40代女性のやる気が出ないは更年期?やる気が出ない原因と対処法を専門家が解説。

2023. 02. 03
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「40代に差し掛かってから、なんとなくやる気が出ない日が増えた…」
「仕事に身が入らないし、家事も億劫。このだるさの原因は何?」

こんなお悩みを持つ女性は多いのではないでしょうか。

40代女性のやる気が出ない原因として最も考えられるものは、ホルモンバランスの乱れによる更年期症状です。

更年期症状ではない場合も、日頃の疲れやストレスが溜まっている可能性が高いため、気合や根性でどうにかなるものではありません。

「自分が怠け者なせいでやる気が出ないのでは」とネガティブに捉えず、原因を突き止めて正しい対処法を実践することで、症状と上手く付き合えるようになります。

本記事では、やる気の低下でお悩みの40代女性に向けて、やる気が出ない原因や対処法について詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 40代女性のやる気が出ない主な原因は更年期?
  • 【段階別】やる気が出ない40代女性の対処法
  • 他の40代女性はこの症状とどう向き合っているのか
  • 本質的な改善のカギは「健康の土台づくり」

記事の終盤では、大人の女性が活力に溢れる毎日を作るうえでとても重要な「体の整え方」についてもお話ししているので、ぜひ最後までお読みください。

40代女性のやる気が出ない主な原因

40代女性のやる気が出ない原因として考えられるのは、主に次の2つです。

  • 更年期症状(軽度・重度)
  • 心身の疲労

ひとつずつ詳しく解説していくので、自分がどちらに当てはまるかチェックしてみましょう。

1-1.更年期症状

40歳を過ぎてやる気が出なくなった場合、最も原因として考えられるのが更年期症状です。

更年期症状とは、40歳を過ぎた頃から性ホルモンの分泌量の低下が原因で引き起こされる、心身の不調です。

更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」といいます。

閉経前後の更年期の女性は、心と体のバランスを保つホルモン「エストロゲン」の分泌が減少するため、さまざまな不調が生じるのです。

女性の更年期症状の基礎知識
原因 女性ホルモン(エストロゲン)分泌の低下
仕事や人間関係などの環境要因
ストレスなどの心理的要因
時期 45~55歳頃
(閉経期前後の約10年間)
主な症状

【身体症状】

  • ほてり
  • 発汗
  • めまい
  • 動悸
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 関節の痛み
  • 疲れやすさ など

【精神症状】

  • 意欲の低下
  • 気分の落ち込み
  • イライラ
  • 情緒不安定
  • 不眠

「やる気が出ない」という状態は、更年期の症状のひとつです。

他にも自分の体や心に不調がないか確認してみて、上の表の症状に当てはまるものが多い場合は、更年期症状の疑いがあります

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット
MY Menopause CENTRE

1-1-1.更年期症状には段階がある

やる気が出ない原因が更年期症状の場合、症状の重さには大きな個人差があります。

とくに症状が重く日常生活に支障をきたしてしまうほど重いものを「更年期障害」といいます。

症状の重さによってベストな対処法が異なるため、次の図を参考に「自分がどの段階の更年期症状なのか」を把握しておきましょう

自分が更年期症状の疑いが強いか、症状のレベルは軽度なのか重度で更年期障害といえるレベルなのか、おおよその見当がついたのではないでしょうか。

1-2.心身の疲労

「40代女性のやる気の低下=更年期症状」とは限らず、心身の疲労が原因という可能性も考えられます。

年齢や性別に関係なく、心身の疲労が溜まるとドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が不足し、意欲が低下するパターンです。

「更年期の症状はあまり当てはまらないけれど、ストレスや疲労には心当たりがある」

という場合は、更年期症状とは別のアプローチで心身のケアをする必要があります。

【原因別】やる気が出ない40代女性の対処法

40代女性のやる気がでない原因についてお話ししてきましたが、原因がわかっても、どのように対処して良いかわからないという方は多いのではないでしょうか。

ここからは、やる気が出ない症状への対処法を、原因別に紹介します。

自分の症状の度合いに最も近い原因を選んで、対処法をチェックしてみましょう。

2-1.軽度の更年期症状による「やる気が出ない」の対処法

軽度の更年期症状によってやる気が出ない場合、次のような日常的なケアが必要です。

  • 食生活
  • 入浴
  • 運動
  • ホルモンバランスを整えるサプリメント

具体的にどんなことをすればいいのか、詳しく見ていきましょう。

2-1-1.食生活

更年期症状によるやる気の低下を防ぐために、日々の生活のなかで真っ先に見直すべきは、食生活です。

栄養バランスの偏った食事や不規則な食生活はホルモンバランスの乱れに繋がるため、早めに改善しなければ現在よりも症状が悪化してしまう危険もあります。

次の例を参考に、現在のあなたの食生活を見直してみましょう。

食生活改善の例
1日3食
バランスよく取る
  • 主食
    (ご飯・パン・麺)
  • 主菜
    (肉・魚・大豆製品)
  • 副菜
    (野菜・海藻)
  • 乳製品
  • 果物

