顔のむくみ7つの原因と即効でスッキリさせる方法を専門家が解説

2024. 09. 10
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「朝起きたら顔がいつもより膨らんでる…これってむくみ?」

「顔がむくむのはどうして?むくまないようにする方法ないの?」

朝起きたら顔がむくんでいてショック!という経験を持つ人は多いと思います。

ただ、「顔がむくむ」という状態を正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。

“顔のむくみ”は、顔の皮膚の下の組織に余分な水分が溜まったことで起こります。

見た目には、通常より頬が膨らんで腫れてみえたり、まぶたが腫れぼったくなって二重が一重になったりする状態になります。

【画像左が「むくんだ顔」のイメージ】

この記事では、顔のむくみが起きる原因と、即効でむくみを抑える対処法を解説します

ただ、応急処置で抑えられても、水分やストレスが溜まる生活習慣を続けていると、顔のむくみに焦る朝を何度も繰り返す可能性があります。

むくみやすい体質を改善するには、食生活や生活習慣にも目を向けていかなければなりません。

また、何日も続く顔のむくみは、肝臓や腎臓、甲状腺などの病気のサインかもしれないので注意が必要です

記事では、顔のむくみを発症する病気や、体の巡りをよくして「顔のむくみ」を予防する生活習慣を解説しますので、ぜひ最後まで目を通して参考にしてください。

この記事をおすすめしたいのはこんな人です
  • 顔のむくみに悩んでいる人
  • 顔のむくみの原因を突き止めたい人
  • 顔のむくみを即効で治す方法を知りたい人
  • むくみやすい体質を改善したい人
  • むくみを解消するサプリメントに興味がある人

この記事を読めば、顔のむくみがどうして起きるのかが把握でき、適切な対処法が身につきます。

毎朝スッキリした顔で目覚められるように、むくみについての知識を深めていきましょう。

「顔のむくみ」は皮膚に水分が溜まって起こる

1章では、まず「顔のむくみ」とはどんな状態なのかを解説します。

「顔のむくみ」はどうして起きる?
チェック!顔がむくんでいるかどうかを確かめる3つの方法

「顔のむくみ」とは、体内の水分が過剰に溜まって血管の外に異常に浸み出した状態で、専門的な言葉では「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれています。

なぜそんな状態に陥るのか…?
よく読んで、しっかり理解していきましょう。

1-1.「顔のむくみ」はどうして起きる?

「顔のむくみ」は、顔の皮膚の下の組織に余分な水分が溜まったことで起こります。

水分を摂り過ぎると、体の水分のバランスが崩れ、余分な水分が皮膚の中に滞ってしまうのです。

「でも、水は体のために飲まなきゃいけないって聞かない?」

確かに、水を飲むことは健康に良いとされていて、厚生労働省(「健康のため水を飲もう」推進運動)もこまめな水分補給を推奨しています。

ただ、難しいことをいうようですが、飲み過ぎるのもよくないのです。

Check!

【体内の水分の働き】

人間の体重の60%が水分でできていることをご存知でしょうか。

たとえば、50㎏の女性では、およそ30リットルの水分を体内に蓄えているのです。

水分には、血管と細胞を行き来しながら、細胞や臓器に栄養や酸素を届け、二酸化炭素や老廃物を回収する役割があります。

余った水分はリンパ管や血管に吸収されます。

通常、余った水分がリンパ管や血管に吸収されることで、体の水分は一定のバランスを保っているのですが、何かの理由によってバランスが崩れると、細胞と細胞の間に余分な水分が溜まるという現象が起きます。

これが「むくみ」です。

「顔のむくみ」は朝起きたときに見られることが多いですが、これには重力が関係しています。

睡眠時に横になると、重力の関係で下半身にたまった水分が顔まで移動し、顔の皮膚の下に滞ってしまうのです。

うつぶせで寝ると、さらに重力の影響を受けて水分が顔側に集まるため、むくみを気にされている方は、できるだけあおむけで寝た方が良いでしょう。

1-2.チェック!顔がむくんでいるかどうかを確かめる3つの方法

「顔のむくみ」が起きると、顔がいつもより腫れているように感じたり、まぶたが腫れぼったくなったりします。

【画像右:むくんだまぶたのイメージ】

私の顔むくんでる?…と、心配になった方のために、顔がむくんでいるかどうかをチェックする方法を3つご紹介します。

  • 両手で頬を包んでチェック!
  • 上瞼をつまんでチェック!
  • 指で押して痛みをチェック!

