「イソフラボンは誰にでも効果があるわけじゃないと聞くけど…どうして?」
「毎日大豆製品を食べているけど体調が変わらない。イソフラボンって実は効果なし?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
結論から先にお伝えすると…
イソフラボン(大豆イソフラボン)に効果がないなんてことはありません。
大豆や大豆製品に含まれるイソフラボンは、更年期サポートや生活習慣病の予防など多彩な効果を持つ成分です。
ただ、『イソフラボンの効果が得られない人もいる』と巷で囁かれているのも事実。
一体どうしてそんな説が囁かれてしまうのか…?
この記事では、“「イソフラボンは効果なし」は間違いと言える理由” を分かりやすく解説します。
実は、イソフラボンの効果を疑う説が出るのには原因があって、それは『イソフラボンを摂っても、体内で「エクオール」を作れる人は日本人の約50%しかいない』と考えられているからです。
しかしながら、それは間違いです。
確かにエクオールが作れない人は一定数いるのですが、だからといって「イソフラボンの効果がない」ということにはなりません。
エクオールとは、体内に取り込まれたイソフラボンから作られる代謝物です。
記事では、女性の味方として注目を集めている「エクオール」についても解説、作れる人作れない人の特徴や、作る力を高める方法も紹介します。
イソフラボンやエクオールの効果を最大限に得るために、正しい知識をしっかり身につけていきましょう。
目次
『イソフラボンには効果がない』という人が勘違いしている2つのこと
『イソフラボンには効果がない』と思っているあなたは、次のようなことを信じていないでしょうか?
これは、どちらも勘違いです!
解説をみていきましょう。
1-1.勘違い①|女性特有の不調を緩和する他に“イソフラボンは効果なし”
イソフラボンで特に知られているのは、更年期の頃に減少する女性ホルモン「エストロゲン」を補って不調を改善する働きですが、実際の効果はそれだけではありません。
イソフラボンには、女性特有の不調の緩和以外にも、骨の健康のサポート、生活習慣病の予防、さらには血流の改善など、多彩な健康効果があることが様々な研究で実証されています。
1-2.勘違い②|日本人の半分くらいがエクオールを作れないから“イソフラボンは効果なし”
確かに、最近の研究で、イソフラボンを摂取したとき、「イソフラボン」のまま吸収されるよりも、「エクオール」に変換して吸収された場合の方がより高い効果が発揮されることがわかってきました。
また現状、日本人のエクオールを「作れる人」の割合は、2人に1人の約50%であるといわれているのも事実です。
ただ、仮に「エクオール」が作れなかったとしても、イソフラボンの健康効果がなくなるわけではありません。「イソフラボン」のまま吸収されたとしても、多彩な効果が期待できます。
「イソフラボンは効果なし」は間違いと言える2つの理由
勘違いだということを納得していただけましたでしょうか。
ここでは、さらに深掘りして、「イソフラボンは効果なし」は間違いと言える理由を解説します。
よく読んで、イソフラボンの効果をしっかり把握していきましょう。
2-1.理由1|イソフラボンには(エクオール産生に関わらず)期待できる5つの効果がある
イソフラボンは効果がないどころか、男女を問わず多くの健康効果が望める成分です。
下表に主な効果をまとめましたのでご覧ください。
いかがですか。
これらは、エクオールを作れる作れないに関係なく、イソフラボンを摂取することで誰もが期待できる効果です。
ただ、①と②で示した女性ホルモン「エストロゲン」の代わりになる作用(エストロゲン様作用)に関して、先述のように、イソフラボンのまま吸収するより、「エクオール」に変換される方が、より高い効果が発揮されることがわかっています。
そのため、「エクオールを作れない人はイソフラボンを摂っても効果がない」といった説が出てきたと思われますが、それは間違いです。
なぜなら、エクオールに変換されなかったとしても、イソフラボンの効果が消滅するわけではありませんし、また、ある時点でエクオールを作れない人でも、その後エクオールを作れる体質になる可能性があるからです。
次項でその点を説明していきましょう。
2-2.理由2|エクオールを作れない人も「作る力を高める」ことができる
「イソフラボンは効果なし」は間違いと言える2つ目の理由は、エクオールが「作れない人」も、作る力を高めることで「作れる人」になる可能性がある、ということです。
エクオールを作れるかどうかは、腸内細菌(エクオール産生菌)を保有しているかどうか、またそれが活発に働いているかにかかっています。
逆にいえば、腸内環境を整え、元気な腸内細菌(エクオール産生菌)を育てることでエクオールを作れる体になる、ということです。
現時点でエクオールが作れなくても、元々は作れる体を持っているとすれば、イソフラボンで腸内環境を整える努力をすることで、再びエクオール産生菌を活発に働かせることができるはずです。
