「肌の調子が悪い」
「しっかり洗顔をしてもニキビが治らない」
「肌の不調で、老けて見える…」
腸内には非常に多くの細菌がすんでいて、腸内環境は体内のさまざまな箇所に影響を及ぼします。とくに肌荒れに及ぼす影響は非常に大きいです。
肌荒れは見た目や与える印象を大きく左右することもあり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では以下の内容について解説します。
この記事でわかること |
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肌荒れに適切にアプローチをしたい、という方には必読の内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
腸内環境の基礎知識と理想のバランスを解説

腸内には約100兆もの細菌がすんでおり、人体に必要な栄養素を作り出したり、有害物質を排出したりと非常に重要な役割を担っています。
腸内細菌が腸に張り付いている様子が花畑のように見えることから名付けられたのが、腸内細菌の集まりである「腸内フローラ」です。
腸内細菌には、以下の3種類が存在します。
- 善玉菌:悪玉菌の繁殖を防ぎ、腸内環境を保つ細菌
- 悪玉菌:毒性物質、有害物質を作り出す細菌
- 日和見菌:善玉菌・悪玉菌のうち優勢なものと同じ働きをする細菌
それぞれの理想のバランスは2:1:7です。
バランスが乱れると悪玉菌の影響が大きくなり、有害物質が血液を通じて全身に回るようになるため、肌荒れや便秘などの症状が表れます。
善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えることが理想のバランスを保つ上で非常に重要です。理想のバランスを保てるように日常的に「腸活」を行うことを意識しましょう。
腸内環境が乱れると起こる3つの肌荒れと原因を解説

腸内環境が乱れ、腸内に悪玉菌が多くなると、さまざまな不調が起こります。有毒物質が発生し、血液を通して全身に運ばれるためです。
なかでも、肌にはさまざまな不調が表れます。「スキンケアはしっかりやっているのに肌の調子が悪い」という方は、腸内環境が原因かもしれません。
そこで、こちらでは腸内環境が乱れると起こる肌荒れと、原因を解説します。
- 肌の老化・シミ
- ニキビ
- 乾燥
それぞれ詳しく確認していきましょう。
2-1. 肌の老化・シミ
腸内環境が乱れると便秘が起こるため、体内に有害物質が溜まって新陳代謝が下がり、栄養が体全体に行き届かなくなったり、血行が悪くなったりしてしまいます。その結果、肌のターンオーバーが乱れます。
本来は28日周期で生まれ変わる肌細胞が正常に入れ替わらなくなるため、古い角質が残り、ごわごわしたり、くすんだりと、肌の老化が加速してしまうでしょう。
さらに、ターンオーバーが滞ることで、シミの原因となるメラニンの排出がスムーズに行われず、シミが定着しやすくなります。
「なんとなく肌にハリがない」「表情全体が暗くなった」という方は、腸内環境の乱れからくる肌の老化が原因かもしれません。
2-2. ニキビ
腸内環境が乱れると、本来は排出されるべき老廃物や有害な細菌が血液中に流れ出してしまい、それにより体内の炎症を引き起こす物質が増加します。
全身のさまざまな不調を引き起こす原因となり、ニキビが新しくできたり悪化したりすることにもつながります。
また、腸内環境が乱れることでバリア機能が低下するため、体内の免疫反応が過剰に働き、肌の炎症が起こりやすくなることもニキビが悪化する原因です。
腸内環境の乱れによってできたニキビは、あごや口周りにできやすいため、口元の肌荒れが気になる方は腸内環境の乱れを疑うとよいでしょう。
とくに、ストレスが原因の腸内環境の乱れはニキビに深い関連があることがわかっています。
ストレスを溜め込まないよう、適度に発散することを心がけましょう。
参考: | https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3038963/ |
2-3. 乾燥
体内の水分が不足すると、腸管粘液層と呼ばれる腸内を保護する分泌液と、腸内環境を整える働きを持つ短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)の産生量が減少します。
その結果肌のバリア機能が低下し、内側の水分が保たれなくなったり、刺激を受けやすくなったりして、乾燥につながります。
また、皮脂の分泌量も減少するため、肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぐ膜が薄くなってしまうことも乾燥を招く原因です。さらに、腸が産生するビタミンB群の量が減ってしまうことも重大な影響です。
ビタミンB群は肌の水分量を保持したり、ターンオーバーをサポートしたりする重要な役割を担っているため、不足すると肌の乾燥が進み粉を吹いたような状態になってしまう可能性があります。
乾燥肌はかゆみや痛みにもつながるため、腸内環境を整えて健康な肌を保つようにしましょう。
腸内環境を整えて肌荒れを治すのにおすすめの食べ物

