「PMSのイライラで大事な人に当たり散らしてしまう…」
「PMSのイライラで自己嫌悪になるのをなんとかしたい…」
生理が近づいてくると、憂鬱なのがPMSですよね。
理性とは裏腹に、些細なことにもイライラして周囲に当たり散らしたり、暴言を吐いてしまったり。
そんな自分を責め過ぎて自己嫌悪に陥り、涙が止まらないこともあるのではないでしょうか。
「何でこんなにイライラするの?」
「私、おかしくなっちゃったのかな」
上記のような不安を感じて、ますます塞ぎ込んでしまう人も多いでしょう。
PMSのイライラには、根本的な原因があります。
女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」の、2つのホルモンのバランス崩壊によるものです。
2つのホルモンは、女性らしさや妊娠をサポートする女性にとって欠かせないホルモンです。
ただ、生理前にバランスが乱れやすく、イライラを引き起こしてしまいます。
PMSのイライラを緩和するには、下記のような、ホルモンバランスが乱れない対策の実践が必要です。
PMSのイライラを緩和するため、上記の4つの方法を毎日の暮らしに取り入れていきましょう。
ただ、これらの方法は効果が出るまでに時間がかかりますし、効果の出方も人それぞれです。
「何もかも嫌で今ものすごく辛い」
「他人や自分を傷つけてしまいそうで怖い」
「イライラ以外にも吐き気や倦怠感、頭痛など身体的な症状もある」
…というほど重症な場合は、すぐに婦人科を受診して即効性のあるピルを処方してもらうなど、適切な処置をしてもらうことがおすすめです。
この記事では、次のポイントについて解説していきます。
この記事を最後までお読みになれば、PMSのイライラの原因や対処法、予防法などについて知り、すぐに実践することができます。
あなたを苦しめているPMSの辛いイライラが緩和され、あなたが生理前でも大切な人と心穏やかに過ごせることを願っています。
目次
PMSのイライラは、女性ホルモンのバランス崩壊が原因で起こる!
冒頭でもお伝えした通り、PMSのイライラは、女性ホルモンのバランスの乱れが原因です。
私たちが生理前にイライラする原因には、月経周期に関わる女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」の2つが関係しています。
生理が近づくと、上記の2つの女性ホルモンは増えたり減ったりします。
ホルモンの増減を示した、次の図をご覧ください。
上記の図からも分かるように、エストロゲンとプロゲステロンには、それぞれ増える時期と減る時期があり、互いにバランスをとって女性の身体の働きを正常に保っています。
結論をお伝えすると、PMSは、排卵期後の2つの女性ホルモンの増減バランスが崩れることで、起きるとされています。
排卵期の後のホルモンを見てみると、エストロゲンが減って、プロゲステロンが増えていますね。
エストロゲンとプロゲステロンは1つの周期で必ず増減します。
ですが、女性ホルモンは非常に繊細なので、ストレスや栄養不足、寝不足などでバランスが崩れてしまうことがあります。
適切なバランスが取れないと身体が異変を感じ、次のようなイライラや不安、憂鬱などの症状が現れてしまうのです。
片方のホルモンが正常でも、もう片方が過剰・不足するだけで、PMSのイライラは起きてしまうのです。
【セルフチェックしよう】PMSでとくにイライラしやすい人の特徴一覧
私たちの生活習慣の中には、PMSのイライラを更に悪化させる可能性がある原因があります。
ただでさえあなたを苦しめているPMSですが、日々の暮らしの中で余計に症状を強めていないか知るために、悪習慣を知っておきましょう。
PMSのイライラを更に悪化させる可能性がある原因は、次の通りです。
自分に当てはまっているものがないか、チェックしてみてください。
上記の特徴に多く当てはまる方は、PMSでとくにイライラしやすい可能性があります。
生理前に「毎日お酒を飲んでいた!」「イライラしてチョコレートばかり食べていた」ということはありませんか?