次章「【チェックリスト有り】イソフラボンの効果が得にくい人の特徴」でもお伝えしますが、実際の調査で、「エクオールを作れる人」は毎日大豆食品や野菜を摂っている人に多いことがわかっています。
また、イソフラボンの中でも吸収率の高い『アグリコン型イソフラボン』(※)をサプリメントで摂ることで、腸内環境を整え、活発な腸内細菌を育てる効果が期待できます。
(※)イソフラボンには「グリコシド型」と「アグリコン型」の2つの種類があり、アグリコン型は、グリコシド型の3倍以上の吸収率を持っています。詳しくは4章のイソフラボンを摂るなら「アグリコン型イソフラボン」がおすすめをご参照ください。
このように、腸に良い食品やサプリメントを摂ることで、エクオールを作る力を高められます。
少し時間はかかるかもしれませんが、「作れない人」も「作れる人」になれるのです。
今エクオールが作れないとしても、イソフラボンの効果を得られないなどという事はありません。
【チェックリスト有り】イソフラボンの効果が得にくい人の特徴
「イソフラボンには効果がある」と明言しましたが、現時点でエクオールを「作れない人」が、大きな効果を得られない可能性はあります。
あなたが、イソフラボンを摂っても不調が改善せず、効果の実感が得られないのは、エクオールを作れていないせいかもしれません。
エクオールを「作れる人」の割合は、日本人では2人に1人の約50%、欧米人では25~30%といわれています。日本人でも若い人ほどその割合は少なく、20代では20%程度しかエクオールを産生できないという報告があります。
理由は、ストレスや睡眠不足、運動量の低下など諸説ありますが、現状、一番大きな原因は「腸内環境」で、食の欧米化、大豆製品や食物繊維の摂取不足とみられています。
欧米人や、日本人でも20代に作れない人が多いのは、欧米式の食事が影響していると考えられます。
3-1.エクオールが「作れる人」「作れない人」の特徴
なぜエクオールを「作れない人」がいるかについてはまだ研究段階で、確定的な理由は判明していません。
しかし、先述のように、毎日の食事や生活習慣と関係があることはこれまでの調査でわかっていることから、「作れる人」「作れない人」それぞれの特徴を挙げることができます。
下表にまとめましたのでご覧ください。
ただ、毎日大豆食品を食べて緑茶を飲んでいる人は必ずエクオールが作れるのかというと、それは違います。
あくまでも「その傾向がある」ということで、断定はできないことを承知しておいてください。
3-2.【チェックリスト】エクオールが作りやすい腸内環境かどうかを調べましょう
下記に挙げるような生活習慣の人は、エクオールが作りやすい良好な腸内環境の人です。
いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
チェック箇所が多いほど、エクオールが作りやすい=「イソフラボンの効果が得やすい人」だといえます。
あなたはいくつチェックできましたか?
もっと詳しく調べたい人は、エクオール産生ができるかどうかを尿で調べる検査キットがメーカー等から提供されていますので、それらを試してみるのも一案でしょう。
イソフラボンを摂るなら「アグリコン型イソフラボン」がおすすめ
エクオールを作れない人や、エクオール産生菌が活発に働かない人の「作る力」を高める方法があります。
それは、『アグリコン型イソフラボン』配合のサプリメントで『エクオールが作れる元気な腸内細菌を育てる』方法です。
『アグリコン型イソフラボン』のサプリメントについて、次の順に解説します。
サプリメントを選ぶ前に、よく読んでしっかり把握しておきましょう。
4-1.エクオールを作る力を高める『アグリコン型イソフラボン』配合のサプリメント
今の時点で、エクオールを作る力を高められるサプリメントは、『アグリコン型イソフラボン』配合のサプリメントだけです。
イソフラボン(大豆イソフラボン)には「アグリコン型」と「グリコシド型」の2種類があり、エクオール産生を実現できるのは、ダイゼインを多く含んだアグリコン型イソフラボンだけです。
上図のように、アグリコン型イソフラボンを摂取すると、ダイゼイン成分が腸内細菌の力によってエクオールに変化します。つまり、エクオールが産生されるのです。
また、2章の「理由2|エクオールを作れない人も「作る力を高める」ことができる」で紹介したように、実際の研究でも、アグリコン型大豆イソフラボンを摂取すると、血液中のエクオール濃度が用量に比例して現れることが検証されています。
4-2.『アグリコン型イソフラボン』は食品で摂るのが難しい
「高吸収型」といわれるアグリコン型イソフラボンは、「低吸収型」のグリコシド型イソフラボンの3倍以上の吸収率を持っています。
下表をご覧ください。
「グリコシド型イソフラボン」は、まわりに糖がついていて分子量が大きく、腸内細菌の酵素の力で糖が分解しなければ吸収されないため、体内への吸収には時間がかかります。
