マグネシウムの7つの効果。効果的な摂取方法について、専門家が詳しく解説。

2023. 04. 24
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

マグネシウムは、健康な骨の維持や、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ大事なミネラルです。

300種類以上の酵素の活性を助ける働きがあり、筋肉の収縮や神経伝達、体温・血圧の調整などにも関わっています。

具体的には以下のような7つの効果が期待されています。

マグネシウムの主な効果7つ
  • 健康な骨の維持
  • 糖尿病の予防
  • 高血圧の予防
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防
  • 精神的な不調の防止
  • エネルギー産生などの代謝を助ける
  • 神経伝達を助ける

そのため、偏った食生活などが原因でマグネシウムが不足してしまうと、正常に骨を形成できなくなってしまうほか、不整脈や高血圧になってしまう可能性があります。

ただし、だからといって過剰に摂ると下痢などの体調不良を生じる恐れもあるため、摂取方法には注意が必要です。

この記事では、以下の内容をお伝えしていきます。

この記事でわかること
  • マグネシウムの効果
  • マグネシウム不足で起こる症状
  • マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴
  • マグネシウムを摂取する方法
  • マグネシウムの1日の摂取基準
  • マグネシウムを多く含む食品
  • マグネシウム過剰摂取のリスク

上記のように、最初に「マグネシウムの効果や不足した場合のリスク」をお伝えした上で「どのような人が摂取を意識するべきか」を解説していきますので、自分が摂取を意識すべきかそうでないかを正しく判断することができます。

さらに「具体的にどのような方法で摂ればいいのか」についてもわかるので、早速本日から食生活の改善などを始めることができるでしょう。

それでは早速見ていきましょう。

健康維持には欠かせない、マグネシウムの効果7つ

マグネシウムは、体内において非常に多くの生合成反応や代謝反応に関わっている栄養素です。

具体的には、以下のような効果が期待できます。

マグネシウムの主な効果7つ
  • 健康な骨の維持
  • 糖尿病の予防
  • 高血圧の予防
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防
  • 精神的な不調の防止
  • エネルギー産生などの代謝を助ける
  • 神経伝達を助ける

上記のように、様々な不調や病気の予防に役立ちますので、重要な栄養素だといえるでしょう。

詳しくは以下の通りです。

1-1. 健康な骨の維持

骨というと一番に思い浮かぶのは「カルシウム」かもしれませんが、実はマグネシウムもカルシウムと一緒に骨を形成しており、その弾性や密度を保つ働きを担っています。

さらにそれだけでなく、マグネシウムは「骨芽細胞」という骨を作る細胞に働きかけ、骨の中に入るカルシウムの量を調整しています。

つまり「骨を丈夫にしたい!」と思ってカルシウムをたくさん摂取しても、マグネシウムが不足してしまえば正常に骨が作られないのです。

実際に厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』のページでは、以下のような研究も紹介されています。

  • マグネシウムの摂取量が多い人は骨密度が高い
  • マグネシウム摂取量を増やすと、閉経後の女性や高齢女性の骨密度が増加する

このように、マグネシウムは健康な骨の維持に重要なミネラルだといえます。

1-2. 糖尿病の予防

マグネシウムは、糖尿病の予防にも効果があるといわれています。

これは、マグネシウムが不足するとインスリンの効き目が悪くなり、それによって血糖値が高くなってしまうからだと考えられています。 

実際に日本糖尿病療養指導士認定機構の発行しているニュースレターや、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」にも以下のような情報が掲載されています。

  • マグネシウムの摂取量が多いと2型糖尿病を発症するリスクが10~35%低くなる
  • マグネシウムを1日100mg多く摂取すると2型糖尿病の発症リスクを8~12%減少させる

もちろん糖尿病の原因全てがマグネシウム不足だというわけではありませんが、マグネシウム不足を防ぐことも、糖尿病の予防には重要だといえるでしょう。

1-3. 高血圧の予防

マグネシウムは、体内のカルシウム濃度のバランスを保つことで血管の収縮や拡張をコントロールしているため、高血圧の予防にも役立ちます。

高血圧の人向けの薬で、血管を拡げて血圧を下げる「カルシウム拮抗薬」というものがあるのですが、マグネシウムも同じように血管の筋肉の収縮を調整して血圧を下げる方向に働きます。

