睡眠障害の原因は、女性ホルモンの減少のせい?原因と質の良い睡眠のために心がけたいこと

2021. 09. 02
監修:川崎 あゆみ プロフィールを見る >

ライター
キャリア系ライターを経て、美容雑誌・サイトにて年齢を重ねた女性の美容・健康に関する記事を執筆。「女の分かれ道」をテーマにしたウェブサイト~誰かの“決断”が、あなたの“勇気”になる~「ウーマンクロスロード」主宰

(https://profile.ameba.jp/ameba/keyforthefuture)

「どんなに疲れていても、眠ってから3時間くらいたったら、目がぱっちり開いてしまい、朝までぐっすりと眠れたことがない」という48歳のWさん。

「寝つきも悪く、何度も寝返りを繰り返し、やっと眠れても、だいたい3時間後に目が覚めてしまい、そこから1、2時間は『眠らなきゃ』と焦れば焦るほど眠れなくなり、どんどん時間が過ぎていきます。

明け方になってようやくウトウトし始めるのですが、そのうちに朝早く家を出る会社勤めの方や学生さんの足音やゴミを出す音などで、マンションの中がざわつき始めてもういいやとあきらめています」とのこと。

どうしてこのような睡眠障害が起こるのでしょうか?

 

睡眠障害は女性ホルモンの減少せい?

このような睡眠障害は、実は、女性ホルモンが関係している可能性があります。

更年期外来を受診した閉経期前後の女性の半数以上が、不眠に悩んでいる調査結果もあるようです。

「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つの女性ホルモンは、眠気の抑制や促進など睡眠中枢にも大きな影響を及ぼしており、睡眠と深い関係があります。

参考:厚生労働省e-ヘルスネットト女性の睡眠障害
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-005.html

 

これらの女性ホルモンが減少すると「寝付きが悪い」「眠りが浅い」など、睡眠障害が起きやすくなるのです。

これらの中で1つだけに当てはまるという方もいれば、複数当てはまる人もいます。

ホルモンバランスが乱れたり、女性ホルモンの分泌の減少により、「入眠困難」と「中途覚醒」両方に悩む方も多いそうです。

 

お肌のゴールデンタイムは、脳にもゴールデンタイム

午後10時から午前2時は、「お肌のゴールデンタイム」と言われていますが、午後10時に就寝できる人は、なかなか少ないのではないでしょうか。

でもご安心を。

お肌のためによいとされる成長ホルモンは、入眠後から3時間に分泌されるので、午後10時から午前2時にとらわれず、しっかり睡眠を取ることが大切です。

 

 

睡眠はからだを休めるために必要なことですが、同時に睡眠中の脳は、その日の出来事を何度も再生して確認し、記憶を整理しているそうです。

更年期症状を和らげるためにも、脳、そしてお肌のためにもしっかりと眠ることが大切なのです。

イライラや不安感、ストレスが原因で、眠れなくなることもあります。

前述のWさんは、不安や緊張、イライラを鎮める漢方を処方してもらって服用し始めてから、まだ中途覚醒は残っているものの、だいぶ眠れるようになったとのことでした。

睡眠不足が続くと心身にも影響しますから、あまりにも辛い場合は、サプリメントや漢方などのチカラを借りてみましょう。

 

質の良い睡眠のために心がけたいこと

交感神経から副交感神経にスイッチが切り替わることで、寝つきがよくなります。

副交感神経を優位にさせて、リラックスのホルモン、βエンドルフィンを分泌させて質の良い睡眠に導くために実践しやすいことを健康&生活リズムカウンセラーの一條智加さんにうかがいました。

すぐに取り入れやすいことばかりですので参考にしてみてください。

 

睡眠の質を上げる快眠習慣

・寝る直前までテレビ、スマホ、パソコン、また夜の帰宅途中のコンビニの光で目を刺激しない

・バスタイムはぬるめのお湯でゆったりと、就寝の1時間半前くらいに

・室内の明かりを落としてゆったりと過ごす(夜は、間接照明や温かみのあるオレンジ色にするなど)

・午後3時以降、カフェインなどの刺激物を避ける

・ストレスがあると呼吸が浅くなりがちなので、腹式呼吸を心がける

・ストレッチ、軽いヨガなどで、日中緊張していた体を緩める

・まぶたをホットタオルで温める

・耳たぶの裏をホットタオルで温める

・後ろの首筋をドライヤーの風で温める

・湯たんぽをお腹に当てて、体内の水分を外側から温める

・どこでもマイ生姜を取り入れて体温をアップさせる

・夜メラトニンが分泌され始める起床14~15時間後に睡眠に入るように調整する

・アルコールは適量、体に良いと言われる範囲(ワイングラス1日2杯)までを心がける

・朝起きたら、太陽の光を浴びる

・トリプトファンが多く含まれる食品を摂る

 

トリプトファンが多く含まれる食品

牛乳・チーズ・ヨーグルト・豆腐・納豆・しょうゆ・味噌・ナッツ類・カツオ・マグロなどの魚類・バナナや小麦胚芽、卵など

 

アロマオイルも有効

また、リラックスするためにアロマオイルも有効です。

イランイラン
心配事や不安、パニックから解放し、元気づける。
ラベンダー
緊張やストレスをやわらげ、眠りを促す。
ローズオットー
女性ホルモンバランスの乱れからくる心の不調を楽にする。
オレンジスイート
気分を明るく元気にし、不安を取り除く。緊張やストレスをやわらげる。
カモミール
安らぎを与え、心地よい眠りに誘う。
ネロリ
不安、緊張をほぐし、気持ちを落ち着ける。交感神経を鎮め、不眠症を改善する。
ベルガモット
憂うつや不安、緊張をやわらげる。怒りを鎮め、安眠を促す。

 

ハンカチに精油を落とし、精油がついた部分を内側におりこみ、顔を近づけて深呼吸したり、ティッシュペーパーに精油を落としてしみ込ませ、枕の下や枕元に置いたりするなど、お気に入りの香りで睡眠前のリラックスタイムを楽しんでくださいね。

(参照/「アロマテラピー図鑑」主婦の友社)

 

まとめ

睡眠は、更年期障害のみならず、健康と美容、そして生活の質にも関わる大切なことです。

ぐっすり眠って、心身ともに毎日元気に過ごしたいものですね。

 

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