「眠りが浅いのが悩み。睡眠の質を上げる方法ってあるのかな?」
「ちゃんと寝てるのに、起きても疲れが残っている。睡眠の質が悪いってこと?」
こんな悩みをお持ちではないでしょうか。
おっしゃる通り、睡眠時間は足りているのに疲れが取れないとすれば、睡眠の質に問題があるのかもしれません。
睡眠は、眠っている時間も大切ですが、それ以上に「質」=「眠りの深さ」が重要です。
睡眠の質が上がると、日々の疲労が回復しやすくなり、健康な毎日が送れます。
集中力や判断力が上がり、日中のパフォーマンスがアップします。
錆びない=アンチエイジング効果や、ダイエットの促進効果も期待できます。
一方、睡眠の質が低下すると、朝の寝起きが悪くなり、日中に強い眠気が生じて集中力が低下し、糖尿病をはじめとした生活習慣病のリスクも生じてしまいます。
この記事では、知っているようで知らない「睡眠の質」の重要性や、深い眠りを得るための様々な秘訣をご紹介します。
最後まで読めば、睡眠の質を上げるために今日からすぐ始められる、あなたに合った方法が見つかります。
まずは、「睡眠の質」がどうして重要なのかという所から、睡眠の質が悪くなってしまう原因を含めて解説しますので、ぜひご自身の生活習慣を振り返りながらみていってください。
目次
睡眠の質を上げるために押さえなければいけないポイント
1章では、睡眠の質を上げるために押さえなければいけないポイントとして、睡眠の質が悪くなってしまう原因について解説します。
睡眠の質を上げる具体的な方法は次章「睡眠の質を上げる8つの方法」で紹介しますが、それをただ行ったからといって睡眠の質が改善するというわけではありません。
なぜなら、睡眠の質が悪くなるのには必ず原因があるからです。
原因を突き止めて改めなければ、何かを試したことで仮によく眠れる日があったとしても、それは継続せず、根本的な解決にはつながりません。
睡眠の質を上げる方法を試す前に、あなたの睡眠における問題は何なのか?質が悪いとしたら何が原因なのかをしっかり押さえておくことが肝心です。
順番にみていきましょう。
1-1.睡眠の質とは
睡眠の質とは、ひと言でいうと「眠りの深さ」のことです。
冒頭で述べたように、眠りの深さ(睡眠の質)には、自律神経のバランスが大きく関わっています。
興奮していたり、ストレスや緊張があると、体を動かす役割の交感神経が高ぶってしまって、質の高い眠りが得られません。
スムーズに深い眠りが得られるのは、昼間に活発になった交感神経の働きを抑え、副交感神経が優位な状態をつくることが重要です。
睡眠の質の向上は、疲労回復や健康維持だけでなく、ダイエットや美容の促進、日中のパフォーマンスアップなど様々な効果をもたらします。
1-2.睡眠の質が悪くなる3つの原因
寝ているはずなのに目覚めがスッキリせず、日中元気が足りないと感じているなら、あなたの睡眠の質は悪い(眠りが浅い)のかもしれません。
睡眠の質が悪くなる原因として、大きく分けて、
- 悪い生活習慣
- 居心地の悪い寝室環境
- 日中のストレス
の、3つが考えられます。
それぞれ、具体的にはどんな内容なのか、チェック欄も設けましたので、あなたに当てはまる所はないかも併せて確認していきましょう。
1-2-1.悪い生活習慣
悪い生活習慣は、睡眠の質を悪くする大きな原因になります。
睡眠は生活習慣そのものであり、快眠は規則正しい睡眠週間から生まれるものだからです。
悪い生活習慣とは、次のようなものを指します。
- 寝る時間が不規則
- 食事の時間が不規則
- 朝の光を浴びない
- 寝る前にカフェインを摂取する
- 寝る前にパソコンやスマートフォンを見る
体内時計は、1日のリズムを決めるだけではなく、ホルモンバランスや生理的な活動を調節し、睡眠に備えます。
これらの準備は自分の意志ではコントロールできません。
規則正しい生活こそが体内時計を整えて、睡眠を円滑に行う鍵になるのです。
パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、質の良い睡眠に不可欠な「メラトニン」というホルモンを減らし、眠気を弱める作用があります。
体内時計を狂わせる原因になりますので、寝る前は極力見ない方が良いでしょう。
1-2-2.居心地の悪い寝室環境
睡眠の質が悪くなる2つめの原因は、居心地の悪い寝室環境です。
良い眠りを得るためには、安心できて心の落ち着く寝室で眠ることが大きな条件になります。
ポイントは、「明るさ」「音」「温度」の3つです。
これらが整っていない居心地の悪い寝室環境では、質の良い睡眠は期待できません。