そのため、「天然のカルシウム拮抗薬」と呼ばれることもあります。

実際に、日本の厚生労働省と似たような役割を果たしているアメリカの政府機関「米国食品医薬品局(FDA)」も、マグネシウムが高血圧のリスク低減に役立つと認めています。

このように、マグネシウムを不足させないようにすると高血圧の予防効果も期待できるのです。

1-4. 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防

マグネシウムには、虚血性心疾患の予防効果もあると考えられています。

虚血性心疾患とは、動脈硬化や血栓によって心臓の血管が狭くなり、酸素不足に陥ってしまう状態のことで、例としては以下のような症状があります。

虚血性心疾患の例
  • 狭心症:心臓の筋肉に血液を供給する冠状動脈の内側が狭くなり、必要な酸素が供給できず胸が痛くなる状態
  • 心筋梗塞:冠状動脈の詰まりがひどく、心臓の筋肉に酸素が届かず組織が壊死してしまう状態

これらの病気は、動脈硬化が進行することでリスクが高まります。

しかしマグネシウムには、前の項目でもお伝えしたように「高血圧を防ぎ、動脈硬化の進行を予防する」という働きがあることから、こういった病気の予防に役立つと考えられているのです。

さらに、血小板の凝集を抑えて血栓(血管内にできる血の塊)を作りにくくする働きもあるため、血管が詰まってしまうのも防いでくれます。

実際に、国立がん研究センターから発表された、「食事からのマグネシウム摂取量」と「虚血性心疾患の発症」の関連を調べた研究によると、以下のようなことがわかっています。

  • 男性において「食事からのマグネシウム摂取量が一番少ないグループ」よりも「摂取量が一番多いグループ」のほうが、虚血性心疾患の発症リスクが34%低かった

このようにマグネシウムには、動脈硬化が進行したり血栓ができたりするリスクを下げる効果が期待できるため、心疾患の予防に役立つのです。

1-5. 精神的な不調の防止

マグネシウムには、神経の興奮を抑えることで精神状態を安定させる働きもあります。

実際に以下のグラフのように、マグネシウムを多く摂取している人は、摂取量が少ない人よりも抑うつ症状が37%低いというデータもあります。

出典:国立国際医療研究センター「抑うつ症状とミネラル摂取との関係―断面調査の結果から―」

このようにマグネシウムは、精神的な不調を防止するのにも役立つのです。

1-6. エネルギー産生などの代謝を助ける

マグネシウムには、生命維持の基本となるエネルギー産生などの代謝活動を助ける働きもあります。

体の中では、様々な酵素が働いて食事から摂取した栄養をエネルギーに変換して生命を維持しています。

その際、マグネシウムが酵素を活性化することによって代謝活動がスムーズに行われていきます。

このように、エネルギーを生み出すという生体として基本となる活動においても、マグネシウムは重要な役割を担っているのです。

1-7. 神経伝達を助ける

マグネシウムは、神経伝達と神経筋伝導にも関わっています。

そのため、神経が過敏になったり、意思と関係なく筋肉が震えたり、しびれたりしてしまうような症状を防ぐ役割も期待できます。

神経伝達に障害が起こると、脳や脊髄などに不調をきたすことで、偏頭痛やうつ病、てんかん、慢性疼痛などの神経疾患を引き起こすことがあります。

そういった疾患についても、マグネシウムは潜在的な予防と治療に役立つと考えられています。

上記の他マグネシウムには、体温の調整をしたり、ホルモン分泌とその活性発現に関わったり、筋収縮の制御を行ったりと様々な働きがあります。

健康な体を維持していくためには非常に重要な栄養素だといえるでしょう。

マグネシウム不足で起こる主な症状6つ

マグネシウムの効果について詳しくお伝えしましたので、その重要性についてはしっかりお分かりいただけたかと思います。

しかし、日本人の多くはマグネシウムが不足しています。

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、マグネシウムの平均摂取量は、20歳以上の男性で「270mg」、20歳以上の女性で「234mg」となっています。