また、人間関係に悩みがあったり、つい頑張りすぎてしまう方も、ストレスを感じることで、ホルモンバランスが乱れやすいです。
もし、PMSのイライラを更に悪化させる原因が習慣化しているようなら、なるべく避けるように心がけるだけでも、症状がやわらぐことがあります。
辛いPMSのイライラを和らげる方法4つ
ここからは、辛いPMSのイライラを和らげる方法を4つご紹介していきます。
あなたの不調が少しでもやわらぐように、ぜひ方法を実践してみてくださいね。
3-1.甘い食べ物やジュースを控える
PMSの辛いイライラを和らげるには、甘い食べ物やジュースを控えるようにしましょう。
インスリンによる、急激な血糖値の変動が、不安やイライラを悪化させる原因になるからです。
月経前は、ただでさえ、低血糖になりやすい状態です。
「1.PMSのイライラは、女性ホルモンのバランス崩壊が原因で起こる!」でお伝えした、女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」は、インスリンに対して、下記のような効果があるからです。
PMSが起こる、月経前のあなたの体は、エストロゲンが減り、プロゲステロンが増えている状態です。
つまり、通常よりインスリンの効きが悪く、甘いものを食べると大量のインスリンが必要な身体になっています。
甘いもの(糖質)を摂りすぎると、あなたの身体では、血糖値が急激に上がります。
体内では大量のインスリンが分泌されて、血糖値が急激に下がることになります。
ここで、血糖値の急降下は、脳が「低血糖」の状態だ!と勘違いしてしまいます。
結果として、イライラや怒りっぽくなったり、不安が強くなる「アドレナリン」「ノルアドレナリン」が、たくさん分泌されてしまうのです。
特に生理前は、甘いものを一度にたくさん摂取することは避けましょう。
とは言え、生理前になると甘いものが食べたくなる人も多いですよね。
「食べたいのに食べられない」
「絶対に甘いものを食べてはいけない」
…などと我慢すると、ストレスが大きくなり、PMSを悪化させる原因になってしまいます。
「我慢をしなければいけない」と強く思い込むより、「2個食べようと思ったけど1個にしておこう」と、最初は少し控えることから始めると良いでしょう。
3-2.特定の栄養素が入った食事を心がける
PMSのイライラは、特定の栄養素が不足することで引き起こされている可能性があります。
特定の栄養素とは、次の3つです。
それぞれの理由と、おすすめの食事メニューを紹介していきます。
ぜひ、生理前の食事の参考にしてみてくださいね。
3-2-1.カルシウム
カルシウムには、脳の興奮を抑える働きがあります。
カルシウムが充足している時は冷静に判断できることでも、カルシウムが不足している状態だとすぐにカッとなり興奮してしまうことがあります。
興奮はイライラともつながりますので、カルシウムは積極的に摂取するようにしましょう。
カルシウムが多く含まれる食品は次の通りです。
具体的に、1日にどのくらい摂取すれば良いのかを説明しましょう。
30歳〜49歳のカルシウムの推奨摂取量660mgを目安(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)にすると、次の通りになります。
上記の表のものは、食べ物の中でも、とくにカルシウムの含有量が多いです。
1日の食事や間食で、意識的に摂取していくと良いでしょう。
カルシウムについて、さらに詳しい作用や効果などを知りたい人は、下記の記事も、ぜひご参考ください。
3-2-2.マグネシウム
マグネシウムは、私たちのイライラを抑える効果があります。
幸せホルモンである「セロトニン」の産生をサポートするからです。
セロトニンには、精神を安定させて、イライラした気持ちを落ち着ける働きがあります。
イライラすると、セロトニンを作るために、多くのマグネシウムを消費します。
マグネシウム不足になるとセロトニンが作られないため、イライラの解消ができなくなってしまうのです。
マグネシウムは、次の食品に多く含まれています。
PMSのイライラを和らげるためには、白米を玄米に変えたり、朝ご飯に納豆やしらすを摂取しましょう。
マグネシウムの1日の推奨摂取量は、30歳〜64歳の女性で290mgです。(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版))
推奨摂取量を参考にした、次の表をご覧ください。
上記の表にあるものは、食べ物の中でもマグネシウムの含有量が多いです。
ただ、一つの食品で理想量を摂取しようとすると大変なので、さまざまな食品をバランスよく摂るようにしましょう。
マグネシウムについて、さらに詳しい作用や効果などを知りたい人は、下記の記事も、ぜひご参考ください。
