「“テアニン”ってよく耳にするけど何の成分?どんな効果があるの?」
「テアニンって本当に効果あるの?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
「テアニン」とは、緑茶などのお茶に多く含まれるアミノ酸の一種で、お茶の旨みや甘味に関係している成分(旨み成分)です。
「癒しの成分」ともいわれ、心身をリラックスさせる働きから、ストレス社会に生きる現代人に嬉しい多彩な効果が期待できます。
この記事では、「テアニン」の効果についてくわしく解説します。
効果の表れた事例も併せて紹介しますので、確かな効き目をイメージして頂けるはずです。
「テアニン」は副作用の心配がほとんどなく、多めに摂取しても安全な成分であることから、1日の摂取量は特に定められていません。
ただ、しっかり効果を得るために“おすすめの摂取量”や、“飲むべきタイミング”はあります。
記事後半で、「テアニンの効果的な摂取方法」として解説しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、テアニンにはどんな効果があるのか?という所から、1つずつ理解を深めていきましょう。
目次
『テアニン』の効果1|睡眠の質が上がる
テアニンには、睡眠の質を上げる効果があります。
これまでの研究で、テアニン摂取によって、中途覚醒をなくして睡眠を安定させ、スッキリした目覚めが得られることがわかっています。
こうした睡眠の質を向上させる作用は、テアニンが持つ、覚醒系の神経伝達物質の過剰分泌を調節する働きによるものです。
覚醒系の神経伝達物質の分泌を抑えることで、交感神経(※)の活動を抑えて中途覚醒を減少させ、眠りを深くするのです。
(※)交感神経:体の活動性を生みだす神経系。全身の器官をコントロールする自律神経には、交感神経と、体を休息させる神経系である副交感神経があり、両者のバランスが重要です。
中途覚醒がなくなり熟睡できることから、睡眠中の疲労回復がスムーズに進行し、起床時に爽快感が得られるようになります。
参照:J-STAGE|アクチグラフを用いたL-テアニンの睡眠改善効果の検討
独立行政法人国民生活センター 飲料のカフェイン含有量に関する調査
『テアニン』の効果2|リラックスできる
テアニンには、リラックス効果があります。
テアニンを摂取すると、心身ともにリラックスした状態のときに出るα波(アルファ波)が増加することがわかっています。
(※)アルファ波:α波は脳波の1つで、心身ともにリラックスした状態の時に発生します。心身の健康に良い影響を及ぼすといわれており、能力開発やストレス解消への効果も期待されています。
α波の出現頻度を調べることで、テアニンのリラックス効果を検証した実験によると、100mgのテアニンを摂取して約50分経過後にα波が増加したという結果が出ました。
不安を感じる傾向が低い人であれば、約50mgの摂取でα波が出現することもあります。
また別の調査では、200mgのテアニンを摂取した後40分経過した頃から、脳に活発にα波が発現することが確認されています。
テアニンの濃度が高いほどα波が強く現れることから、リラックス効果はテアニンの量に比例すると考えられます。
一杯のお茶を飲んだだけで緊張が解け、その後、体も心も何だか楽になることがないでしょうか。
それは多くの場合、テアニンのリラックス効果が作用しているからなのです。
参照:緑茶成分テアニンの向精神作用について|日本生物学的精神医学会誌
J-STAGE|L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響|日本農芸化学会誌
【医師監修】寝ても寝ても眠いのはなぜ?原因と対処法を詳しく解説 >>
『テアニン』の効果3|ストレス軽減&不安解消
テアニンには、ストレスを軽減して不安を解消する効果があります。
テアニンを摂ると、リラックスした状態の時に出るα波が増加するので、イライラや不安が治まり、心が落ち着くのです。
不安な気持ちになったとき、精神的に追い込まれたとき、指先が冷たくなった経験がないでしょうか。
それは、自律神経が乱れて、血液の循環が悪くなった状態です。
テアニンを飲んでα波が増加すると、脳がリラックスして交感神経が抑えられ、自律神経が整います。
自律神経バランスが整い副交感神経が優位になると、血管の収縮が鎮まって血行がよくなります。
冷水で負荷をかける実験において、(冷水をかけてられても)テアニンを飲むと手の温度が10分程度で元通りになるという結果が得られています。
個人差はありますが、テアニンを飲むと「手がポカポカしてくる」という報告も挙がっているのです。
こうしたことから、テアニンには、ストレスで尖った神経をなだめて、不安な気持ちを抑える効果があると考えられます。
参照:テアニンによるストレス軽減|2020 公益社団法人日本農芸化学会
知っているようで知らない「睡眠の質」の重要性。睡眠の質を上げる秘訣を専門家が解説 >>
他にもこんなにある!『テアニン』がもたらす6つの効果
「テアニン」は、ご紹介した3つの他にも多彩な健康効果をもたらすことで知られています。
- 冷え性の改善効果
- 美肌効果
- 脳の老化予防効果
- 集中力を高める効果
- 月経前症候群を改善する効果
- 高血圧を予防する効果
それぞれの内容を、下表にまとめましたのでご覧ください。
事例紹介!『テアニン』で本当に得られた4つの効果
テアニンの効果について解説してきましたが、仕組みを聞いただけでは本当に実感できる効果なのかと疑問に思われる方もいるでしょう。
そこでこの章では、実際に検証された『テアニン』の効果の事例を紹介します。
テアニンで得られた癒しの効果を、1つずつ見ていきましょう。
5-1.事例1|テアニンで睡眠の質が上がった!
テアニンの摂取で、睡眠の質が向上することが検証された事例です。
参照:J-STAGE|アクチグラフを用いたL-テアニンの睡眠改善効果の検討
5-2.事例2|テアニンでα波が増加した!