1-2-3.日中のストレス
日中にストレスを感じていることは、睡眠の質に悪影響を与える原因になります。
通常、日中は交感神経が、眠るときは副交感神経が優位に働くようになっていますが、 ストレスによって自律神経が乱れると、眠ろうと思っても交感神経が働き、脳が興奮状態になって休まらず、睡眠の質を下げてしまうのです 。
ストレスを抱えている人は、たとえ眠れたとしても、浅い眠り(質の悪い眠り)が多くなり、夜中に何度も目を覚まします。
長い時間眠っても、寝た気がしないという状態に陥り、疲れがとれず、さらにストレスが溜まり…という負のスパイラルが繰り返されてしまいます。
思い当たる原因がみつかったでしょうか。
睡眠の質が悪くなると、日々の疲労が回復せず、生活習慣病などにかかりやすくなります。
また、記憶力や判断力が低下し、気分が落ち込んで、うつ病にまで発展するリスクもあるので、早急に改善する必要があります。
睡眠の質を上げる8つの方法
睡眠の質を上げる方法を、「日中に行うこと」と「寝る前に行うこと」に分けて解説します。
どなたでも簡単に行えることばかりですので、できる所から取り入れていきましょう。
2-1.快眠のために「日中に行う」3つのこと
睡眠の質を上げるためには、目覚めた時から、日中の行動にも目を向けていくことが重要です。
質の良い眠りをとるために、日中に行うべき3つのことを紹介します。
2-1-1.朝起きたら太陽の光を浴びる
朝目覚めたら、すぐカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。
起床直後に太陽の光を浴びることによって、身体がしっかりと目覚め、夜になると自然と体を休めようとするため入眠しやすくなります。
太陽の光には、体内時計を整える作用があります。
また、起床後すぐに外の光を取り入れ、明るい光をたくさん浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌がなくなります。
メラトニンは、夜間に多く分泌されることで自然な眠気を催すホルモンで、朝起きてから14~16時間後に分泌が始まります。
起きてすぐに太陽の光を取り込んで体を目覚めに導き、夜は明るい光を浴びすぎないようにして眠りに導く習慣をつけましょう。
2-1-2.かならず朝食を摂る
睡眠の質を上げるためには、かならず朝食を摂るようにしてください。
朝食をしっかり摂ることは体内時計の調整につながります。
内臓を動かすことで体が目覚め、夜には自然と休めるようなリズムができるのです。
また朝食には、内臓だけでなく、血流を促進して身体全体や脳を目覚めさせる役割もあります。
日中のパフォーマンスアップのためにも、朝食をしっかり食べることが大切です。
2-1-3.適度な運動を心がける
毎日、適度な運動をするようにしましょう。
適度な運動というのは、ウォーキングやストレッチ、ジョギング程度の軽い運動のことです。
習慣的な軽めの運動には、寝付きを良くしたり、深い睡眠に誘う効果が期待できます。
運動するタイミングは、寝る3時間前くらいが特に良いとされています。
その時間帯を目安に運動を行うことで、ベッドや布団に入ったタイミングで脳の温度が下がり、入眠しやすくなります。
但し、就寝直前に激しい運動をすると、脳が覚醒して深い眠りにつけなくなる可能性があるため注意が必要です。
2-2.快眠のために「寝る前に行う」5つのこと
寝る前には、身体や脳を覚醒させる行動を控えることが、睡眠の質を上げることにつながります。
寝る前に行うべきこと、注意したい行動についてご紹介します。
2-2-1.夕食は就寝3時間前までに摂る
睡眠の質を上げるために、夕食は就寝の3時間前までに済ませるようにしましょう。
食べ物を消化するにはおよそ2〜3時間かかります。
食べてすぐ寝ようとしても胃や腸が活発に働いているのでなかなか寝つけません。
また、胃に食べ物が残っている状態で寝てしまうと胃腸に負担がかかって、眠りが浅くなってしまいます。
仕事の都合などで夕食を摂る時間が遅くなってしまう場合には、夕方頃に軽食を取って、帰宅してからは少量の夕食を摂るようにすると、胃腸に負担がかかりにくくなるため、質の良い睡眠が望めます。
2-2-2.入浴は就寝2時間前くらいに温めのお湯に浸かる
入浴は、就寝2時間前くらいに温めのお湯にゆっくり浸かるのが理想です。
人の身体は、体温が下がることで眠気を感じるようにできています。
眠る2時間くらい前にお風呂に入ることで、一時的に体温が上がり、布団に入るころにちょうどよく体温が下がってきて寝つきが良くなり、深い睡眠が得やすくなります。
