「アルギニンにはどんな効果があるの」
「アスリートや筋トレ用のサプリメントではないの」
アルギニンは、一般的にはアスリートやボディメイクをしている人が筋肉を大きくするために飲むサプリメントとして認識されていますが、実はすべての人にさまざまな効果があるアミノ酸の1つであり、あらゆる人の健康生活を維持・改善するための効果が期待できます。
アルギニンには特に以下の6つの効果があります。
アルギニンは性別や年齢にかかわらず、多くの人の生活を改善する高い効果が認められていますが、効果的に摂取するためには、摂取タイミングや摂取方法を知っておくことが重要です。
また過剰摂取や特定の薬との飲み合わせでは副作用が生じるリスクもあるため、用量や用法を守り安全に摂取することも大切です。
そこで今回は
- アルギニンの持つ特筆すべき6つの効果
- アルギニンを効果的に摂取するにはどうすればいい?4つのポイントで解説
- アルギニンを安全に摂取するために知っておくべき2つのポイント
- アルギニンはこんな人におすすめ
について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたもアルギニンを安全に、そして効果的に摂取し、健康的な体を手に入れることが出来るでしょう。
目次
アルギニンの持つ特筆すべき6つの効果
冒頭でもお伝えした通り、アルギニンは筋肉増強のためのサプリと思われがちですが、実はタンパク質を構成するアミノ酸の一種であり、健康をサポートするため、特に以下の6つの点で大きな効果があることがわかっています。
一つずつ確認していきましょう。
1-1.ダイエットの効果を高める
アミノ酸の一種であり、タンパク質の合成を促して筋肉をつくるアルギニンは、代謝の高い体を作ることができるため、ダイエット中の方は効果をより高めることができます。
アルギニンには、
- 筋肉量を増やすことでエネルギー代謝を増やす
- 食欲を抑制することで食べる量を減らす
という作用があり、これらは特にダイエットをしている人にはたいへん効果的です。
ダイエットの際に問題になるのは、食事の量を減らすことによる筋肉量の低下です。
体重を減らしたいとの思いからやみくもに食事制限をすると、脂肪だけでなく筋肉も減少してしまいます。
そうすると、エネルギー代謝には欠かせない筋肉が減り、消費カロリーも落ちてしまうことから、次第にダイエットの効果は低下していきます。
つまり、安全に効果的なダイエットを行うためには、適度な運動などによって筋肉量を維持することが重要なのです。
そこで効果を発揮するのがアルギニンです。
アルギニンには筋肉を増強する機能を持つ成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。
つまり筋肉の増強を促進することで、消費カロリーを落とすことなく効果的に体重を落とし、かつ筋力を維持することでより健康的にダイエットを行うことができるようになります。
さらに成長ホルモンには食欲を抑制する作用もあるため、空腹を感じにくくなり、空腹を我慢せず、無理の少ないダイエットを進めることも可能になります。
1-2.免疫力を高め感染症から体を守る
アルギニンには免疫細胞を活性化することで人体の免疫力を高める効果があり、摂取を続けることで、風邪を引きにくい強い体を作ることができます。
もちろんアルギニンは、コロナウイルスやインフルエンザなどのウイルス感染に対する抵抗力を高めたり、怪我などによる細菌感染や手術後の合併症の回避などにも効果を発揮します。
アルギニンはマクロファージと呼ばれる免疫細胞の機能を活性化する働きがあることが確かめられています。
マクロファージは白血球の一種で、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を取り込んで消化します。
またさらにマクロファージは、取り込んだ病原体の情報を他の免疫細胞に伝達する免疫ネットワークの司令塔としての役割を持っており、体内の免疫機能を総合的に強化する働きも持ち合わせています。
