「脚がむくむって、どんな状態のこと?立ち仕事で足がだるいけどこれがむくみ?」
「夕方、足がむくんで靴がきつい。すぐ効く解消法ってないのかな」
“脚のむくみ”とは、体の水分量のバランスが崩れ、脚の皮下組織に水分が溜まった状態のことです。
見た目には通常より張ったり膨らんだりしており、重症化すると、指で圧迫しても痕がなかなかもどらない状態になり、痛みや怠さも生じます。
脚のむくみが起きる原因は5つ考えられます。
- 運動不足
- 同じ姿勢を続ける
- 足の冷え
- 塩分の摂り過ぎ
- 更年期の症状
この記事では、脚のむくみが起きる原因と、困ったときに即効でスッキリさせる方法を解説します。
ただ、脚のむくみが慢性化している場合は、応急処置だけでは解消しにくく、食生活や生活習慣からの根本的な改善が必要になります。
また何日も続くむくみは、心臓や腎臓などの病気のサインかもしれないので注意が必要です。
記事後半では、慢性化したむくみを改善する方法や、むくみを発症する病気についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読めば、脚がむくむ原因が把握でき、あなたに合った解消法が見つかります。
まずは、「脚のむくみ」はなぜ起きるのかという所から、正しい知識を身につけていきましょう。
目次
脚のむくみとは
最初に、脚のむくみについて正しく理解していただくために、どんな状態で、なぜ発症するのかを解説します。
順にみていきましょう。
1-1.「脚のむくみ」とは
「脚のむくみ」とは、何らかの原因で体の水分量のバランスが崩れ、脚の皮下組織(皮膚の下部)に水分が溜まった状態のことです。
専門的な言葉では「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
脚がむくむと次のような症状があらわれます。
- 膨張して太くなる
- 足が重くなる
- ふくらはぎやすねなどを指で押すと、跡がついてもどらない
- 靴下の跡がつく
むくみがひどくなると、曲げにくい、動かしにくいなどから、歩行が不安定になり、つまずきやすくなるなど、転倒のリスクが高まります。
また、「膨張して太くなる」「重くなる」だけでなく、実際に体重もキロ単位で増加してしまいます。
1-2.「脚のむくみ」はどうして起きる?
「脚のむくみ」は、何らかの原因で体の水分量のバランスが崩れ、皮下組織に水分が停滞して起こります。
難しく聞こえるかもしれませんが、要は水分が重力の関係で体の下方に流れて溜まってしまうということです。
(たとえば寝たきりの人であれば、むくみは脚よりも背中や顔に出やすくなります。)
ではどうして、水分が体の下の方(脚)に溜まってしまうのか?
この仕組みは、よく耳にする『足は第2の心臓』という言葉を思い出していただくとわかりやすくなります。
同じ姿勢(立ったまま、座ったまま)を長時間続けたり、運動不足が続くと、脚の筋肉のポンプ作用が働きにくくなり、血流が滞り、静脈圧が上昇します。
静脈圧とは、静脈にかかる圧力のことです。
静脈圧が上昇すると、血管内の水分が血管外へ漏れ出し、皮下組織に余分な水分が溜まって、脚にむくみが発生します。
逆に静脈圧が下がると、血管の外に出た水はリンパ管や毛細血管に戻って(回収)、脚のむくみは治まります。
1-3.簡単チェック!脚のむくみは「すね」を押して確認できる
自分の脚がむくんでいるのかどうか確かめたい場合は、「すね」を押してチェックすることができます。
すねとは、脚の膝からくるぶしまでを指します。
チェック方法は簡単です。
脚のすねの前側を押しやすい指で5秒ほど押します。
指を外しても、皮膚のへこみがなかなか戻らない場合(目安は10秒)、脚がむくんでいる状態と考えられます。
いかがだったでしょうか?