また、質の良い睡眠をとるには、入浴をシャワーで済ませず湯船に使ってリラックスすることが大切です。
温めのお湯は、副交感神経が働いて気分を落ち着かせ、体の緊張がほぐれて、ぐっすり眠れるようになります。おすすめは、38度程度の温めのお湯に30分程度浸かることです。
熱すぎるお湯は逆に交感神経を活発にしてしまい入眠を妨げてしまうので注意しましょう。
2-2-3.寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない
質の良い睡眠をとるために、寝る前にスマートフォンやパソコンを見ないようにしましょう。
寝る前に機器のブルーライトを浴びると、脳が覚醒し、眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなります。
1章でも述べましたが、ブルーライトは、質の良い睡眠に不可欠な「メラトニン」というホルモンを減らし、眠気を弱め、体内時計を狂わせてしまう作用があります。
わかりやすくいうと、脳が「昼間だ」と勘違いして、本来寝るべき時間に眠れなくなるのです。
寝る1時間前には、パソコンやスマートフォンをみるのをやめるようにしましょう。
2-2-4.アルコールやカフェインの摂取を控える
寝る前は、アルコールやカフェインの摂取を控えましょう。
アルコールやカフェインを摂ると、脳が覚醒して深い眠りが得にくくなります。
アルコールを摂った方が寝やすいと考える人がいるかもしれませんが、アルコールの「眠くなる」効果は始めのうちだけで、実は少しずつ脳が覚醒して眠りが浅くなります。
またアルコールは、発汗作用や利尿作用が起きやすくなるので、睡眠の質の低下が懸念されます。
眠気覚ましとして知られるカフェインは、頭がスッキリして目が覚めるなど、覚醒作用があります。
摂ってから30分~1時間後に血中濃度がピークとなるので、寝る前にカフェインを摂ると眠れなくなってしまう可能性があります。
睡眠の質を下げないようにするために、遅くとも就寝時刻の4時間前からカフェインの含まれる飲料は、抑えておいた方が良いでしょう。
2-2-5.目元を温める
就寝前に目元を温めると入眠が促進され、深い睡眠が得られます。
目元を温めることにはリラックス効果があります。
また、目元を温めることで手足の血行が促進され、手足から放熱することで深くて質の高い睡眠に導かれるのです。
温める方法としては、
- 市販のホットアイマスクを使う
- 蒸しタオルをあてる
(※)蒸しタオルは、濡らして絞ったタオルを電子レンジで1分ほど加熱すると簡単に作れます
などがあります。
目元を温めると、自然に呼吸が深くなり、全身がリラックスしていくのが感じられるはずです。
「睡眠の質」の低下が心身に及ぼす影響
睡眠の質の低下は、私たちの心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
睡眠の質の低下が心身にあたえる影響を、時間経過を追ってまとめると下記のようになります。
眠りの浅い人が、その状態を長く放置していると、常に緊張状態である交感神経が優位となって血圧が高い状態が続くため、 高血圧 を招きます。
また、睡眠不足は血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きを悪くするため、 糖尿病 の発症リスクを高めることも研究で実証されています。
さらに、睡眠不足や睡眠の質の低下は、食欲を調整するホルモンに影響し、食欲を増大させるため、 肥満 を招きやすくなります。
高血圧、糖尿病、肥満はいずれも動脈硬化の危険因子であり、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患のリスクを高めることにもつながってしまいます。
出典:厚生労働省e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係
「1日くらい仕方ないか…」、「今は忙しいから…」と、睡眠の質の低下を放置していると、重大な病気の引き金となり、取り返しのつかない事態に陥る可能性があるのです。
睡眠障害を感じている人は、前章の質を上げる方法だけでなく、このあとご紹介するアイテムやサプリメントも併せて試すなど、早急に改善を目指していきましょう。
既にいろいろ試して改善が見られない方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