それぞれ試してみましょう。

1-2-1.両手で頬を包んでチェック!

​​両手首の内側を合わせ、手のひらは開いて花を形作るようにします。

そのまま顎から頬を両手で包みます。

包んだ手のひらに当たる頬の肉の感触が多ければ多いほど、むくんでいる状態になります。

1-2-2.上瞼をつまんでチェック!​​

上瞼を親指の人差し指で軽くつまんでみましょう。

つまんだ跡がすぐ消えない場合は、水分が溜まってむくんでいると判断できます。

1-2-3.人差し指で押して痛みをチェック!

耳の下と、小鼻の横は老廃物が溜まりやすく、詰まると顔全体の水分の流れが滞る箇所です。

  • 両耳の下を指(親指や人差し指)で指圧の要領で押してみましょう
  • 小鼻の横も左右の人差し指で同様に押してみましょう​​

痛みを感じる場合は、顔がむくんでいる状態と考えられます。

いかがでしたでしょうか。

ただ、チェックはあくまでも目安であり、上記に該当しなくても、むくみが潜んでいる可能性はゼロではないので注意が必要です。

また、「痛みのチェックでは痛みが全くないが、やっぱり顔が大きくなっていると感じる」といった場合、顔が腫れたように見える原因として、顔の「ゆがみ」が考えられます。

次章の、顔のむくみの原因もご覧になった上で、むくみではないと判断された場合は、整形外科の受診をおすすめします。

「顔のむくみ」が起きる7つの原因

顔のむくみが気になる方は、まず「むくむ原因」を突き止めて、そこから改善、解消していくようにしましょう。

「顔のむくみ」は、次のような原因で起こります。

原因①|水分の摂り過ぎ
原因②|塩分の摂り過ぎ
原因③|お酒の飲み過ぎ
原因④|ストレス
原因⑤|寝不足や浅い眠り
原因⑥|何らかの病気
原因⑦|更年期の症状

あなたのむくみの原因はどれにあたるでしょうか? 考えながらみていってください。

2-1.原因①|水分の摂り過ぎ

「顔のむくみ」の原因で一番多いのが、水分の摂り過ぎです。

過剰摂取で体の水分のバランスが崩れ、余分な水分が皮膚の中に滞ってしまいます。

Check!

【1日に摂るべき水分量の目安】

年齢や体質で個人差はありますが、人間が1日に排出する水分は約2.3リットルです。

これを食事や飲み物で補わなければ水分不足になってしまいます。

健康な成人は、1日に1.2リットル程度の水分を摂ることが推奨されています。

つまり、私たちは通常1日に1.2リットル程度の水分を摂取する必要があるということですが、逆に、これを大きく超える量の水を飲むと、今度は水分が過剰になってしまいます。

水分が過剰になると、排出が追いつかず、血管から染み出した余分な水分が皮膚の中に溜まってむくみが生じてしまいます。

また、短時間に大量の水分を摂ると、体に一気に水分が増えてむくみやすくなります。

飲み水は1日1.2リットルを目安に、回数を分けてこまめに飲むことを心がけましょう。

2-2.原因②|塩分の摂り過ぎ

2つ目の原因は、塩分の摂り過ぎです。

体が塩分の濃度を下げようと働いて、多量の水分を蓄えてしまいます。

塩分を多く摂取すると、体はその濃度を薄めようとして、水分の排出を控えて体内に溜め込むようになります。

過剰に溜め込まれて行き場を失った水分は血液の巡りを滞らせ、次第に血管から漏れ出し、皮膚と皮下脂肪に溜まり、むくみとなって現れます。

Check!