それに対して、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められている1日の推奨量は30~64歳の男性で「370mg」、女性で「290mg」ですので、男性では100mg、女性では60mg程度が不足しているのです。

そこでこの章では、マグネシウムが不足すると起こり得る主な症状として、以下の6つを紹介します。

マグネシウム不足で起こり得る主な症状6つ
  • 不整脈
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患
  • 高血圧
  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病
  • 精神障害(神経過敏や抑うつ感)

マグネシウム不足に陥ることのリスクを正しく理解することで、早期の対策を打てるようになります。

早速見ていきましょう。

2-1. 不整脈

マグネシウムが不足すると、不整脈が生じやすくなってしまいます。

不整脈とは、脈拍のリズムがゆっくりになったり、逆に速くなったり、もしくは不規則になってしまう状態のことを指します。

なぜマグネシウム不足が不整脈を引き起こすのかというと、マグネシウムは体内で細胞の内側と外側のミネラルなどのバランスを整える働きをしていますが、不足してしまうとその調整がうまくいかず、細胞が正常に動けなくなるからです。

そのため、血管の細胞の動きが異常になり、脈拍に影響が出てしまうと考えられています。

2-2. 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患

さらにマグネシウムが慢性的に不足すると、動脈硬化を引き起こし「狭心症」や「心筋梗塞」のような虚血性心疾患になるリスクが上がります。

マグネシウムには、血管周囲の細胞の中へカルシウムが流入して、血管がけいれんして収縮してしまうのを防止する働きがあります。

そのため、心臓の筋肉の動きを正常に保つことができることから、こういった心疾患を予防すると考えられます。

実際に、慢性的なマグネシウム欠乏が心臓血管の障害につながってしまうことは、多くの研究で明らかになっているため、注意が必要だといえるでしょう。

2-3. 高血圧

マグネシウムの不足は、高血圧のリスクも高めてしまいます。

それはなぜかというと、生体内でカルシウムのバランスを調整しているマグネシウムが不足すると、以下の図のように血管を動かす筋肉の細胞内のカルシウムが過剰になり、細胞が収縮して血圧が上昇してしまうからです。

高血圧の状態が続くと、血管の壁に負担がかかり続けるため、動脈硬化を進行させてしまいます。マグネシウム不足にはこういったリスクもあるのです。

2-4. 骨粗しょう症

マグネシウムには、骨の弾性や密度を保つ働きがあります。

そのため、不足すると骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まってしまいます。

実際に、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』のページによると、骨粗しょう症の女性は、骨粗しょう症でない女性よりも血清マグネシウム値が低いという研究も紹介されています。

そのため、マグネシウムの欠乏は骨粗しょう症のリスクを上げてしまうといわれているのです。

2-5. 糖尿病

マグネシウムは、インスリン(血糖値を調整しているホルモン)の働きを良くすることで糖の代謝を改善します。

そのため、不足すると糖尿病のリスクが高くなってしまうと考えられています。

実際に、マグネシウムの摂取量が少ないと糖尿病の発症率が高くなり、反対にマグネシウム摂取量が多ければそのリスクは下がるという研究も、数多く発表されています。

2-6. 精神障害

マグネシウムの不足は、神経過敏や抑うつ感などの精神障害にもつながります。

マグネシウムは神経細胞でカルシウムのバランスを調整する役割を担っています。不足するとその調整がスムーズに行われず、うつ病の主な原因となる神経細胞の損傷を引き起こしてしまうからだと考えられています。

また、マグネシウムなどのミネラルは、精神を安定させる働きを持つホルモンである「セロトニン」の合成にも関わっているため、不足することでセロトニンの合成が阻害されてしまうことも関係するのではないかといわれています。

このように、マグネシウム不足はうつ病などの精神障害のリスクも高めてしまうのです。

マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴4つ

マグネシウム不足のデメリットについて詳しくお伝えしてきましたので、「こんな症状に陥るのを防止したい」という風に感じた人もいるのではないでしょうか。

しかし、現状自分がマグネシウム不足かどうかわからないと、摂取を意識すべきなのかどうか判断がつかないと思います。

そこでこの章では、マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴として以下の4つを紹介します。

マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴
  • 塩分の多い食事を食べる機会が多い人
  • ストレスが多い人
  • 更年期前後の人
  • 栄養バランスが偏りがちな人