一方、「アグリコン型イソフラボン」は発酵によって既に糖がはずれているため、腸内細菌の働きに関係なくそのまま吸収でき、吸収率も「グリコシド型」の3倍以上、約2時間で吸収されます。
豆腐や豆乳、納豆など一般的な大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、元々グリコシド型で存在しています。摂取後、体内で腸内細菌により糖が分解され、アグリコン型になってはじめて吸収されるのです。そのため、吸収には一定の時間を要し、最終的な体内への吸収量も2割程度と少なめです。
最初からアグリコン型イソフラボンとして吸収される食品の代表は「味噌」と「醤油」で、発酵していて糖が分解されているため、他の大豆製品に比べて高い吸収率が期待できます。
(※納豆も発酵食品ですが、発酵期間が短いためアグリコン型よりグリコシド型の割合の方が多めになっています)
といっても、味噌や醤油をたくさん摂り過ぎると塩分過多になってしまって、別の健康リスクが気になるところです。
そこでおすすめしたいのが、サプリメントでの摂取なのです。
4-3.『アグリコン型』かどうかは原材料表示で確認できる
選んだサプリメントが、アグリコン型イソフラボンを含んでいるかどうかは、パッケージや商品の紹介ページに記載されている原材料表示で分かります。
以下のように記載されていることが多いので、購入時に確認してください。
- アグリコン型イソフラボン
- 大豆イソフラボンアグリコン
- 大豆イソフラボンアグリコンとして
- イソフラボンアグリコン
- 麴菌発酵大豆イソフラボン
また、原材料表示は、含有量の多いものから順番に記載するルールになっています。
アグリコン型イソフラボンが上位に記載されていない場合は、含有量が少ないということなので注意しましょう。
(※)ほとんどのサプリメントではパッケージに成分が表示されていますが、「大豆イソフラボン」という記載だけで「アグリコン型」や「グリコシド型」などが明記されていないことがあります。
はっきりしない場合、少しでも怪しいと感じる場合は、販売元に問い合わせて確認してから購入するようにしてください。
毎日の大豆製品と機能性の高いサプリメントで腸内環境を整えて、イソフラボンの効果が実感できる錆びない体作りを目指しましょう。
「イソフラボンの効果」に関する3つの疑問|Q&A
ここまでのまとめとして、よくある3つの疑問にお答えします。
それぞれ解説しますので、興味のあるところからご覧になってください。
5-1.Q1|エクオールを作れない人は、イソフラボンを摂っても効果が得られないのですか?
今の時点でエクオールを作れない人も、生活習慣を見直し、大豆製品やサプリメントを摂ることで、腸内環境を整え、「作れる人」に変わる可能性があります。
5-2.Q2|イソフラボンからエクオールを「作れる人」と「作れない人」の違いを教えてください
なぜ「作れない人」がいるかについてはまだ研究段階で確定的な理由は判明していませんが、腸内環境が良くなる生活習慣を持つ人に「作れる人」が多いということはわかっています。
腸内環境は、食事はもちろん、ストレス、睡眠、運動量など様々な生活習慣の影響を受けて変化します。
バランスの良い食事やサプリメントに加えて、生活習慣を見直すことで、エクオールを作る力は高められます。
5-3.Q3|エクオールを直接摂ることはできないのですか?
上記の理由は2つあって、1つ目は、エクオールそのものを含むサプリメントの場合、摂取を終えてしまったらそれで終わりで、以降はエクオールを体内に取り込むことができないからです。
その後もずっとサプリメントを摂り続けなければ自分で作る力は養われません。
2つ目は、エクオールを直接摂っても、腸内環境が整わなければ、摂取したエクオールが力を発揮しない可能性があるからです。
『アグリコン型イソフラボン』のサプリメントなら、腸内環境を整え腸内細菌を育てて、体内でエクオールを作れる体に導きます。
まとめ
大豆や大豆製品に含まれるイソフラボンには、下記のような多彩な効果が期待できます。
- 女性特有の不調を緩和
- 骨の健康をサポート
- 生活習慣病の予防
- 血流の改善
- 美肌に導く
ただ、こうした効果には個人差があり、イソフラボンのまま吸収するより、体内で「エクオール」に変換される方が、より高い効果が発揮されることがわかっています。
現在日本人でエクオールが作れる人の割合は約50%です。
もしあなたが、毎日大豆製品を摂っているのに何の効果もない…と感じているとしたら、エクオールが作れていないせいかもしれません。
しかし、腸に良い食品やサプリメントを摂ることで、エクオールを作る力を高められ、少し時間はかかるかもしれませんが、「作れない人」も「作れる人」になれます。
生活習慣を見直し、バランスのとれた食事やサプリメントを摂って、「エクオールを作る力」を高めていきましょう。