「ビオチンにはどんな効果があるんだろう?」
「ビオチンを効果的に摂取する方法ってあるのかな?」
このようにお考えではないですか?
ビオチンとはビタミンB群に属する水溶性のビタミンの一種です。
体内で糖やアミノ酸、脂質の代謝に関わり、エネルギーを作り出す作用のある酵素の一部として働きます。
ビオチンの効果としては、主に以下の3つが挙げられます。
このように、ビオチンにはさまざまな効果があることが分かっています。
ビオチンは、健康的な人であれば、一般的な食生活をすれば不足することはほぼありません。
ただし食生活の極端な乱れや長期間にわたり薬を服用するなどの場合では、ビオチンの吸収が低下するといったこともあり得ます。
そういった際にはぜひ、ビオチンを多く含む食品を摂取したり、サプリメントを利用したりといった方法をご検討してみてください。
この記事では、ビオチンの効果や注意点など、以下の内容について詳しく解説します。
この記事をお読みいただくことで、ビオチンの効果について詳しくご理解いただけるかと思います。
ぜひこの記事を参考に、ビオチンを日常生活に取り入れるかどうかを検討してみてはいかがでしょうか?
目次
ビオチンに期待できる3つの効果
この章では、ビオチンの3つの効果について詳しく解説していきます。
ビオチン摂取で期待できる効果としては、主に以下の3つが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
1-1.肌・髪・爪の健康の維持
ビオチンを摂取することで、肌・髪・爪の健康の維持が期待できます。
ビオチンは、脂質や糖、アミノ酸の代謝に必要な栄養素です。
肌や髪、爪の健康の維持にふさわしいタンパク質や脂質の代謝に、ビオチンは効果的に働くと言われています。
もしビオチンが不足してしまうと、肌や髪、爪の細胞が上手く機能しなくなり、健康的な状態を維持するのが困難になってしまう場合もあります。
ビオチンを摂取すると代謝が正常に行われやすくなり、肌や髪、爪の健康が維持しやすくなるのです。
1-2.疲労回復
ビオチンの摂取は疲労回復にも効果を期待できます。
エネルギーが不足すると、一般的に人は疲労を感じやすくなります。
ビオチンはエネルギーの代謝を助ける栄養素であるため、摂取することで疲労回復ができると考えられます。
糖質(炭水化物)は体内で消化されたのちブドウ糖まで分解され、エネルギーとして利用されます。
ブドウ糖からエネルギーを生成する過程で、その燃えカスが「乳酸」となります。
その「乳酸」が体内に溜まると、筋肉痛を起こしたり疲労の原因になったりするのです。
ビオチンは、この乳酸をブドウ糖に戻すのを助ける働きがあると言われているため、疲労回復への効果が期待できるのです。
1-3.口内炎や皮膚炎の改善
ビオチンによって、口内炎や皮膚炎が改善する可能性があります。
ビオチンが、皮膚の炎症の原因となる「ヒスタミン」の産生を抑制する働きがあるためです。
具体的な例として、アトピー性皮膚炎の治療に有効であると考えられています。
アトピー性皮膚炎の原因となるのがヒスタミンや、ヒスチジンという物質です。
ビオチンはこれらの産生を抑制し、尿から排泄を促す作用があるため、治療薬として使われているのです。
その他にも、同じくヒスタミンが原因となるアレルギーや花粉症にも効果を発揮すると考えられています。
このように、主に口内炎や皮膚炎などのトラブルの改善が期待できる栄養素として薬品や化粧品、サプリメントとして活用されています。
ビオチンは摂取してから効果がでるまで時間がかかる
ビオチンをサプリメントから摂取した場合は、一般的な効果を感じるまでに半年から1年ほどの時間がかかると言われています。
ただしビオチン欠乏症が診断された場合に、薬品から摂取する場合には3カ月ほどで効果があるともいわれます。
注意すべきは、ビオチンを摂取し始めてから効果が出るまでの期間は個人差や摂取量、摂取の方法により異なるという点です。
ビオチンは一般的に、飲み始めてすぐに効果を実感できるものではないという点は理解しておく必要があるでしょう。
日常生活でビオチンが欠乏することはあまりない
この章では、ビオチンはあまり欠乏しない、という観点から以下の内容について詳しく解説します。
それぞれ見ていきましょう。
3-1.ビオチンは日常生活で不足することはあまりない
