セルフチェックでわかる不眠の原因と解消するツボ。鍼灸師が詳しく解説

2022. 01. 19
監修:足立美穂 プロフィールを見る >

鍼灸治療院 東洋の森 院長・鍼灸師
自身の体験から東洋医学の体全体を診る医学に感銘を受け、鍼灸の道に進む。体の不調のサインに気づき、病になる前に治す施術を心がけている。 不妊施術、疼痛治療、鍼灸全般(体質改善から更年期障害の改善等)の業務を専門に行う。

(https://mbp-japan.com/kyoto/to-you-no-mori/)

グッスリという言葉がピッタリな、若い頃のような深い睡眠が、近頃めっきり取れない…と感じてはいませんか?

忙しくて十分な睡眠時間を確保できなかったり、寝付きが悪い、眠りが浅いなど不眠の症状はさまざまです。

不眠が続くと体の不調につながってしまうので、出来るだけ早く改善したいものです。

不眠解消や、よい睡眠のためのツボが、解決策として効果的なことはご存知でしたか?

鍼灸師の足立先生に、詳しく教えていただきました。

 

東洋医学から考える、不眠の原因とは?

まずは、不眠の原因について探ってみましょう。

東洋医学的に考えられる4つの原因を、足立先生に解説していただきました。

 

①精神的なストレスや不安

多くの人が、何かしらのストレスを感じながら生活しています。

仕事や家族のこと、対人関係など、眠りにつく前は些細なこともマイナス思考になってしまいがちです。

考えを巡らせているうちに、眠るタイミングを逃してしまうこともよくあるケースです。

ネガティブな思考は不眠への第一歩なので、要注意です。

 

②暴飲暴食による胃腸機能の低下

満腹状態やお酒の飲み過ぎは、快眠を妨げる要素の一つです。

体は休むべき状態なのにもかかわらず、胃腸の消化にエネルギーを消費してしまい、質の良い睡眠を妨げてしまいます。

またアルコールは利尿作用が高いので、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒を引き起こします。

快眠のためには、食事、アルコールは就寝3時間前までに済ませ、胃腸など体に負担をかけないよう気をつけましょう。

 

③更年期やホルモンバランスの乱れ

更年期になると、それまで正常に分泌されてた女性ホルモンの量が減少します。

女性ホルモンを分泌するよう司令を出しているのは、脳の視床下部という部位です。

従来の司令通りに女性ホルモンが分泌されないことで、視床下部に混乱が起こり、やがて自律神経のバランスが乱れてしまいます。

リラックスモードである副交感神経のスイッチがうまく切り替わらず、交感神経が優位になってしまうことで安眠することが難しくなってしまうのです。

 

④月経による乱れ

生理中の不眠の原因は、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンのバランスにあります。

この2つのうち、眠気を誘うのはプロゲステロンで、生理前に多く分泌されるホルモンです。

そのため、生理前は体温が上昇し眠気を起こしやすく、生理が始まると同時にエストロゲンが優位になり体温が低下し不眠になってしまうのです。

 

私って不眠?セルフチェックのポイント

自分自身の睡眠が十分足りていると満足していますか?

不眠は習慣になってしまうと自覚症状がないことも多く、実は隠れ不眠だった!ということも。

下記のチェック項目でセルフチェックしてみましょう。

あなたは不眠大丈夫?!
セルフチェックポイント
1 なかなか寝付けない
2 睡眠剤や安定剤を飲まないと入眠できない
3 夜中に目が覚める
4 朝の目覚めがスッキリしない
5 寝起きの時、寝足りないと感じる
6 疲れが取れない
7 いくら寝ても眠い
8 日中、眠たい
9 よく夢を見る
10 汗をよくかく
11 イライラする
12 集中力が落ちた
13 不安になることが多い
14 人からの評価が気になる
15 ストレスが溜まっている
16 思い悩むとこが多い

思い当たる項目はありましたか?

思い当たる項目が3箇所以上ある方は7時間程度の規則正しい睡眠時間を取れていても、睡眠の質に問題があります。

この場合、隠れ不眠に該当し、なかなか自覚症状がないため、自分では気付かないことも多いようです。

まずは、自分の睡眠に問題があるかどうか、自覚することから始めましょう。

 

寝る前に試してみて!鍼灸師さんおすすめのツボ

40代以降の女性にとって、不眠の解消と自律神経のバランスを整えることは、切っても切り離すことができません。

更年期による女性ホルモンの減少は避けることができないため、自然治癒力を高め、自分自身の力で自律神経のバランスを取ることが大切なのです。

まずは薬の服用ではなく、足立先生おすすめの「ツボ温灸」で自然治癒力アップを目指しましょう。

 

不眠解消!よい睡眠を導く7つのツボ

内関
(ないかん)
手首から肘へ指幅3本分下がったところ
膻中
(だんちゅう)
左右の胸の中間と正中線が交わるところ
中脘
(ちゅうかん)
お腹のみぞおちとヘソの中間、正中線に沿った
三陰交
(さんいんこう)
くるぶしの内側から指幅4本分上がったと
肩井
(けんせい)
左右の肩の一番高いところ
完骨
(かんこつ)
首付け根から後頭部に上がったところ
風池
(ふうち)
耳の後ろ側にある後頭部との境目のくぼみのところ

これらのツボは、消化を促進したり、不安感や息苦しさを鎮めて体を穏やかにする効果があります。

ストレスも緩和するので、心身ともに落ち着いた状態で眠りにつくことができるでしょう。

ツボ温灸は寝る前が効果的ですので、ぜひやってみましょう!

 

簡単!ツボ温灸セットの作り方

オーガニックコットンを10センチ角に袋状になるように縫います。

その中に6分目まで乾燥小豆をいれ、電子レンジで1分温めるだけで完成です。

注意点は、まずオーガニックコットンを必ず使用すること。そしてレンジ中は、小豆が割れないよう、30秒ほど温めたら、10秒ごとに確認しじんわりと温かい程度に温めることです。

小豆は割れてしまうまで繰り返し使用できますが、一度使ったら半日ほど間隔を空けてください。

 

良く眠るために!睡眠のためのセルフケア

不眠を解消するために、眠るまでの過ごし方を工夫している方は多いと思います。

寝る前に、コーヒーなどのカフェインや刺激物を取らないなど、気をつけても、なかなか不眠の症状が改善されないということはありませんか?

足立先生によると、就寝前と同じく、日中をどう過ごすかにも気をつけるポイントがたくさんあるそうです。

まず不眠の解消のための生活は、朝の目覚めからスタートします。

陽気が高まる朝の日差しをたっぷり浴びることで、体内時計をしっかりとリセットしましょう。

睡眠とは陰(夜)と陽が入れ替わることを意味するので、朝日を浴びることがとても重要になってくるのです。

こうすることで、夜になると睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌を促進することができます。

 

まとめ

40歳を過ぎると日々の忙しさから疲れがとれず、不調を抱えたまま日々を過ごしていませんか?

女性の場合、不調の原因は疲れだけでなく、ホルモンのバランスや不眠が原因だったことになかなか気づかないことも多々あります。

ツボ温灸は、東洋医学のプロである足立先生オススメの解決策です。

様々なツボの位置を正しく知ることで、不眠だけなく、ホルモンバランスや倦怠感など他の体調不良にも効果的ですので、ぜひお試しください。

 

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