参照:厚生労働省e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係
睡眠の質を上げるおすすめのアイテム8選
リラックスできて、心落ち着く睡眠環境づくりに、お気に入りの小物や寝具を取り入れてみてはいかがでしょう。
ここでは、多くの人が取り入れている「睡眠の質を上げる」おすすめのアイテムをご紹介します。
それぞれ見ていきますので、あなただけの「癒しの空間」づくりの参考にしてください。
4-1.温めてケアする小物3選
心身を温めてくれる小物を上手に使って、睡眠の質を上げましょう。
4-1-1.目元を温めるウォーマー
睡眠の質を上げるアイテムとして、目元を温めるウォーマーがおすすめです。
就寝前に目元を温めるとリラックスできて入眠が促進され、深い睡眠が得られます。
昨今は、電気で程よく温めてくれるもの、バイブレーション機能つきマッサージのできるものなど様々な製品が発売されています。
4-1-2.足首ウォーマー
足が冷たくて眠れない、といったことはないでしょうか。
そんな夜は、足首ウォーマーを使いましょう。
第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎを温めると、睡眠の質が高められます。
血行を邪魔するような締め付けがない作りで、肌辺りの良いシルクやコットン素材の足首ウォーマーがおすすめです。
4-1-3.湯たんぽ
下半身の冷えが気になるとき、湯たんぽで腰やお腹を温めると、足先までぽかぽかと温まってよく眠れます。
湯たんぽなら、身体の内側に届くようなじんわりとした温かさで、電気製のウォーマーのように、肌や空気が乾燥する心配もありません。
最近は、スタイリッシュなデザインや、可愛いカバーつきの製品がありますので、選ぶのも楽しいですよ。
4-2.眠りを誘う寝具3選
良い睡眠のためには、寝具も大切ですね。
お気に入りの寝具に包まれて、心地よい時間を過ごしましょう。
4-2-1.マットレス
睡眠環境を左右する大きな要素の1つが、快適な寝心地を演出するマットレスです。
ただ、むやみに高額なマットレスを使用すれば良いわけではありません。
寝心地の良さは人によって異なるため、大事なのは「自分の体に合ったマットレス」を使うことです。
睡眠の質がいまひとつと感じている人は、マットレスの交換を検討してみてはいかがでしょうか。
あなたの体に合うマットレスを選ぶためには、できるだけ店頭で寝心地を試してから購入されることをおすすめします。
4-2-2.抱き枕
癒しと安心感で安眠をサポートしてくれる抱き枕は、快眠グッズとして大変人気があります。
形が変形したりいろいろな寝方ができる上、中身がふわふわの「わた」や、独特の手触りに癒される「ビーズ」なので、抱いているだけで心地良くリラックスできます。
腰を痛めていたり、いびきをかく人は、抱きまくらを使って横向きに寝ると、体の歪みが修整されて症状が緩和し安眠に導かれます。
4-2-3.パジャマ
寝るときは、柔らかく気持ちの良いパジャマに身を包みたいものです。
肌触りの良い上質なパジャマを纏うと、自然に全身の力が抜けて、穏やかな睡眠へと誘われます。
お好みによりますが、テロンとした肌触りのシルクや、吸湿性のあるガーゼのパジャマが特におすすめです。
4-3.心地よい雰囲気をつくるアイテム2選
眠りの世界に気持ち良く導かれるには、雰囲気も大事です。
睡眠環境の雰囲気づくりに役立つアイテムを2選ご紹介しましょう。
4-3-1.アロマディフューザー
アロマディフューザーは、精油やエッセンシャルオイルを含んだアロマの芳香剤を拡散して香りを楽しむための器具で、寝室に設置できます。
リラックスできる良い香りが視床下部に直接働きかけることで、自律神経のバランスが整い副交感神経が優位になります。
それによって身体の緊張がほぐれ、気持ちが落ち着き、睡眠の質も上がります。
電気を使う超音波式やネブライザータイプ、電気を使わないアロマストーンやリードディフューザーなど様々な種類があるので、お気に入りを探してみてはいかがでしょう。
4-3-2.間接照明
寝室を照明のライティングの仕方でより快適な空間にしたいとは思いませんか?
質の高い睡眠のため、間接照明を取り入れることをおすすめします。
間接照明の柔らかい光は副交感神経に働きかけ、気分を落ち着かせる効果や、睡眠の質を向上させる効果があります。
電球の色の種類は、昼光色、昼白色、電球色の3種類がありますが、寝室には、オレンジ色の暖色でリラックスした雰囲気を演出できる電球色がおすすめです。
サプリメントで睡眠の質を上げるという方法もある!
