「更年期の症状ってどんなもの?みんな同じ症状なのかな?」
「いま抱えてる不調は更年期だから?なぜ更年期になるとこんな症状が出るの?」
こんな悩みをお持ちではないでしょうか。
更年期を迎えた女性の多くが心身の変化や不調を自覚するといわれていますが、現れる症状は多様で程度にも個人差があります。
この記事では、更年期の主な12の症状を、「血管運動神経系」「精神神経系」「消化器系」「運動器官系」の4タイプに分けて解説します。
更年期の症状のほとんどは、女性ホルモン(エストロゲン)の減少による自律神経の乱れによって引き起こされます。
また、更年期の年代(一般的には45才〜55才)は、仕事や家庭で変化が起きやすく、ストレスが重なって、心身に悪影響を及ぼすこともあります。
記事では、症状ごとに原因と対処法を述べますので、気になる症状を選んでみて頂けたらと思います。
年齢と共に変化する体を理解して上手に付き合っていくことで、更年期も元気に過ごせます。
正しい知識をしっかり身につけていきましょう。
目次
更年期の12の症状を一覧で紹介|この悩みも実は更年期の症状だった!
まずは、更年期によくある12の症状を示した一覧表からご紹介していきましょう。
1-1.【タイプ別】更年期の12の症状一覧
更年期によくある症状を、「血管運動神経系」「精神神経系」「消化器系」「運動器官系」の4つに分けて一覧表でご紹介します。
更年期障害の特徴は、現れる症状が多様で、程度にも個人差があることです。
また、ひとつの症状ではなく、2つ以上の症状が複合的に現れるケースも多くあります。
あなたのお悩みに該当する症状はいくつあるでしょうか。
見ていってください。
いかがでしょう。
こうした様々な症状がどうして現れてしまうのか?…次項では、更年期の症状が起こるメカニズムを解説します。
1-2.更年期の症状が起こる仕組み
一般に、更年期とは、女性の閉経をはさんだ45才〜55才くらいの約10年間を指します。
※但し、閉経年齢には個人差があり、40代前半から更年期がはじまる人もいます
更年期の症状は、閉経前後に卵巣の働きが衰え、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が急激に減少することで起こります。
「エストロゲン」は女性らしさをつくるホルモンで、生殖器官を発育、維持させる働きを持ちます。
肌や髪の潤いを守ったり、女性らしい丸みのある体形をつくったり、女性の体全体の健康を支える作用も果たします。
脳や自律神経にも働きかけるため、女性の心身に大きく影響するのが特徴です。
更年期に、エストロゲンの分泌量が減少すると、今までエストロゲンによって調節されていた様々な機能がうまく働かなくなります。
脳の視床下部は卵巣が指令通りにエストロゲンを分泌しないことで、混乱してパニックに陥ります。
視床下部には、体温の調整をはじめ、生理現象の中枢を司る自律神経を調整する働きがあり、視床下部がパニックを起こすと自律神経のバランスも崩れて調節がうまくいかなくなります。
この、エストロゲンの急激な減少によって起きる、自律神経の調節不良や心身の不調が日常生活に支障をきたしてしまう状態が更年期障害です。
あなたがお悩みの症状は、更年期障害による症状かもしれません。
次章から、一覧で示した12の症状について、「原因」と「簡単にできる対処法」を解説しますので、自分の症状と照らし合わせながらみていってください。
更年期の血管運動神経系の3つの症状|原因と対処法
更年期における「血管運動神経系」の3つの症状の原因と対処法を解説します。
順に見ていきましょう。
2-1.ホットフラッシュ
ホットフラッシュは血管運動神経症状の1つで、更年期の代表的な症状です。
具体的には、
- 上半身ののぼせ
- ほてり
- 汗が止まらない
- 急に顔が熱くなる
といった症状が起こります。
昼間だけではなく夜間も同じように起こるため、就寝中に起こった場合、何度も目覚めてしまい、睡眠障害を引き起こす恐れもあります。
