「更年期は、“Make Yourself Happy”が一番」では、更年期が及ぼすメンタルへの影響についての記事をお届けしてきましたが、今回は、女性ホルモンと更年期の関係についてあらためてお伝えしたいと思います。
一生に分泌される女性ホルモン量は、わずか〇〇1杯分!
一生のうちに分泌されるホルモン量は、一生のうちにわずかティースプーン一杯であることをご存じでしたか?
その量を表す単位は、「一兆分の1グラム」を表す「ピコグラム」。
非常にわずかであることがわかります。
でも、そんなごくわずかな女性ホルモンが、心身に及ぼす影響は非常に大きく、「わずか」だと言って軽視することはできません。
閉経後は、卵巣からの女性ホルモンの分泌は、ほぼゼロに。
閉経後は、その脂肪組織からのわずかな量だけになります(あまり知られていませんが、女性ホルモンは脂肪組織からも分泌されているのです)。
指令を出す脳、指令に従いたくても従えない卵巣
女性ホルモンは、「エストロゲン」「プロゲステロン」の2種類のホルモンを指します。
それぞれに働きがあるのですが、一般にいう「女性ホルモンを増やそう!」などと使われる時の女性ホルモンは、「エストロゲン」のことを指しています。
大きく分けると、エストロゲンは女性らしさ、美と健康に必要なホルモン、プロゲステロンは妊娠、出産に大きな役割を果たすホルモンということになります。
加齢により、卵巣の機能が低下することで、女性ホルモンの分泌量が低下し、さまざまな不調が起こります。
若い時は、脳の視床下部と卵巣との連携ができていて、女性ホルモン分泌量は安定しています。
分泌量は20~30代がピークを迎え、45歳頃から卵巣機能が徐々に低下し閉経後はゼロになります。
卵巣の女性ホルモン分泌をコントロールする脳の視床下部は、分泌量が減っていることを察知し、女性ホルモンを分泌するように指令を出し続けます。
でも、どれだけ指令を出し続けても、機能が落ちている卵巣からは女性ホルモンはもはや分泌されず、「出して、出して」と指令を出し続ける脳の視床下部は、「どうして出てこないの?」とパニックに陥ります。
同時に脳の視床下部は自律神経の中枢があるところです。
自律神経は、体温調節や、心拍、血圧の調整など、生命活動に必要な体の働きをコントロールしていますが、視床下部の混乱の影響を受けて、自律神経にも影響が出ます。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられますが、2つの神経のバランスが保たれていることが非常に重要。
バランスが崩れ、交感神経が優位になると心身の緊張状態が続き、一種の興奮状態に。
それによって、イライラ、息切れ、不眠、頭痛などが起こりやすくなります。
逆に副交感神経が優位になりすぎると、うつ、無気力、落ち込み、肩こり、頭痛、めまいなどの不調が出ます。
その他、ホットフラッシュや、多汗、動悸、手足のしびれなど更年期特有の不定愁訴も自律神経の乱れが原因と言われています。
ただし、ご自身の生活環境や性格、体質なども影響しますので、症状の違い、度合いも個人差が大きいと言えるでしょう。
更年期指数をチェックしてみましょう
今回は、更年期の症状をチェックできる「更年期セルフチェック」をしてみましょう。
あてはまる症状をチェックして、点数を計算してみてください。
現在の状況を把握し、対策を考えていきましょう。
あなたの更年期度合いはどれくらい?
症状
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症状の程度
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強
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中
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弱
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無
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1)顔が火照る
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2)汗をかきやすい
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3)腰や手足が冷えやすい
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4)息切れ、動悸がする
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5)寝つきが悪い、または眠りが浅い
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6)怒りやすく、すぐイライラする
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7)くよくよしたり、憂うつになることがある
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8)頭痛、めまい、吐き気がよくある
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9)疲れやすい
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10)肩こり、腰痛、手足の痛みがある
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【強】症状があり、生活に支障が出ることがある。
【中】症状はあるが、生活に支障が出ない程度。
【弱】症状があるかもしれない。
何点でしたか?
以下のシートで自己採点の点数と比較してみましょう。
合計点数による
自己採点の評価表 |
44~55歳の女性において
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0~25点
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異常なし
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20%強
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26~50点
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食事・運動に注意を
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40%強
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51~65点
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更年期・閉経外来を受信すべき
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20%強
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66~80点
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長期にわたる計画的な治療が必要
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10%強
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81~100点
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各科の精密検査に基づいた長期的な治療が必要
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数%
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お伝えしてきてきたように、女性ホルモンと自律神経は、密接な関係にあります。
女性ホルモンをサプリメントなどで補充しつつ、自律神経のバランスを整える工夫をして、少しでも快適に過ごせるようにしたいものですね。
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取材協力/NPO法人 ちぇぶら