【1日の塩分摂取量目安】

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人男性で7.5g未満、女性6.5g未満を1日の塩分摂取量の目標としています。

これを醤油で換算すると、薄口しょうゆの場合は男性が1日当たり大さじ3弱、女性は大さじ2.5が目安となります。

1日にスプーン3杯の塩というのは少なく感じる方もいると思いますが、むくみを抑えるために、減塩商品を使用したり、出汁を効かせたりなどの工夫をして、塩分を控えることを心がけましょう。

参考:e-ヘルスネット|ナトリウム(なとりうむ)​​

2-3.原因③|お酒の飲み過ぎ

「顔のむくみ」の3つ目の原因は、お酒の飲み過ぎです。

理由は2つあります。

血管が拡張して水分の処理がうまくいかなくなる
塩分多めのつまみを食べすぎる
血管が拡張して水分の処理がうまくいかなくなる
お酒を大量に飲むと血液中のアルコール濃度が高くなり、血管が拡張します。

血管が拡張すると、血管から染み出す水分の量が増え、吸収が追いつかなくなって皮下組織に停滞して、むくみが発生します。

塩分多めのつまみを食べすぎる
飲酒される方なら、お酒を飲むと塩辛いものが食べたくなるのがおわかりかと思います。

普段塩分を控えていても、お酒を飲むと、塩分多めのつまみを食べ過ぎてしまい、先述のように、体が塩分の濃度を下げようと働いて、多量の水分を蓄えてむくみを引き起こします。

このように、お酒の飲み過ぎは「顔のむくみ」の大きな原因となりますので、飲酒される方は量を少し控えることをおすすめします。

2-4.原因④|ストレス

意外に思うかもしれませんが、ストレスも顔のむくみを引き起こします。

ストレスホルモン(コルチゾール)が、血管とリンパ管にある水分を交換する機能を低下させ、体内の余分な水分を排出する働きが弱まるからです。

Check!

【ストレスホルモン(コルチゾール)】

ストレスホルモン(コルチゾール)は、その名の通りストレスがかかると分泌量が増えるホルモン​​。

このホルモンがタンパク質の代謝、特に血管形成に影響を与えることが最近の研究で判明しました。

ストレスを受けるとコルチゾールが分泌され、血管とリンパ管の間の水分の出し入れの働きを低下させるのです。

その結果、血管とリンパ管の相互を行き来する水分がもれ出しやすくなったり、回収されにくくなって溜まってしまったりします。

回収しきれなかった水分は体内に溜まって、顔のむくみを引き起こします。

ストレスがかかる → ストレスホルモン(コルチゾール)が増加 → むくみが発生

ストレスによるむくみを防ぐために、なるべくストレスを溜めないように気をつけましょう。

適度に運動をしたり、好きなことをしたりする時間を作るのも一案です。

2-5.原因⑤|寝不足や浅い眠り

寝不足や浅い眠りは、「顔のむくみ」に大きな影響を及ぼします。

十分に眠れていないと、体の代謝が悪くなり、水分や疲労物質が排出されず、皮膚の中に溜まってむくみを引き起こします。

しっかり眠れない日々を繰り返すと、水分や疲労物質が体の細胞内に溜まり酸素不足の状態になります。

Check!

【寝ていないと脳が酸欠に?】

睡眠不足のとき、日中に眠くなるだけでなく、頭がボーッとしたり頭痛がしたりといった経験はないでしょうか。

これは、脳が酸欠を起こしている状態です。

酸素が不足すると、体は酸素を循環させようと血管の中の血液量を増やすためにさらに水分量を溜め込みます。

その結果、顔がむくんでしまうのです。

顔のむくみを防ぐためには、質の良い眠りをとることを心がけましょう。

2-6.原因⑥|何らかの病気

顔がむくんでいる状態が何日も続く場合、原因は、何らかの病気かもしれません。

肝臓や腎臓、甲状腺などの病気によって、むくみが起きることがあるのです。

むくみに加えて下表のような症状がある場合は注意が必要です。

【病気の種類】 【顔のむくみ以外の症状】
肝臓の病気
(肝不全、肝硬変など)
  • 食欲低下
  • 吐き気
  • 怠さ
腎臓の病気
(腎臓病、腎不全など)
  • 排尿回数が増える
  • 排尿回数が減る
  • 貧血
甲状腺の病気
(甲状腺機能低下症など)
  • 体重の不自然な増加
  • 皮膚の乾燥
  • まぶたの腫れ

あてはまる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診するようにしてください。

2-7.原因⑦|更年期の症状

更年期の症状のひとつとして、「顔のむくみ」が起こることがあります。

女性ホルモン「エストロゲン」の減少で自律神経が乱れ、体内の余分な水分を排出する働きが弱まるからです。

Check!

