「ビタミンAは、どんな効果があるの?」
「最近のプチ不調に効果があるのかな?」
このように、疑問に思われている方は多いでしょう。
ビタミンAとは、皮膚や粘膜・目などを健康的に保つために欠かせないビタミンです。
ビタミンは全部で13種類存在し、ビタミンAは、その中でも、油脂に溶けやすい脂溶性のビタミンに分類されます。
不足しても過度に摂取しても悪影響があるので、注意が必要です。
美容・健康の両方に効き目があるビタミンAを摂取することで、次のような効果が期待できます。
ただし、上記の効果を得るには、摂取量の目安を正しく把握して過不足なくとる必要があります。
また、効率よくビタミンAの効果を得るためには、油脂と一緒に摂取するなど、効き目を高めるポイントを押さえておくことが大切です。
この記事では、ビタミンAの効果・摂取量の目安や過不足の弊害・効果を高めるためのコツなど、ビタミンAの効果を得るために押さえるべき基本のポイントを解説します。
後半では、ビタミンAを摂取するときの注意点についてもご紹介しますので、ビタミンAを正しく活用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回ご紹介する内容をチェックしておくことで、ビタミンAが何に効くのかを具体的に把握し、体調や美しいお肌を維持するのに役立てることができるようになります。
ぜひ、ビタミンAの正しい知識を身に付け、生き生きとした毎日を手に入れましょう。
目次
美容と健康によい!ビタミンAの効果6つ
ビタミンAは、皮膚や目の健康を維持する、お肌の調子をきれいに整える、といった働きをする栄養素です。
「最近、暗い場所などで目が見えづらい気がする」
「お肌が乾燥しやすい、くすみや毛穴が気になる」
などの不調があるときに、ビタミンAを摂取することで、改善効果が期待できます。
このように、健康にも美容にも効果が期待できるのが、ビタミンAの特徴です。
ここでは、健康・美容2つのシーンに分けて、ビタミンAの代表的な効果をご紹介していきます。
「ビタミンAの効果を知りたい」「自分にも必要か知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
1-1. ビタミンAの効果|①健康編
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健やかに保ち、細胞の成長を助ける働きなどがあるので、健康面では以下のような効果があります。
それでは、効果の具体的な内容を順番に見ていきましょう。
1-1-1. 【健康維持に役立つビタミンAの効果①】皮膚や粘膜を健康に保つ
ビタミンAには、皮膚や粘膜の成長サポートや保護をする働きがあります。
具体的には、お肌や鼻・のどなどが乾燥するのを防ぐことが可能です。
ビタミンAを適量摂取することで、下記のような効果が期待できるでしょう。
1-1-2. 【健康維持に役立つビタミンAの効果②】視力や目の機能を維持する
ビタミンAは、視力や目の機能維持にも役立つ栄養素です。
視力に関係する視細胞で、光を感じ取るために必要な物質であるロドプシンの合成に、ビタミンAは欠かせないからです。
また、角膜や結膜といった目の機能をサポートし、粘膜などが乾燥することを防ぐ働きもあります。
具体的には、ビタミンAをきちんと摂取することで、下記のような効果が期待できるでしょう。
1-1-3. 【健康維持に役立つビタミンAの効果③】抵抗力を高める
ビタミンAは、身体の抵抗力を高める効果も期待できます。
ビタミンAをとることで、粘膜の働きがサポートされるので、のどや鼻などの粘膜が乾いてウイルス・細菌類が侵入しやすくなるのを防ぐ「粘膜免疫」の機能を高めることができるからです。
感染症の原因となるウイルス・細菌の多くは、のどや鼻の粘膜から侵入するため、ビタミンAによる効果は大きいと言えるでしょう。
その結果、かぜなどの感染症や呼吸器系の疾患などに、かかりにくくなります。
特に、抵抗力の低い子どもや高齢者などには、必須のビタミンなのです。
1-2. ビタミンAの効果|②美容編
肌の新陳代謝を促進しターンオーバーを正常化するビタミンAは、美容の観点からも、さまざまな効果が期待できます。
主な効果は、以下のとおりです。
それぞれの効果について、もう少し詳しく説明していきます。
1-2-1. 【美容に役立つビタミンAの効果①】肌のハリを改善する
「最近、何となくお肌がたるんできた」「小じわが気になる」という場合は、ビタミンAをとることで、肌のハリを改善する効果が期待できます。