2-2.動悸・息切れ
更年期の症状で、激しく体を動かしたわけでもないのに動悸や息切れを感じることがあります。
具体的には、
- 心臓の拍動を強く、早く感じる
- 胸がドキドキする
- 呼吸が浅くなる
- 息が詰まる
- 上手く息が吐けない
- 息苦しい
といった症状が起こります。
2-3.むくみ
更年期になるとむくみが出やすくなります。
具体的には、
- 寝起きに顔が腫れる
- 足がむくんで靴が履けない
- 指がむくんで指輪が入らなくなった
といった症状が起こります。
更年期の精神神経系の4つの症状|原因と対処法
更年期における「精神神経系」の4つの症状の原因と対処法を解説します。
各々みていきましょう。
3-1.頭痛
更年期にみられる頭痛には、主に「緊張型頭痛」と「片頭痛」のふた通りがあり、それぞれ以下のような症状がみられます。
参照:月経に関連する片頭痛の遺伝子多型解析|山梨県立中央病院女性専門科/国際医療福祉大学 /日本大学医学部附属板橋病院心療内科 他
3-2.めまい
「めまい」は、その原因によって分類されていて、更年期障害による「めまい」は、婦人科的要因、眼科的要因、内科的要因などによる平衡機能の異常を示さない『非前庭性めまい』になります。
具体的には、
- 体がふらふらする
- 床がぐらぐらしているようで真っ直ぐ歩けない
- 天井がぐるぐる回っているような感じがする
- 目の前が暗くなる、気が遠くなる
といった症状が表れます。
3-3.イライラ感
更年期になると、今まできにならなかったちょっとしたことにイライラしたり、怒りやすくなることがあります。
具体的には、
- 何もないのに不機嫌
- すぐカッとなって感情のコントロールができない
- 些細なことが気になってイライラする
といった症状が起こります。
3-4.不安感
更年期の時期によく現れる症状のひとつに、不安感があげられます。
具体的には、
- 理由もなく暗い気持ちになる
- 心がざわついて落ち着かない
- 孤独を感じる
- 落ち込みが激しい
- 疲れて気力がない
- このままで良いのかと将来や人生について不安を感じる
といった症状が起こります。
更年期の消化器系の2つの症状|原因と対処法
次に、「消化器系」の2つの症状の原因と対処法を解説します。
あなたはこんな症状に悩んでいないでしょうか。みていきましょう。
4-1.排便障害(下痢・便秘)
更年期の症状のひとつに、下痢や便秘などの排便障害があります。
具体的には、
- 腹痛を伴った下痢
- コロコロの硬い便が出る
- 排便してもスッキリ感がない
- 下痢と便秘を繰り返す
といった症状が現れます。
4-2.吐き気
更年期症状のひとつとして、胃腸の調子が悪くムカムカしたり、吐き気を感じることがあります。
前触れなく、次のような症状が出て、突然嘔吐してしまうケースもあります。
- 急に気持ち悪く胃がムカムカしてくる
- つわりのような吐き気がする
吐き気の頻度はさまざまで、頻繁に突発的に起こったり、長時間続いてしまう人もいます。
更年期の運動器官系の3つの症状|原因と対処法
最後にご紹介するのは、「運動器官系」の3つの症状です。
原因と対処法を解説します。
5-1.肩こり
更年期の時期に、これまで意識していなかった人にも肩こりの症状が表れることがあります。
肩だけでなく、首から背中にかけてこわばりや怠さを感じる人も多く、頭痛や吐き気を伴うケースも珍しくありません。
5-2.疲労感
更年期に多くの人が感じるのが「疲労感」です。
具体的には、次のような症状が現れます。
- すぐ疲れる
- 寝ても疲れがとれない
- 朝起きたときからだるい
- 体が重い
- やる気が起きない
5-3.しびれ
更年期に現れる症状のひとつに、「しびれ」があります。
具体的には、
- 手足がしびれる
- 手足の感覚が鈍くなる
- 皮膚の表面がピリピリする
といった症状が出ます。
感覚の異常や病気が原因で起こる「しびれ」と違って、しびれる感覚とともに、皮膚の乾燥が目立ちやすくなる点が特徴です。