次章では、こうした「脚のむくみ」が起きてしまう原因を解説していきます。
今すぐ、むくみをとる対処法を知りたい方は、先に3章の「即効!一過性の「脚のむくみ」3つの対処法」からご覧ください。
「脚のむくみ」が起きる5つの原因
脚のむくみが気になる方は、まず「むくむ原因」を突き止めて、そこから改善していくようにしましょう。
「脚のむくみ」は、次のような原因で起こります。
あなたのむくみの原因はどれにあたるでしょうか? 考えながらみていってください。
2-1.原因①|運動不足
脚のむくみの1つ目の原因は、運動不足です。
筋力が低下して血液の流れが滞ってしまうからです。
先述のように、脚の筋肉は血液を心臓の方へ送り出すポンプのような役割を担っています。
ところが、運動不足によりふくらはぎの筋力が低下しているとポンプ機能が正常に作用しなくなり血流が滞ってしまいます。
血流が滞ると、血管内の水分が漏れ出し、皮下組織に余分な水分が溜まって、脚がむくんでしまいます。
2-2.原因②|同じ姿勢を続ける
長時間同じ姿勢を続けることも、脚がむくむ原因になります。
重力で血液やリンパ液などの水分が下半身に溜まってしまうからです。
繰り返しになりますが、通常、脚(ふくらはぎ)の筋肉は、血液やリンパ液を下半身から心臓へ送り出し、全身に循環させるポンプのような役割を果たしています。
長時間立ったまま、座ったまま同じ姿勢で筋肉を動かさずにいると、ポンプ機能がうまく働かなくなって、むくんでしまいます。
また、立ち仕事の場合は、むくむだけでなく、筋肉が疲労してだるさや痛みを感じることもあります。
2-3.原因③|足の冷え
足の冷えは、むくみを引き起こします。
冷えると脚の筋肉が固まって、ポンプ機能がうまく働かなくなるからです。
体が冷えたとき、肩こりや腰痛に悩まされたことはないでしょうか。
それらは、冷えによって筋肉が硬くなり、血の巡りが滞ることで引き起こされます。
脚の筋肉が硬くなると、血液やリンパ液を全身に循環させるポンプ機能が低下して、血流が滞ります。
血流が滞ると、血管内の水分が漏れ出し、皮下組織に余分な水分が溜まって、脚がむくんでしまいます。
2-4.原因④|塩分の摂り過ぎ
2つ目の原因は、塩分の摂り過ぎです。
塩分を摂りすぎると体内に水分が抱え込まれ、余分な水分が排出されにくくなって、むくみが引き起こされます。
塩分を多く摂取すると、体はその濃度を薄めようとして、水分の排出を控えて体内に溜め込むようになります。
過剰に溜め込まれて行き場を失った水分は血液の巡りを滞らせ、次第に血管から漏れ出し、皮膚と皮下脂肪に溜まり、むくみとなって現れます。
2-5.原因⑤|更年期の症状
更年期の症状のひとつとして、「脚のむくみ」が起こることがあります。
女性ホルモン「エストロゲン」の減少で自律神経が乱れ、体内の余分な水分を排出する働きが弱まるからです。
自律神経が乱れて、血液やリンパの流れが悪くなり、細胞の間に水分や老廃物が溜まって、脚のむくみの症状が現れます。
即効!一過性の「脚のむくみ」3つの対処法
「昨日の立ち仕事で朝から脚パンパン。これじゃ脚の見えるスカート着られない…」
「むくみのせいで、履こうと思っていた靴がきつくなって歩きづらい」
こんなとき、短時間で脚のむくみがとれる方法があったら嬉しいですよね。
3章では、一過性の脚のむくみを即効で解消する方法を伝授します。
この時間でむくみがとれるなら試してみたくなりませんか?
