あなたの頭痛はどちらのタイプ?原因と対処法を鍼灸師が詳しく解説します。

2021. 10. 06
監修:足立美穂 プロフィールを見る >

鍼灸治療院 東洋の森 院長・鍼灸師
自身の体験から東洋医学の体全体を診る医学に感銘を受け、鍼灸の道に進む。体の不調のサインに気づき、病になる前に治す施術を心がけている。 不妊施術、疼痛治療、鍼灸全般(体質改善から更年期障害の改善等)の業務を専門に行う。

(https://mbp-japan.com/kyoto/to-you-no-mori/)

突然、頭がズキズキと痛くなることはありませんか?

風邪や、低気圧が近づいたことによりおこる気圧の変化、生理が近いことも原因のひとつかもしれません。

また、女性は更年期の時期を迎えると、頭痛に悩むことが増えてきます。

体を動かすのがつらく、時には、瞬きをしても痛いと感じるほどの頭痛。思い出すだけで頭が痛くなりそうです。

今回は、鍼灸師の足立美穂先生に、女性の頭痛やその対処法について教えていただきました。

 

頭痛の原因は2種類。あなたはどちらのタイプ?

頭痛には大きく分けて2つの種類があり、原因がそれぞれ違ってきます。

ひとつずつ先生に解説していただきましょう。

 

①片頭痛

リラックスしている時や、休日に出やすいのが「片頭痛」です。

片頭痛は、脳の血管が拡張することによって痛みが出ます。

また、更年期になって起こりやすくなるのも片頭痛です。

閉経前になりますと、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少します。

ホルモンバランスが崩れる事で、更年期の頭痛が起こりやすくなります。

一方、不妊治療をされて逆にホルモンを補充されておられる方も片頭痛を伴いやすいです。

頭痛がひどく、つらい場合は主治医の先生とよく相談して下さい。

 

②緊張型頭痛

パソコンやスマホの見過ぎなど、首肩周囲の筋肉の緊張によって起こるのは「緊張型頭痛」です。

これは筋肉の凝りによって血流が悪化し、筋肉内に老廃物が溜まり、それが刺激されて起こります。

まずは、その時の頭痛が、どちらのタイプなのかを見極めることが大切です。

 

今日は絶対頭痛になりたくない!そんな日の予防策は?

大切な予定や休めない仕事などのときに、頭痛の痛みがやってくるととてもつらいでしょう。

そうかと言って、何でもない体調のときに、あらかじめ頭痛薬を飲むには抵抗があります。

普段から、頭痛の起きにくい体調に管理をしておくのがベストですが、

それでも頭痛が起きてしまったら、その場で出来る対処法などを知っておくと心強いですよね。

それぞれの頭痛のタイプにあった方法を、足立先生に教えていただきました。

 

①片頭痛の予防策

「片頭痛」の場合、さらに血管を拡張させるような刺激(唐辛子、アルコール)は控えましょう。

激しい運動や長時間の入浴、サウナも痛みを増悪させます。

【片頭痛の対処法】

「片頭痛」が起きた場合、拡張した血管を収縮させるのに頸部を冷やすのがおすすめです。

 

②緊張型頭痛の予防策

「緊張型頭痛」場合、首や肩の凝りが非常に影響しますので、仕事以外の時間のパソコンやスマホを見る時間を減らす事をおすすめします。

ブルーライトの眼鏡や画面にブルーライトカットのフィルムを貼るのがおすすめです。

【緊張型頭痛の対処法】

緊張型頭痛が出た時は、頸や肩を温めて血流を改善しましょう。

先生のご説明にある頸部(けいぶ)とは、首の周辺を指します。

 

自分の頭痛がどのタイプなのかをしっかりと認識していれば、温めればよいか、冷やすべきなのかの判断をすることができますね。

 

ツボ温灸で頭痛を撃退!あなたに合ったツボとは

慢性的な頭痛には、「ツボ温灸」がおすすめです。

足立先生が考案されたツボ温灸セットに必要なのは、小豆とオーガニックコットン。

作り置きしておけば、家庭でいつでも温灸が簡単にできます。

頭痛に効果的なツボとその位置、さらにツボ温灸セットの作り方も合わせてご紹介します。

 

①片頭痛に効くツボ

「片頭痛」のタイプは、のぼせがひどくなると悪化しますので、頭寒足熱効果のある、三陰交、復溜、関元にツボ温灸をして下さい。

三陰交(さんいんこう):くるぶしの内側の骨から、指幅4本分上で、骨と筋肉の隙間の部分

復溜(ふくりゅう):くるぶしの内側の骨から、指幅3本分上で、アキレス腱との境目

関元(かんげん):ヘソから指幅4本分下の部分

 

②「緊張型頭痛」

「緊張型頭痛」の場合は頸、肩の凝りを緩和させる為に、肩井、肩外兪、心兪、膏肓にツボ温灸をして下さい。頸をマッサージするのは、頭痛を悪化させる場合がありますので控えて下さい。

肩井(けんせい):首の付け根から指幅3本ほど肩先に移動したあたり。肩が凝ったときに自然と手が行き、押すと気持ちのよい部分です。

肩外兪(けんがいゆ):首の付け根の骨から指幅4本分外にあり、肩甲骨の一番上にある外側の角の位置。ここも背中や肩が凝ったとき、押すと気持ちの良い部分です。

心兪(しんゆ):背中の中央、ブラジャーのホックの位置の高さで、背骨と肩甲骨の境目の部分です。

膏肓(こうこう):肩甲骨の内側のちょうど真ん中あたり。

〈ツボ温灸セットの作り方〉

・オーガニックコットンを10cm角にし、袋状に縫う

・乾燥小豆を袋の6分目までいれる

・電子レンジで30秒温め、様子を見ながら10秒ずつ確認しながら温める

・手にのせてじんわりと温かくなる温度が目安

10分程度、該当するツボの上にのせる

 

用意するコットンは発火のおそれがある化学繊維のものではなく、必ずオーガニックコットンにしてください。

繰り返し使えますが、一度使用したものを次に使うときは、半日は開けるようにしましょう。

小豆の替え時は、水分が出切ったのを目安になります。

 

頭が痛い頭痛が起こったあとから飲みたい漢方

漢方は、西洋医学と違って痛みを抑えるというよりは、痛みの起こっている原因に直接アプローチして、不調を解決していきます。

その痛みのタイプを見極め、頭痛の起こりやすい自分自身の体質を治していきましょう。

 

①片頭痛タイプにおすすめの漢方

冷えやのぼせを解消させる組み合わせがよいでしょう。

・亀鹿仙(きろくせん)+冠元顆粒(かんげんかりゅう)

亀鹿仙は体ののぼせを解消する効果があり、そこに血液の滞りを改善する冠元顆粒を合わせたものがおすすめです。

 

②緊張型タイプにおすすめの漢方

血行促進して、血流改善する組み合わせがよいでしょう。

・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)+冠元顆粒(かんげんかりゅう)

女性特有の貧血、冷え性、更年期、生理痛などの症状によい婦宝当帰膠に、血液の滞りを改善する冠元顆粒を合わせたものがおおすすめです。

 

まとめ

頭痛には二つのタイプがあり、その対処法は全く逆の方法であることがわかりました。

まずは自分自身の頭痛の原因を知ることが、とても大切なのですね。

普段から頭痛が起きないような体作りをして、頭痛の原因である血流の悪さや体の凝りなどを改善していきましょう。

ツボ温灸は、自宅で簡単にできるので、その日の疲れを溜めないためにも効果的です。

ぜひやってみましょう。

 

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