大豆イソフラボンサプリの6つの効果について専門家がわかりやすく解説

2024. 09. 03
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「大豆イソフラボンのサプリって何に効くの?どんな効果があるか知りたい!」
「女性に良いって聞くけど何がいいの?私の不調は、大豆イソフラボンのサプリで治るかな?」

こんな悩みをお持ちではないでしょうか。

「大豆イソフラボン」のサプリには、女性にも男性にも嬉しい多彩な効果が期待できます。

この記事では、「大豆イソフラボン」サプリの6つの効果について、仕組みや事例を交えて分かりやすく解説します。

この記事をおすすめしたいのはこんな人です!
  • 「大豆イソフラボン」サプリの効果を具体的に知りたい人
  • 自分に合った「大豆イソフラボン」サプリを選びたい人
  • 「大豆イソフラボン」についての知識を得たい人
  • 更年期の不調に悩んでいる人
  • 生活習慣病の予防にサプリメントを摂りたいと思っている人
  • 骨粗しょう症の予防になるサプリメントを選びたい人

多彩な効果を持つ「大豆イソフラボン」サプリですが、どんな「大豆イソフラボン」でもいいかというとそうではなく、選ぶべきは、『アグリコン型』の大豆イソフラボンが配合されたサプリ一択です。

実は「大豆イソフラボン」には2種類あって、高吸収型といわれるアグリコン型イソフラボンは、もう一方のグリコシド型イソフラボンの3倍以上の吸収率を持っているのです

記事の後半では、こうした「大豆イソフラボン」の特徴や、失敗しないサプリの選び方も伝授しますので、ぜひ参考にしてください。

「大豆イソフラボン」サプリの正しい知識を身につけて、日々の生活に上手に取り入れていきましょう。

すご過ぎ!「大豆イソフラボン」サプリに期待できる6つの効果

「大豆イソフラボン」サプリの、6つの効果をご紹介します。

「大豆イソフラボン」サプリ|6つの効果
【女性に嬉しい3つの効果】
更年期の症状を緩和する
美肌へ導く作用
月経前症候群(PMS)の緩和
【毛髪が気になる男性必見の効果】
男性の薄毛予防効果
【男女共通の注目すべき効果】
生活習慣病の予防と改善
骨の健康をサポート

それぞれ、解説していきますので、興味のあるところからみていってください。

1-1.「大豆イソフラボン」サプリ|女性に嬉しい3つの効果

「大豆イソフラボン」サプリには、女性に嬉しい3つの効果が期待できます。

  • 更年期の症状を緩和する
  • 美肌へ導く作用
  • 月経前症候群(PMS)の緩和​​

順にみていきましょう。

1-1-1.更年期の症状を緩和する

「大豆イソフラボン」サプリには、女性の更年期の症状を緩和する効果が期待できます

『植物性エストロゲン』の異名を持つ大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」と分子構造が似ていて、更年期に減少するエストロゲンの代わりになる作用を持っています

「エストロゲン」は、女性らしさをつくるホルモンで、生殖器官を発育、維持させる働きを持ちます。
肌や髪の潤いを守り、女性の体全体の健康を支える作用も果たす、女性の心身に大きな影響を与えるホルモンです。

更年期の症状は、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が急激に減少してバランスが崩れることによって引き起こされます。

見ていただくとわかるように、エストロゲンの分泌量は40歳を過ぎたあたりで急激に減少します。
それに伴って、多くの女性は体に不調を感じ始めます。

発汗、めまい、肩こり、頭痛、疲労感、不安やイライラ…こうした更年期の症状を緩和するのが、エストロゲンと似た作用を持つ「大豆イソフラボン」です。

大豆イソフラボンを摂取すると、体内の細胞はそれを「エストロゲン」と認識して受け入れます。

受け入れられた大豆イソフラボンは生体内でエストロゲンの受容体と結合し、​​コラーゲンの産生を促して肌を健やかに保ったり、女性特有の不調を緩和する働きをするのです。

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【事例|「大豆イソフラボン」で更年期障害が緩和された!】