の5項目を1日のうちに全て満たすよう心がける

大豆イソフラボンを含む食品を積極的に取る 1日70~75mgを摂取目安量の上限に摂る
※豆腐なら4分の3丁、納豆なら1~2パック程度

ファストフードやインスタント食品など、栄養バランスの偏りやすいものは極力避け、体に優しい食生活を心掛けましょう。

2-1-2.入浴

やる気低下改善のために食生活の改善と平行して行っていきたいのが、入浴習慣の見直しです。

入浴で血行を促進することで自律神経のバランスが整い、自律神経と密接な関係のある女性ホルモンのバランスも整いやすくなります。

次の図を参考に、血行を促進しやすいサイクルで入浴する習慣をつけましょう。

時間を計って休憩と入浴を繰り返すのが負担に感じる場合は、「40℃のお湯に休憩を挟みながら20分間浸かる」を目安に入浴しましょう。

2-1-3.運動

運動療法は、日常で取り入れられる更年期症状の治療として代表的なものです。

継続的に行うことが何よりも重要であるため、回数や強度よりも「毎日続けられるか」がポイントとなります。

参考:メイヨークリニック

更年期症状の運動療法として一般的なもの
種類 内容 回数・頻度の目安
レジスタンス運動
  • ダンベル体操
  • スクワット
  • 腕立て伏せ など
10~15回を1~3セット
週に2~3回
有酸素運動
  • ウォーキング
  • 水泳 など
週150分
ストレッチ
  • ヨガなど
運動後や寝る前に10分

以下の例を参考に、自分にとって最も無理なく続けられるメニューを組んでみましょう。

途中で挫折してしまうのを防ぐためには、調子が出ないときに行う、さらに強度の低い「裏メニュー」を用意しておくことも有効です。

2-1-4.ホルモンバランスを整えるサプリメント

生活習慣の見直しだけで状況が改善されない場合は、サプリメントでのケアを取り入れてみるのもおすすめです。

軽度の更年期症状のケアには、次のような「ホルモンバランスを整える成分」が含まれているサプリメントを選びましょう。

成分 主な効能

麹菌発酵大豆
イソフラボン
  • 更年期症状の予防、改善
  • 肌の調子を整える
  • PMS症候群予防、改善
  • コレステロール低下
  • 血糖値低下

高麗人参
  • 更年期症状の緩和
  • 疲労回復
  • 滋養強壮
  • 虚弱体質の改善
  • 抗酸化作用

クコの実
  • ホルモンのバランスを整える
  • 美肌、美白効果
  • 血行促進による冷え性改善
  • 貧血予防
  • 疲労回復

沙棘
  • 更年期症状の緩和
  • 抗酸化力向上
  • 冷え症、むくみ改善
  • 体温上昇、貧血予防
  • 美容、美肌、アンチエイジング
  • ストレス緩和

サプリの成分や効能について詳しく知りたい場合は、40代女性に必要なサプリを症状別に紹介したこちらの記事をご覧ください。

2-2.更年期障害による「やる気が出ない」の対処法

日常生活に支障が出るレベルでやる気が出ない場合は、何よりも先に医師の診察を受けましょう。

症状が重く更年期障害である場合、食事や運動といった生活の見直しを図るよりも、まずは薬物療法で症状を落ち着けた方が効率が良い可能性が高いです。

【医療機関で受けられる一般的な治療法】
●漢方薬
複数の更年期の症状を併発している場合に用いられる
●ホルモン補充
少量のエストロゲンを補う。ホルモンバランスの乱れが顕著な場合に用いられる
●向精神薬
気分の落ち込みや情緒不安定といった症状が目立つ場合に用いられる