【女性ホルモンと自律神経】

更年期の不調のほとんどは、閉経前後に卵巣の働きが衰え、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減少し、自律神経が乱れて起こります。


脳からの指令通りの女性ホルモン(エストロゲン)が分泌できなくなると、脳の視床下部は混乱を起こします。


視床下部には、体温の調整をはじめ、血管 血圧 心拍 皮膚 発汗などの生理現象を司る自律神経を調整する働きがあります。

(女性ホルモンの乱れで)視床下部がパニックを起こすと、自律神経も一緒に乱れてしまい、更年期のさまざまな不調が引き起こされます。

その不調のひとつが、「むくみ」です。

自律神経が乱れて、血液やリンパの流れが悪くなり、細胞の間に水分や老廃物が溜まって、顔のむくみの症状が現れます。

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朝の「顔のむくみ」を即効で解消する3つの方法

「顔のむくみ」が一番でやすいのは何といっても “朝起きたとき” です。

起きぬけに鏡をみて「どうしよう〜!」と焦った経験が、あなたもあるのではないでしょうか。

Check!

【朝に顔がむくみやすいのはなぜ?】

朝に顔がむくむのは、寝て横になったとき、重力によって下半身に溜まった水分が顔まで移動することが要因です。

移動した水分が睡眠中に顔の皮膚の下に滞ってしまうため、起床時に顔がむくみやすくなります。

3章では、出勤までにどうにかしたい朝の「顔のむくみ」を即効で抑える3つの方法を伝授します。

【15分で効く】交互に行う温冷法​​
【10分で効く】ホットタオルで巡りを良くする
【5分で効く】むくみを治すツボを押す

スッキリした顔で1日を始められるように、しっかり把握しておきましょう。

3-1.【15分で効く】交互に行う温冷法

朝の15分で顔のむくみを抑える方法として、温める、冷やす、を交互に行う温冷法がおすすめです。

方法は以下になります。

タオルを2枚用意し、1枚を水(できれば氷水)で冷やす
もう1枚のタオルは水で濡らしてから、電子レンジで30秒〜1分加熱する
温めたタオルを広げて温度調節し、30秒〜1分顔にあてる
冷やしたタオルを30秒〜1分顔にあてる

温める→冷やす、を2〜3回繰り返すと、むくみ解消に効果があります。

3-2.【10分で効く】ホットタオルで巡りを良くする

温冷法は時間と手間がかかると思われた方は、10分で効くこちらを試してください。

ホットタオルで顔全体をしっかり温めることで、血液やリンパの巡りを良くなり、むくみが解消できます。

方法は以下になります。

少し大きめのフェイスタオルを水で濡らす
電子レンジで30秒〜1分加熱する
鼻と口を避け、タオルを顔全体に被せるようにのせ、1分ほど温める
※タオルを縦半分に折ると被せやすいです

蒸しタオルで温めることで顔の筋肉がほぐれ、こわばりが取り除かれて柔らかな状態に!

血流も良くなることから、むくみも改善に向かいます。

3-3.【5分で効く】むくみを治すツボを押す

血の巡りを促進するツボ押しなら、出がけの5分でむくみの早期解消が期待できます。

顔や頭には多くのツボがありますが、ここでは特にむくみに有効な3つのツボを紹介します。

目元のむくみに効果的な攅竹(さんちく)​​
顔と頭全体の血行を良くする太陽(たいよう)
自律神経を整える百会(ひゃくえ)

3-3-1. 目元のむくみに効果的な攅竹(さんちく)​​

眉毛の内側、骨のキワに少し感じられる凹みの部分にあるツボ、攅竹(さんちく)は、特に目元のむくみに効果的なツボです。

むくみ解消のほか、目の痛みや見えづらい症状の改善、鼻づまりにも効果的です。

<押し方>
両手の親指の腹を上向きにしてツボにあて、骨のキワに向けて30秒ほど押す。

ゆっくり呼吸しながら数回繰り返す。

3-3-2.顔と頭全体の血行を良くする太陽(たいよう)

目尻の外側でこめかみの中心にあるツボ、太陽(たいよう)は、顔と頭全体の血行を促進する効果があります。

顔全体のむくみや、目のクマなどのトラブル改善に良いツボとして知られています。

<押し方>
両手の親指の腹を上向きにしてツボにあて、適度な力(痛すぎない程度)で30秒ほど押す。

ゆっくり呼吸しながら数回繰り返す。

3-3-3.自律神経を整える百会(ひゃくえ)