上記に当てはまる場合はマグネシウムの摂取を意識すべき必要がありますので、詳しく確認していきましょう。

3-1. 塩分の多い食事を食べる機会が多い人

味の濃い料理が好きだったり、外食やテイクアウト、加工食品などの利用頻度が高かったりする人は、塩分の過剰摂取になっている可能性があり、マグネシウムの積極的な摂取を心がけたほうが良いといえます。

なぜかというと、塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、尿に排泄されるマグネシウムの量が増えてしまうからです。

そのため、味の濃いものを食べる機会の多い人は、その分よりしっかりとマグネシウムを摂取する必要があると考えられています。

3-2. ストレスが多い人

ストレスが多い人もマグネシウム不足に陥っている可能性があります。

その理由は、ストレスがかかったときも、尿に捨てられるマグネシウムの排泄量が増えてしまうためです。

実際に、国立健康・栄養研究所の西牟田守氏の研究から以下のような報告もされています。

  • 寒い部屋で過ごさせるという環境的ストレスを与えたところ、尿中に排泄されるマグネシウム量が増加した
  • 計算ドリルを解くという精神的ストレスを与えたところ、尿中に排泄されるマグネシウム量が増加した
出典:

そのため、普段ストレスをよく感じている人は、せっかく食事からマグネシウムを摂っても尿から出ていってしまっている可能性があるのです。

3-3. 更年期前後の人

女性は閉経後、骨芽細胞を活発にする女性ホルモンである「エストロゲン」が激減するため、急激に骨密度が低下し、骨粗しょう症の発症リスクが高くなります。

そのため、骨を形成するカルシウムや、エストロゲンと似た働きをしてくれる大豆イソフラボンなどを摂取することとともに、骨を形成し、骨の弾力や密度を保つ役割を担っているマグネシウムもしっかり摂取する必要があると考えられます。

また、更年期前後にはイライラや不安感などの精神的な不調を感じる人もいると思います。

マグネシウムは神経の興奮を抑える働きが期待できるため、そういった側面からも積極的な摂取を心がける必要があるでしょう。

3-4. 栄養バランスが偏りがちな人

マグネシウムは、海藻や魚介類、雑穀や大麦などの穀類、野菜、豆などの精製・加工されていない食品に多く含まれています。

そのため、こういった食品をバランスよく食べる習慣がある人の場合は欠乏するリスクは低いと考えられますが、ファストフードや洋食、加工食品などを摂ることが多い人の場合は、マグネシウムの摂取量が不足している恐れがあります。

特に以下に当てはまる場合は栄養バランスが偏りやすく、マグネシウム不足に陥る可能性がありますので、積極的な摂取が推奨されます。

  • 和食よりも洋食が多い
  • 雑穀米よりも白米が多い
  • 野菜や海藻、豆類をたっぷり食べていない
  • 魚よりも肉を食べることが多い
  • インスタント食品やお菓子など加工度の高い食品を食べることが多い
  • 乳製品などカルシウムを多く含む食品の摂取量が多い

精製された穀類や加工食品の摂取頻度が高く、魚や野菜、海藻、豆類などをあまり食べていないと、単純にマグネシウムの摂取量が少なくなります。

さらに、マグネシウムは他のミネラルとのバランスも重要です。

マグネシウムは体内でカルシウムの濃度調整に働いていますが、カルシウムの摂取量ばかりが多くなると、マグネシウムの吸収が妨げられて、2つのミネラルのバランスが崩れてしまうからです。

カルシウムとマグネシウムの摂取比率は、「カルシウム:マグネシウム=2:1」程度が適当だと考えられています。

そのため、牛乳やチーズなどの乳製品をたくさん摂取している場合は、その分マグネシウムもしっかり補給する必要があるといえるでしょう。

【肌からの摂取は無意味?】マグネシウムを摂取する方法は「食べ物やサプリ」がおすすめ

マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴を解説してきたことで、「自分は当てはまっているかも」「早速マグネシウムを積極的に摂取したい」と思った人もいるのではないでしょうか。