「大豆イソフラボン」の摂取で更年期障害の緩和が検証された事例があります。

閉経後の女性14名に、大豆イソフラボンアグリコン(IFA)(※1)の錠剤(40mg/日)を3ヶ月間毎日摂取してもらい、更年期障害スコア、血中IFA濃度,各種血中生化学マーカーを測定した。

その結果、IFA濃度が上昇するとともに、更年期障害スコアが有意に減少し、大豆イソフラボンアグリコンは更年期障害緩和効果を有することが明らかになった。

(※1)大豆イソフラボンアグリコン:大豆や大豆食品中に含まれる大豆イソフラボンは、主に配糖体として存在しているが、糖部分が分離したものはアグリコンといい、伝統的な大豆発酵食品中に含まれる。また、人が摂取した配糖体の大豆イソフラボンは、腸内細菌の作用等により大豆イソフラボンアグリコンとなり腸管から吸収される。

1-1-2.美肌へ導く作用

「大豆イソフラボン」サプリには、シミやシワを改善して美肌に導く効果があります

これは、大豆イソフラボンの2つの働きによるものです。

① 女性ホルモン「エストロゲン」に似た働き
② 抗酸化作用

女性ホルモンの「エストロゲン」には、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促して肌をなめらかに美しく保つ働きがあります。​​
大豆イソフラボンはこのエストロゲンの似た分子構造をしていることから、エストロゲンの不足を補って、女性の肌の潤いをサポートする効果が期待できます

また、大豆イソフラボンには抗酸化作用があります。
紫外線やストレス、加齢などで体内に発生する活性酸素が肌の細胞を攻撃すると、コラーゲンが破壊されて、潤いやハリが失われてしまいます。
大豆イソフラボンの持つ抗酸化作用がこのコラーゲンの破壊を抑制することで、みずみずしさや弾力のある肌に導きます

これら大豆イソフラボンの2つの働きによって、美肌効果が望めます。

1-1-3.月経前症候群(PMS)の緩和

「大豆イソフラボン」サプリには、月経前症候群(PMS)を緩和する効果が期待できます

女性ホルモン「エストロゲン」に似た作用が、ホルモンバランスの乱れを整え、月経前の心身の不調を和らげます

一般的に月経前症候群(PMS)は、女性ホルモンの急変動によって起こると考えられています。

女性ホルモンは通常、「エストロゲン」と妊娠準備のためのホルモン「プロゲステロン」が周期的に増減しながら分泌されます。
排卵期を過ぎると、妊娠を継続させる機能により、2つの女性ホルモンの分泌量が上昇するのですが、妊娠せず生理を迎える場合、いったん上昇した分泌量が一気にダウンすることになります。

この急激な変化に体と心が振り回されてしまうことで、月経前症候群(PMS)が起こります。

Check!

【月経前症候群(PMS)とは】

月経前症候群(PMS)は、生理が始める1週間〜数日前になるとあらわれる心や体の不調のこと
症状の程度には個人差がありますが、多くの人は、いくつもの症状が重なってあらわれます。
心理的な落ち込みに体の不調が重なると、ますます憂うつな気分になる悪循環が起こり、中には、日常生活に支障をきたす人も少なくありません。

PMSの主な症状(例)

<心の不調>

  • 落ち込む
  • イライラする
  • 不安感
  • 無気力感

<体の不調>

  • 乳房が張る
  • 腰痛
  • 下腹部痛
  • むくみ
  • 便秘や下痢
  • 肌荒れ

大豆イソフラボンにはエストロゲンを補い、ホルモンバランスを整える働きがあります。
子宮の状態が整うことで、月経前症候群が緩やかになる効果が期待できます。

参照:月経前症候群に及ぼす大豆イソフラボンの影響|跡見学園女子大学短期大学部家政科・東京農業大学応用生物科学部​​

1-2.「大豆イソフラボン」サプリ|男性の薄毛予防効果

「大豆イソフラボン」サプリには、男性の薄毛の発症を予防する​​効果が期待できます

大豆イソフラボンに、男性の脱毛の原因物質の一つである5αリダクターゼを抑える働きがあることから、サプリの摂取で毛髪トラブルを緩和する作用が期待できるのです

5αリダクターゼは、前頭部や後頭部、側頭部、前立腺などに存在する酵素で、男性ホルモンの「テストステロン」と結合することによって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換します。