頭頂の一番高いところ​​にある百会(ひゃくえ)は、全身の不調に効くツボといわれています。

自律神経の働きを整えてむくみを改善するほか、ストレスや不眠の解消にも効果があります。

<押し方>
頭のてっぺんのやや窪みを感じる部分を、人差し指や中指などを使い、適度な力(痛すぎない程度)で30秒ほど押す。

ゆっくり呼吸しながら数回繰り返す。

今日から始める!むくまないための予防法

即効でむくみを解消する方法を解説しましたが、同じ生活習慣を続けていると、しょっちゅう「顔のむくみ」に悩まされるかもしれません。

応急処置だけでは、むくみやすい体を根本的に改善することはできないからです。

4章では、体の巡りをよくして「顔のむくみ」を予防する食生活や生活習慣を解説します。

水分と塩分の過剰摂取を控える
血の巡りを良くして代謝を上げる生活習慣
サプリメントで栄養素を補う

順に解説しますので、できるところから取り入れていきましょう。

4-1.水分と塩分の過剰摂取を控える

予防法のひとつめは、むくみに直結する水分と塩分の過剰摂取を控えることです。

水分を摂り過ぎると、体の水分のバランスが崩れ、余分な水分が皮膚の中に滞ってしまいます。

​​塩分を摂り過ぎると、体が塩分の濃度を下げようと働いて、多量の水分を蓄えてしまいます。

水分は1日1.2リットルを目安に、回数を分けてこまめに飲むことを心がけましょう。

1日の塩分摂取量の目安は、成人男性で7.5g未満、女性6.5g未満、醤油で換算して、男性が1日当たり大さじ3弱、女性は大さじ2.5となっています。

料理の際は、減塩商品を活用したり、出汁を効かせたりなどの工夫をして、日々塩分を控えることを心がけましょう。

むくみにくい体質になるためには、毎日の生活で、水分と塩分に気を配ることが何より重要になります。

4-2.血の巡りを良くして代謝を上げる生活習慣

顔のむくみを予防するには、血の巡りをよくして水分の代謝を上げなくてはなりません

具体的には、次のような生活習慣を身につけましょう。

血の巡りを良くする5つの生活習慣
適度な運動を心がける
長時間同じ姿勢でいるときは、ときどき腕や体を動かす
アルコールの摂取は控える
入浴はシャワーで済ませず、かならず湯船に浸かる
質の良い睡眠を摂るように心がける
適度な運動を心がける
適度な運動で、体に筋肉をつけましょう。

筋肉量が少ないと、血液を戻す力が弱いため水分が滞りやすくなります。

長時間同じ姿勢でいるときは、ときどき腕や体を動かす
体を動かすことで血液の循環や水分の代謝が良くなり、むくみの解消につながります。​​
アルコールの摂取は控える
アルコールは2つの理由からむくみを引き起こす元になります。

  • 血管が拡張して水分の処理がうまくいかなくなる
  • 塩分多めのつまみを食べすぎる

大量に飲むことは控えましょう。

入浴はシャワーで済ませず、かならず湯船に浸かる
冷えによる血行不良は、むくみやすい体をつくります。

シャワーだけでは冷えた体が温まりません。湯船に浸かって体全体を温め血の巡りを良くしましょう。

質の良い睡眠を摂るように心がける
睡眠不足や浅い眠りは、顔のむくみを引き起こします。

  • 寝室の明るさを工夫する
  • 寝室の温度に気を配る
  • 首にフィットする枕を選ぶ

など、環境を整えて、質の良い睡眠を摂れるようにしましょう。

4-3.サプリメントで栄養素を補う

むくみの予防法の3つ目は、サプリメントで栄養素を補うことです。

「どうしてサプリメントなの?」と思われる方は、むくみの原因を思い出してください。

水分や塩分の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎ、ホルモンバランスの崩れ…こうした原因からくる「むくみ」の解消には、生活習慣の見直しに加えて、足りない栄養素を補給して体の内側から改善することが必須となります

しかしながら毎日の食事だけで必要な栄養素を満たしていく、というのはなかなか難しいことです。

Check!

