糖質制限と食事制限はどう違う  美ボディメイクのスペシャリストが詳しく解説

2021. 09. 08
監修:田中宏明 プロフィールを見る >

美ボディメイクスペシャリスト
キレイになりたい、カッコ良く生きたい!痩せたい!スタイルを改善したい!と美意識が高い女性の方を中心に美ボディメイクセッションを提供中。 また不調(腰痛、肩こり、膝痛)を抱える方、ジュニアアスリートへの指導も行う。

(https://profile.ne.jp/pf/hiroaki-tanaka/)

基礎代謝は20代をピークに低下し、年齢とともに、体は痩せにくくなります。

若い頃と同じ食生活でも、だんだんと太りやすくなり中年体型になってきます。

40代を過ぎると、さらに痩せるのが難しい年齢に入り、二の腕のたるみやお腹、腰回りの贅肉はなかなか無くならずに苦労している方も多いと思います。

無理なダイエットを頑張りすぎて、健康を害してしまっては本末転倒です。
正しい知識を持って、健康的に美しくダイエットできる食事方法は是非知っておきたいところです。

今回は数々の豊富な経験から培ったボディメイク術を持つ、ピラティスインストラクター田中宏明先生にお話を伺いました。

 

「食事制限」は痩せられる?


ダイエット方法としての「食事制限」は、健康的なダイエット方法といえるのでしょうか。

食事制限をするにあたっての危険な点を理解しておくことが大切です。

基本的には食生活が原因で太ってしまった人にとって、摂りすぎていた部分を制限することは健康的と呼べるでしょう。

しかし、一般的な食事制限ときくと、どのようなイメージをお持ちになるでしょうか?

◯◯を食べない、◯◯だけ食べて生活する、2カ月間◯◯を我慢する…というような極端なことではないでしょうか?

このような極端な食事制限では、体重が落ちる現象は起きますが、必要な栄養素を摂ることが出来ずに、筋肉が減ってしまったり、体の生理機能に不具合が生じ、体や心の健康を、害してしまう方も少なくありません。

食事を制限しすぎると、筋肉が落ちて基礎代謝が下がり、かえって太りやすい体質になることもあります。

過剰な糖質制限は、心筋梗塞のリスクを3〜4倍に増やすこともわかってきています。

通常の食生活を送っている方にとっては、食事制限ではなく、食事改善という発想でダイエットを考えましょう

体に必要な3大栄養素である炭水化物(糖質+食物繊維)、タンパク質、脂質に加えてビタミン・ミネラルをバランス良く摂取することが健康的なダイエットと呼べる方法です。

一番大切なことは、自分が選択した食事制限は、一生、続けられるものかどうかということです。

この質問を自分に投げかけ、生涯続けることが出来るのなら、リバウンドもしませんが、短期間だけ我慢する方法だと、元の生活に戻せば、体重や体型は、元通りになるでしょう。

 

「食事制限」と「糖質制限」の違い

最近は話題になることも多い「糖質制限」という食事方法。

糖質制限とは、通常の食事制限とどんな違いがあるのでしょうか。

そもそも食事制限というのは、3大栄養素にビタミン・ミネラルを含めた5大栄養素をバランスよく摂取しながらも、全体的な摂取量を控えることを意味するもの。

それに対して、糖質制限は、糖質(炭水化物)のみを制限し、肉・魚・大豆製品などのタンパク質、肉・魚・ドレッシングや乳製品に含まれる油でお腹を満たすこと、というものです。

糖質制限ダイエットは、一見、単に炭水化物を抜けば良いというイメージなので簡単そうに思えます。

一般的な食事制限をする場合、全体の摂取カロリーを抑えてメニューを決めるのはとても難しいことです。

しかし、糖質制限の場合は、ごはんやパンを食べずに、お肉とサラダだけ食べればいい!と考えれば、外食でも実践しやすい方法なのかもしれません。

しかしそんなに単純なものではないようです。

 

糖質制限を行うときの注意点


控えたい糖質と、控えたくない糖質があるということを知っておきましょう。
3大栄養素のカロリーをここでご紹介します。

糖質    1g/4kcal
タンパク質 1g/4kcal
脂質    1g/9kcal

 

糖質は、糖アルコールと多糖類と分類され、さらに単一の糖質を糖類と呼びます。

単糖には、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースがあります。

糖質制限をする際に、積極的に控えたい糖は、フルクトース(果糖)とガラクトースです。

グルコース(ブドウ糖)は、ご飯・パン・麺・いも類に含まれる糖で、脳のエネルギーにもなってくれるため、私たちの体に必要な糖です。

また、グルコースは他の糖に比べて、インスリンを分泌させます。

インスリンは3大栄養素すべてを体の必要な場所(とくに筋肉)に取り込ませる働きがあるため、健康な体づくりや維持のためには欠かすことができないホルモンです。

そのため、グルコースを摂取しないと、筋肉が落ちやすくなってしまいます

果物やお菓子類・清涼飲料水に多く含まれるフルクトース(果糖)は、グルコース(ブドウ糖)に比べて、3倍も体脂肪として蓄積されやすい特徴を持っていますので、制限を行うなら果糖の摂取を控えましょう。

もちろん、ご飯・パン・麺に含まれるブドウ糖も過剰に摂取し、肝臓や筋肉に蓄えきれない余剰分は、体脂肪として蓄積されますので、糖質のみでお腹を満たす食事は、糖質の摂りすぎになるので、気を付けましょう。

参考:日本成人病予防協会知っているようで知らない糖質のこと!
https://kentei.healthcare/info/column/?p=4774

 

糖質制限中でも積極的に摂りたい栄養素

糖質制限中でも積極的に摂りたい栄養素は、タンパク質と脂質になりますが、炭水化物に比べて、満腹感が得られにくく、腹持ちも良くないため、食べ過ぎにつながることがあります。

脂質を摂りすぎると、当然ですが、体脂肪が増えます。

また、タンパク質や脂質中心の食事となると、ビタミンやミネラルが不足するため、野菜をしっかり摂取しましょう。

野菜(きのこ類や海藻類も含む)には、食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維と脂質を一緒に摂ることで、脂質の吸収をおさえる働きがあります。

先ほど述べましたが、糖質制限中でもグルコースの材料となる炭水化物(ご飯・パン・麺・いも類)は少量でも良いので絶対に摂取しましょう。

しゃもじ1杯(50g)のご飯の内訳は、炭水化物(糖質と食物繊維)が18g、タンパク質が2g含まれています。

私たちの脳では、1日にしゃもじ約7杯分のグルコース(ブドウ糖)がエネルギーとして使われます。

試験勉強などで集中すると、甘いものが食べたくなるのはこのためなのです。

したがって、いくら糖質制限といっても、最低限の糖(ブドウ糖)は摂取し、タンパク質・脂質の摂取のために、肉・魚・豆類を、ビタミン・ミネラルの摂取のために野菜・きのこ・海藻類を摂るようにして下さい。

参考:厚生労働省特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-04.pdf

 

まとめ

テレビや雑誌でも話題になっている「糖質制限ダイエット」ですが、単純に炭水化物を食べない、というものではないのですね。

偏った食生活を送っていると、体を壊してしまう危険性もあるのです。

体重が落ちることだけでは、美しく痩せることにはなりません。

体が必要としている栄養素を理解した上で、バランスよく食事を取って健康的なダイエットをしていきましょう。

 

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