DHTは「薄毛ホルモン」とも呼ばれ、脱毛シグナルを発信し、毛の成長期を短くしてしまう成分です。
この影響で成長期が短くなると十分に育っていない髪が増え、やがては薄毛へとつながってしまうため、「薄毛ホルモン」は、毛髪が気になる男性にとって、なるべく発生させたくない存在です。

大豆イソフラボンを摂取すると、5αリダクターゼの活発化を妨ぎ、薄毛ホルモン(DHT)の発生が抑えられます。
薄毛を事前に予防できる可能性があるのです。

※但し、既に進行している薄毛に関しては大豆イソフラボンの摂取のみでの改善は難しくなります。
なるべく早く専門医へ相談することをおすすめします。

参照:JP2000302678A – 大豆由来のイソフラボンによる毛髪活性​​

1-3.「大豆イソフラボン」サプリ|男女共通の2つの効果

他にも「大豆イソフラボン」サプリには、注目すべき2つの効果があります。

  • 生活習慣病の予防と改善
  • 骨の健康をサポート

それぞれ解説しましょう。

1-3-1.生活習慣病の予防と改善

「​大豆イソフラボン」サプリには、生活習慣病の予防や改善効果があります

大豆イソフラボンは、細胞内に脂肪が蓄積するのを抑えたり、脂肪酸の燃焼を促進したりする働きで、血中のコレステロールの濃度を下げ、動脈硬化や糖尿病などの発症リスクを低下させます

血液中のLDLコレステロール値が高いと動脈硬化など生活習慣病の進行リスクが高まり、心筋梗塞や脳卒中のリスクへ繋がることが知られています。

国立健康・栄養研究所の調査で、大豆イソフラボンを含む大豆タンパク質を1〜3ヵ月継続摂取したところ、血中総コレステロールおよびLDLコレステロールの濃度を有意に低下させたという検証がされています。

命にまで危険が及ぶ生活習慣病を避けるために、摂取するだけで血中総コレステロールとLDLコレステロールを下げられる「大豆イソフラボン」は、注目すべき成分といえます。

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【事例|「大豆イソフラボン」で生活習慣病による死亡リスクが低減した!】

「大豆イソフラボン」の摂取で、脳梗塞と心筋梗塞の発症および循環器疾患による死亡リスクを低減させることが検証された事例があります。

大豆の摂取頻度によって3つのグループに分け、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクとの関連を調べた。
すると、女性では、大豆を週に5日以上摂取するグループで、週に0〜2日摂取するグループに比べて、脳梗塞のリスクが0.64倍、心筋梗塞のリスクが0.55倍、循環器疾患による死亡リスクが0.31倍と低いことがわかった。

さらに、大豆イソフラボン摂取量を算出し、多い順に5つにグループ分けしたときに、摂取量が最も多いグループの脳梗塞のリスクは、最も少ないグループの0.35倍、心筋梗塞のリスクが0.37倍、両方をあわせると0.39倍であった。

また、循環器疾患による死亡のリスクも、摂取量のもっとも多いグループと次に多いグループの合計で、最も少ないグループの0.17倍と低かった。

調査開始時に閉経前か閉経後かで女性を分けて調べると、特に閉経後の女性で、大豆イソフラボン摂取量が多いほど脳梗塞、心筋梗塞リスクが低いという関連が見られた

※1990年に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部の4保健所管内にお住まいで、循環器病にもがんにもなっていなかった40~59歳の男女約4万人を、2002年まで追跡した調査

1-3-2.骨の健康をサポート

「​​大豆イソフラボン」サプリには、骨の健康をサポートする効果があります

大豆イソフラボンの女性ホルモンのエストロゲンに似た働きが、古い骨が壊される「骨吸収」を抑制し、骨の成分を維持して健康に保ちます

骨は、古くなった成分を壊して骨のしなやかさを保つ「骨吸収」と、食べ物から摂取したカルシウムが血液から骨へと運ばれる「骨形成」で新陳代謝を行なっています。

しかしながら、特に女性は更年期以降、骨量の維持に関与している「エストロゲン」の分泌が減ってしまうため​​、「骨吸収」を抑えて、丈夫な「骨形成」を維持することが難しくなっていきます。
骨の量(骨量)が減って骨が弱くなると、骨折や骨粗しょう症のリスクが高まります。

