「GABAが睡眠不足に効果あると聞くけど、本当?」
「ストレス軽減と書かれたGABA配合のチョコレートをよく見かけるけど、効果あるの?」
睡眠不足で体がしんどい。仕事や育児のストレスが溜まっている。そんな時、コンビニなどで「GABA」という文字を見かけます。
「睡眠不足の改善」や「ストレス緩和」と書かれているけど、それを摂るだけで本当に効果があるのか、症状が改善するのか、気になっている人は多いでしょう。
結論からお伝えすると、GABAを摂取することで「睡眠不足の改善」「ストレス軽減」の効果が期待できます。
そもそもGABAとは、体内に普段から存在しているアミノ酸のひとつです。
GABAは、脳や脊髄で精神を安定させる神経伝達物質で、興奮した神経を落ち着かせたり、睡眠の質を整えたりする役割を果たします。
通常は体内で十分な量が作られていますが、過度な疲労やストレスで大量に消耗すると不足してしまいます。
GABAが不足すると、興奮性の神経伝達物質が過剰に分泌され、リラックスできず緊張状態が続きます。
ストレスの多い現代社会では、不足したGABAをこまめに摂取することが大切といえます。
しかし、GABAの摂取方法を間違えてしまうと、十分な効果を得ることができなくなるので、ポイントを押さえることが重要です。
そこでこの記事では、GABAを摂取することで期待できる効果と、効果を得るための注意点について詳しく解説します。
この記事を最後まで読み進めると、GABAに期待できる効果がわかり、効果的に体内のGABAを増やす方法を知ることができます。
過度なストレスや睡眠不足で悩んでいる人は、ぜひ最後まで読み進めてください。
目次
【実はすごい】GABA(ギャバ)に期待できる6つの効果
GABAを摂取することで得られる効果は、ストレス緩和や睡眠の質向上だけではありません。
GABAを摂取することで、体にとって嬉しい効果がたくさんあります。
具体的にGABAを摂取することで期待できる効果は次の6つです。
ひとつずつどのような効果があるのか詳しく解説していきます。
1-1.ストレスを緩和する
GABAの代表的な効果はストレスの緩和です。
わたしたちの体には無数の神経がありますが、「自律神経」という内臓や代謝など、体の機能を24時間コントロールし生命活動を維持する重要な神経があります。
自律神経は、昼間や活発に活動するときに優位となる「交感神経」と、夜間やリラックス中に優位となる「副交感神経」で成り立っています。
この2つの神経が協力して働くことでバランスを取り、心身の健康が保たれているのです。
しかし、ストレスがかかると交感神経が活発化し、身体は緊張状態になります。
この緊張状態が続くとリラックスすることができず、心身に負担をかけることになるのです。
GABAは交感神経を抑制し、副交感神経を優位にするためリラックス効果を高めます。
これにより、体の興奮を落ち着かせ、ストレスが緩和されます。
1-2.睡眠の質を高める
先ほどGABAには、リラックス効果があると解説をしましたが、睡眠の質を高める効果も期待できます。
睡眠の質を高めるためには、副交感神経を優位に働かせることが重要です。
交感神経が優位に働いた状態では、身体が興奮状態となり、なかなか寝付くことができません。
GABAを摂取することで、交感神経を抑制し、副交感神経を優位に働かせることができます。
これにより、心を落ち着かせ、リラックスすることができます。結果的に、入眠しやすく、質の高い睡眠に繋がるのです。
1-3.高めの血圧を下げる
GABAを摂取することで高めの血圧を下げる効果も期待できます。
GABAは、血管を収縮させる作用のある神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌を抑え、血管の収縮を和らげる効果があります。
これにより、血流が良くなり、血圧が高めの人の血圧を下げてくれます。
あくまで高めの血圧を抑える効果であり、もともと低い血圧をさらに低くする作用ではないので安心です。
1-4.中性脂肪の増加を抑える
GABAには、中性脂肪の増加を抑える効果が期待できます。
そもそも中性脂肪とは、血液中に流れている脂質のことで、体内でエネルギーとして使われます。
エネルギーとして使われずに余った分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
中性脂肪が増えすぎると、脂肪肝や肥満に繋がり生活習慣病のリスクが高まるため、中性脂肪の増えすぎには注意が必要です。
GABAを摂取することで、「成長ホルモンを増やす」効果があります。成長ホルモンは脂質代謝に重要な役割を持ち、中性脂肪を分解してくれます。
これにより、中性脂肪の増加を抑える効果が期待できるのです。
1-5.記憶力を高める
GABAを摂取することで、記憶力をつかさどる海馬のダメージを抑え、記憶力を向上させる効果が期待できます。