そこでこの章では、マグネシウムの摂取方法について解説します。

マグネシウムを摂取するために最も基本となる方法は、食事などで「口から摂取する」方法です。

食品はもちろんのこと、サプリメントからも摂取することができます。

また、口から摂取する以外の方法としては「マグネシウムスプレー」や「マグネシウム風呂」などで、「肌から吸収する」こともできるのではないか?という説もあります。

しかし、スプレーやお風呂などの方法でマグネシウムが体内にきちんと吸収されるのか、栄養として有効活用されるのか、などについては、現在のところ明らかになっていません。

ただし岐阜薬科大学の研究成果発表資料によると、以下のような効果の報告もあるため、肌に対して何らかの良い影響が及ぼされる可能性はあります。

  • マグネシウムを肌に塗布することでバリア機能が回復する
  • マグネシウムを豊富に含む海水につかることで皮膚の炎症が改善する

ただし、前半で述べてきたような健康な体の維持や精神の安定化などの効果が得られるかどうかは不明です。

基本的には「口から摂取する」という方法でとり入れるようにするのが良いでしょう。

マグネシウムを摂取するときの1日の摂取基準

マグネシウムの摂取方法としては、食事やサプリメントなどで口から摂取するのが良いということがお分かりいただけたと思います。

そこでこの章では、マグネシウム摂取量の目安についてお伝えします。

厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、マグネシウムの推奨量として以下の数値が設定されています。

【マグネシウムの1日の推奨量(mg/日)】
男性 女性
18~29歳 340 270
30~64歳 370 290
65~74歳 350 280
75歳以上 320 260
妊婦(付加量) +40

出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)

上記のように、年齢や性別によって必要量が異なるため、自分の当てはまる部分の数値を確認しましょう。

どのような食品にどのくらい含まれているのか、については次の章で解説します。

【種類別】マグネシウムを多く含む食品と1食あたりの含有量

マグネシウムを1日にどのくらい摂ればいいのか、その目安についてはイメージがついてきたと思いますので、ここからは具体的に「どのような食品を選べばいいのか」についてお伝えします。

マグネシウムを多く含む食品は、以下の通りです。

マグネシウムを多く含む食品
  • 海藻類
  • 魚介類
  • 穀類
  • 野菜類
  • 豆類

代表的な食品や、摂取しやすい方法などについてもあわせて見ていきましょう。

6-1. 海藻類

マグネシウムは、海藻類に多く含まれています。

具体的な食品名と、1食あたりのマグネシウム含有量の目安は以下の通りです。

【海藻に含まれるマグネシウムの含有量】
食材名 マグネシウム含有量
(1食の目安重量あたり)
あおさ 小さじ1(2g)あたり 64mg
乾燥ひじき 大さじ2(10g)あたり 64mg
青のり 小さじ1(2g)あたり 28mg
カットわかめ 大さじ1(2g)あたり 9.2mg
味付け海苔 1パック(3g)あたり 8.7mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」

乾燥された海藻は水で戻すことで、かさが増すため、1食の目安量としては少なめですが、色々な料理に追加することができるため、手軽に食生活にとり入れることができるでしょう。

例えばあおさやカットワカメは、お味噌汁の具にしたり、パスタや海藻サラダなどのトッピングにしたりして使用することができます。

また、ひじきはスーパーやコンビニなどで煮物として売られていますので、自炊する余裕がないという人でも手軽に食べることができます。

焼き海苔は、ご飯や納豆と一緒に食べると、自然と摂取量を増やせるのでおすすめです。

6-2. 魚介類

魚介類にもマグネシウムは豊富に含まれています。特に多く含まれているものや、日常的に摂取しやすいものは以下の表の通りです。

【魚介類に含まれるマグネシウムの含有量】
食材名 マグネシウム含有量
(1食の目安重量あたり)
きんめだい 1切(100g)あたり 73mg
はまぐり 6個(80g)あたり 64.8mg
ししゃも(焼き) 3尾(90g)あたり 58.5mg
するめ 1食(30g)あたり 51mg
あさり 6個(50g)あたり 50mg
牡蠣 3個(60g)あたり 39mg
干しえび 大さじ1(6g)あたり 31.2mg
煮干し(かたくちいわし) 1食(10g)あたり 23mg
しらす干し(半乾燥) 大さじ1(5g)あたり 6.5mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」