3-2-3.ビタミンB6
ビタミンB6は女性ホルモンの合成を助け、感情をコントロールするのに必要な栄養素です。
ビタミンB6が不足すると女性ホルモンの分泌バランスが崩れたり、イライラしやすくなります。
ビタミンB6が多く含まれる食品は次の通りです。
ビタミンB6は、肉や魚から摂取できます。具体的に、1日にどのくらい摂取すれば良いのかを説明しましょう。
成人女性で、ビタミンB6の推奨摂取量は1.3mgです。(参考:厚生労働省eJIM|ビタミンB6)
推奨摂取量を参考にした次の表をご覧ください。
上記の表にあるものは、食べ物の中でもビタミンB6の含有量が多いです。
食事や間食で、バランスよく摂るようにすると良いでしょう。
ビタミンB6について、さらに詳しい作用や効果などを知りたい人は、下記の記事も、ぜひご参考ください。
3-3.アロマなどの香りでリラックスする
PMSでイライラした時は、アロマなどの香りでリラックスすることがおすすめです。
アロマの香りに、ストレスに関する脳内の因子の発現を変化させる効果が期待できるからです。(出典:東邦大学「アロマと嗅覚、そしてストレス」)
リラックス効果を期待できる香りは、次の通りです。
上記のハーブの効果を得るためには、ハーブティーやアロマキャンドル、よもぎ蒸しなどを利用すると良いでしょう。
3-4.日光を浴びながら軽いウォーキングを行う
PMSのイライラを和らげるには、日光を浴びながら軽いウォーキングを行うことがポイントです。
日光を浴びて軽く運動することも、幸せホルモン「セロトニン(興奮や不安を抑えて、精神を安定させる)」を分泌させることができるからです。
セロトニンは、次の5つのコツで増やすことができます。
その中に、日光を浴びることや散歩が含まれるのです。
上記の中で一番大切なのは、日光を浴びることです。特に、朝陽を浴びるようにしてください。
セロトニンは朝に最も多く生成され、夕方になるにつれて生成量が減っていくからです。
セロトニンは眠っている間はほとんど作られません。
朝に日光を浴びて体内時計をリセットすることで、分泌が始まるのです。
できるだけ多くのセロトニンを分泌させるためには、朝日を浴びることが重要です。
PMSのイライラが起きないように予防する対策6つ
PMSがすでに起きている場合にやわらげる方法のほかに、そもそもPMSのイライラが起きないように予防する対策もご紹介しましょう。
PMSのイライラが起きないように予防する対策は、次の6つです。
6つの対策がPMSのイライラ予防につながる理由について、さらに詳しく説明していきます。
できそうなものから、暮らしに取り入れてみてくださいね。
4-1.大豆イソフラボンのサプリメントを摂取する
大豆イソフラボンは女性の美しさや若々しさをサポートする成分として有名ですが、PMSにも効果が期待できます。
「1.PMSのイライラは、女性ホルモンのバランス崩壊が原因で起こる!」で説明した通り、PMSでイライラする原因の一つに、女性ホルモン「エストロゲン」の減少があります。
ここで、大豆イソフラボンを摂取すると、体内でエクオールという成分に変わり、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをします。
不足したエストロゲンを補い、ホルモンバランスを整えることができるのです。
ただ、大豆イソフラボンは、食事からも摂取できますが、必要なエクオールに変わるだけの量を摂り続けるのは難しいでしょう。
大豆イソフラボンの1日の上限摂取量は70〜75mgで、多く含む食品は下記の通りです。
「煮大豆100gで1日の上限摂取量をクリアできる」と思っても、その量を毎日食材から摂り続けるのは大変です。
いつでも手軽に摂取できるサプリメントを活用し、継続して大豆イソフラボンを摂取するようにしましょう。
4-2.カフェインやアルコールを避ける
PMSのイライラを予防するためには、カフェインやアルコールを避けるようにしましょう。
その理由は、次の通りです。
カフェインには神経を興奮させる作用があるため、摂取により脳神経が興奮してイライラにつながります。
また、カフェインがイライラを抑制する、3-2-1.カルシウムや3-2-2.マグネシウムの吸収をさまたげることで、精神状態が不安定になってしまうのです。
アルコールについては、アルコールを体内で分解するときにビタミンB群が消費されます。
とくに、ビタミンB6が不足することで、イライラを引き起こしてしまいます。
PMSのイライラで悩んでいる人は、月経前は、カフェインの多い下記のものや、アルコールを控えるようにしましょう。
4-3.栄養バランスのとれた食事にする
「3-2.特定の栄養素が入った食事を心がける」でご紹介した、下記の3つの栄養素は、不足するとPMSのイライラが起こる可能性があります。
