強力なアンチエイジング!ビタミンEで期待できる7つの効果について専門家が解説。

2023. 06. 21
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「体の冷えを治したい…サプリを摂りたいけれど、どの栄養素が効くのだろう?」

「アンチエイジング効果があるのは、どのビタミン?」

このような疑問をお持ちの方におすすめなのが、ビタミンEです。

ビタミンEは抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンの一種で、体内の脂質を酸化から守ることから「若返りのビタミン」「老化抑制ビタミン」などと呼ばれています

ビタミンEには幅広い年代に嬉しい健康効果が期待できますが、なかでも40〜50代の女性に、特にうれしい効果がたくさんあります

▼ビタミンEの効果7つ

  • 老化防止
  • 肩こりや冷え性などの改善
  • シミ・そばかすの改善
  • 肌の乾燥・小じわの改善
  • 薄毛防止
  • 生活習慣病の予防や改善
  • 妊娠しやすい体作り

この記事では、ビタミンEで期待できる効果を詳しく解説します。

さらに、ビタミンEをどのように摂り入れるのか具体的な方法に加えて、効果を高める摂取方法もお伝えします。

最後までお読みいただくと、安心してビタミンEを摂っていけるようになるでしょう。

ビタミンEは美容と健康維持のために、日常的に摂取しておきたい栄養素です。

知識を深めて、美容と健康に役立てましょう。

強力なアンチエイジング!ビタミンEで期待できる7つの効果

抗酸化作用を持つビタミンEは、アンチエイジングの強い味方です。

いつまでもキレイでいたい40〜50歳の女性に、特におすすめの栄養素となっています。

また、ビタミンEには、アンチエイジング以外にも嬉しい効果がたくさんあります。

ここでは、ビタミンEで期待できる、下記の7つの効果を詳しく解説します。

1. 老化防止
2. 肩こりや冷え性などの改善
3. しみ・そばかすの改善
4. 肌の乾燥・小じわの改善
5. 薄毛防止
6. 生活習慣病の予防や改善
7. 妊娠しやすい体作り

1-1.老化防止

ビタミンEの注目すべき効果として、「老化を防ぐ」が挙げられます。

ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、老化の原因となる過酸化脂質の発生リスクを減らすからです。

抗酸化作用
とは
  • 体内の酸化を抑える働きのこと
過酸化脂質
とは
  • 体内にあるコレステロールや中性脂肪などの脂質が酸化したもの
  • 加齢とともに増加する傾向にある

食物が酸化すると変色したり、品質が劣化したりするように、体も酸化するとさまざまな悪影響が出てきます。

過酸化脂質が増えると、以下のようなデメリットがあります。

  • 老化の原因(血管、細胞、皮膚など)
  • 血栓を作り、動脈硬化を引き起こす
  • 細胞を傷つけ、がん発生リスクにつながる

過酸化脂質は血液をドロドロにする原因です。

ビタミンEの抗酸化作用は、血管を流れる血液をサラサラにすることで、老化を防ぎます。

1-2.肩こりや冷え性などの改善

ビタミンEは、肩こりや冷え性などの改善効果も期待できます。

ビタミンEには末梢神経を広げ、血行を良くする働きがあるからです。

さらに自律神経を整える働きもあるため、血行不良によって生じる症状の改善に役立ちます。

▼血行不良によって生じる主な症状

  • 肩こり
  • 冷え性
  • 腰痛
  • 頭痛
  • むくみ
  • 生理不順
  • 自律神経の乱れ …など

さらに、ビタミンEはホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスの乱れを整える作用があるので、冷え性にも効果的です。

1-3.シミ・そばかすの改善

ビタミンEは、シミやそばかすを改善する効果が期待できます。

なぜなら、ビタミンEには以下の3つの働きがあるからです。

  • メラニン色素の生成を抑制
  • メラニン色素の沈着防止
  • ターンオーバーの正常化

そもそも、シミやそばかすは次の2つの原因で発生します。

  • 活性酸素がメラノサイト(色素細胞)を刺激して、メラニンの生成を促す
  • 皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が遅れて、メラニン色素がうまく排出されない