干しえびや煮干し、しらす干しなどの乾燥された食品の場合、栄養が凝縮されるため少量でもマグネシウムの補給に役立ちます。

するめや煮干し、しらす干しは、おつまみやおやつとして加工されている商品もあるため、間食としてとり入れるのも良いでしょう。

6-3. 穀類

主食となる穀類にもマグネシウムは含まれるため、豊富に含まれる食材を優先的に選ぶことで、日々の食事で補っていきましょう。

特に以下のような穀類に多く含まれています。

【穀類に含まれるマグネシウムの含有量】
食材名 マグネシウム含有量
(1食の目安重量あたり)
発芽玄米 1食(150g)あたり 79.5mg
マカロニ・スパゲッティ(乾) 1食(100g)あたり 55mg
そば(ゆで) 1食(200g)あたり 54mg
全粒粉パン 1食(60g)あたり 30.6mg
オートミール 1食(30g)あたり 30mg
ライ麦パン 1食(60g)あたり 24mg
ベーグル 1食(100g)あたり 24mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」

穀類は、「白米よりも玄米」「小麦粉よりも全粒粉」というように、加工度が低いものほどマグネシウムの含有量が多くなります。

そのため、「普段の主食を白米から発芽玄米に」「白い食パンから全粒粉食パンに」という変更を行うだけでも、手軽に摂取量を増やすことができます。

麺類では、うどん(ゆでた麺 200gあたりのマグネシウム量 12mg)やラーメン(同 14mg)よりも、上記のようにスパゲッティや蕎麦のほうが多く含まれるため、外食などの際もパスタ店や蕎麦店を選ぶようにすると良いでしょう。

6-4. 野菜類

マグネシウムが多く含まれる野菜としては、以下のようなものがあります。

【野菜に含まれるマグネシウムの含有量】
食材名 マグネシウム含有量
(1食の目安重量あたり)
えだまめ(ゆで) 1食(50g)あたり 36mg
切干しだいこん(乾) 1食(15g)あたり 24mg
ほうれんそう 1株(30g)あたり 20.7mg
オクラ 5本(35g)あたり 17.9mg
ごぼう 1/4本(25g)あたり 13.5mg
ブロッコリー 1/4株(40g)あたり 11.6mg
ルッコラ 1/2束(25g)あたり 11.5mg
モロヘイヤ 1/4束(25g)あたり 11.5mg
水菜 1株(25g)あたり 7.8mg
かいわれだいこん 1/2パック(20g)あたり 6.6mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」

枝豆は、すぐに食べられるものがスーパーやコンビニにパックで売られています。料理をする習慣がない人でも手軽にとり入れられるので嬉しいですね。

枝豆やほうれんそう、ブロッコリーなどは冷凍野菜もありますので、常備しておくと良いでしょう。

6-5. 豆類

マグネシウムは大豆にも多く含まれているため、大豆の加工品である以下のような食品もおすすめです。

【豆類に含まれるマグネシウムの含有量】
食材名 マグネシウム含有量
(1食の目安重量あたり)
木綿豆腐 1/2丁(150g)あたり 85.5mg
絹ごし豆腐 1/2丁(150g)あたり 75mg
蒸し大豆(黄大豆) 1食(60g)あたり 66mg
豆乳 1杯(200g)あたり 50mg
いり大豆(黄大豆) 1食(20g)あたり 48mg
納豆 1パック(40g)あたり 40mg
おから(生) 1食(80g)あたり 32mg
油揚げ 1枚(20g)あたり 30mg
凍り豆腐(乾) 1個(20g)あたり 28mg
きな粉 大さじ1(6g)あたり 15.6mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」

絹ごし豆腐よりも木綿豆腐のほうが、ひきわり納豆よりも普通の納豆のほうがマグネシウムの含有量が多くなるので、より摂取量を増やしたいという人は選び方にも気を付けてみると良いでしょう。

豆乳はコンビニでも入手できるので、間食としてとり入れるのも便利です。

大豆は、既に蒸してパックされたものがスーパーなどで手軽に購入できますので、サラダのトッピングや煮物などに利用すると良いでしょう。

マグネシウムは過剰摂取にも注意しよう!