テアニンの摂取で、心身ともにリラックスした状態のときに出るα波(アルファ波)が増加することが検証された事例です。
L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響|太陽化学株式会社総合研究所/愛知淑徳大学
5-3.事例3|テアニンでストレスが軽減した!
テアニンの摂取で、ストレスが軽減されることが検証された事例です。
参照:テアニンに抗ストレス作用を確認 太陽化学と名大が成果を発表|日経メディカル
5-4.事例4|テアニンで月経前症候群が改善した!
テアニンの摂取で、月経前症候群が改善することが検証された事例です。
テアニンで効果を得るにはサプリメントでの摂取がおすすめ!
テアニンの効果的な摂取方法を、次の順に解説します。
テアニンの良さを実感できるように、適切な摂り方を理解しておきましょう。
6-1.『テアニン』はサプリメントで摂るのが効果的
テアニンで効果を得るためには、サプリメントでの摂取がおすすめです。
というのも、テアニンの必要量をお茶で摂ろうとすると、毎日煎茶を20杯ほども飲む計算になってしまうからです。
テアニンの1日の摂取量目安は200mgです。
これまでの研究で、200mgの摂取で実感できる効果があらわれることが明らかになっています。
事例で紹介した他にも、閉経後の健康な中高年女性20名を対象にした研究で、テアニン200mg含有の食品を6日間、就寝前に摂取し、起床時の疲労感に関する項目が良好であるとの傾向が認められています。
しかしながら、200mgのテアニンというのは簡単に摂れる量ではなく、一般的な茶葉で煎れた煎茶であれば、一杯80mlとして約20杯も飲まなくてはならなくなります。
いくら美味しいお茶でも毎日20杯は飲めませんよね。
それに20杯となると、カフェインなど他の成分を摂り過ぎる心配もあります。
そこでおすすめしたいのが、テアニン配合のサプリメントでの摂取です。
サプリメントであれば、手軽に必要量を摂取できますし、吸収率も良いので高い効果が期待できます。
ただ、「テアニン」サプリメントであればどんな商品でも良いわけではありません。
良質なサプリメントの選び方については、次章「効果を得られる!失敗しない『テアニン』サプリメントの選び方」でくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
参照:化学成分か ら見た市販緑茶の品質|農林水産省野菜 ・茶業試験場
6-2.『テアニン』を摂るおすすめのタイミング
テアニンは薬ではないので摂るタイミングに決まりはありませんが、おすすめしたいのは、効果を得たい時間帯の約40分前の摂取です。
これまでの研究で、摂取後40分でα波の出現が観測され、少なくとも2時間は持続することが確認されています。
従って、たとえば睡眠障害にお悩みの方は、ベッドに入る40分ほど前を目安にテアニンを摂取すると良いでしょう。
リラックス効果や、緊張、不安の緩和を求める場合も、このタイミングを図って摂るのが効果的です。
参照:L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響|L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響
効果を得られる!失敗しない『テアニン』サプリメントの選び方
テアニンの効果を実感するためには、お茶をたくさん飲むよりも、サプリメントで摂取する方法がおすすめです。
ただ、テアニンの効果を得るためには、どんなサプリメントでも良いというわけではありません。
7章では、失敗しない『テアニン』サプリメントの選び方を伝授します。
よく読んで、ポイントを把握しておきましょう。
7-1.『テアニン』が200mg以上配合されているサプリメントを選ぶ
忘れてはならないポイントは、テアニンが200mg以上配合されているサプリメントを選ぶことです。
先述のように、テアニンは「200mg」を目安に摂取することで、効果が得やすくなります。
1日の摂取目安量でテアニンの含有量が200mgになっているか?を、しっかりチェックしましょう。
ちなみに、摂取量や注意点など必要な情報が記載されていないサプリメントは、信頼性の高い商品とはいえません。
テアニンの200mg以上の配合が明記されているサプリメントを選びましょう。
7-2.複合成分配合のサプリメントを選ぶ
2つ目のポイントは、テアニンの単一処方ではなく、複合成分配合の商品を選ぶことです。
複合成分配合サプリメントには、様々な原因にアプローチする複数の成分が含まれているため、
多岐に渡る症状の改善が期待できます。
「テアニン」サプリメント摂取をお考え方の多くは、未病の状態で複雑な不調を抱えていることが多いです。
たとえば、睡眠障害をお持ちの方は、日常生活でストレスを抱えていることが多く、そのせいでイライラや不安感に悩まされていたりします。
仕事と休息のバランスが上手くとれずリラックスできない人の不調は、疲労感や冷え性、肩こり…と多岐に渡ります。
こうした複数の症状を、主たる1つの不調、1点の原因にアプローチする単一成分のサプリメントで解消していこうとすると、いくつもの種類を摂取しなければならなくなります。
「テアニン」のサプリメントを選ぶなら、今抱えている複数の不調にアプローチする、複合成分配合のサプリメントが良いでしょう。
まとめ
テアニンには、3つの大きな効果があります。
- 睡眠の質が上がる
- リラックスできる
- ストレス軽減&不安解消
さらに、他にもさまざまな健康効果も期待されています。
- 冷え性の改善効果
- 美肌効果
- 脳の老化予防効果
- 集中力を高める効果
- 月経前症候群を改善する効果
- 高血圧を予防する効果
こうした効果を実感するためには、効果を得たい時間帯の約40分前の摂取がおすすめです。
テアニンの摂取量は特に定められていませんが、さまざまな検証結果から、1日200mg程度の摂取が有効といえます。
お茶に換算すると20杯ほどにもなってしまうので、サプリメントで補充するなどして上手に取り入れていきましょう。