つまりアルギニンは、免疫機能の中心的な役割を果たすマクロファージの活性化を促すことで、免疫力全体を底上げする効果も持っているというわけです。
1-3.疲労を回復する
アルギニンの特筆すべき効果の一つとしてあげられるのが疲労回復効果です。
このため、例えば
- 仕事が忙しく日々の疲れが取れない人
- 風邪や病気などによって体力が衰えている人
など、疲れや体力の消耗から、素早く回復を図りたい場合には、高い効果が期待できます。
アルギニンには、体内の血中アンモニア濃度を低下させることが実験結果によって実証されています。
アンモニアは疲労がたまると体内に増えてくる、疲労の原因物質です。
アンモニアは肝臓によって体の外へ排出されますが、疲れが溜まっている場合はこの処理が追いつかず、アンモニア濃度が高まり、体に疲れがどんどん溜まっていくことになります。
そしてアンモニア濃度を直接下げることができるアルギニンは、必然的に疲労回復における高い効果を持つことになるのです。
1-4.血流を改善し動脈硬化や心筋梗塞を予防する
アルギニンには体内の血液の流れをスムーズにすることで、動脈硬化や心筋梗塞などの病気を予防する効果があります。
血管は年齢とともに老化して、より硬くなり柔軟性を無くしていきます。
柔軟性のなくなった血管は徐々に血流が衰えていき、これが引き金となり動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの病気を引き起こします。
アルギニンは、このような年齢とともに衰えていく血管を拡張して血流を復活させることで、これらの病気を未然に防ぐ予防効果をもっています。
1-5.美肌を作る
アルギニンは、角質層の保湿やコラーゲン生成に関わることで、美肌を作ることが出来ます。
定期的にアルギニンを摂取することによって
- しわやたるみを防ぎ、肌の張りを若々しく保つ
- 肌の水分を維持し、乾燥を防ぐ
などの効果が期待できます。
肌の角質層の乾燥を防ぐNMF(Natural Moisturizing Factor)という成分は、アミノ酸でできており、アルギニンはこのNMFを作る上で欠かせない物質であることがわかっています。
このためアルギニンは、肌の保湿を促進する高い効果があります。
またアルギニンによる成長ホルモンの分泌は、皮膚を健康的に保つために大切なコラーゲンの生成を促進することも知られています。
もちろん、コラーゲンは肌のしわやたるみなど、老化の予防にも役に立ちます。
1-6.男性の性機能を回復させる
アルギニンには男性の機能の回復、特にEDの症状の改善などに効果があることが知られています。
アルギニンが血管を拡張し血流を改善する効果があることは、1-4.血流を改善し動脈硬化や心筋梗塞を予防するでも解説しましたが、一酸化炭素には体内の血管を拡張することで血流の改善を促す効果があります。
そしてこの血流改善が、EDの症状改善にも効果があると考えられています。
アルギニンを効果的に摂取するにはどうすればいい?4つのポイントで解説
さまざまな効果が期待できるアルギニンですが、安全に、そして効果的に摂取するにはどうしたらいいのでしょうか。
摂取量、摂取タイミングなど、以下の4つの点から解説しましょう。
一つずつ確認しましょう。
2-1.1日の摂取量目安2,000mg~4,000mgを守る
アルギニンの摂取量は1日あたり2,000mg~4,000mgとされています。
3-1.過剰摂取で健康被害の可能性があるでも詳しく解説していますが、アルギニンの過剰摂取は消化器官への負担が大きいため、1日の摂取量を守りましょう。
2-2.就寝前・運動後に摂取する
健康や美容、疲労回復などの目的でアルギニンの効果を利用したいと考えている方は夜寝る前のタイミング、またトレーニングやダイエットをしている人は運動の後に摂取するのが効果的です。
体の疲労回復や機能改善は睡眠時間に集中して行われます。
アルギニンの血中濃度は摂取後30分から1時間ほどで最も高くなるので、睡眠前に摂取することが出来れば、アルギニンの効果を最も高く引き出すことが出来ます。