わたしたちの記憶は、まず海馬という部分で日常の出来事や、勉強で覚えた情報を整理し、大脳皮質でファイリングされ記憶として残しています。
年齢とともに、「人の名前を思い出せない」「もの忘れがひどくなった」と感じる人は多くいるでしょう。
この原因は加齢による脳の神経細胞の機能低下もありますが、ストレスによる自律神経の乱れが原因だとも言われています。
海馬は、とてもデリケートで壊れやすい性質を持っており、強いストレスがかかるとストレスホルモンが分泌され海馬にダメージを与えます。
これが、記憶力低下の原因です。
GABAには、交感神経を抑えて自律神経を整える効果があり、ストレスホルモンの分泌を抑え、海馬のダメージを抑えます。
これにより、記憶力の向上効果が期待できます。
1-6.ダイエットを助ける
GABAを摂取することで、ダイエットを助ける効果が期待できます。
GABAには、成長ホルモンを増やす効果があります。
成長ホルモンは、代謝を促して脂肪を分解する作用があり、体についた脂肪が落ちやすくなります。
また、食事と同時にGABAを摂取することで、食べ過ぎを強力に予防する効果も発表されています。
これにより、効果的なダイエットが期待できます。
ただし、GABAを摂取するだけで痩せる訳ではありませんので要注意です。GABAはあくまで、ダイエットをサポートする役割と考えましょう。
【事例】GABAを摂取することで本当に得られた嬉しい効果
GABAを摂取することで得られる効果について解説してきましたが、本当にそんな効果があるのか疑問に思われる方もいるでしょう。
そこでここでは、実際に研究で検証されたGABAの効果を事例で紹介します。
GABAを摂取することで得られる本当に嬉しい効果を、ぜひチェックしてください。
2-1.【事例1】避けられないストレスが緩和された
日常生活で避けられないストレスに直面した際に、ストレスが緩和された事例です。
出典:ギャバ・ストレス研究センター「GABAが「避けられないストレス」を緩和?」
2-2.【事例2】昼間に摂取したGABAでその日の睡眠が改善された
睡眠の質向上に期待できるGABAを、昼間に摂取することでより睡眠が改善された事例です。
出典:ギャバ・ストレス研究センター「新発見!昼間に摂取したGABAがその日の睡眠の質を改善」
2-3.【事例3】GABA摂取をした2週間後から血圧降下が明らかになった
日頃から血圧が高い人がGABAを摂取することで、2週間後から血圧降下が明らかになった事例です。
2-4.【事例4】満腹感増強によって食べすぎを予防できた
絶食後、GABAを摂取することで満腹感を増強させ、食べ過ぎを予防することができた事例です。
参照:京都府立大学「GABAの脳作用による満腹感増強についての産学連携研究成果をスイスの学術誌で発表」
効果を発揮するためのGABA摂取のポイント2つ
ここまで紹介したGABAの効果を得るためには、摂取方法にポイントがあります。効果を発揮するためのポイントは次の2つです。
GABAの効果を得るためには、効果が欲しいときにだけ摂取するという方法では効果は感じにくくなります。
ポイントを確認して、効果的に摂取していきましょう。
3-1.1日30mg以上の摂取を心がける
GABAの効果を得るためには、1日30㎎以上の摂取が効果的です。
ここまでお伝えしたとおり、GABAにはさまざまな効果があります。
それぞれの効果を発揮するためには次の通りの摂取量が効果的と研究で明らかになっています。
出典:【ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察】
有効摂取量は、その日の体調にもよって変わり、確実にこれだけ摂れば効果が得られると断定はできません。
しかし、1日当たり30㎎以上の摂取から効果が得られるとされています。
3-2.毎日の継続摂取を行う
GABAの効果を得るためには、毎日の継続摂取を行うことが大切です。
残念ながら、効果を得たいときにだけ摂取するという方法では効果的ではありません。
また、摂取効果は摂取後2週間後から出始めます。そのため、毎日2週間以上の継続摂取を行うようにしましょう。
効果的に体内のGABAを増やす方法4つ
冒頭でお伝えしたとおり、GABAは体内で十分な量が作られていますが、過度な疲労やストレスで大量に消耗すると不足してしまいます。
では、どのように不足したGABAを補えば良いのかが気になるところですよね。
そこでここでは、体内で不足したGABAを効果的に増やす方法について詳しく解説します。
GABAの効果を発揮するために、しっかり確認していきましょう。
4-1.GABAの多い食品を摂る
GABAを多く含む食品から摂取しましょう。GABAは、野菜や果物、発芽玄米、発酵食品などに多く含まれています。
