「なんだか最近体調が良くないな・・・雑誌に女性は特にミネラルが大事と書いてあったけれど、どんな効果があるんだろう?」と思ったことはありませんか?
30〜40代の女性を中心に、加齢とともに身体の不調が出てきたという声を耳にしますが、それはミネラル不足が関係しているかもしれません。
そもそもミネラルとは、下記の5大栄養素の内の1つで、私たちの体に約5%存在する成分です。
たった少ししか体内にないミネラルですが、私たちにとって重要な効果があります。
具体的には、骨や歯を作ったり、筋肉の収縮や神経の情報を伝えたりなど、身体にとって欠かせない働きをします。
体内で大切な働きをするミネラルですが、体内では作れないため、外から取り入れなくてはなりません。
摂取量が不足すると、深刻な体調不良につながる場合もあるため注意が必要です。
そこで本記事では、以下について解説していきます。
この記事を読むことで、ミネラルの効果について知識を身に付けることができ、摂取方法や注意点についても理解することができます。
ぜひ、実践しやすい方法からはじめていきましょう。
目次
身体の調子を保つのに必須!ミネラルの5つの効果
ミネラルは生きていくうえで欠かせませんが、タンパク質やビタミンほどは意識されず、あまり目立たない栄養素です。
しかし、身体に与える効果は以下のようにさまざまで、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。
骨や歯、酵素や水分調節、筋肉や神経に関わるミネラルについて、ひとつずつ解説していきます。
1-1. 骨や歯を丈夫にする
ミネラルには、骨や歯を丈夫にする効果があります。
「カルシウムが骨粗しょう症の予防には良い」と聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、カルシウムだけをたくさんとれば良いわけではなく、強くしなやかな骨を作るためには、マグネシウムも同時に摂ることが必要です。
また、リンも骨や歯の正常な発達に不可欠な成分で、体内に存在するリンの約85%が骨に含まれています。
健康的な生活を送るためには、しっかりした骨や歯が大切なことを考えると、ミネラルが大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
1-2. 血管やリンパなどの流れをスムーズにする
ミネラルには、血管やリンパなどの流れをスムーズにする効果があります。
たとえば、トイレやキッチンの排水管が詰まると水が流れなくなってしまいますが、体内でも同じことが起こっています。
動脈硬化が進行し、血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞など重大な疾患を引き起こす可能性がありますが、マグネシウムが血液の循環をスムーズな状態に保ってくれるのです。
また、ケガなどをした際に毛細血管が傷ついて出血することがありますが、カルシウムの働きで止血されます。
1-3. 代謝に必要な酵素をサポートする
ミネラルは、代謝に必要な酵素をサポートする働きがあります。
代謝と聞いてイメージするのは、「加齢とともに代謝が低下して、太りやすくなった」ということではないでしょうか。
実際、代謝が悪くなると消費エネルギー量が減るので、痩せづらくなったり冷えたり、肌荒れが起こったりしがちです。
体内代謝をアップさせるには酵素が必要で、マンガン、モリブデン、クロムといったミネラルが酵素のサポート役を務めます。
車にたとえると、ミネラルはエンジンオイルのような存在です。
エンジンオイルが不足した状態が続くと、エンジンが錆びたりオーバーヒートを起こしたりする可能性がありますが、人間も同様で、代謝が滞って、体内の機能を十分に発揮できなくなるのです。
1-4. 体内の水分を調節する
ミネラルには、体内の水分を調節する役割があります。
たとえば、ナトリウムやカリウムは体液の維持に大きくかかわる成分ですが、摂りすぎると身体がむくんでしまう一方で、夏場に汗のかきすぎが原因で過度に失われると、熱中症を引き起こす場合があります。
このように、ミネラルは体内の水分や浸透圧の調整を行っているのです。
1-5. 筋肉や神経の働きを正常にする
ミネラルには、筋肉の収縮や神経の情報伝達を行う働きがあります。
たとえば、寝ている間に足がつるのはとても不快なものですが、カリウムやマグネシウムが不足して、筋肉が収縮しやすくなった場合に起こることが多いです。
また、すぐにイライラしてしまったり、逆に気持ちがふさぎ込んでしまったりといった症状が出る場合は、神経伝達をサポートしている鉄分や亜鉛、マグネシウムが不足している可能性があります。
このように、ミネラルが筋肉の動きやメンタルに関わっているのです。
ミネラルは全部で13種類ある!【種類別の効果一覧表】
ミネラルは、必要とする量が多い「多量ミネラル」と、必要量が少ない「微量ミネラル」に分類されています。
ここでは、人体に欠かせない16種類の必須ミネラルのうち、厚生労働省が食事摂取基準を定めている13種類のミネラルについて、種類別の効果について解説していきます。
2-1. 多量ミネラル(5種類)
1日の推奨量が100mg以上の多量ミネラルには、下記の5種類があります。
ナトリウムとカリウム、リンは普段の食事に多く含まれているため、不足することはほとんどありません。
しかし、カルシウムとマグネシウムは全世代で不足しているといわれています。
ミネラルの摂取はバランスが重要で、カルシウムとマグネシウムは2対1、カルシウムとリンは1対1が理想的だといわれています。
2-2. 微量ミネラル(8種類)
1日の推奨量が100mg未満の微量ミネラルには、下記の8種類が含まれます。
上記の中でも特に重要なのが、鉄と亜鉛です。
月経がある女性は鉄欠乏性貧血になりやすく、亜鉛が不足すると免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる恐れがあるからです。
ミネラルの不足は体調不良の症状が出やすい!