実はビオチンは、日常生活で一般的な食事を取っている場合には滅多に不足することはありません。
なぜなら、ビオチンは食品から摂取する以外にも、体内で善玉菌によって合成されるためです。
例えばビオチンは、含有量の少ない加工食品中心の食事を取っていたとしても、健康な体内であれば問題なく合成されるためそれほど大きな問題にはなりません。
ただし、以下の場合ではビオチンが不足する可能性があるので注意が必要です。
- 食生活のバランスが極端に崩れている場合
- 抗けいれん薬を長期間にわたって使用している場合
- 長時間血液透析を受けている場合
- 長期間経静脈栄養中の場合
- 腸内細菌叢の変調をもたらす慢性下痢症の場合
- 長期間抗生物質を服用している場合
- 大量の生の卵白を長期的に摂取した場合
これらの場合にはビオチンが不足してしまう場合がありますので、注意しましょう。
3-2.ビオチンが不足すると起きること
日常生活ではめったに不足することのないビオチンですが、不足すると「ビオチン欠乏症」になる可能性があります。
以下はビオチン欠乏症に関わる病気の例です。
- リウマチ
- シェーグレン症候群
- クローン病
- 1型及び2型の糖尿病 など
また、ビオチン欠乏症とは診断されない場合にも、以下のような症状が出ることがあります。
- 乾いた鱗状の皮膚炎
- 萎縮性舌炎
- 食欲不振
- むかつき
- 吐き気
- 憂うつ感
- 顔面蒼白
- 性感異常
- 前胸部の痛み
3-3.ビオチンの適切な摂取量の目安
日本人に必要なビオチンの適切な摂取量として、厚生労働省は以下のように発表しています。
ビオチンは過剰摂取したとしても尿として排出されやすい栄養素です。
過剰摂取による健康被害は報告されていないため、耐容上限量は設定されていませんので、摂りすぎを気にしすぎる必要はありません。
欠食の習慣のある人にはビオチンがおすすめ
欠食の習慣がある人には、ビオチンを摂取することをおすすめします。
ここまで解説してきた通り、ビオチンは日常生活で一般的な食事をしている場合においては欠乏することはあまりありません。
ただし、欠食が多かったり、著しく食生活が乱れていたりするとビオチンが不足する可能性があります。
食生活が乱れている人で、
- 吐き気がする
- 抜け毛が多くなってきた
- 肌や爪が乾燥してカサカサする
- 食欲がない
- 口内炎ができる
このような悩みを持っている場合、もしかしたらビオチン不足が原因かもしれません。
ベストな方法は食生活を正常に戻し、栄養のある食事を心がけることです。
もし、ビオチンが足りていないと感じられるのであれば意識的に取ってみることをおすすめします。
ただし、上記のような悩みやトラブルの原因がビオチン不足だとは限らないため、続くようであれば一度病院に行くことをおすすめします。
ビオチンを摂取するまえに知ってほしい注意点
ビオチンを摂取する前に知ってほしい注意点として、ここでは以下の3点について解説します。
それぞれ見ていきましょう。
5-1.髪のトラブルに効果があるとは限らない
ビオチンを摂取することで、髪のトラブルにすぐに効果があるわけではない、ということは理解しておく必要があります。
ビオチンには、白髪や抜け毛などのトラブルに対して効果があると言われています。
しかし、白髪や抜け毛を抑制するためにビオチンを摂取してもすぐに効果があらわれないことが多く、場合によっては効果が全くでないこともあります。
ビオチン摂取で白髪が減少するという点においては、化学的な根拠は十分ではないのです。
確かにビオチンを摂取することで、髪の健康維持は期待できます。
髪を黒くする「メラノサイト」を活性化させる効果も、ビオチンにはあります。
しかしメラノサイト自体が減少している場合に、白髪の発生を止める作用はビオチンにはありません。
また、ビオチン不足により抜け毛が増えている場合には、ビオチンを摂取することで改善したというデータはあります。
ただし、抜け毛の原因がビオチン不足でない場合には効果が出ない可能性が高いのです。
以上のように、髪のトラブルに効果が出る場合もありますが、効果が出ないといった可能性も十分にあるという点には注意が必要です。
5-2.生卵で摂る場合は工夫が必要
ビオチンを生卵で取りたいなら工夫が必要です。生の卵白に含まれる「アビジン」という成分が、ビオチンの吸収を阻害してしまうためです。