多く含まれる食品とGABA含有量は次のとおりです。
発芽玄米とは、玄米を発芽させたお米です。
白米よりも玄米の方が栄養価が高いことは有名ですが、発芽玄米も栄養価が高い食品です。
白米のGABA含有量が1㎎/100gに対して、発芽玄米は15㎎/100gもあります。
ミニトマトだと、1日8個(約13g/個)食べると30㎎以上のGABAを摂取できます。食べ方は、朝昼晩の食事毎に3個ずつ食べるイメージです。
野菜ではその他に、大豆もやしやほうれん草、山芋やケールなどにも多く含まれています。
1日30㎎以上のGABAを摂るために、毎日の食事でGABAを多く含む食品を食べるように意識するようにしましょう。
4-2.ビタミンB6と一緒に摂取する
GABAを摂取するときは、ビタミンB6と一緒に摂るようにしましょう。
ビタミンB6には、アミノ酸の分解をスムーズにする働きがあります。
GABAはアミノ酸のひとつなので、一緒に摂取することで、体内でのGABAの働きをサポートしてくれます。
ビタミンB6を多く含む食品は、赤みの肉や魚が代表的です。その他、バナナにはビタミンB6もGABAも含まれているため万能な食品と言えます。
さらに、ビタミンB6を摂取すると、肌トラブルの改善や動脈硬化などの病気を予防する効果を得ることができます。
ビタミンB6の効果を詳しく知りたい人は、「ビタミンB6がもたらす9つの効果と効果的な摂取方法について専門家が解説」の記事を合わせてご覧ください。
4-3.睡眠をしっかりとる
GABAは睡眠中に体内で合成されるため、睡眠をしっかりとることが大切です。
睡眠時間が短かったり、乱れたりすることで体内で合成されるGABAが少なくなり、不眠へと繋がります。
この記事をご覧いただいている方の中には、眠れなくて悩んでいる人も多いでしょう。
なかなか眠れないという場合は、布団に横になって目をつぶる時間を長くとるだけでも大丈夫です。
GABAはストレスを感じると減ってしまうため、リラックス状態を作るだけで、GABAの減少を防ぐことができます。
眠れない時は、テレビやスマホを見ずに目をつぶって体を休めましょう。
4-4.腸内環境を整える
GABAを摂取するときは、腸内環境を整えることが大切です。
経口摂取したGABAは脳に直接運ばれることはなく、腸にある受容体から吸収されます。
腸内環境が悪いと、GABAを吸収する受容体の働きが鈍くなり、GABAの吸収率が落ちてしまいます。
それだけではなく、GABA以外の栄養素の吸収も悪くなり、体調不良を助長させます。
そのため、日頃から腸内環境を整えておくことが大切なのです。
効率的にGABAを摂取したいならサプリメントがおすすめ!
効果的に体内のGABAを増やす方法を紹介しましたが、さらに効率的に摂取するにはサプリメントがおすすめです。
最近では、GABAが配合された食品やドリンクなども発売されているので、手軽に補給できます。
おすすめの理由は次の2つです。
ひとつずつ紹介します。
5-1.【理由1】1日に必要な摂取量が手軽に摂れる
サプリメントがおすすめな理由の1つは、1日に必要な摂取量が手軽に摂れることです。
3章でお伝えしたとおり、GABAの効果を発揮するためには、GABAを毎日30㎎以上継続的に摂り続けることがポイントです。
忙しい毎日を送っていると、栄養素のことを考えて食事をとることは難しい人も多いでしょう。
そんな時、サプリメントであれば毎日必要な量を手軽に摂ることができます。
また、食事の中でGABAを必要量摂れているかを確認することは困難です。
サプリメントであれば、GABAの配合量が明確なので効率的に摂取できます。
5-2.【理由2】GABA以外の配合成分でさまざまな栄養成分が補給できる
GABA以外のサポート成分が配合されていると、さまざまな栄養成分を同時に補給することができます。
サプリメントを選ぶときは、配合成分もしっかりチェックして選ぶと良いでしょう。
GABAの生成をサポートするビタミンB6が配合されているサプリメントも多く発売されています。
また、GABAサプリメントを夜に飲む場合は、カフェインが含まれていないかも確認しましょう。
カフェインには覚醒作用があるため、睡眠を妨げる恐れがあります。
まとめ
この記事では、GABAの効果について詳しく解説してきました。
GABAを摂取することで期待できる効果は、次の6つです。
この効果を発揮するためには、GABAの摂取方法に注意が必要です。次の2つのポイントに注意して摂取しましょう。
GABAは通常、体内で十分な量が作られますが、強いストレスや睡眠不足により大量に消耗し、不足してしまいます。
効果的に体内のGABAを増やす方法は次のとおりです。
また、効率的にGABAを摂取したい場合はサプリメントがおすすめです。
1日に必要な量を手軽に摂取できるので、忙しい方でも効率的に効果を得ることができます。