1章でお伝えしたとおり、体内でさまざまな役割を果たしているミネラルが不足すると、体内バランスが崩れ、体調不良が起こることがあります。
たとえば、鉄が不足すると貧血になりやすいということを知っている人は多いかもしれません。
しかし、他にもカルシウムやマグネシウム、亜鉛などが不足しやすく、これらが足りなくなると免疫力が下がったり、足がつったりといった症状が出やすくなります。
ミネラルが不足すると現れがちな体調不良の症状について、以下にまとめてみました。
ミネラル不足が原因となって体調不良を引き起こす場合、何か単体のミネラルが不足しているというよりも、複数のミネラルが不足している可能性があります。
ミネラルを効果的に摂取するための3つのコツ
健康を維持するためには、必要量のミネラルを摂るのが重要だということは分かりましたが、効果的に摂取するために、以下の点に注意してください。
以下で、ひとつずつ解説していきます。
4-1. ミネラルの一日の摂取量を厳守する
ミネラルは身体に良いからといって、好きなだけ摂って良いわけではありません。
必ず一日の摂取量を厳守するようにしてください。
ミネラルを過剰摂取すると、例えば以下のような症状が出て、健康被害につながるリスクがあるからです。
ミネラルを過剰摂取すると、頭痛や吐き気といったすぐに身体に現れる症状ばかりではなく、骨がもろくなる、甲状腺機能へのダメージといった、目には見えない健康被害が起こる可能性があります。
必ず、適切な摂取量を意識して生活するようにしてください。
4-2. 1種類だけでなく複数のミネラルを摂取する
ミネラルを効果的に摂取するためには、1種類だけではなく複数のミネラルをバランスよく摂取するように心がけましょう。
ミネラルは、体内で合成することができず、また、一定量が汗や尿とともに排せつされるために、食品から摂取しなければいけません。
しかし、ミネラルは有効な働きをする量と有害になる量との幅が狭く、ミネラル同士のバランスのとり方で健康に影響を与えることがあります。
そのため、特定のミネラルだけを意識して多く摂ったとしても、他の栄養素が足りなければ十分に栄養として吸収されないのです。
さらに、偏りすぎると期待したほど栄養素を体内に吸収できないだけでなく、健康に悪影響を与えてしまうこともあるのです。
特定の食品だけを食べ続けるのではなく、さまざまな食品を摂取するなどして、複数のミネラルを摂ることを意識しましょう。
4-3. 特定のミネラルは吸収率を高める栄養素と一緒に摂取する
ミネラルの体内効果を高めるためには、吸収率を高める栄養素を一緒に摂取することをおすすめします。
カルシウムは単体では腸に吸収されにくい栄養素なので、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率が高まると言われています。
ビタミンDが豊富な鮭と、カルシウムが多めの豆腐を一緒に食べれば効率よくカルシウムが摂取できるのです。
しかし、いつも組み合わせを意識して食事をするのは難しいのではないでしょうか。
そこでおすすめの方法としては、カルシウムとビタミンDを両方含む食材を意識して摂ることで、組み合わせを考えずとも効率よくカルシウムを摂取できます。
「いわし」や「しらす」にはカルシウムもビタミンDも豊富に含まれているので、ぜひ毎日の食事メニューに加えてみてください。
また、鉄はビタミンCを含む食品と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
たとえばレバニラ炒めは、鉄分豊富なレバーに、ビタミンCが豊富なニラやもやしを一緒に摂ることができるので、鉄分の吸収率が上がるメニューです。
ほかには、鉄分が豊富な食材にレモンをかけるなどして、吸収率を高めることを意識していくと良いでしょう。
ミネラルを摂取する3つの方法
ミネラルは、年齢や性別、妊娠中か授乳中かなどの状態によって必要な量が異なりますが、普段の生活で自分に必要なミネラルを摂取するには、以下のような方法があります。
以下で、ひとつずつ解説していきます。