「肌荒れを治したい」「腸内環境を整えるにはどうしたらいいか知りたい」という方は、毎日の食事を見直してみましょう。
こちらでは、腸内環境を整えて肌荒れを治すためにおすすめの食べ物を紹介します。
- 食物繊維が豊富な食べ物
- ビタミンが豊富な食べ物
- 発酵食品
以下のような食品を多く含む食事は、ニキビの発生や悪化につながるとされています。
- 高カロリー
- 高GI
- 高脂肪
こちらで紹介する食品を取り入れることで理想の腸内環境に近づくので、ぜひ参考にしてください。
また、水分を意識的に摂るようにすることも重要です。腸の機能を保つだけではなく、便を柔らかくして排便をスムーズにすることが期待できます。毎日1.5L〜2L程度の水分摂取を心がけましょう。
3-1. 食物繊維が豊富な食べ物
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。
水溶性食物繊維は善玉菌の餌となり、小腸において栄養素吸収の速度を緩やかにする働きをしています。
一方で、不溶性食物繊維は大腸で便の量やカサを増やしたり、ぜん動運動(ぜんどううんどう:腸が波のように収縮すること)を促したりして排便をスムーズにする働きを担う栄養素です。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物としては以下が代表的です。
- 海藻類(昆布、わかめ、もずくなど)
- オクラ
- 里芋
- ごぼう
- 柑橘類
不溶性食物繊維を多く含む食べ物としては以下が挙げられます。
- 玄米
- そば
- トウモロコシ
- キャベツ
- サツマイモ
- こんにゃく
- きのこ類
また、両方の食物繊維をバランスよく含む食べ物としては、以下が代表的です。
- アボカド
- バナナ
- キウイ
- 納豆
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を2:1のバランスで、合計20g以上摂取することで腸内環境を維持するために必要な栄養素を確保できます。
3-2. ビタミンが豊富な食べ物
ビタミンAからビタミンEまでバランスよく摂取しましょう。それぞれのビタミンの働きと、多く含む食べ物は以下のとおりです。

ビタミン名 | 働き | 代表的な食べ物 |
ビタミンA | 腸のバリア機能を保持して、腸内環境を整える |
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ビタミンB群 | 善玉菌の増殖をサポートする、短鎖脂肪酸の産生を促す |
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ビタミンC | 悪玉菌の繁殖を抑える |
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ビタミンD | 腸内フローラの多様性維持 |
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ビタミンE | 腸管粘膜の保護 |
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腸はビタミンを産生しますが、食品から摂取することも非常に重要です。食品からビタミンを摂取することで腸内環境が整うと産生できるビタミン量も増えるため、体全体に良い影響を及ぼします。
ビタミンをバランスよく摂取し、腸内環境を整えることで肌荒れの原因となる便秘などを防げるでしょう。
3-3. 発酵食品
以下の食品に代表される発酵食品は、善玉菌を多く含みます。
- ヨーグルト
- チーズ
- キムチ
最近の研究では、1日2回、2週間にわたってヨーグルトを摂取した被験者は、摂取前後で肌の乾燥が有意に改善したという結果が得られた実験データもあります。
参考: | LB81 乳酸菌を使用したヨーグルトの皮膚機能改善効果に関する検証 |
とくに、発酵酵素は善玉菌を効率よく増やせるため、肌荒れ改善に効果的です。乾燥を防止できるため肌がツヤツヤに見えるようになり、実年齢よりも若く見えるようになるでしょう。
内側から輝くような肌を手に入れられ、年齢を重ねてもいきいきと過ごせるようになるため、非常におすすめです。
食事で発酵食品を十分に摂ることが難しい、という場合は、サプリメントを飲むことも検討しましょう。
手軽に取り入れられますし、継続も簡単なので腸内環境を整えるためには非常に効果的です。
腸内環境を整えて肌荒れを改善する方法3選