またダイエットやトレーニングなどで運動をする場合は直後の摂取が効果的です。
運動をした場合、運動の直後から体に疲労物質であるアンモニアが溜まっていきますが、アルギニンは直ちにこれを抑える効果を発揮します。
2-3.「シトルリン」と一緒に摂取することで効果が高まる
アルギニンは「シトルリン」と一緒に摂取することで、さらに高い効果が期待できます。
シトルリンもアルギニンと同じアミノ酸の一種で、血流改善や筋肉の増強など、アルギニンと似た性質を持っていますが、シトルリンにはアルギニンと一緒に摂取することで、アルギニンの血中濃度を長時間、高く維持するという作用があることが知られています。
アルギニンが血中にとどまり、体に作用する時間を伸ばすことによって摂取したアルギニンの持つ効果を最大限に高めることが可能になります。
このため、より効果的にアルギニンを摂取したいと考えた場合は、シトルリンを一緒にとることがおすすめです。
2-4.アルギニンはサプリメントでの摂取が効果的
アルギニンを適切な量、適切なタイミングで摂取するためには、サプリメントを利用するのが効果的であると言えます。
アルギニンは肉や魚、またピーナッツやアーモンドなどの食材に多く含まれています。
アルギニンを豊富に含むものにはカロリーが高い食材も多いため、実際に効果的に摂取すべき量2,000mg~4,000mgを食事から得ようとすると、カロリーの摂取量も大きくなってしまいます。
また就寝前の摂取が効果的ですが、就寝直前にたくさんの食事をとることは現実的ではありません。
このため、ダイエットなどでアルギニンを利用したい方は、サプリメントなどで効果的に摂取することがおすすめです。
アルギニンを安全に摂取するために知っておくべき2つのポイント
そもそもアルギニンは体内で糖質や脂質から作り出すことのできる非必須アミノ酸であり、決して危険なものではありませんが、摂取量を間違えたり、特定の薬を服用している人が摂取した場合には健康に危害が及ぶ場合があるため注意が必要です。
特に以下の2つのポイントはあらかじめ知っておくことをおすすめします。
一つずつ確認しましょう。
3-1.過剰摂取で健康被害の可能性がある
アルギニンは過剰摂取によって消化器官に負担がかかると、下痢や胃の痛みが生じる可能性があります。
また肝臓や腎臓に負荷がかかることで、疲労感か倦怠感が増大するケースも報告されています。
疲労回復のために摂取したアルギニンが疲労の原因になるのは本末転倒です。
高い効果を期待して摂取量目安を超えるアルギニンを摂取しても効果がないばかりか、逆に健康を損なう結果となってしまうため、摂取する場合は1日2,000mg~4,000mgの摂取量目安を正しく守りましょう。
3-2.高血圧や低血圧・ED治療の薬を飲んでいる方は注意が必要
特に高血圧や低血圧の症状があり、薬を服用している方や、ED治療のための薬を飲んでいる方はアルギニンの摂取に注意が必要です。
これまでお伝えしたとおり、アルギニンには血管を拡張して血流を改善する効果があります。
このため、高血圧や低血圧の症状で薬を服用している方がアルギニンを摂取すると、症状を悪化させてしまう可能性があります。
またED治療薬も同様です。そもそもアルギニンはED治療薬の成分としても利用されるものであるため、同時に摂取すること自体が危険です。
これらの薬を服用している方が、アルギニンを摂取する場合は、摂取前に必ず医師に相談することをおすすめします。
アルギニンがおすすめな人5つのタイプ
最後の章では、これまでお伝えしたアルギニンの効果を踏まえて、アルギニンの摂取を是非おすすめしたい人をタイプ別に紹介しましょう。
一つずつ解説します。
4-1.トレーニングやダイエットをしている人
まずおすすめしたいのが、シェイプアップのためにダイエットをしたり、トレーニングで体を鍛えている人です。
これらの人には、アルギニンの以下の3つの効果が大きなメリットとなります。
- 筋肉増強