卵黄にはそもそもビオチンの含有量が多く、1個に対して10.4µgが含まれています。これは、成人が1日に必要とするビオチンの摂取量の20%です。
しかし、卵黄を取るために生卵を摂取してしまうと、生の卵白に含まれるアビジンがビオチンの吸収を阻害してしまいます。
そのため、ビオチン摂取の目的で生卵(全卵)を摂取することはおすすめできません。
ビオチン摂取を目的にするのであれば加熱処理をして食べるようにしましょう。
また、ビオチンを生卵で摂取したいのであれば卵黄のみを食べると良いでしょう。
5-3.サプリメントで摂取する場合は複数回に分ける
ビオチンをサプリメントで摂取する場合は、複数回に分けることをおすすめします。
その理由として、ビオチンが水溶性のビタミンであるという点が挙げられます。
そのため、一度に摂取しても吸収されずに2~3時間後に排出されてしまうのです。
ビオチンを摂取する場合には、一度に摂取するのではなく朝晩の食後など、こまめに飲むと効果を得やすいでしょう。
ビオチンを摂取する3つの方法
それではここで、ビオチンを摂取する具体的な方法について以下の3つを解説します。
それぞれ、見ていきましょう。
6-1.ビオチン豊富な食品で摂取する
ビオチンが豊富に含まれた食品で摂取する方法を紹介します。ビオチンは、特に以下のような食品に豊富に含まれています。
ビオチンの含有量が多い代表的な食品はレバーや卵黄です。
卵は、 1 個(50g)で12.7µg のうち、卵黄 1 個分(16g)中に 10.4µg 含まれており、卵黄に多くなっています。
種実類と豆類に比較的多く含まれており、穀類でも精米より玄米などの未精製のもの方が多く含まれています。
6-2.サプリメントを利用する
ビオチンを摂取する方法のひとつとして、サプリメントの利用があります。
ビオチンは食生活でも十分に取ることは可能ですが、より効率的に摂取したい場合には検討してみても良いでしょう。
サプリメントはドラッグストアやオンラインショップでも手軽に手に入ります。
サプリメントの選び方に関しては、「7.ビオチンサプリメントの選び方」でも詳しく解説していますので、そちらを参考にしてみてください。
6-3.薬で摂取する
ビオチンを薬で摂取する方法もあります。これは治療に用いられる場合であり、誰でもこの方法を取ることができるわけではありません。
ある種の疾患の治療に、ビオチンが利用されることがあります。その場合は医師からビオチン錠剤を処方されます。
例えば皮膚炎やにきびの治療に用いられることもあれば、ビオチン欠乏症の治療のために用いられることもあります。
ビオチンサプリメントの選び方
それでは最後に、ビオチンをサプリで摂取する場合の選び方についても見ていきましょう。ここでは、以下を紹介します。
それぞれ、見ていきましょう。
7-1.ビオチンの含有量を確認する
まず確認すべきは、ビオチンの含有量です。
ビオチンは、成人であれば1日当たり50μgの摂取が目安となります。そのため、少なくとも50μgが入っているものを選びます。
また、ビオチンは体内に蓄積されずに排出されやすい栄養素です。
過剰摂取しても副作用が報告されていないこともあり、なるべく高配合されているものを選ぶと良いでしょう。
ビオチンは妊娠中や授乳中でも摂取が推奨されますが、サプリメントから摂取を考えるのであれば事前に医師に相談すると良いでしょう。
7-2.身体への吸収率が良いタイプを選ぶ
ビオチンのサプリメントを選ぶ場合には、身体への吸収率の高いタイプを選ぶようにしましょう。
サプリメントには「タイムリリース型」というものがあります。このタイプは飲んでもすぐに消化されずに、ゆっくりと溶けていく性質があります。
ビオチンは水溶性であるため、一度に多く摂取してしまうとすぐに体外に排出されてしまいます。
タイムリリース型のサプリメントであれば、ビオチンをできる限り無駄なく吸収しやすくなるのです。
まとめ
以上この記事では、ビオチンの効果や注意点など、以下の内容について詳しく解説してきました。
この記事をお読みいただいたことで、ビオチンの効果について詳しくご理解いただけたかと思います。
ぜひこの記事を参考に、ビオチンを日常生活に取り入れるかどうかを検討してみてはいかがでしょうか?