マグネシウムが多く含まれる食品について、詳しく解説してきました。

早速「これらの食品を積極的に食べてマグネシウムを補給しよう!」という気持ちが強くなったのではないでしょうか。

しかしここで「逆に摂りすぎるのもよくないのでは?」という疑問を持った人もいるかもしれません。

マグネシウムを過剰に摂取すると下痢を生じることがあるため、摂り過ぎには気を付ける必要があります。

実際に「日本人の食事摂取基準2020年版」では、成人の1日の上限量を350mgと定めています。

特に、薬やにがり、サプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムが大量に入っているものを複数摂取していると、自覚のないままマグネシウムの過剰摂取につながっていることがあります。

ただし、薬やサプリメントなどではなく通常の食品から栄養を摂る分には、マグネシウムの過剰から健康を害したという報告はありません。

普通の食生活をしているのであれば、過剰症について必要以上に心配することはないでしょう。

その半面、以下のような人の場合は過剰摂取に陥ることもあるので、注意が必要です。

マグネシウムの過剰摂取を引き起こす可能性のある人
  • 腎機能が低下している人
  • 高齢の人
  • 便秘症の人
  • 長期間にわたって酸化マグネシウムの薬を服用している人

健康な人の場合は、もしマグネシウムを摂り過ぎても、不要な分は尿に排泄されていきます。

しかし上記のように、特に腎機能が低下している人の場合には、尿への排泄がうまくいかないため体内のマグネシウム濃度が異常に高くなり、血圧低下や吐き気などを引き起こすことがあるため気をつけましょう。

実は、マグネシウムは食材からだと40〜60%程度しか吸収されない!

マグネシウムは、食材から摂取しても40~60%程度しか吸収されないといわれています。

そのため、「バランスの良い食生活を継続するのが難しい」「食事からマグネシウムも充分摂れているか不安」という場合は、サプリメントを活用すると良いでしょう。

ただし前の章でお伝えしたように、腎機能が低下している人や高齢の人、便秘症の人、長期間にわたって酸化マグネシウムの薬を服用している人などの場合は過剰摂取に注意する必要があります。

そのため「他に飲んでいる薬がある」「持病がある」という場合は、まずはかかりつけの医師に相談をした上でとり入れるようにしてみてください。

まとめ

この記事では、マグネシウムの効果について詳しく解説してきました。

最初に、マグネシウムの持つ効果として以下の内容をお伝えしました。

マグネシウムの主な効果7つ
  • 健康な骨の維持
  • 糖尿病の予防
  • 高血圧の予防
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防
  • 精神的な不調の防止
  • エネルギー産生などの代謝を助ける
  • 神経伝達を助ける

そして、マグネシウムが不足することで起こり得る症状として以下を紹介しました。

マグネシウム不足で起こり得る主な症状6つ
  • 不整脈
  • 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患
  • 高血圧
  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病
  • 精神障害(神経過敏や抑うつ感)

その後、マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴として次の内容をお伝えしました。

マグネシウムの摂取を意識すべき人の特徴
  • 塩分の多い食事を食べる機会が多い人
  • ストレスが多い人
  • 更年期前後の人
  • 栄養バランスが偏りがちな人

さらに、マグネシウムを摂取する方法としては食事から摂取することがおすすめであるということと、具体的にどんな食品に多く含まれるか、についても解説しました。

最後までお読みいただいたことで、「マグネシウムの効果にはどのようなものがあるのか」と「自分に必要なものなのかどうか」がわかり、不足させないようにするための具体的な方法についてもイメージできるようになったのではないでしょうか。

健康な体で毎日を過ごすため、マグネシウムが不足しないよう心がけていきましょう。

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