誰でもできる方法ですので、しっかりマスターしておきましょう。
3-1.【5分で効く】脚のむくみがとれるツボ
ツボを押して刺激することで、短時間にむくみを緩和する効果が期待できます。
ここでは脚のむくみに特に効果的な、3つのツボを紹介します。
順にみていってください。
3-1-1.足三里(あしさんり)
足三里は、膝の皿の下から自分の指四本分下がった近辺にあるポッコリと窪んだ所にあるツボです。
内臓の動きを活発にすることで、体の中に溜まった老廃物の排出を促し、脚に溜まった疲れを和らげてくれます。
3-1-2.血海(けっかい)
血海は、膝の皿の内側上端から指3本分上にあるツボです。
血行を促進する働きがあり、新陳代謝を活性化させて体内の老廃物を排出し血流を良くして、むくみを解消します。
3-1-3.三陰交(さんいんこう)
三陰交は、脚の内側、足首より少し上にあるツボです。
消化器をはじめとした内臓の活性化、血行の改善やむくみ、冷えの解消に効果が期待されます。
また、生理痛や生理不順など、女性特有の症状改善にも効果があります。
3-2.【10分で効く】足首とふくらはぎのマッサージ
10分程度の時間があれば、足首とふくらはぎのマッサージで脚のむくみを緩和することができます。
マッサージは以下の手順で行います。
この流れを1セットとして、左右3回ずつ繰り返しましょう。
3-3.【15分で効く】足を上げてキープする
足をしばらく上げておくだけで、滞った血液やリンパの流れが解消されます。
他より時間がかかりますが、一番簡単な方法です。
壁に向かって横になり、壁に沿って、90度に足を上げて15分キープします。
これだけです。
注意点は、膝を曲げないこと。
足首を上下に動かしたり、足指を開閉したりして動かすのも、筋肉に刺激を与える効果があります。
できる人は、足を壁から少し離して、足全体を揺らしてみても良いでしょう。
慢性的な「脚のむくみ」を改善する方法
即効でむくみを緩和する方法を紹介しましたが、それらはあくまでも一過性のむくみの解決策です。
しょっちゅう脚がむくむ、あるいは常にむくんでいるといった慢性的な症状がある人は、食生活や生活習慣からの根本的な改善が必要になります。
4章では、体の巡りを良くして慢性的な「脚のむくみ」を改善する方法を解説します。
これらを続けることで、代謝の良いむくみにくい体づくりがめざせます。
よく読んで、できるところから始めていきましょう。
4-1.むくまない6つの生活習慣
体の巡りを良くして水分の代謝をあげる、次のような生活習慣を身につけましょう。
① 適度な運動を心がける
適度な運動で、脚に筋肉をつけましょう。
筋肉量が少ないと、血液を戻す力が弱いため水分が滞りやすくなります。
② 長時間同じ姿勢でいるときは、ときどき体を動かす
体を動かすことで血液の循環や水分の代謝が良くなり、むくみの解消につながります。
スクワットや膝まわし、アキレス腱を伸ばすなどの運動が効果的です。
③ 窮屈な下着や靴を身につけない
窮屈な下着や、足に合わない靴は、むくみの元になります。
血管を圧迫して血流を滞らせるので、無理して身につけることは回避しましょう。
④ 入浴はシャワーで済ませず、かならず湯船に浸かる
冷えによる血行不良は、むくみやすい体をつくります。
シャワーだけでは冷えた体が温まりません。湯船に浸かって体全体を温め血の巡りを良くしましょう。
湯船に浸かれないときは、洗面器にお湯をいれて「足湯」をするだけでもむくみ解消になります。
⑤ 塩分控えめを心がける
毎日の食事では、塩分控えめを心がけてください。
塩分を摂りすぎると体内に水分が抱え込まれ、余分な水分が排出されにくくなって、むくみが引き起こされます。
1日の摂取量の目安は、醤油に換算すると大さじ3杯程度です。
減塩商品を使用したり、出汁を効かせたりなどの工夫をして、塩分を摂り過ぎない生活を送りましょう。
⑥ 質の良い睡眠を心がける
浅い眠りは体の巡りを滞らせます。睡眠不足は、慢性的なむくみを引き起こします。
など、環境を整えて、質の良い睡眠をとれるようにしましょう。
4-2.血行を良くするサプリメントを飲む