植物性エストロゲンとも呼ばれる「大豆イソフラボン」は、骨からのカルシウムの溶出を抑えます。

エストロゲンを補って、似た働きをすることで、骨密度の高い強い骨を守ります。

参照:食事と運動による骨粗しょう症の予防—大豆イソフラボンを中心に​​|(独)国立健康・栄養研究所石見 佳子

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【事例|「大豆イソフラボン」で骨密度が上昇した!】

「大豆イソフラボン」大豆イソフラボンと運動の併用が、閉経後の女性の骨粗しょう症の予防に効果的だということが検証された事例があります。

閉経5年以内の女性136名を、対照群(プラセボ摂取)(※2)、ウオーキング(WK)群(週3回、1回45分、プラセボ摂取)、イソフラボン摂取群(豆腐2/3丁分のイソフラボン配糖体摂取)、及び併用群の4群に分けて、1年間の試験を実施した。

その結果、イソフラボン群ではワーズ三角部の骨密度の低下が軽度に抑制され、併用群では大腿骨の付け根の部分の骨密度低下が抑されるとともにワーズ三角部の骨密度の上昇が認められた。

これにより、閉経後の女性は、早足ウオーキング等の運動と共に食事に大豆食品を適度にとり入れることにより、骨粗鬆症や生活習慣病が予防できる可能性が示唆された

(※2)プラセボ:偽薬のこと。薬としての効き目のない乳糖やでんぷんなどを錠剤やカプセル剤などにし、薬のようにみせたもので、臨床試験に使用される。

大豆イソフラボンのサプリは「アグリコン型」一択と言い切れる理由

「大豆イソフラボン」サプリについて解説してきましたが、サプリの効果を最大限に得るために、押さえておきたいことがあります。

それは、大豆イソフラボンには「グリコシド型」「アグリコン型」の2つの種類があり、“選ぶべきは「アグリコン型」の大豆イソフラボンサプリ一択である”、ということです。

その理由は、「吸収率の顕著な違い」です。

2-1.「アグリコン型」イソフラボンは3倍以上の吸収率

「高吸収型」といわれるアグリコン型イソフラボンは、「低吸収型」のグリコシド型イソフラボンの3倍以上の吸収率を持っています。

納豆や豆腐、豆乳などの大豆食品に含まれる「グリコシド型イソフラボン」は、まわりに糖がついているために分子量が大きく、腸内細菌の酵素の力で糖を分解しなければ体内に吸収されません。
一般的に、グリコシド型イソフラボンの吸収率は摂取量の2割ほどで、吸収までに6~8時間もの時間を要すると言われています。

一方、「アグリコン型イソフラボン」は発酵によって既に糖がはずれているため、腸内細菌の働きに関係なく胃または空腸(小腸の入口付近)から効率良く吸収でき、吸収率も「グリコシド型」の3倍以上、約2時間で吸収されます

種類 体内への吸収量 吸収に掛かる時間
グリコシド型イソフラボン
(発酵していない大豆イソフラボン)
摂取量の2割程度 6時間〜8時間
アグリコン型イソフラボン
(発酵後の大豆イソフラボン)
摂取量の約8割 約2時間

このように体内への吸収率が格段に違うため、大豆イソフラボンサプリは、必ず、効率的に吸収できるアグリコン型イソフラボン配合のものを選ぶようにしてください

2-2.「アグリコン型」は原材料表示で確認できる

あなたが選んだサプリが、アグリコン型イソフラボンを含んでいるかどうかは、パッケージや商品の紹介ページに記載されている表示で分かります。

以下のように記載されていることが多いので、購入時に確認してください。

  • アグリコン型イソフラボン
  • 大豆イソフラボンアグリコン
  • イソフラボンアグリコン
  • 麹菌発酵大豆イソフラボン
  • 麹菌発酵大豆胚芽抽出物
  • 大豆胚芽乳酸菌発酵物
  • 大豆胚芽抽出発酵物​​

