
かつお節 61.0 1パック(5g)あたり2.5mg
タラコ 54.0 1腹(70g)あたり 37.8mg
トビウオ(煮干し) 32.0 6〜10匹(10g)あたり 3.2mg
ビンチョウマグロ(生) 26.0 1枚(約15g)あたり 3.9mg
ごまサバ(焼き) 24.0 切り身1枚(100g)あたり 24mg
▼きのこ類
食品名 可食分100gあたりの
ナイアシン当量(mg)
摂取量の目安
乾燥舞茸 69.0 1袋(20g)あたり 13.8mg
乾燥しいたけ 23.0 1個(5g)あたり 1.15mg
ひらたけ(生) 11.0 1本(15g)あたり 1.65mg
エリンギ(焼き) 10.0 1本(40g)あたり 4mg
▼その他
食品名 可食分100gあたりの
ナイアシン当量(mg)
摂取量の目安
乾燥落花生 24.0 1個(2.4g)あたり 0.6mg
ドライトマト 14.0 1袋(100g)あたり 14mg
煎り大豆 12.0 1袋(100g)あたり 12mg

参考:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)のデータより作成

ナイアシンは、動物性食品と植物性食品の両方から摂取可能です。なかでも、魚介類や鶏肉に豊富に含まれています。

乾燥したきのこ類にもナイアシンは含まれていますが、100gを食べようと考えると、1人では食べきれない量になってしまうケースがほとんどです。

1種類の食材から推奨量を摂取するのではなく、さまざまな食材を毎日の食事に取り入れて、効果的にナイアシンを摂取することが大切です。

【ナイアシンは水に溶け出しやすいので調理に注意!】

多くの食品に含まれているナイアシンは、熱に強く、水に溶け出やすいという特徴を持っています。

そのため、加熱調理は問題ありませんが、茹でる際には注意が必要です。

たとえば、茹でた煮汁を捨ててしまうと、せっかくのナイアシンを捨てることになってしまいます。

ナイアシンが豊富に含まれている食材を調理する際には、煮汁を丸ごと食べられる料理を選びましょう。

ナイアシンの過剰摂取による副作用

私たちの体内で代謝を促してエネルギーを作ってくれるナイアシンですが、過剰に摂取してしまうと体に悪影響を与えてしまいます。

食事から摂取するナイアシンが過剰摂取になるケースはほとんどありませんが、サプリメントを併用する場合や治療薬として大量に投与する場合には注意が必要です。

「4.1日の食事で摂取すべきナイアシンの基準量」で紹介したデータに記載されている、性別と年齢によって変わる「耐用上限量」を理解しておきましょう。

参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 ビタミン(水溶性ビタミン)|厚生労働省

主なナイアシン過剰摂取による副作用は、以下のとおりです。

【ナイアシンの過剰摂取による副作用】
  • 健康面への影響
  • ナイアシンフラッシュ

それぞれについて具体的に解説していきます。

6-1. 健康面への影響

私たちの体の中で代謝を促してくれるナイアシンですが、過剰に摂取してしまうと一時的に健康面に影響が出てしまいます

具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 皮膚炎
  • 皮膚の痒み
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 肝機能の低下 など

ナイアシンは過剰摂取によって、消化器官や皮膚のトラブルが発生してしまう可能性があります。

もちろん、体内のナイアシン量が安定してくれば、症状は改善する場合がほとんどなので、一時的な副作用だと覚えておきましょう。

6-2. ナイアシンフラッシュ

ナイアシンを一度に大量に摂取すると、一過性で顔や全身が赤くなってしまい痒みを伴う「ナイアシンフラッシュ」が起こる場合があります。

代謝アップや毛細血管の拡張などの、ナイアシンによる影響が過剰に働くことで、ナイアシンフラッシュが起きてしまうのです。

ナイアシンフラッシュの症状には、以下のようなものがあります。

  • 頭痛
  • 蕁麻疹
  • 顔全体が赤くなる
  • 頬がヒリヒリして痒くなる
  • 上半身がほてる     など

もちろん、ナイアシンフラッシュは、一時的な副作用にすぎません。

しかし、ナイアシンフラッシュの症状の重さには個人差があるので、注意が必要です。

ナイアシンフラッシュが不安な方は、必ず耐用上限量を守りましょう。

【ナイアシンフラッシュが不安ならナイアシンアミド一択です】
たとえ一時的な副作用だとしても、ナイアシンフラッシュが不安だと感じている人も少なくありません。

ナイアシンは、その強い効果から、ナイアシンフラッシュも起こりやすいのが特徴です。

しかし、ナイアシンアミドは、代謝アップや血行促進の効果が比較的弱いため、ナイアシンフラッシュが起こる可能性が低くなります。

ナイアシンフラッシュが心配な方は、まずはナイアシンアミドから摂取してみましょう。

ナイアシンの効果を発揮するには、他の栄養素との同時摂取が重要!