ビタミンEが持つ抗酸化作用は、活性酸素を抑える働きがあるため、メラニンの過剰分泌を防ぎます。

またビタミンEの血行促進効果により、ターンオーバーの働きを正常化することで、メラニン色素をスムーズに排出します。

このように、ビタミンEが持つ3つの作用により、シミ・そばかすの改善をしてくれるのです。

1-4.肌の乾燥・小じわの改善

ビタミンEは、肌の乾燥・小じわ改善の効果も期待できます。

ビタミンEには、紫外線によって生まれる活性酸素を中和する作用があり、皮脂膜(お肌の表面)を安定させるからです。

肌の乾燥や小じわは、皮膚の水分が減少することでできるものです。

皮脂膜が安定すると、肌に適度な潤いを保てるので、乾燥や小じわができにくくなります。

また、ビタミンEによる血行促進作用は、肌のハリや弾力を守る働きもあります。

ビタミンEは、若々しい肌を維持したい人は積極的に取り入れたい栄養素の1つといえるでしょう。

参考:Ultraviolet Radiation, Aging and the Skin: Prevention of Damage by Topical cAMP Manipulation – PMC

1-5.薄毛防止

ビタミンEは薄毛防止の効果も期待できます。

薄毛となる主な原因は、下記の2つです。

  • 頭皮の血行不良
  • 頭皮の毛穴に皮脂や汚れがたまる

ビタミンEは、この2つに適切に対処する作用があるからです。

作用 期待できる効果
血行不良改善
  • 頭皮に必要な栄養が行きわたる
抗酸化作用
  • 毛穴に皮脂や汚れがたまりにくい

海外の研究では、ビタミンEを8ヶ月摂取した人は、約34.5%発毛が増加したという結果も出ています。

毛根にしっかり栄養が届き、頭皮の不要な脂を排出することで抜け毛防止・育毛促進が期待できるのです。

参考:Effects of tocotrienol supplementation on hair growth in human volunteers

1-6.生活習慣病の予防や改善

ビタミンEが持つ抗酸化作用は、生活習慣病の予防や改善に役立ちます。

活性酸素の過剰生産を防ぎ、体内の抗酸化作用とのバランスを維持する働きがあるからです。

私たちの身体は、活性酸素が増えすぎると、体内の血液やDNAなどが劣化・損傷してしまいます。

結果的に、下記のような生活習慣病を引き起こしてしまうのです。

  • 動脈硬化
  • 脳卒中
  • 高血圧
  • 糖尿病

また、ビタミンEは血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑える働きがあります。

血液をサラサラにすることで、動脈硬化や脳卒中の予防に役立ちます。

山口県立大学の森口覚教授によると、ビタミンEと生活習慣病との関連で、以下の疾患について多数の研究成果が報告されているとしています。

【研究成果が報告されている疾患】

  • 心疾患
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 肥満
  • がん

1-7.妊娠しやすい体作り

ビタミンEは、妊娠しやすい体つくりにも有効です。

ビタミンEは主に副腎や卵巣に蓄えられ、女性ホルモンや男性ホルモンの分泌にかかわっており、生殖機能を維持する働きをするからです。

ビタミンEの作用 期待できる効果
抗酸化作用
血流促進
卵子や精子の質が上がる
血流促進 子宮内膜が厚くふかふかになる

卵子や精子も、ほかの細胞と同じように、酸化すると質が低下します。

加齢とともに妊娠率が下がるのは、卵子や精子の質の低下が原因の1つです。

血行が良くなると、必要な栄養が体内にしっかり行き渡るので、卵子や精子の質を上げる効果もあります。

卵子・精子の質の向上とともに意識したいのが、子宮内膜の状態です。

血流が良いと、子宮内膜が厚くなり、ふかふかになりやすいとされているため、着床率を上げる効果も期待できます。

また、ビタミンEは妊娠前だけでなく、妊娠維持や産後にも良い影響を与えるとされています。

妊娠前
  • 排卵の促進
  • ホルモンの調整
  • 卵巣の成長
妊娠時
  • 胎盤の血流促進
産後
  • ホルモンの調整
  • 乳腺の血行促進

ビタミンEは、妊娠や出産を希望する人に必要な栄養素と言えるでしょう。

ビタミンEは普段の食事でどれくらい摂れる?摂取量の目安と摂取状況

ビタミンEの効果が分かったら、
「ビタミンEは普段の食事でどれくらい摂れるのだろう?」
「自分は足りているのかな?」
と気になりますよね。

ここでは、ビタミンEの摂取量の目安や摂取状況について解説していきます。

2-1.ビタミンEの1日の摂取量の目安と摂取状況

ビタミンEの1日の摂取量は、食事摂取基準から把握できます。

厚生労働省が定めるビタミンEの食事摂取基準は以下のとおりです。

出典:1―6 ビタミン,P37

どれくらい摂取しているかは、摂取した栄養や生活習慣などの状況を調査した「国民栄養・健康調査」のデータで分かります。

令和元年のデータより、ビタミンEの1日当たりの平均摂取量を、以下の表にまとめました。

男性の平均値(mg) 女性の平均値(mg)
1~6(歳) 4.2 3.8
7~14(歳) 6.0 5.9
15~19(歳) 7.3 6.6
20~29(歳) 6.9 5.4
30~39(歳) 6.6 6.1
40~49(歳) 6.7 6.0
50~59(歳) 7.1 6.6
60~69(歳) 7.5 7.2
70~79(歳) 7.8 7.4
80歳以上 6.8 6.3