5-1. 食品から摂取する
ミネラルをバランスよく摂取するためには、さまざまな食品を組み合わせた食事が大切です。
ミネラルは主に、下記のような食品に含まれています。
しかし、分かっていても毎食は実践できないという方がほとんどではないでしょうか。
日々の忙しい生活の中で、理想的な食事を続けるのは難しいものです。
そこで、忙しい毎日にも続けやすい、複数のミネラルがとれる食材を紹介します。
特に、緑黄色野菜に複数のミネラルが含まれていることがわかるでしょう。
夏場であれば旬のモロヘイヤ、冬場であれば旬のほうれん草や小松菜を意識するなど、これらの食品を毎日のメニューに加えてあげることで、無理なくミネラルを摂取できるようになります。
いちいち包丁を使いたくない、料理をする時間がないということであれば、スープにパセリを加えたり、おにぎりにしらす干しを混ぜたりなどでも十分ミネラルが補給できます。
無理なく、できるところから実践していってください。
5-2. 硬水から摂取する
ミネラルは硬水からも摂取できます。
硬水とは、主にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれた水のことで、地下水などから採取されます。
一方、ミネラル分が少ないのが軟水で、日本の水道水はこれに当たります。
そのため、硬水を摂りたい場合には、水道水ではなくミネラルウォーターから補給しましょう。
ミネラルウォーターを選ぶ際には、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムやカリウムの含有量や水源地などを確認することが大切です。
また、ミネラル分が補給できるからと言って、飲みすぎは厳禁です。1日1リットル程度にとどめましょう。
5-3. サプリメントから摂取する
ミネラルは日々の食事から摂取することが理想ですが、実際には難しい場合もあるでしょう。
そのような時は、サプリメントから摂取する方法もあります。
たとえば、月経がある女性は鉄分を毎日約10g摂取する必要がありますが、食事から必要量を摂ろうとすると、卵黄なら約9個分にもなってしまいます。
このような場合は、サプリメントを組み合わせるのもおすすめです。
サプリメントを選ぶ際は、ミネラル単体のものではなく、複合成分を組み合わせたものを選ぶようにしましょう。
体調不良は特定の要素だけが不足しているのではなく、複数の栄養素が足りず、全体のバランスが崩れた時に起こりがちだからです。
また、過剰にとりすぎると健康被害が生じるリスクがあるため、適切な摂取量を守りましょう。
ミネラルを効果的に摂取して身体の健康を保とう
ここまで、ミネラルの重要性や効果的な摂取方法についてお伝えしてきました。
解説した内容をすべて実践するのは無理だよ!と思ったかもしれませんね。
日々忙しい中で自身の健康を維持していくのは、なかなか大変だと感じたかもしれません。
しかし実際には、毎日理想的な食生活を送れる人はほとんどいないでしょう。
「忙しくて食事を抜いてしまった」「最近コンビニ食ばかりで不健康だな」と感じている人も多いかもしれません。
でも、それも当然です。
毎回完璧な食事メニューにすることは不可能だと考えて、できることからひとつずつ実践していきましょう。
三日坊主になってしまったとしても大丈夫、また再開すればよいのです。
少なくとも、ミネラルを意識する前の自分よりも、ずっと健康的な生活が送れるでしょう。
食事やサプリメントなど、生活スタイルに合うものを選んで実践していってください。
まとめ
本記事では、ミネラルの効果について解説してきました。
ミネラルには、以下のように5つの効果があります。
ミネラルは全部で13種類あり、多量ミネラル(5種類)と微量ミネラル(8種類)に分けられています。
ミネラルが不足すると起こりがちな症状は、以下の通りです。
食品や硬水、サプリメントなどからミネラルを摂取することで、体内バランスを適切な状態で保つことができるようになります。
本記事が、ミネラルの効果について興味のある方にとってお役に立てば幸いです。