【むくみに効く食事】

たとえば…塩分を排出する効能のある栄養素として知られるのが「カリウム」です。

カリウムは、ほうれん草、にんじん、バナナ、大豆などに含まれています。

お酒を飲む人が不足しがちな栄養素で知られるのが、「ビタミンB群」です。

ビタミンB群は、豚肉やレバー、にんにくなどに含まれています。

ホルモンバランスの乱れを整える効能がある栄養素の筆頭は、「大豆イソフラボン」です。

大豆イソフラボンは、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれます。

いかがでしょうか。

むくみにくい体づくりにはバランスのとれた食生活が重要…とはいうものの、水分や塩分にも気を配りながら、上記のような栄養素を毎日、まんべんなく食事で摂っていくというのは容易なことではありません。

ですので、血行を改善するサプリメントで、食事で摂れない栄養素を補給しましょう

むくみを改善するサプリメントに含まれる成分には、次のようなものがあります。

大豆イソフラボン
  • 更年期に減少するエストロゲン(女性ホルモン)を補う
  • 更年期症状の緩和
  • 血行を促進して代謝を上げる
ビタミンB群
  • 水分代謝を活発にする
  • 血行を良くする
カリウム
  • むくみ改善
  • 筋肉を正常に保つ
高麗人参
  • 自律神経を整える
  • 腎臓の機能を高める
ヘム鉄
  • 貧血予防
  • 疲労回復

サプリメントを購入する際は原材料表示を確認し、こうした有効な成分が配合された商品を選びましょう。

顔のむくみ改善には漢方由来のサプリメントがおすすめ

むくみの改善に、漢方が効果的なのをご存知でしょうか。

東洋医学の考えに則った漢方には、滞った水分の代謝を良くして、体のバランスを整える働きがあります。

「顔のむくみ」の予防にサプリメントをおすすめしましたが、原因が更年期症状である場合、また原因が複数重なっていた場合は、一般的な「足りないものを補う」という役割を担ったサプリメントでは効果が期待できない可能性があります。

なぜなら、そのようなケースでは「顔のむくみ」が、体のだるさ、冷えのぼせ、疲労感、不眠…などの複合的な症状となってあらわれるため、むくみ改善効果を謳った単一成分のサプリを服用しても、根本的な改善に繋がらないのです。

慢性的な「顔のむくみ」を解消して、血液やリンパの巡りの良い体をめざすには、病名のつかない複数の不調に対する『自然治癒力』を高めるしかありません

このような見地から、おすすめしたいのが漢方由来の成分を含んだサプリメントです。

漢方由来のサプリメントは、むくみの複数の原因に作用して、体のバランスを整える成分が複合処方されています。​​

東洋医学では、体を部位ごとに細分化して見るのではなくトータルでとらえます。

ひとつの症状ではなく、心身のバランスを整えることにアプローチし、自然治癒力を高めて体質改善へ導いてくれるのです。

東洋医学の「五行論」を用いて説明しましょう。

Check!

【東洋医学の「五行論」】

東洋医学では、からだの不調を「からだ全体のバランスの崩れ」ととらえます。

その根幹にあるのが、万物を構成する要素を「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分類し、それぞれの要素が支え合い、影響しあって、絶妙なバランスで成り立っているとする「五行論」です。

これは、人の体にも同じことがいえ、東洋医学では五行に人間の身体を支える5つの要素「肝・心・脾・肺・腎」をあてはめています。

たとえば、むくみは、五行論にあてはめると、水分代謝に大きく関わる「土(脾)」「金(肺)」「水(腎)」の衰えによるものです。

東洋医学の考え方に沿って、複数の不調に有効な複合成分を配合した漢方由来のサプリメントは、体全体のバランスを整えて巡りを良くし、むくみにくい体質に導きます。

むくみの根本的な改善をめざすなら、4章の「サプリメントで栄養素を補う」で紹介した有効成分を複合的に配合した、漢方由来のサプリメントを選びましょう。

まとめ

「顔のむくみ」を原因からとりのぞく予防法は、次のようなものです。

①水分と塩分の過剰摂取を控える

②血の巡りを良くして代謝を上げる生活習慣

  • 適度な運動を心がける
  • 長時間同じ姿勢でいるときは、ときどき腕や体を動かす
  • アルコールの摂取は控える
  • 入浴はシャワーで済ませず、かならず湯船に浸かる
  • 質の良い睡眠を摂るように心がける

③サプリメントで栄養素を補う

スッキリした「むくまない日々」を重ねていくために、体の巡りをよくする食生活や生活習慣を、今日から取り入れていきましょう。

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