次のような医療機関でカウンセリングを受け、医師から症状に合わせた療法を提案してもらい、精神的な負担を軽減させましょう。

更年期症状の診察が受けられる医療機関
婦人科 月経や妊娠の悩み、婦人科疾患等、幅広く診察してもらえる
更年期外来 更年期を専門とする医師に診察してもらえる
女性外来 女性の体と心に関する症状をトータルで診察してもらえる

かかりつけの婦人科や、自宅から近い更年期外来など、まずは受診しやすい医療機関を訪問してみるのがおすすめです。

2-3.心身の疲労による「やる気が出ない」の対処法

心身の疲労によってやる気が出ない場合は、以下のような対処法が必要です。

  • 休息
  • リフレーミング
  • 疲労回復サプリメント

ひとつずつ見ていきましょう。

2-3-1.休息

心身に溜まった疲労を回復させるには、何を差し置いても「正しく休む」ことが重要です。

次の例を参考に、日常生活のなかで体と心を意識的に休ませましょう。

日常に休息を取り入れる例
睡眠の環境を整える
  • 就寝1時間前には部屋の照明を落とし、スマートフォンやパソコンの操作はやめる
  • 寝具やパジャマを肌触りがよく気候に合ったものに取り替える
  • ハーブティーを飲む・アロマオイルを焚くなど、週に1度でも寝る前にリラックスタイムを設ける

→睡眠の質を上げ、1日の疲労がリセットできる

「疲れた」と感じたら横になる
  • 可能であれば、15分〜30分の昼寝をする
  • 無理に眠ろうとせず、目を閉じてソファに体を横たえるだけでもOK

→こまめに休憩を取ることでオーバーワークを防ぐ

日常で無意識に決めている「最低ライン」のレベルを落とす
  • 気分が乗らなかったら夕食はテイクアウトや外食
  • 洗濯は週1回できればOK
  • 職場にしていくメイクも最小限 など

→何もしない空白の時間を作ることで脳が休まる

疲労によるやる気の低下を改善するには、生活の中で無意識に溜めてしまっている疲労をいかに取り除くかが重要なのです。

2-3-2.リフレーミング

やる気が出ない自分に焦りや自己嫌悪といった感情が生まれ、さらにストレスが悪化するといった悪循環を防ぐには、「リフレーミング」を取り入れるのがおすすめです。

【リフレーミングとは?】

自分の中にあるネガティブな感情をポジティブに捉え直す思考法
頭の中で抱えているストレスを手放すのに役立つ

次の例を参考に、「やる気が出ない」という状態で発生したネガティブな感情を、ポジティブに変換してみましょう。

無理にやる気を出そうとせず受け入れることで心理的な負担が軽減し、心の疲労が回復してやる気が出やすくなる、という良い循環が生まれます。

気が滅入りそうな時や落ち込んだ時、その都度紙に書き出すと、自分の感情の動きを客観的に捉えやすくなりますよ。

2-3-3.疲労回復サプリメント

疲労回復に適したサプリメントを取り入れて、「疲れにくい体」を作るのも、やる気低下を防止するひとつの方法です。

一口にサプリメントと言っても、含まれている成分や効能は商品によって大きく異なります。

他の40代女性はこの症状とどう向き合っているのか

ここでは、実際に世の中の40代女性が、やる気が出ない症状とどう向き合っているのかをご紹介します。

ケース①46歳主婦・Aさんの場合
状況 40代になってから、やる気が出ない・疲れやすい・仕事がきついと感じるようになり、民間療法で何か対策をしようと考える
実践した対処法
  • 大豆イソフラボンサプリの摂取
  • 大豆製品を積極的に摂る
  • 軽い運動
効果 食生活の見直しとサプリメントの併用でしばらくしたら症状が軽くなったと感じる
気分が落ち込みそうな時、意識して前向きでいようとすることも大切だと感じている
注目ポイント
  • 婦人科等の病院を利用せず、生活の見直しで症状が改善されるケースもある
  • 心身の不調を意識しすぎず、自分の状況をポジティブに捉えている
ケース②48歳会社員・Bさんの場合
状況 2年前から仕事中や家に帰ってからの疲れが酷く、休日に出かける気力も趣味もなくなってしまった
実践した対処法
  • 市販の栄養ドリンクを飲んでいたがサプリに変更
  • 整体
効果 市販の栄養ドリンクでは改善が見られず、悩みを抱えたまま生活していたが、サプリメントを活用し始めて改善されてきた
注目ポイント 良さそうだと思って試した栄養ドリンクに効果が出ず、疲れの原因が更年期の症状からであるとわかった。
原因を突き止めることが大切
ケース③46歳会社員・Aさんの場合
状況 40歳を過ぎたあたりから抑うつ・眩暈・イライラの症状が出る。
シングルマザーで会社を辞めるわけにもいかず、なんとか対処しようと婦人科を受診する
実践した対処法 婦人科での薬物療法