参考:国民健康・栄養調査|厚生労働省より筆者作成

摂取目安と摂取状況を比較すると、どの年代も概ね摂取できていることが分かります。

とはいえ、数値だけを見ても、ビタミンEが食品からどれくらい摂れるのか分かりにくいですよね。

次項でビタミンEを多く含む食品と含有量をご紹介します。

2-2.ビタミンEを多く含む食品

ビタミンEは魚や油など、さまざまな食品に含まれているのが特徴です。

なかでもビタミンEを多く含む食品を以下の表にまとめました。

食品 1食当たりの重量 ビタミンEの含有量(mg)
キングサーモン(焼き) 1切れ
(150g)
5.7
うなぎの蒲焼き 1串
(100g)
4.9
めかじき(生) 100g 4.4
マグロ油漬け缶詰 1/2缶
(50g)
4.2
子持ちカレイ 1切れ
(130g)
3.8
たらこ(生) 40g 2.8
かぼちゃ(生) 100g 4.9
アーモンド(炒り・無塩) 15g 4.4
落花生(炒り) 15g 1.6
アボカド 50g 1.7
ヒマワリ油 大さじ1
(12g)
4.7
綿実油 大さじ1
(12g)
3.4

参考:食品成分データベース

30代男性の摂取目安であるビタミンE(6.6g)は、キングサーモン1切れと、炒った落花生15gで基準値を満たすことができます。

ビタミンEは油にも入っていますから、普段の食事でも気軽に摂取できるのが特徴です。

2-3.ビタミンE欠乏症は起こりにくい

日本人の一般的な食事からではビタミンE欠乏症は起こりにくくなっています。

これは前述の摂取目安と摂取状況からもお分かりいただけるかと思います。

しかしながら、以下に該当する人はビタミンE欠乏症が起こる可能性があります。

  • 極端に偏った食事の人
  • 極端に食事量が少ない人

上記に該当する人は、ビタミンEを積極的に摂ることを検討しましょう。

参考:ビタミンE欠乏症 – 11. 栄養障害 – MSDマニュアル家庭版

加齢にともなう悩みはビタミンEの効果が最適!ビタミンEを摂るべき人

ビタミンEは、特に加齢に伴う悩みに効果的な栄養素であることが分かりました。

さらに加齢に伴う悩み以外にもアプローチできる効果があります。

ここでは、ビタミンEを積極的に摂るべき人をお伝えします。

【ビタミンEを積極的に摂るべき人】

  • 40~50代の女性
  • 血行不良が原因の症状がある人(冷え性、肩こり、頭痛、腰痛など)
  • 薄毛防止、キレイな髪を維持したい人
  • しみ・そばかすが気になる人
  • 肌の乾燥を防ぎたい人
  • 生理不順の人
  • 妊娠希望・妊娠中の人
  • 喫煙者
  • 生活習慣病が気になる人

ビタミンEは血行不良に悩む人の強い味方です。

日々の食事の中で、ビタミンEを多く含む食品を積極的に摂るようにすると、症状改善につながるでしょう。

ビタミンEの効果的な摂取のポイント3つ

ビタミンE不足にならないためには、効果的に摂取するコツを覚えておくといいでしょう。

ここでは、ビタミンEを効果的に摂取するポイントを3つご紹介します。

1. 食材は生ではなく油と一緒に摂取する
2. 食事での摂取が難しい場合はサプリメントで摂る
3. ビタミンCやβ-カロテンと一緒に摂る

4-1.食材は生ではなく油と一緒に摂取する

ビタミンEは脂溶性なので、生で食べるよりも、調理(炒める・揚げるなど)して、油脂と一緒に摂取すると、吸収率が高まります。

また、ビタミンEは酸化しやすいので、鮮度の良いうちに食べることが大切です。

酸化すると、抗酸化作用が発揮されなくなるので、保存には注意しましょう。

食品 酸化を防ぐコツ
植物油
  • 開封後は早めに使い切る
  • 使用後はしっかり蓋をしめる
  • 直射日光を避け、常温・暗所に保存する
アーモンド
  • 開封後は早めに食べる
  • 空気が入らないように、密閉容器に入れる

4-2.食事での摂取が難しい場合はサプリメントで摂る

ビタミンEの摂取が食事だけでは不十分という人は、サプリメントを活用するといいでしょう。

偏食だったり、小食だったりする人は、食事から必要量を摂ろうとすると、ストレスになってしまいますよね。

食事でストレスになるなら、無理せずサプリメントの活用を検討しましょう。

サプリメントを活用する場合は、過剰摂取に注意!