また、原材料表示は、含有量の多いものから順番に記載するルールになっています。
アグリコン型イソフラボンが上位に記載されていない場合は、含有量が少ないということなので注意しましょう。

(※)ほとんどのサプリメントではパッケージに成分が表示されていますが、「大豆イソフラボン」という記載だけで「アグリコン型」や「グリコシド型」などが明記されていないことがあります。
はっきりしない場合、少しでも怪しいと感じる場合は、販売元に問い合わせて確認してから購入するようにしてください。

失敗しない「大豆イソフラボン」サプリの選び方|4つのポイント

「大豆イソフラボン」サプリはアグリコン型一択であることは、ご理解いただけたかと思いますが、ここでは、その他にチェックして欲しい「大豆イソフラボン」サプリの選び方のポイントを解説します。

天然由来成分を選ぶ
安すぎる製品は選ばない
宣伝やレビューに流されない
複合成分配合のサプリを選ぶ

どれも、大豆イソフラボンの適切な効果を実感するために外せないポイントになります。
よく読んで、しっかり把握しておきましょう。

3-1.天然由来成分を選ぶ

サプリ選びのときの重要なポイントとして、合成ではなく、天然由来成分のサプリメントを選ぶことが挙げられます。

天然由来の成分は、自然界に存在する植物や動物、酵母などの原材料から抽出されています。
食べ物に近いため、食事の延長のように、より自然に近い形で栄養素を補うことができます。

また、天然由来の栄養素には、その栄養素と相性の良い栄養素も含まれていることが多く、より効率的な働きが期待できると言われています。

一方で、合成成分は人工的に分子の構造を変化させて製造された合成原料が使われています。

比較的安価で、少量でも高濃度の栄養素が摂取できますが、特定の成分をたくさん摂取できる反面、摂りすぎによる栄養バランスの偏りが問題になる場合もあります。

また、「大豆イソフラボン」のサプリを選ぶときは、遺伝子組み換えでない良質な大豆を原料としたものを選ぶことも大切です。

「大豆イソフラボン」のサプリは、安全性が高い原料を使用し、高い吸収率で栄養素の効率的な働きが期待できるものを選びましょう。

Check!

【天然由来成分かどうかは原材料表示で確認】

天然由来成分かどうかは、原材料表示を見て確認してください。

天然由来の原料を使用している場合には、大豆胚芽抽出物や酵母など、食べ物に近い名称が記載されています。
原材料表示は、含有量の多いものから順番に記載するルールになっています。
表示の上位に添加物が多く並んでいるものは、天然由来成分よりも添加物が多く含まれているということです。

また、広告等で特定の成分配合をアピールしていることがあるかと思いますが、原材料表示の上位にその成分が記載されていない場合、含有量が少ないということなので注意が必要です。

3-2.安すぎる製品は選ばない

ポイントの2つ目は、安価なサプリメントにとびつかないことです

一定額より安価なサプリメントには、それなりの品質の原料しか使われていないと判断しなければなりません

中には、安価な合成成分が使われていたり、添加物ばかりでメインとなるべき有効な成分が少なったりなど、粗悪な製品や安全性が低いものもあります。

良い原料を使用してきちんと管理し、製造するにはそれなりの費用がかかります。

高額なら良いというわけではありませんが、サプリメントに関して、少なくとも「破格の安さで質の高いものはない」という認識を持っておいた方が良いでしょう。

3-3.宣伝やレビューに流されない

「大豆イソフラボン」サプリの選び方のポイント3つ目は、レビューや体験談だけに注目して、それに流されないことです

「大豆イソフラボン」に限らず、サプリの効き方には個人差があります。
信じるなとはいいませんが、個人のレビューや体験談だけを鵜呑みにして選ぶと期待外れになることが少なくありません

たとえば、タレントや有名人の感想は、全てとはいいませんが、仕事として行っている場合がほとんどです。実際にそのサプリを飲んでいるかどうかも定かではありません。

テレビやインターネットの広告では、よく見ると「個人的な感想です」と表示されていますよね。
あれは、「効果が絶対ではない」「誰にでも効果があるわけではない」という但し書きです。

