年齢とともに体力が落ち、疲れやすくなったと感じてはいませんか?
若い時と同じように動いていても、思うように体が動かない、途中で休憩しないと体力が持たないなど、無理がきかないことを実感している方も多いと思います。
十分な休息はとても大切ですが、そんな時こそ体を動かすことが疲労回復に繋がることもあります。
もちろん激しい運動ではありません。
日頃から疲れやすい体に、有効な簡単エクササイズがあるのです。
体の疲れだけでなく、精神的なストレスまで解放できるエクササイズをヨガセラピストの三浦香織先生に、教えていただきました。
疲れて動けない…そんな時こそに体を動かすべき!
疲労して動きが悪くなった筋肉、また逆に動かないことで凝り固まっている筋肉にも、疲労物質は残りやすく溜まっています。
それにより、むくみ、凝りや張りとなります。
これらは、血流の悪さが原因です。
血流を促すために、積極的に活動しながら心身のリフレッシュを図る疲労回復法があります。
それが、アクティブレスト(=積極的休養)といわれるものです。
身体を動かすことで、血液循環を促し、筋肉中に溜まった疲労物質を排出することで、動かないでいるよりも早く、疲労を回復させていきます。
積極的に動かすというのは、激しい運動ではなく運動後のクールダウンやマッサージ、入浴、ストレッチ等も含まれており、全てアクティブレストになります。
2倍の疲労回復効果?アクティブレストが効果的な理由
アクティブレストの狙いは、全身の血行を良くすること、そして筋肉のケアにあります。
軽めに体を動かすことで呼吸、循環器系を活性化し回復を早めると言われています。
同時に新陳代謝を促すことでリフレッシュでき、心身ともに効果的な疲労回復法となるのです。
じっとしている時は血行も悪く、滞り、凝りや冷えといった体の不調とともに、「だるさ」という気分の低下もみられます。
しかし、長距離を走った後や、エアロビクス等の有酸素運動後には、急に止まると心臓に負担がかかるため、徐々にペースを落とし呼吸を整え、クールダウンを行います。
また、筋肉痛などの時じっとしていると回復が遅く、いつまでも痛みが残ることがありますが、逆に適度にその部位を軽く使うような動きをすることで、回復が早まるのを経験したことがある方も少なくないと思います。
もともと、アスリートが早期に疲労を回復することを目的にされた方法であり、動かないで横になるような休息よりも、2倍近く短時間で疲労回復しているという結果も報告されているのです。
アクティブレストは、息が上がらない程度の軽めの運動で、呼吸循環器系を刺激します。
動かすことで筋肉を刺激し、そのポンプ作用により血流を促しながら心臓に血液が戻るのを手助けします。
それにより、老廃物を排出しやすくなり、全身の疲労を回復させることに繋がるのです。
また、不足したセロトニンを分泌させ、自律神経のバランスを整えることから、精神的な疲労回復にも役立ちます。
寝たままカンタン!体全身のだるさに効くエクササイズ
体のだるさに効果的なエクササイズをご紹介します。
疲れている時は、無理に何かをやるというモードにはなりにくく、無理にやろうとするとそれ自体がストレスになることがあります。
ですので、気軽に、ながら運動的に、取り入れられるものをお勧めします。
ぐっすり眠れると良いですが、体ががちがちですと、呼吸も浅く、リラックスが出来ずに寝つきも悪くなり、疲労が抜けにくいのです。
まずは、軽くストレッチやマッサージを取り入れてみましょう。
寝ながらストレッチエクササイズ
背伸びなど、軽く動いて血流を良くします。
寝ながらできるので、ゴロゴロしながらやってみましょう。
① 寝たまま伸びをしましょう。~3回程度
② 膝を立て、ツイストしてみましょう 片側5~10呼吸程度
③ ハムストリング(太ももの裏)のストレッチ:
膝を立て仰向けの体勢から、片足を上げ両手でつかみ足裏を天井に向けます。30秒前後
④膝を抱え、丸くなりましょう。前後左右ににゴロゴロし腰を緩めます。
⑤横向きに寝ころび、上になったほうの腕を大きくゆっくり回しましょう。肩甲骨を意識して。
⑥とにかく好きなように体を脱力させ、ゴロゴロダラダラ動いてみましょう。(あくびが出るくらい緩める感じで)
出来る範囲で、チョイスして行ってみましょう。
おすすめは、一番お手軽「ゴキブリポーズ」
全身の筋肉の緊張がほぐれるため、血液が末端まで流れ、血流が一気によくなります。
血行が良くなるため疲労回復におすすめです。個人差はありますが、冷え予防、腰痛、ひざ痛、ダイエット、むくみ、などに対して効果が分かりやすいエクササイズです。
・仰向けで寝ころびます。
・両手両足を天井の方に挙げて、ブラブラ振るだけです。
手首、足首だけでなく、腕・足全体、付け根からブラブラ小刻みに動かして、無理のない範囲で、30秒~1分程度続けてみましょう。
心臓に血液が流れるようなイメージで。
・終了後は、ゆったり余韻を味わってリラックスしてみましょう。
※顎が上がってしまい、首肩が辛い時は、タオルなどを首の下に引いて枕にし、負担がかからないように行ってください。
ある程度ほぐれ、緩んだ後に仰向けで呼吸を深めてみましょう。
大自然の中で大の字になったイメージで、腹式呼吸を繰り返しましょう。(吐く方を長く、意識して行います。)全身脱力し余韻を味わい、リラックスしましょう。
まとめ
疲れたままの体で、ただ休んでいるよりも、緩やかなストレッチやエクササイズをしたほうが、滞ったリンパ液の流れを促進し、疲労の元を排出しやすくするために、疲れが取れやすいことが分かりました。
三浦先生が教えてくださった疲れやすい体に効くエクササイズは、どれも自宅のベッドの上で簡単にできる方法ばかりですね。
今日からでもすぐに始められるので、とても手軽で効果が期待できそうです。