「冷え」と女性ホルモンの関係と予防医学美容家がおすすめする冷え対策

2021. 10. 06
監修:川崎 あゆみ プロフィールを見る >

ライター
キャリア系ライターを経て、美容雑誌・サイトにて年齢を重ねた女性の美容・健康に関する記事を執筆。「女の分かれ道」をテーマにしたウェブサイト~誰かの“決断”が、あなたの“勇気”になる~「ウーマンクロスロード」主宰

(https://profile.ameba.jp/ameba/keyforthefuture)

もともと男性と比べて筋肉量が少なく、女性の体は冷えやすいのですが、更年期に入った女性たちは「手足が氷のように冷たくて、温熱カイロをからだ中に貼っている」「からだが冷えて、夜眠れない」「ソックスを何枚重ねてはいても温まらない」など、“冷え”の悩みはさらに深刻化していることが多いようです。

今回は、「冷え」と女性ホルモンの関係について、予防医学美容家の木下ゆう先生にお話をうかがいました。

 

「冷え」と女性ホルモンの密接な関係

女性ホルモンを分泌、コントロールしているのは、脳の視床下部ですが、自立神経のコントロールも同じ視床下部で行われています。

女性ホルモンと自律神経の乱れは、密接な関係にあるため、自律神経のバランスが乱れると女性ホルモンバランスにも影響を及ぼします

木下先生によると「自律神経が乱れると、交感神経が優位に働き、全身の筋肉が緊張します。

その緊張状態が続くと血流が悪くなり、体が冷えてしまうのです。

逆に“冷え”が神経や女性ホルモンに影響し、自律神経の乱れにつながる、さらには女性ホルモンバランスの乱れを引き起こすケースもあります。

冷えと女性ホルモンのバランスの乱れから婦人科系の疾患を招くケースも少なくありません。

血のめぐりをよくして体を温め、冷やさないことが大切です。」とのこと。

女性ホルモンは、エストロゲンプロゲステロンの2種類。

この2つの女性ホルモンは、約28日間を1サイクルとして、「生理期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの月経リズムを作り出しています。

この4つの周期のうち、もっとも冷えを引き起こしやすい周期は、「生理期」なのだそう。

「生理期は、女性ホルモンの分泌が少なくなります。

とくに受精卵が着床しやすいよう子宮内膜を厚くし、体温を上げる役目を果たすプロゲステロンの分泌が少ないと、体温が下がって体が冷えやすくなってしまうのです。

さらに生理によって貧血状態になるとからだ中に酸素が運ばれにくくなり、冷えにつながります。

特に生理中は、“体温が下がる時期”であることを意識して、冷え対策をしっかりと行いましょう。」(木下先生)

 

木下先生おすすめの「冷え対策」

女性は、男性よりも筋肉量が少なく冷えやすい傾向にあります。

「ヨガや自宅でできるエクササイズなどで、積極的にからだを動かして筋肉量を維持することが大切です」という木下先生おすすめのエクササイズをご紹介しましょう。

 

ぶるぶる体操

「この“ぶるぶる体操”は、骨盤のゆがみを解消したり、便秘、生理痛にも効果的。

また血流を改善することで代謝が上がり、冷えの改善にもおすすめです。」

とのこと。

また、心身の緊張を解放し、ホルモンバランスや心身のバランスを整えてくれるそう。

 

ぶるぶる体操のやり方

1.まっすぐの姿勢で立ち、足を腰幅に開き、ひざを少し緩めます。

2.足は、床にかかとをつけたまま、膝を上下に小刻みに揺らします。

このとき、ひざを伸ばしきらないようにするのがポイント。

上半身はリラックスして、小刻みに全身をぶるぶると震わせます。

確かに、たった数分間ぶるぶるさせるだけで、体がポカポカしてきて、代謝もあがりそう。

これならテレビを見ながら簡単にできますから是非試してみてください。

 

体を温める食生活を心がける

もちろん食事も大切。

「からだを温めるものを積極的に摂るように心がけましょう。」とのこと。

 

体を温めるもの

地中で育つもの…たまねぎ、にんじん、れんこん、ゴボウ、イモ類など

寒い地域で育つもの…白菜、キャベツなど

発酵食品…しょうゆ、みそ、納豆など

塩辛いもの…塩

*コーヒーや緑茶は、からだを冷やすので注意が必要です

 

しっかりと湯船につかる

「大切なのは、湯船につかってしっかりと体の深部まで温めること。

お湯の温度の目安は、ぬるめの38~40℃

まず入浴前にコップ一杯の水を飲み、全身浴で5~10分間つかって汗をかきやすい状態にし、さらに15分間の半身浴がおすすめです。」(木下先生)

入浴のタイミングは、「就寝の2時間前」がポイント

「体温が下がるときに眠りにつきやすくなるので、お風呂でしっかりと体温を上げておくと寝つきがよくなり、質のいい睡眠につながります」(木下先生)

また、からだを温めるお茶として、効果的なのが韓国の漢方、「韓方(ハンバン)茶」。

「種類がたくさんあり、体質と症状によって選ぶようになっていますが、冷え対策には、“温経茶(オンギョン茶)”」がおすすめ」とのこと。

 

まとめ

更年期対策のみならず、「冷えは万病の元」と昔から言われ、ありとあらゆる不調につながります。

今回は気軽に始められる冷え性対策をご紹介しました。

冷えに悩む方はもちろん、今のからだの不調は冷えが原因かもしれないと感じる方は、今日から“温活”を始めてみてはいかがでしょう。

 

木下ゆう先生

予防医学美容家、メンタルヘルスカウンセラー、メノポーズカウンセラー、ヨガセラピスト。

株式会社JPRESSE代表取締役。

心と体とホルモンを整えて健康美をつくる「マインドフルネス&女性ホルモンダイエット®」を提唱している。

美容・予防医学関連のクリニック監修やコラム執筆など幅広く活動中。

日本予防医学会員、日本マインドフルネス学会員、日本サプリメント学会員。

 

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