ビタミンEのサプリメントは、既往歴や服用中の医薬品によってはマイナスになることがあります。

がんの化学療法・放射線療法中は抗酸化作用のあるサプリメントの使用が禁じられることも。

そのため、既往歴や服用中の医薬品がある人は、医師に相談の上でビタミンEサプリメントの摂取をしましょう。

4-3.ビタミンCやβ-カロテンと一緒に摂る

ビタミンEが持つ抗酸化力は、抗酸化作用のあるほかの栄養素と一緒に摂ることで、さらに高まります。

ビタミンEと一緒に摂取したい「抗酸化作用のある栄養素」は以下のとおりです。

栄養素 多く含む食品一例
ビタミンC
  • 菜の花
  • 赤ピーマン
  • ネーブルオレンジ
β-カロテン
  • にんじん
  • かぼちゃ
  • ほうれん草
  • あんず
ビタミンB2
  • レバー
  • うなぎ
  • 牛乳
  • 納豆
セレン
  • サバ
  • たらこ
  • 豚ひれ肉

上記の中で、摂取の際に注意が必要となるのがビタミンCです。

ビタミンCは、水に溶けやすく、熱に弱い特徴があり、ゆでてもビタミンCの量は減少します。

ビタミンCを食物から摂る場合は、できるだけ生で摂るか、手早く調理するようにしましょう。

参考:中村丁次『栄養の基本がわかる図解事典』成美堂出版,2020年,P92-93,P106-107,P127,P141

ビタミンC、ビタミンB2については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

ビタミンEは過剰摂取になりにくい|過剰摂取のリスクは2つ

ビタミンEは脂溶性ビタミンですが、体内に蓄積しにくい特性を持っているため、過剰摂取になりにくいとされています。

そのため、ビタミンEを多く含む食品をたくさん食べた程度なら、過剰症を恐れることはありません。

健康な人へのビタミンE過剰症は認められていないからです。

ただし、サプリメントや健康食品を長期間摂りすぎると過剰摂取になる可能性があります。

ここでは、健康被害を確実に防ぐために、ビタミンEの過剰摂取によるリスクを2つお伝えします。

  • ニキビを悪化させる
  • 血栓予防薬を服用中の人は出血しやすくなる

5-1.ニキビを悪化させる

ビタミンEの過剰摂取は、ニキビを悪化させる可能性があります。

ビタミンEに含まれる男性ホルモンによって、皮脂が増えることが原因です。

過剰摂取でなければ、ビタミンEはニキビ改善に有効な栄養素ですから、適量を守って摂るようにしましょう。

5-2.血栓予防薬を服用中の人は出血しやすくなる

ビタミンEを長期に過剰摂取し続けると、出血しやすくなるという報告があります。

これは、血栓予防の薬を服用している成人に該当するリスクです。

そのほかの人には出血のリスクは低いと考えられています。

高容量のビタミンEを過剰に摂取することは、健康を害する恐れがあります。

特に薬を服用中の人は、医師に相談の上でサプリメントや健康食品を摂るようにしましょう。

参考:ビタミンEの大量摂取 – 11. 栄養障害 – MSDマニュアル家庭版

まとめ

ビタミンEは、主に7つの効果が期待できます。

1. 老化防止
2. 肩こりや冷え性などの改善
3. しみ・そばかすの改善
4. 肌の乾燥・小じわの改善
5. 薄毛防止
6. 生活習慣病の予防や改善
7. 妊娠しやすい体作り

ビタミンEは魚や油のほか、アーモンドやアボカドなど、さまざまな食品に含まれているのが特徴です。

そのため、ビタミンEは欠乏症になりにくいとされています。

ただし、極端に偏った食事をしたり、食事量が少なかったりする人はサプリメントの活用も検討しましょう。

ビタミンEは「若返りのビタミン」「老化抑制ビタミン」などと呼ばれ、アンチエイジングに最適な栄養素です。

健康で若々しく日々を楽しむためにも、ビタミンEを積極的に摂るようにしましょう。

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