色々な方法を試しても、なかなか深い眠りが得られないという方には、サプリメントで睡眠の質を上げるという方法もあります。
特に、ゆらぎ期の不調に悩む女性には、体や心を整える和漢ハーブのサプリメントがおすすめです。
「快眠が得られていない人は、自律神経のバランスが崩れている」と、先述しましたが、更年期障害で自律神経失調の症状が表れることは珍しくありません。
更年期障害の症状として知られる、ほてりやのぼせ、発汗は自律神経失調によるもので、これらが原因で眠りも浅くなってしまいます。
東洋医学から生まれた漢方(伝統生薬)には、自然治癒力を高め、心身のバランスを整える効果があり、女性ホルモンの乱れによって起こる更年期障害の改善が期待できます。
加えて、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整える成分の働きで、睡眠の質の向上が期待できます。
睡眠改善効果のある和漢ハーブのサプリメントには、次のような成分が配合されています。
それぞれの効能を、くわしくみていきましょう。
5-1.睡眠の質を高める「テアニン」
「テアニン」は、茶葉に含まれるアミノ酸の一種で、「睡眠の質の向上」で知られる成分です。
テアニンを摂取すると、脳がリラックス状態にあるときに出るα波(アルファ波)が増加することから、脳の興奮を抑え、緊張やストレスを緩和する働きがあります。
さらに、副交感神経の働きを高めてリラックスの度合いを引き上げ、メンタルコンディションを整えます。
つまりテアニンには、心身をリラックスさせ、ゆったり落ち着いた気分にさせる働きがあるということです。
お茶を飲むと落ち着くのは、この「テアニン」の作用によるものです。
参照:L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響/日本農芸化学会誌/72 巻 (1998) 2 号
5-2.幸せホルモンを体内に増やす「ラフマ」
「ラフマ」は精神を安定させる生薬として重宝されてます。
紀元前から健康茶として親しまれ、リラックス効果が高く、精神を安定させる成分として重宝されています。
ラフマに含まれるフラボノイドは、脳内の神経伝達物質で幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を体内に増加させる働きがあります。
日中のセロトニン分泌量を増やすことで、夜間の睡眠の質を向上させます。
参照:https://www.e-expo.net/information/venetum/
5-3.気持ちを落ち着かせる「カモミール」
「カモミール」は、ヨーロッパ原産のキク科植物で、「心を落ち着かせる」作用があります。
ハーブティなどで親しまれているのをご存知の方もいると思いますが、カモミールは、古くからヨーロッパで親しまれてきたハーブで、リラックス効果があることから、不眠症や不安神経症等の治療にも使われてきました。
高い鎮静作用を持っており、自律神経を整え、不安やイライラを和らげる働きをします。
加えて、気持ちを落ち着けてリラックスさせる作用があることから、安眠効果でも知られています。
また、平滑筋(心臓を除く内臓や血管などの壁をなす筋肉)を落ち着かせる効果があるため、ストレスからくる腹痛、胃痛、生理痛等も改善が期待できます。
カモミールは人間の健康に良いだけでなく、ほかの植物を健やかに保ってくれる力も持っていて、弱った植物の近くにカモミールを植えると、その植物が元気を取り戻すとまでいわれています。
参照:総説植物カモミールの摂食が心身に及ぼす効果| 北海道大学大学院教育学研究科
5-4.緊張を和らげる「レモンバーム」
シソ科のハーブ「レモンバーム」には、緊張を和らげる作用があります。
レモンバームは精油成分(シトラール、シトロネラールなど)、タンニン類、フェノール類(ロスマリン酸、カフェ酸)などで構成され、特に精油成分が、イライラや興奮を落ち着かせるといわれています。気分を鎮静させ、抑うつ症を好転させます。
ヒステリーやパニック、神経の緊張による不眠などにも効果があります。
古くから「長寿のハーブ」として知られ、近年の研究ではアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防や、記憶力や学習力など脳機能の維持に効果・効能がある成分としても注目されています。
またレモンバームには、女性ホルモンのプロゲステロンと似ている作用があるため、ホルモンバランスを整えて、生理不順や生理痛を改善する効果が期待できます。
睡眠の質を上げたい、ストレス社会による心のゆらぎがあるという方は、ここまで解説した方法やアイテムと共に、サプリメントも取り入れて、1日の終わりに安らかな休息がとれる体づくりをめざしましょう。
まとめ
睡眠の質とは、ひと言でいうと「眠りの深さ」のこと。
睡眠の質が上がることで日々の疲労が回復しやすくなり、健康な毎日が送れます。
仕事や家事のパフォーマンスがアップするほか、アンチエイジング効果や、ダイエットの促進効果も期待できます。
反対に睡眠の質が悪くなると、心身に悪影響が及び、そのまま放置すると糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こす原因にもなってしまいます。
記事を参考に、爽やかな目覚めと健康な毎日のために、安穏で質の高い睡眠がとれる心身を手に入れて頂けたらと思います。