今や4人に1人がかかっているといわれる花粉症。
厳しい寒さが和らぎ始めると、いよいよ花粉シーズンの到来です。花粉飛散予報に、うんざりしている人も多いかもしれませんね。
花粉症というと薬でケアするイメージですが、今年は栄養のアプローチもぜひチェックしてほしいところ。
さっそく紹介していきましょう。
年々辛くなる花粉症…なんで花粉症になるの?
そもそも花粉症はなぜ起こるのか、そのしくみについて考えてみましょう。
私たちの身体には、外敵から身を守るため、細菌などが体内へ入ろうとするのをシャットアウトするための仕組みが備わっています。
これが免疫システムといわれるもの。
この免疫システムが、本来身体にとって、それほど有害ではないものを敵とみなしてしまい、反応を起こすことをアレルギーといいます。
たとえば、花粉が目や鼻から体内に入ってきた場合のことを考えてみましょう。
本来、花粉は身体にとって異物ではありますが、敵ではありません。
しかし身体が花粉を敵とみなした場合、排除するために抗体というものが作られます。
これは身体のなかで作られる、細菌やウイルスと戦うためのタンパク質の一種。
そして再び花粉が体内に入ろうとすると、抗体がそれを察知し、情報を他の細胞に伝え、花粉を身体の外に出そうとする反応が起こります。
たとえば、くしゃみで花粉を外に吹き飛ばしたり、鼻水や涙と一緒に花粉をだそうとしたり、鼻をつまらせてそこから中に入れないようにしたり……。
本来、私たちの身体を守るためのシステムではありますが、誤作動することで、不快な状態をつくりだしてしまっているというわけです。
花粉症ケアにいま注目の栄養素、ビタミンDとは
そんな花粉症のつらさをやわらげてくれる、いま注目されている栄養素があります。
それはビタミンD。
もともとビタミンDは骨を強くする栄養素として知られていましたが、最近の研究によって、それだけではないことがわかってきました。
たとえば、細胞の遺伝子に直接、抗菌ペプチドを作りなさいという指令を出すはたらき。
抗菌ペプチドとは、細菌やウイルスを攻撃するようはたらくタンパク質です。
つまり、ビタミンDをとっていることで免疫力をグンと上げることが期待できます。
また、異物でないものに反応しないようはたらく腸管免疫寛容を調整し、過剰反応をおさえてくれるはたらきも。
ビタミンDが腸粘膜を丈夫にするところも見逃せません。
実は腸は、免疫細胞の7割が存在するといわれるほど免疫にとって重要な臓器でもあります。
粘膜がダメージを受けてしまうと、異物が体内に入りやすくなるうえ、腸内環境が低下して免疫細胞のはたらきがダウンしがち。
ビタミンDの力で腸の細胞同士のくっつきが強まることで腸内環境がアップ、免疫力向上が期待できるというわけです。
ビタミンDをサプリメントでとるなら
私たちの身体でパワフルにはたらくビタミンD。
花粉症対策としてしっかりと取り入れるなら、サプリメントを活用するのが便利です。ここで意識したいのが種類。
天然のビタミンDには、動物性のD3、植物性のD2があります。
私たちの身体に入ったビタミンDはさまざまな反応を経て、25(OH)ビタミンD3という形となり、必要な分だけ活性化され、使われています。
そのため、サプリメントでとるなら、活性化される前の25(OH)ビタミンD3の形でとるのが望ましいのです。
取り入れる際はボトルの成分表示をチェックするのを忘れずに。
ビタミンDはサケやイクラ、サンマ、イワシといった魚、きくらげやしいたけなどのきのこ類に多く含まれるので、意識してメニューにとりいれるのもよいでしょう。
意外に知られていないのが、ビタミンDが日光を浴びて肌の上で作られていること。
冬になると風邪をひく人が増えるのは、日に当たる機会が減りビタミンDが体内で作られにくくなるから、ともいわれています。
女性にとって紫外線はシミやシワの原因にもなるため気になりますが、ほどほどに浴びておくのも大切といえそうです。
手のひらを日光に当てるという方法もあります。
ちなみに体内で作る際、コレステロールを材料に作られるので、無理なダイエットを避けるのは言うまでもありません。
免疫力を高めるサプリメントを摂取する
免疫力を高めるサプリメントはビタミンDだけではありません。
サプリメントは、体に必要な栄養素を効率的に取り入れ、健康的な身体作りをサポートしてくれる食品です。免疫力を高めるためにも大変役に立つものです。
【免疫力を高める成分とその効能・効果】
●プロポリス
プロポリスは、ミツバチが細菌やウイルスから巣を守るために作り出す物質です。
「天然の抗生物質」ともよばれ、古くから利用されてきました。
実は、このプロポリス、過剰な免疫反応を抑える免疫調整作用で、花粉症の改善をサポートする効果も期待されているのです。
●蔵華(くらはな)乳酸菌
免疫力と深く関わる腸内環境を改善に導く乳酸菌。
乳酸菌には、チーズやヨーグルトを作る「動物性乳酸菌」と、味噌や漬物を作る「植物性乳酸菌」があります。
植物性乳酸菌は、塩分が高く過酷な環境で生育するため、人の胃液などの消化液にも強いのが特長です。
蔵華乳酸菌は味噌由来の植物性乳酸菌で、約1万株もの発酵微生物の株の中から、免疫を活性化する機能を持つ乳酸菌として発見されたものです。
●霊芝(れいし)
霊芝は、中国最古の薬物書『神農本草経』にもその名前が記され、二千年以上前から最上級の生薬として珍重されてきました。
霊芝に含まれるβグルカンは、免疫力が下がっている場合には強化し、過剰な場合には緩和すると言われていて、免疫力の調整役としてアレルギー症状の緩和にも効果が期待されています。
●メシマコブ
長崎県の女島(メシマ)で発見され、コブのように生えていることからメシマコブと名付けられたと言われる希少性の高いキノコです。
免疫細胞を活性化させるといわれ、感染症などの予防効果、抗がん作用、さらに、糖尿病や自己免疫疾患などの予防や改善にも効果が期待されています。
まとめ
花粉症対策には、ご紹介したように、ビタミンDをしっかり摂取すると同時に、免疫を高める成分を取り入れることが大切です。
必要な栄養素を効率的に摂取できるサプリメントも活用すれば、花粉症が流行する季節も乗り切ることができます。
ビタミンDや免疫力を高める成分を摂取することで、つらい状態から解放された、という声もよく耳にし、改めて栄養の持つパワフルさに驚いているところです。
シーズンはまだ続きますが、不調が少しでもラクになるよう、栄養のアプローチを取り入れてみてはいかがでしょう。