ビタミンAは、肌内部の細胞を活性化させて、ハリを保つのに欠かせないコラーゲンをたくさん生成できるように支援するからです。
また、ヒアルロン酸の合成も促されるので、お肌のしっとり感が保たれ、乾燥小じわを目立たなくすることができるでしょう。
最近、お肌に元気がないと感じたら、ビタミンAを試してみるのがおすすめです。
1-2-2. 【美容に役立つビタミンAの効果②】くすみや毛穴が目立たなくなる
「何だかお肌の色が冴えない」「毛穴が目立ってきた」という場合にも、ビタミンAはおすすめです。
ビタミンAをとることで、くすみ・毛穴が目立たなくなる効果が期待できるからです。
ビタミンAを適量摂取すると、お肌のターンオーバーが促進されます。
これに伴い、ダメージを受けた肌表面が新しいきれいな細胞と入れ替わるので、お肌の状態が改善するのです。
日焼けによる肌のくすみや、乾燥による毛穴の目立ちなどが気になったら、ビタミンAを摂取しましょう。
1-2-3. 【美容に役立つビタミンAの効果③】ニキビを予防・改善する
ビタミンAは、ニキビの予防や改善にも効果があります。
ビタミンAは、皮脂の過剰な分泌を抑えるとともに、ターンオーバーを促進し、肌表面の古い角質を排出させやすくするからです。
ニキビは、過剰な皮脂の分泌と古い角質の蓄積が原因で起こるので、ビタミンAをとることで、ニキビができにくくなります。
さらに、古い角質が取り除かれることで、ニキビを治療する塗り薬が浸透しやすくなるため、治りが早くなる効果も望めるでしょう。
ビタミンAの不足によって起こる症状
ビタミンAが不足すると、さまざまな症状がでてきます。
具体的な症状例は、以下のとおりです。
夜盲症とは、薄暗くなってくると視力が急に低下する症状のことです。
以前よりも、夕暮れ時や薄暗い部屋などで見えづらくなったと感じるなら、夜盲症を疑ってみましょう。
なお、夜盲症かどうかは、病院(眼科)で検査を受けることで確認できます。
上記のような症状が複数当てはまったら、ビタミンAが不足している可能性が高いでしょう。
ビタミンA不足は、放置すると、失明や重篤な感染症にかかるリスクが高く危険です。
速やかに、十分なビタミンAを摂取するようにしましょう。
ビタミンAの効果を高めるために摂取量の目安を守ろう
ビタミンAの効果をきちんと得るためには、摂取量の目安を守ることが大切です。
目安量より少ないと効果が十分に発揮されません。
逆に、目安量を過剰に超えてしまっても、健康に悪影響が及んでしまいます。
ビタミンAの摂取量の目安は、以下のとおり、年齢や性別によって異なります。
ここでは、ビタミンAの摂取目安量や、不足・過剰時のリスクについて、解説します。
ビタミンAの効果を確実に安全に得るためにも、必ずチェックしておきましょう。
3-1. ビタミンA摂取量の目安を満たすには?
ビタミンAの摂取量の目安は、成人男性でおよそ900μg、成人女性でおよそ700μgです。
これは、ニンジンジュースなら大体1缶分(200g)、ほうれん草なら3/4束程度(150g)に相当します。
基本的にビタミンAは、食品でバランスよくとるのが、過剰摂取の心配も少なく理想です。
100gあたりのビタミンAを多く含む食品としては、レバーや海藻などが挙げられます。
※参考:文部科学省「食品成分ランキング」
※レチノール活性当量:動物性食品(レチノールなど)と植物性食品(β-カロテンなど)が、体内でビタミンAとして働く場合の換算量。
(植物性食品に含まれるビタミンAは、摂取時ではなく体内でビタミンAが不足したタイミングで効果を発揮する)
食品からビタミンAをとる場合、1つの食品を偏ってとるのではなく、さまざまな食品をバランスよくとることで、栄養の偏りがなくなるのでおすすめです。
なお、忙しい場合などは、サプリメントで摂取するのもよいでしょう。
この場合、「5-3. サプリメントはプロビタミン配合のものを選ぶ」で後述する注意点も、あわせてご確認ください。
3-2. ビタミンAを過剰摂取するリスク
脂溶性のビタミンAは、水溶性ビタミンと異なり、余剰分が尿などによって排出されないので、過剰な量を摂取すると身体に悪影響が及びます。
ただし、過剰摂取になるのは、肉・魚・卵などに多く含まれる既成ビタミンAのみです。
野菜に含まれる、プロビタミンと呼ばれるβ-カロテンやカロテノイドの状態のビタミンAであれば、過剰摂取の心配はありません。
過剰とは、体調や摂取期間によって異なりますが、少なくとも、以下のような上限値を超えないようにすることが必要です。
3-3. 特に妊娠3ヶ月以内の女性はビタミンAの過剰摂取に注意が必要!