実際に摂取した人の感想がきちんと紹介されている場合もありますが、効果を感じた人のものばかりで、効果が得られなかった人の感想は出ていないこともあります。

レビューや体験談をチェックするのは良いですが、参考程度の受け止め方に留め、それだけを指標にすることは避けましょう。

3-4.複合成分配合のサプリを選ぶ

失敗しない「大豆イソフラボン」サプリの選び方として、複合成分配合の製品を選ぶことをおすすめします。

複合成分配合サプリには、様々な原因にアプローチする複数の成分が含まれているため、多岐に渡る症状の改善が期待できます。

「大豆イソフラボン」サプリの摂取を考える方の多くは、未病の状態で複雑な不調を抱えていることが多いかと思います。

たとえば更年期の不調は、「ほてり」「動悸や息切れ」「頭痛」「疲労感」…など多岐に渡ります。

原因も、「女性ホルモンの減少」に加えて、「加齢」や「生活環境」「ストレス」など複数に渡るため、これらを主たる1つの不調、1点の原因にアプローチする単一成分のサプリメントで解消していこうとすると、いくつもの種類を摂取しなければならなくなります。

「大豆イソフラボン」サプリを選ぶなら、今抱えている不調のあらゆる原因にアプローチする、複合成分配合のサプリが良いでしょう。

ではアグリコン型イソフラボン以外にどんな成分が配合されたサプリが理想的なのか?ということについては次章で解説します。

「大豆イソフラボン」サプリの効果を得るために併せて摂りたい成分

「大豆イソフラボン」サプリは、その働きをサポートする栄養素と組み合わせて摂取できる複合成分配合の製品がおすすめです。

どのような栄養素との組み合わせが効果的なのか、3つのケースに分けてご紹介します。

  • 「更年期の不調」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分
  • 「骨の健康サポート」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分
  • 「生活習慣病の予防と改善」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分

それぞれ、具体的な成分を把握しておきましょう。

4-1.「更年期の不調」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分

更年期に生じやすい複数の不調にアプローチしていくには、アグリコン型大豆イソフラボンに加え、以下のような成分が配合されたサプリメントの摂取をおすすめします。

【「更年期の不調」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分​​】
成分 主な効能

高麗人参

ウコギ科の多年生植物。
東洋では古来より滋養強壮剤として知られている
  • 更年期障害の緩和
  • 疲労回復
  • 滋養強壮
  • 虚弱体質の改善
  • 皮膚病の改善
  • 抗酸化作用

クコの実

東アジア原産のナス科の落葉低木クコの実。
不老長寿の薬といわれ滋養強壮に良いことで知られる
  • 美肌、美白効果
  • 血行促進による冷え性改善
  • 貧血予防
  • 疲労回復
  • ホルモンのバランスを整える
  • ダイエット
  • 目の疲れや視力低下の改善、白内障や緑内障などの眼病予防

沙棘

ユーラシア大陸原産のグミ科の植物
  • 更年期障害の緩和
  • 抗酸化力向上
  • 冷え症、むくみ
  • 体温上昇、貧血
  • 美容、美肌、アンチエイジング
  • 精神疲労
  • ストレス
ヘム鉄

肉や魚に含まれている鉄分の一種
  • 貧血が原因の疲れやすさを改善
シトルリン

ウリ科の食材に多く含まれているアミノ酸の一種
  • 冷え症やむくみなど血管の老化につながる問題を改善​​

4-2.「骨の健康サポート」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分

大豆イソフラボンは、「カルシウム」と組み合わせて摂取することで、骨を強くする効果が高まります。
また、「ビタミンK」は、カルシウムの骨への吸着を助ける働きを持っています。

これらを併せて摂ると、骨粗しょう症の予防など、骨を丈夫にする効果が期待できます。

【「骨の健康サポート」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分​​】
成分 主な効能
カルシウム
  • 骨や歯の材料となる
  • イライラを鎮め、神経を安定させる
  • 心筋の機能を正常に保つ
  • 抗アレルギー作用​​
ビタミンK
  • 骨を丈夫にする
  • 出血時、血液を固めて止血する
  • 動脈の石灰化を抑制する