- エネルギー代謝の増大
- 身体の疲労回復
例えば筋力トレーニングの効果をより高いものにしたり、ダイエットのために行う運動のエネルギー消費を増やしてダイエット効果を上げるなども期待できます。
運動の直後にアルギニンを摂取すれば、より高い効果が発揮されます。
4-2.高齢でも常に若々しくありたい人
アルギニンは、体の中から外見まで、若々しく活力ある体を維持したいという人におすすめです。
このような方には特にアルギニンの以下の効果が大きなメリットを発揮します。
- 免疫力を高める
- 皮膚の水分を保持し、しわやたるみを予防する
- 血管年齢を若々しく保ちさまざまな病気を予防する
アルギニンは免疫力強化によりウイルス感染に強い体を維持し、さらに血管を若々しく保つことによって動脈硬化や脳梗塞など、老化によって発症する病気の予防にも役立ちます。
さらに外見においても、コラーゲン生成効果によりしわやたるみを予防し、かつ肌をみずみずしく保つことによって、若々しい見た目を維持することを助けます。
このため、いつまでも若々しい体を維持し、活力ある生活を末長く楽しみたい人にはアルギニンの摂取が是非おすすめです。
4-3.冷え性や、足のむくみなどに悩んでいる人
アルギニンは特に冷え性や足のむくみの症状の緩和に効果があります。
冷え性や足のむくみなどの症状は特に女性に多い症状ですが、これらは基本的に血液の流れが悪いことによって起こります。
アルギニンがもつ血管拡張と血流改善の効果は、特にこれらの症状に高い効果を発揮します。
4-4.仕事の疲れがとれず体がだるい人
仕事が忙しく十分な休息が取れない人や、疲れが翌日まで取れず、仕事が辛いなどの症状の方には、アルギニンの摂取が特におすすめです。
夜寝る前にアルギニンを摂取すれば、アルギニンが疲労原因物質である体内のアンモニアを直接、解毒することで、翌朝には体の疲れを効果的に解消してくれます。
4-5.更年期の症状がある方
アルギニンは男女ともに更年期の症状を持つ方にも効果的です。
ホルモンバランスが崩れることによって起こる更年期症状は、頭痛、肩こり、冷え、動悸や息切れ、めまい、突然の発汗、疲れ、倦怠感、鬱などさまざまな症状が発症することで知られています。
また更年期の症状は女性特有のものと思われがちですが、男性にも起こり、男性の場合、これらの症状に加えてED(勃起不全)などを発症するケースがあります。
更年期症状の原因はホルモン分泌量の低下による自律神経の乱れであるため、アルギニンの摂取が根本的な治療にはなりませんが、更年期に起こる肩こりや冷え、疲れ、またED(勃起不全)などの症状の緩和には高い効果が期待できます。
まとめ
今回はアルギニンの持つ6つの効果について詳しく解説しました。
アルギニンはアスリートや筋トレを行っている方向けの栄養素と思われがちですが、実はすべての人にさまざまな効果があるアミノ酸の一種であり、人間の健康生活を維持するためのさまざまな機能を持っています。
アルギニンは特に以下の6つの点で効果が期待されます。
また効果的に摂取するためのポイントとして、以下の4つがあげられます。
- 1日の摂取量目安2,000mg~4,000mgを守る
- 就寝前・運動後に摂取する
- 「シトルリン」と一緒に摂取することで効果が高まる
- アルギニンはサプリメントでの摂取が効果的
さらに摂取における注意点として、以下の2つの点についても詳しく解説しました。
- 過剰摂取で健康被害の可能性がある
- 高血圧や低血圧・ED治療の薬を飲んでいる方は注意が必要
アルギニンは特に以下のような方に摂取をおすすめします。
アルギニンをサプリメントで摂取する場合は、アルギニン以外の複数の栄養素を含む、天然由来のアルギニンサプリメントが断然おすすめです。
サプリメントは1種類の栄養素だけをたくさん摂取しても、他の栄養素が足りていなければ、決して効果を発揮しません。
このためアルギニンを含むさまざまな栄養をバランスよく摂取するためには、複数の栄養素を含む天然由来アルギニンサプリメントが効果的であると言えます。