このように更年期の症状は多様ですが、更年期の年代は、女性特有の疾患や生活習慣病を発症しやすい時期でもあります。
中には更年期障害とよく似た紛らわしい症状が出る疾病もあり、「更年期だから…」と思い込んでいたら重篤な状態にまで発展してしまう恐れがあります。
今の症状に少しでも疑問を感じたときは、自分で更年期障害と判断せず、病院で正しい診断を仰ぐことをおすすめします。
更年期を乗り越えよう!症状緩和のために今日から始める3つのケア
更年期の症状を緩和するために、今日からできる3つのケアをご紹介します。
年齢による体の変化で起きる更年期障害は抗いようのないものですが、自分の身体の声に耳を傾け、生活習慣を見直すことで、症状の緩和が望めます。
順に解説しますので、しっかり把握して更年期の心身をセルフケアしていきましょう。
6-1.バランスの良い食事をとる
更年期の症状緩和のために、毎日バランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。
食生活を見直し、不足している栄養素を摂ることで、体調の改善が見込めます。
更年期症状で疲労感や精神的な落ち込みを抱えると、食に対する興味を失い、偏った食品しか摂らなくなる傾向があります。
そのせいで、更年期に不足しがちな栄養素がとれず、症状を悪化させることも少なくありません。
以下の点に気をつけて、野菜や大豆製品を取り入れたバランスの良い食事を摂りましょう。
- 朝食はかならず食べる
- 間食をやめる
- 塩分の摂り過ぎに注意する
- 暴飲暴食や過度の飲酒は控える
大豆や大豆製品(豆腐、納豆、煮豆、おから、味噌など)に多く含まれているイソフラボンは、体内で女性ホルモンの「エストロゲン」と同じ働きをする物質として知られています。
更年期症状の改善だけでなく、骨量の減少を抑えたり、コレステロール値の上昇を抑える作用もあるので、毎日の食卓に加えることをおすすめします。
6-2.毎日適度に体を動かす
毎日適度に体を動かすようにしましょう。
ウォーキングを中心とした適度な運動が、更年期の症状緩和に有効であることが、昨今の研究で明らかになっています。
適度な運動は乱れた自律神経を整え更年期症状の緩和だけでなく、悪化の予防にも役立ちます。
また、ウォーキングなどの有酸素運動は脂肪を落とす運動としても適しているため、ダイエットにも効果的です。
運動が苦手な人は、以下を参考に日常生活の中で「身体を動かす方を選ぶ」という無理のない形での方法を試してみてください。
- 駅まで、スーパーまで、短距離でも毎日かならず歩く
- エレベーターより階段を優先する
- 景色も楽しめる散歩を日課にしてみる
また、「信号待ちの時間に伸びをしてみる」「歯磨きしながらかかとを上げ下げしてみる」など、ちょっとしたことの積み重ねが筋力アップにつながり、体と心が安定しやすくなります。
参照:立教大学学術リポジトリ|運動習慣を有する更年期の女性ランナーにおける不定愁訴と気分|梶原洋子、樽本つぐみ
CiNii|中年期女性のテニス継続が更年期症状に及ぼす影響
中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対するストレッチの効果:ランダム化比較試験 ―Menopause に掲載された英語論文の日本語による二次出版―
6-3.十分な睡眠をとる
毎日十分な睡眠をとることを心がけましょう。
睡眠に問題があると、脳に疲れがたまって自律神経のバランスが乱れ、女性ホルモンにも悪い影響を与え更年期の症状が悪化します。
質の良い睡眠をとるために、次の2点を取り入れましょう。
- 眠る3時間ほど前までに食事を済ませる
- 入浴で体を温めリラックスする
食べ物を消化するにはおよそ2~3時間かかるので、快眠のためには就寝の3時間前には食事を済ませておくのが理想です。
また、良質の睡眠に欠かせないのが入浴です。