上記3つの栄養素がとれる食事メニューを意識することで、PMSの発症を抑えることができます。
4-4.タバコを吸わない
タバコを吸わないようにすると、PMSのイライラを予防することができます。
喫煙は、自律神経のバランスを崩してココロとカラダを興奮状態にしてしまうからです。
生理前にタバコを吸うことで、PMSのイライラを助長してしまう可能性があります。
あなたがPMSのイライラで悩んでいるのなら、生理前は控えるとよいでしょう。
4-5.規則正しい生活を送る
PMSのイライラ予防策は、規則正しい生活を送るようにすることです。
規則正しい生活を送ると自律神経が整い、女性ホルモンのバランスも整います。
具体的に、次の5点を実践しましょう。
ただ、女性ホルモンのバランスは1日2日の行動で簡単に整えることはできません。
継続して習慣化することが重要です。
とは言え、今までやってこなかったことを突然毎日続けるのは大変なことですよね。
最初は難しくても、できることから少しずつ始めれば大丈夫です。
無理をせず、「できることをやっていけば良いんだ」という気軽な気持ちで取り組むことで、自然に習慣化できるでしょう。
4-6.医療機関を受診する
PMSでイライラする症状が辛い方は、医療機関の受診もおすすめです。
あなたのイライラの原因がPMSなのか他の病気なのかを調べ、適切な治療を受けられるからです。
医療機関では、問診に加え、必要に応じて血液・超音波検査などが行われます。
あなたのイライラがPMSだと診断されると、次のような処置や治療を受けます。
PMSは症状や重症度に個人差があるため、処置や治療内容は人によって異なります。
生活指導だけで終わる人もいれば、薬が処方される場合もあります。
ただ、毎月のイライラがPMSだと診断されるだけでも、イライラの原因が身体的な問題であって、自分のせいではないことに、安心できるでしょう。
症状が辛い時や、誰かに相談したい時は、医療機関の受診も選択肢に入れてください。
【いつも頑張るあなたへ】辛いPMSは自分を労わることを最優先にしよう
PMSのイライラがひどく辛い時は、自分を労わることを第一にしましょう。
無理をして頑張りすぎると、余計にイライラしてしまいます。
結局周囲に当たり散らしてしまい自己嫌悪に陥ってしまうと、辛い気持ちをさらに助長してしまいますよね。
真面目で頑張り屋さんであればあるほど自分を責めやすいので、PMSの症状が強く出てしまいます。
自分を労わる過ごし方で意識するポイントは次の4つです。
PMSの時期は、「こんなに自分に甘くて良いのかな」と思うくらい自分を甘やかしても良いのです。
自分を労わることに罪悪感を持つことはありません。
PMSでイライラしている状態、それは女性ホルモンのバランスが崩れるというれっきとした原因があります。
決して、あなたの人間性や身勝手によるものではありません。
「いつもは頑張っているんだから、今はゆっくりしよう」という考えで、辛い時期は自分をとことん甘やかし、リラックスして過ごすようにしましょう。
PMSのイライラがひどいときは婦人科への相談も考えよう
PMSのイライラがひどい時は、自分一人で抱え込まずに、婦人科への相談も視野にいれましょう。
PMSのうち、特に精神症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、「PMDD(月経前不快気分障害)」である可能性もあるからです。
PMDDかどうかを知るために、下記のセルフチェックを実践しましょう。
上記のチェックリストで、多く当てはまる場合は、PMDDの可能性があります。
あなたのイライラがPMDDと診断された場合は、ピルや抗うつ剤、漢方などが処方されることもあるくらい、辛い症状なのです。
だからこそ、専門的な立場からの助言や治療を求めても、全く問題ありません。
など、とても辛い状況なら、あなたの心と身体がSOSを出している状態です。
PMS症状や程度は人それぞれです。本当に辛いと思う時は、遠慮しないで婦人科を受診しましょう。
そして、イライラ以外に頭痛や吐き気など、ほかの症状がある場合は、妊娠やほかの病気である可能性もあります。
その際は、いつからどのような症状がどのくらい出たのかをメモしておき、担当の医師に細かく相談してください。
まとめ
いかがでしたか?PMSのイライラについて、原因や対処法、予防法などを解説してきました。
最後にこの記事をまとめましょう。
◎PMSのイライラがあまりにも酷い時や他に症状がある時は婦人科を受診しよう
以上になります。
PMSのイライラは女性ホルモンのバランスが崩れることで起きるため、決してあなたの人間性の問題ではありません。
あなたがPMSのイライラから解放され、生理前でも大切な人と良好な関係を築き、何よりもあなた自身をもっと好きになれることを願っています。