  • ホルモン補充
  • 漢方
  • 向精神薬
効果 薬で一時的に症状は軽減されるものの本調子とは言えず、ごまかしながらなんとか働いている
注目ポイント 病院で薬を処方されても完治しないケースがある

民間療法で症状が改善されたケース・病院に通わず不調を抱えたまま生活するケース・病院を受診しても十分に改善されないケースなど、やる気が出ない症状との向き合い方は、人によって実にさまざまです。

本質的な改善のカギは「健康の土台づくり」

40代女性のやる気が出ない症状を改善するためには、あらゆる体の不調を根本から見つめ直す「健康の土台づくり」が重要です。

ここからは、「健康の土台づくり」について、次の順に解説していきます。

  • 体全体を整える「健康の土台づくり」とは?
  • 健康の土台づくりのサポートをしてくれるサプリメント

4-1.体全体を整える「健康の土台づくり」とは?

「健康の土台づくり」とは、運動・食事・休養といった内側のケアを行って、体が本来持っている自然治癒力を高めることです。

本記事内の「2-2.重度の更年期障害による『やる気が出ない』の対処法」では、意欲低下の対処法として「病院での薬物療法」を挙げましたが、病院から処方された薬で症状を一時的に抑えることはできても、体そのものが健康になったとは言えません。

症状に合わせた治療を行うことも必要ですが、本質的に改善するには日々の生活で体を整え、心身の状態を健康に保つことが重要なのです

4-2.健康の土台づくりのサポートをしてくれるサプリメント

健康の土台づくりをしてやる気の低下を防ごうと思っても、

「そもそも食事に気を使う気力が湧かない」
「自炊している時間も体力もない」

このように考える方は多いのではないでしょうか。

こういった悩みを解消してくれるのが、健康の土台づくりにおいて補助的な役割を果たすサプリメントです。

食事だけでは摂取するのが難しい栄養素も、サプリメントを取り入れることで手軽に補えます

体を整えるには複数成分配合のトータルケアサプリメントがおすすめ

健康の土台づくりの補助としてサプリメントを取り入れるなら、あらゆる方向から体にアプローチしてくれる、複数成分配合のものがおすすめです。

市販のサプリメントは「ビタミンC」や「鉄分」といった、ひとつの成分に一点集中する商品が多く流通していますが、こういったサプリメントで体の自然治癒力を底上げすることは困難です。

東洋医学(中医学)の考え方では、体の不調は以下の図のようにあらゆるものが相互に作用し合うものであり、体全体のバランスを保つことこそが健康を維持するうえで重要とされています。

やる気の低下の原因が更年期症状であった場合、今後他の症状も出てくる可能性があるため、将来的な不調を予防するためにもトータルケアが必要なのです。

不調を根本から改善するために、更年期症状を緩和することで、体のトータルケアをしてくれるサプリメントを選びましょう。

まとめ

40代女性のやる気が出ない原因は、主に下記の2つとなります。

  • 更年期症状
  • 心身の疲労

更年期の症状の種類や深刻さには個人差があり、なんとなくやる気が出ない場合は「更年期症状」、日常生活に支障を来たすほどのやる気の低下が見られる場合は「更年期障害」を疑った方がいいでしょう。

やる気が出ない症状への原因別の対処法は、以下の一覧表の通りです。

原因 対処法
更年期症状 生活習慣の見直し

  • 食生活
  • 入浴
  • 運動
  • ホルモンバランスを整えるサプリメント
更年期障害 病院での薬物療法

  • 漢方薬
  • ホルモン補充
  • 向精神薬
心身の疲労 心と体を休める

  • 休息
  • リフレーミング
  • 疲労回復サプリメント

症状が重い場合や、不調の原因をすぐに特定したい場合は婦人科や更年期外来への受診をおすすめしますが、薬で一時的に症状を抑えられても体そのものが健康になったとは言えません。

  • 運動
  • 食事
  • 休養

この3つの要素を軸に、日々の生活を見直して「健康の土台づくり」をすることが重要です。

本記事の内容を参考にやる気が出ない原因を突き止め、原因に合わせた対処法を実践し、健康で活力に満ちた毎日を手に入れましょう。

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