妊娠中は、ビタミンAを過剰摂取すると、胎児にまで悪影響が及んでしまうので、特に注意が必要です。
具体的には、以下のような弊害が起きるリスクがあります。
ただし、ビタミンAは、欠乏しても胎児の発育不全や早産などにつながってしまいます。
ビタミンAを避けるのではなく、
といった点に注意するとよいでしょう。
ビタミンAの効果を高めるためのコツ2つ
ビタミンAは、摂取の仕方を工夫するだけで、その効果を高めることが可能です。
ここでは、覚えておきたいビタミンAの効果を高めるとり方のコツを、2つご紹介します。
「なぜ、上記のコツを押さえることが大事なのか」「具体的にどうすればよいのか」を、見ていきましょう。
4-1. 【効果を高めるコツ①】油と一緒に摂取する
ビタミンAは、オリーブオイルやバターなどの油脂類と一緒に摂取することで、効果を高めることができます。
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、油に溶ける性質があるので、油脂と一緒に調理することで、吸収率をアップさせられるからです。
油と一緒にとるには、オイル類で炒めるほか、マヨネーズで和える、揚げ物にする方法があります。
4-2. 【効果を高めるコツ②】他のビタミンと一緒に摂取する
ビタミンAは、他のビタミン類、中でもビタミンC・Eと一緒にとることで、効果を高めることができます。
ビタミンEは、ビタミンAの酸化を防いで効果を十分に発揮させてくれます。
また、ビタミンAは、ビタミンCの効果時間を長くする働きがあるからです。
ビタミンA・C・Eのいずれも比較的豊富に含む食品の例として、かぼちゃ・さつまいも・ブロッコリー・パプリカなどが挙げられます。
ビタミンAを摂取するときの注意点3つ
ビタミンAは健康・美容の両方に効果のある栄養素ですが、摂取にあたっては、注意したいポイントが3つあります。
どういうことなのか、以下で、もう少し詳しく見ていきましょう。
5-1. 効果を実感するまでには時間がかかる
ビタミンAを摂取することによって得られる効果は、即効性があるものではありません。
効果を実感するまでにはある程度時間がかかることを念頭において、摂取を継続することが大切です。
効果が出るまでの時間は、欲しい効果によって変わります。
例えば、美容系の効果を得たい場合は、ターンオーバーの周期が一巡する35~40日程度は、様子を見る必要があるでしょう。
効果がすぐに実感できないからと、摂取をやめてしまわないように、注意が必要です。
5-2. 薬ではないため過信はしない
ビタミンAは、健康面での効果も多くありますが、あくまでも栄養素であって薬ではないので、過信は禁物です。
例えば、身体に明確な不調があるのに、「ビタミンAをとっておけば大丈夫だろう」と過信して通院などをしなければ、症状を悪化させてしまう危険性があるでしょう。
受診するのが遅れたばかりに、視力が著しく低下したり、感染症がひどくなって治療に時間がかかったりしては、元も子もありません。
ビタミンAを適量摂取することはもちろん大事ですが、目や皮膚などに明確な不調があるなら、あわせて病院も受診することをおすすめします。
5-3. サプリメントはプロビタミン配合のものを選ぶ
ビタミンAは、サプリメントでも効率的に摂取することができますが、プロビタミン配合のものを選ぶ必要があります。
ビタミンAには、既成ビタミンとプロビタミンの2種類の状態があり、既成ビタミンの状態だと過剰摂取のリスクがあるからです。
プロビタミンは過剰摂取による悪影響の心配がないので、まとまった量のビタミンを摂取しやすいサプリメントでは、できるだけプロビタミンが中心のものを選びましょう。
まとめ
皮膚や粘膜・目などを健康的に保つために欠かせないビタミンAは、以下のとおり、美容と健康の両方に効果があります。
ビタミンAの効果を高めるためには、摂取量の目安を守ることが大切です。適切な摂取量は、以下のとおり、性別・年齢に応じて異なります。
ビタミンAは、目安量に満たなくても効果が十分に発揮されませんし、逆に目安量を過剰に超えてしまっても、健康に悪影響が及んでしまうので注意しましょう。
覚えておきたい、ビタミンAの効果を高めるとり方のコツ2つは、以下のとおりです。
また、摂取にあたっては、注意したいポイントが3つあります。
今回ご紹介した内容を参考にして、体調や美しいお肌を維持するために、ビタミンAを役立てましょう。