エネルギーを作り出すのに欠かせないナイアシンですが、ナイアシン単体だけではなく他の栄養素と同時摂取することで、より効果を発揮します。

とくに意識して同時摂取したいのが、トリプトファンとビタミンB群です。

ナイアシンと一緒に他の栄養素を摂取すべき理由と、摂取できる食品について、具体的に解説します。

7-1. トリプトファン

ナイアシンの摂取を考えた場合、必須アミノ酸のひとつである、トリプトファンの存在を忘れてはいけません。

トリプトファンを食品やサプリなどから摂取すると、体内でナイアシンが合成されます。

このように、トリプトファンは体内でナイアシンを合成しています。

合成の優先順位はナイアシンが優先されている他、ナイアシン不足になると、他の物質の合成をやめてしまうのです。

トリプトファンから合成される「セロトニン」が不足してしまうと、精神面での不調があらわれてくる可能性もあります。

さまざまな体調不良を回避するためにも、ナイアシンだけではなくトリプトファンも一緒に摂取できるようにしておきましょう。

トリプトファンが摂取できる食べ物は、以下のとおりです。

【トリプトファンを摂取しやすい食べ物一例】
  • さば
  • マグロ
  • 豚もも肉
  • 鶏むね肉
  • 鶏卵
  • 納豆
  • 絹ごし豆腐
  • ヨーグルト   など

トリプトファンについては、「トリプトファンの6つの効果と効果的に摂取する方法を専門家が解説」で具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

7-2. ビタミンB群

ビタミンB3でもあるナイアシンは、他のビタミンB群と一緒に摂取することで、さらに効果を高められます。

ビタミンB群の主な効果は、補酵素として体内の代謝を促して、エネルギーを作り出すことです。

同じ効果をもつ成分を摂取することで、より効果的にエネルギーを作り出せます。

たとえば、以下のようなイメージで考えてみましょう。

このように、たとえナイアシンを積極的に摂取していても、他の栄養素が不足していることで効果が半減してしまうのです。

ナイアシンの効果を最大限に活かすためにも、以下のビタミンB群も摂取できるようにしましょう。

【ビタミンB群を摂取しやすい食べ物一例】
ビタミンB1
  • 豚肉
  • 大豆
  • 玄米
ビタミンB2
  • レバー
  • うなぎ
  • 納豆
ビタミンB6
  • 豚肉
  • マグロ
  • バナナ
ビタミンB12
  • しじみ
  • レバー
パントテン酸
  • レバー
  • 干し椎茸
  • 納豆
葉酸
  • レバー
  • ウニ
  • とうもろこし
ビオチン
  • レバー
  • 落花生

一度に、ナイアシンと一緒にすべてのビタミンB群を摂取しようと考えると、食材の用意から調理するまでに手間がかかってしまいます。

まずは、ナイアシンが豊富に含まれており、多くのビタミンB群が含まれているレバーや魚を、日々の食事に取り入れていきましょう。

ビタミンB郡については、「【全8種類】ビタミンBの種類別効果と効果的な摂取方法を専門家が解説」でより具体的に解説しているので、ご覧ください。

食事だけでは必要量のナイアシン摂取が難しい場合もある

食べ物からも摂取できるナイアシンですが、ナイアシンが豊富に含まれている食材を毎日揃えるのは大変だという方もいます。

毎日自炊しているのであれば、5.ナイアシンを効果的に多く摂取できる食材一覧で紹介した食品を、バランスよく食べられるかもしれません。

しかし、外食が続いていて栄養素を意識できない場合や、食材がなかなか手に入らない地域の場合もあります。

例えば、「ナイアシンを摂取しなければいけない」という理由で、毎日レバーばかり食べ続けていては、飽きてしまいますよね。

毎日の食事だけで必要量のナイアシンの摂取が難しい場合や、摂取できているか自信がない場合は、サプリメントを取り入れるのも、ひとつの方法です。

以下のようなお悩みをお持ちの方は、サプリメントも検討してみると良いでしょう。

  • 食材を買い揃えるのにお金がかかりすぎている
  • 忙しくて毎日自炊できない
  • 外食が続いていて、必要な栄養素が取れていないと感じている
  • 栄養素を意識した食事をしているが、必要量を満たしているかわからない

健康的な体づくりには、毎日の生活習慣の見直しが重要です。

けれど、毎日決まった食材を使って自炊しなければいけなくなると、なかなか続かずに途中で断念してしまいますよね。

サプリメントを活用することで、栄養素のバランスを整えるサポートができるので、活用してみてください。

まとめ

この記事では、ナイアシンの効果と摂取方法についてお話ししてきました。

ナイアシンには、以下のような効果があります。

ナイアシンの効果は下記の6つです。

  • 代謝をアップして脂肪燃焼を助けてくれる
  • 二日酔いや悪酔いを防いでくれる
  • 肩こりや偏頭痛などのさまざまな体調不良を防げる
  • 肌のくすみやクマを改善できる
  • うつ病や不眠症などの精神面の不調も緩和できる
  • 肌荒れや口内炎の改善と予防につながる

ナイアシンを摂取するうえで、以下のポイントを覚えておきましょう。

  • ナイアシンを過剰摂取すると、ナイアシンフラッシュなどの副作用がある
  • 効果を高めるために、トリプトファンや他のビタミンB群と同時摂取すべき

食事だけでは1日に摂取すべき推奨量のナイアシンを摂れないという方も少なくありません。

そのような場合は、サプリメントを活用して、ナイアシンと効果を高めてくれる栄養素を一緒に摂取することも検討してみましょう。

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