「食事以外で腸内環境を整えるためにできることはある?」と気になる方のために、こちらでは食事以外の腸内環境を整える方法について解説します。
- ストレスを発散する
- 適度な運動習慣をつける
- 十分な睡眠をとる
「腸活」は毎日の積み重ねが非常に重要です。日々の行動において少しずつ意識することで、理想の腸内環境が整っていきます。
すぐに実践できることばかりなので、できるものから取り入れてみていってくださいね。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
4-1. ストレスを発散する
ストレスは自律神経のバランスを乱し、腸内環境を悪化させます。腸内環境の乱れは便秘の原因となり、肌荒れを引き起こすため、普段からストレス発散を意識しましょう。
京都大学などの研究チームが行った、339名の母親を対象にした実験では、育児ストレスが高い母親は腸内細菌の多様性が低く、腸内環境が悪い傾向にあることがわかりました。
参考: | 腸内細菌叢が母親の育児ストレスや心身のレジリエンスに関連する |
リラクゼーションや趣味の時間を意識的に持つなど、ストレスを溜め込まずに適度に解消できるよう工夫してみてくださいね。
4-2. 適度な運動習慣をつける
適度な運動は、腸のぜん動運動を促進し、便通を良好に保ちます。運動量を増加させると、腸内環境維持に有益な微生物の数を増やす可能性があるということを示唆する実験もあります。
参考: | https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5357536/#:~:text=Effects%20pmc,improve%20the%20development%20of |
日常的な運動はストレス発散、睡眠の質を上げることにも効果的です。運動習慣がない方はウォーキングや筋トレなど、軽い運動から無理のない範囲で徐々に取り入れるようにしましょう。
4-3. 十分な睡眠をとる
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こすため、腸内環境を悪化させます。
北海道大学の研究チームによる実験では、睡眠時間が短いほど便中の特定成分(αディフェンシン)の分泌量が減少していることがわかりました。
αディフェンシンが減少するほど腸内フローラのバランスが崩れ、善玉菌が減少するため、腸内環境が悪化したそうです。
参考: | https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19490976.2023.2190306 |
https://dm-net.co.jp/calendar/2023/037470.php |
最低でも6時間の睡眠を確保し、睡眠の質にも気を配ることで腸内環境を整えやすくなるでしょう。寝る前のスマホを控えたり、お風呂に入る時間を工夫したりと、できることから睡眠の質を高める工夫をしてみてくださいね。
腸内環境が原因の肌荒れには発酵酵素が効果的
腸内環境が乱れると、肌の老化・シミやニキビ、乾燥などの肌トラブルが発生する可能性が高まります。
肌に潤いやハリがなくなったり、ニキビなどの肌荒れが起きたりすると気分が落ち込み、毎日がいきいきと過ごせなくなってしまいますよね。
そこで、腸内環境の改善におすすめしたいのが「発酵酵素」です。
発酵酵素には乳酸菌をはじめとした善玉菌が豊富に含まれています。また、他の食品と比べても吸収力や栄養価が高いので、効率的に善玉菌を増やせることも魅力です。
善玉菌を増やすことは、腸内環境を整えるために非常に有効なので、積極的に摂取するようにしましょう。
また、肌荒れなど女性特有の悩みには、不調を引き起こす原因にアプローチして健康バランスを整えていく東洋医学の考え方が相性抜群です。
なかなか肌荒れが治らない、という方は東洋医学の考え方をベースにした漢方やサプリメントなどの活用を検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
腸内環境の乱れは、ニキビや乾燥など、さまざまな肌荒れの原因になります。理想の腸内環境を保つには、バランスのよい食事や適切な生活習慣を維持することが非常に重要です。
「なかなか肌荒れが治らない」という方は、一度ご自身の生活を見直してみてくださいね。
肌トラブルは日々の生活の積み重ねによって改善されていきますが、十分に意識するには忙しいという方も多いでしょう。発酵酵素の摂取は、善玉菌を効率的に増やすことができ、忙しい日々の中でも健康的に腸内環境を整えることが可能です。
「若々しくいたい」「肌を美しく保っていたい」という方は、ぜひ検討してみてくださいね。