改善方法の2つ目は、サプリメントで栄養素を補うことです。
塩分の摂り過ぎや運動不足、冷え症、ホルモンバランスの崩れ…こうした原因からくる「脚のむくみ」の解消には、生活習慣の見直しに加えて、足りない栄養素を補給して体の内側から改善することが重要なのです。
「毎日バランスの良い食生活を心がければいいのでは?」
と思われるかもしれませんが、必要な栄養素を食事だけで満たすというのは簡単ではありません。
いかがでしょうか。
むくみにくい体づくりにはバランスのとれた食生活が重要…とはいうものの、水分や塩分に気を配りながら、上記のような栄養素を毎日食事でバランス良く摂るというのは容易なことではないですよね。
しかも、既に脚のむくみが慢性化した体を、食事だけで治すというのは現実的ではありません。
ですので、血行を改善するサプリメントで、食事で摂れない栄養素を補給しましょう。
サプリメントを購入する際は原材料表示を確認し、下記のような有効な成分が配合された商品を選ぶようにしてください。
注意!慢性的な脚のむくみは病気の可能性がある
慢性的な「脚のむくみ」の対処法を解説しましたが、ひとつ注意していただきたいことがあります。
それは、常に脚がむくんでいる場合に、その原因は何らかの病気かもしれないということです。
それぞれ解説します。
5-1.慢性的な「脚のむくみ」を発生する病気
慢性的な脚のむくみを発生する病気には次のようなものがあります。
(※)足の静脈弁:通常、脚の静脈には1度心臓に向かった血液が逆流して足に戻ることを防ぐ静脈弁がついている
5-2.こんな症状に注意!病気の疑いを確かめるチェックリスト
もし、下記のような症状があるとしたら、あなたの「脚のむくみ」は何らかの病気のサインかもしれません。
恐い病気を見逃さないよう、まずは調べてみましょう。
当てはまる症状のある人、またこれらに該当しなくても心配な症状のある人は、自己判断せず、早めに専門医に相談することをおすすめします。
体の巡りを整える!脚がむくみやすい人には漢方由来のサプリメントがおすすめ
慢性的な「脚のむくみ」改善にサプリメントをおすすめしましたが、原因が更年期症状である場合、また原因が複数重なっていた場合は、一般的な「足りないものを補う」という役割を担ったサプリメントでは効果が期待できない可能性があります。
なぜなら、そのようなケースでは「脚のむくみ」が、
- 身体のだるさ
- 冷え
- 筋肉の痛み
- 胃腸障害
- 不眠
…と、複合的な症状となってあらわれるため、むくみ改善効果を謳った単一成分のサプリを飲用しても、根本的な改善に繋がらないのです。
慢性的なむくみを解消して、血液やリンパの巡りの良い体をめざすには、病名のつかない複数の不調に対する『自然治癒力』を高めるしかありません。
このような見地から、おすすめしたいのが漢方由来の成分を含んだサプリメントです。
漢方由来のサプリメントは、むくみの複数の原因に作用して整える成分が複合処方されています。
東洋医学では、体を部位ごとに細分化して見るのではなくトータルでとらえます。
ひとつの症状ではなく、心身のバランスを整えることにアプローチし、自然治癒力を高めて体質改善へ導いてくれるのです。
これを理解するためには、「気血水(きけつすい)」について知っておくとわかりやすいです。
東洋医学の考え方に沿って、複数の不調に有効な複合成分を配合した漢方由来のサプリメントは、体全体のバランスを整え、巡りを良くしてむくみにくい体質に導きます。
むくみの根本的な改善をめざすなら、4章の「血行を良くするサプリメント」で紹介した有効成分を複合的に配合した、漢方由来のサプリメントを選びましょう。
まとめ
「脚のむくみ」とは脚の皮下組織に水分が溜まった状態のことです。
発症の原因は次のようなものが考えられます。
- 運動不足
- 同じ姿勢を続ける
- 足の冷え
- 塩分の摂り過ぎ
- 更年期の症状
- 何らかの病気
慢性的な脚のむくみの改善には、食生活や生活習慣から体の巡りを良くしていくことが重要になります。
滞りのないスッキリした体づくりのために、ぜひこの記事を役立てていただけたらと思います。