お風呂にゆっくり浸かり、体を温めることで、体も心もリラックスして休息できます。
睡眠不足はホルモンバランスを乱すだけでなく、高血圧などの生活習慣病の発症や悪化をもたらすなど、健康に多大な影響を及ぼす恐れもあります。
こうした健康被害を避けるためにも、十分な睡眠時間をとり、睡眠の質を高める努力をしていきましょう。
サプリもおすすめ|更年期を乗り切るために東洋医学を取り入れよう
セルフケアについてお伝えしましたが、女性ならではの不調に特化したサプリメントを飲むのも、更年期対策のひとつです。
更年期症状の緩和を謳うサプリメントは数多くありますが、おすすめしたいのは、東洋医学の見地から生まれた漢方(伝統生薬)由来のサプリメントです。
ここまでお伝えしてきたように更年期の症状は多岐に渡り、複雑化していて、一般的なサプリメントにありがちな単一成分では根本的な改善につながりません。
漢方(伝統生薬)由来のサプリメントは、心身のバランスを整えることからアプローチし、不調をゆるめて改善するために目的に沿った成分がバランスよく配合されています。
これを理解するには、東洋医学の「五行(ごぎょう)」という考え方について知って頂く必要があります。
7-1.東洋医学の五行|更年期は「木(肝)」の衰え
東洋医学では、からだの不調や症状を「からだ全体のバランスの崩れ」ととらえます。
その根幹にあるのが、万物を構成する要素を「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分類し、それぞれの要素が支え合い、影響しあって、絶妙なバランスで成り立っているとする「五行論」です。
これは、人の体にも同じことがいえ、東洋医学では五行に人間の身体を支える5つの要素「肝・心・脾・肺・腎」をあてはめています。
女性ホルモンの減少が引き起こす更年期の不調は、五行論にあてはめると、「木(肝)」の衰えに関わるものです。
「木」の衰えは、やがて「火」や「土」など他の不調を引き起こします。
反対に、「木」を整えていくことで、「火」と「土」も整えることができます。
体の状況を五行から導き、不調に対処するため、目的に沿った成分をバランスよく配合した生薬を処方するのが東洋医学の考え方です。
これは、不調の表れ方が複雑で多岐に渡る更年期の症状改善に大変効果があります。
7-2.更年期に効果的な天然由来成分
更年期の不調には、悩みに総合的にアプローチする漢方のサプリメントを選びましょう。
漢方のサプリメントには、吸収率が高い天然由来成分が配合されていて、栄養素が体内で効率的に働くことが期待できます。
具体的には、下表に示したような成分配合のサプリメントが女性ならではの不調におすすめです。
特に「麹菌発酵大豆イソフラボン」は、女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た分子構造をしており、体内で同じような働きをするため、摂取することで更年期のホルモンバランスの乱れから起きる症状が緩和されます。
その他もそれぞれ更年期障害の予防や改善に効果のある成分です。
食事や運動、睡眠の生活習慣を見直すことに加え、自分に合ったサプリメントを選んで、明日が楽しみになる軽やかな心身を培っていきましょう。
まとめ
更年期とは、女性の閉経をはさんだ45才〜55才くらいの約10年間を指します。
更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少によって起きる自律神経の調節不良や心身の不調が日常生活に支障をきたしてしまう状態のことです。
更年期障害の症状は多種多様です。
程度にも個人差があり、また1つの症状ではなく、2つ以上の症状が複合的に現れるケースも多くあります。
年齢による体の変化で起きる更年期障害は抗いようのないものですが、生活習慣を見直したり、サプリメントで栄養素を補充することで症状の緩和が望めます。
自分の体の声に耳を傾け、前向きに年齢を重ねていきましょう。