4-3.「生活習慣病の予防と改善」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分

大豆イソフラボンは、「DHA」や「EPA」、「食物繊維」と併せて摂ることで生活習慣病を防ぐ効果が高まります。

青魚に含まれるDHAやEPAには、血中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果があります。
また、食物繊維には、食事でとったコレステロールを吸着して排出する働きがあります。

これらを「大豆イソフラボン」と組み合わせることで、血管や腸内環境が整えられ、生活習慣病の発症が防げます。

【「生活習慣病の予防と改善」に大豆イソフラボンと併せて摂りたい成分​​】
成分 主な効能
DHA

魚油に含まれる成分で、不飽和脂肪酸の一種
  • 血液中の中性脂肪の減少
  • 動脈硬化予防
  • 脳の老化防止
  • アレルギー疾患の予防
EPA

いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれる
n-3系脂肪酸のひとつ
  • 免疫反応の調整
  • 血液の凝固の抑制​​
  • 生活習慣病の予防・改善
  • 炎症を抑制する効果
食物繊維
  • 整腸作用
  • 血糖値上昇の抑制
  • 血中コレステロール濃度の低下

「大豆イソフラボン」サプリの摂取上限値は30mg

「大豆イソフラボンに効果があるのは分かったけど、大豆食品も食べてサプリも飲んだら、摂り過ぎにならない?」

ここまで読んでこられた中には、こんな疑問をお持ちの方がいるかもしれません。

結論からいうと、一般的な量の大豆食品を摂取している方であれば、サプリを併せて飲んでも安全性上の問題はありません

食品安全委員会の提示する「大豆イソフラボン」サプリの1日の摂取上限値は30mgです。

多くのサプリメントでは1日の摂取量目安が表示されていますが、「大豆イソフラボン」サプリをご覧になると、どの製品でもイソフラボン含有量が30mgを超えないように設定されているのがわかるかと思います。(※配合されている大豆成分に含まれるイソフラボン量のこと)

ただ、これはあくまでも目安であって、上限値を超えたからといって健康を害するわけではないということは、食品安全委員会の下記見解を読めば明らかです。

食品安全委員会は「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」で、

「日常の食生活に加えて、特定保健用食品により摂取する大豆イソフラボンの摂取量が、大豆イソフラボンアグリコンとして30mg/日の範囲に収まるように適切にコントロールを行うことができるのであれば、安全性上の問題はないものと考えられる。」

としています。またこれは、

「この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、その上で、今までに収集、検討し得た試験報告等に基づく現時点の値であり、より安全性を見込んだ慎重な値となっていることに、留意する必要がある。」

としています。

つまり、一般的な食生活を送っている人において、「大豆イソフラボン」サプリを毎日、長期間上限値を超えて摂取するのでなければ、基本的に健康被害を案じる必要はないのです。

ただ、安全性が高いといってもあまりたくさん摂り過ぎると、吸収率が低下して、思ったような効果が得にくくなってしまうことは考えられます。

また、より健康的な食生活を送るためには、ひとつの食品や成分に偏ることなく、バランスの良い食事で多彩な栄養素の摂取を心がけることが重要です。

「大豆イソフラボン」サプリは、摂取の上限値目安を守って健康的に摂るようにしましょう。

※生理中や妊娠中の女性は大豆イソフラボンを摂取し過ぎたことによって、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性もあります。一般的な量より多く摂取する場合は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。​​

参照:内閣府食品安全委員会|大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A​​

まとめ

「大豆イソフラボン」サプリには、更年期症状の緩和をはじめとする6つの効果が期待できます。

ただ、どんなサプリでも効くわけではないので、ここで、失敗しない「大豆イソフラボン」サプリの選び方をおさらいしておきましょう。

  • アグリコン型イソフラボン配合のサプリを選ぶ
  • 天然由来成分を選ぶ
  • 安すぎる製品は選ばない
  • 宣伝やレビューに流されない
  • 複合成分配合のサプリを選ぶ

大豆イソフラボンは、その働きをサポートする栄養素と併せて摂ることで、さらなる効果を発揮します。

記事を参考に、上手にサプリを取り入れて、大豆のパワーを実感して頂けたらと思います。

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