更年期における理由のわからないイライラや不安感は、自分でもコントロールできずに戸惑っている方も多いと思います。
ずっとイライラしていては、自分だけでなく周りも疲れるもの。
今日は更年期のイライラ対策についてご紹介します。
感情が不安定、自分でもコントロールできない更年期
職場で、「若い新入社員に当たり散らす」「部下にパワハラまがいの暴言をぶつける」などいつもピリピリ、感情が不安定な更年期の女性に、周囲が腫れものに触るように接しているという話を聞くこともあります。
心療内科の医師によると、特に独身の方で、趣味やスポーツなどプライベートで人と交流する機会が少なく、居場所が職場という方は、更年期のイライラや不安感が増す傾向にあるとのこと。
また、家庭で過ごす時間が長い主婦の場合は、「誰も自分を評価してくれない」「褒めてくれない」など、夫も子どももいるのに家庭の中で孤独感を味わっている人も多く、それが更年期のメンタルに大きく影響するそうです。
毎日の家事などに、家族から「ありがとう」のひとことがあると違うようですが…。
更年期のイライラ対策に幸せホルモンを増やそう
更年期のイライラや不安解消の鍵を握るのが、2種類の幸せホルモン、「セロトニン」と「オキシトシン」です。
「朝日を浴びる」「適度な運動」がセロトニンを増やす
セロトニンの分泌を促すのに大切なのは、朝、起床後に太陽の光を浴びること。
寝室のカーテンは、朝の訪れを太陽の光によって感じられるようなものが理想的ですが、遮光カーテンであれば、目が覚めた時にカーテンをあけて太陽の光を浴びるようにしましょう。
また、セロトニンは、軽い運動によっても分泌されるので、心療内科の医師のおすすめは、ウォーキングや踏み台昇降など一定のリズムを刻む単純な運動。
太陽の光を浴びながら軽くウォーキングをするのも気持ちよさそうですね。
オキシトシン分泌の鍵は、「愛情」「母性」
もう1つの幸せホルモン「オキシトシン」は、またの名を「愛情ホルモン」と呼ばれています。
オキシトシンは、“母性”と深い関係のあるホルモン。
何かに愛情を注ぎ、誰かの役に立っていると実感できる状況にあると、分泌がうながされるそうです。
愛情を注ぐ相手は、家族、恋人(脳内恋愛もあり!?)、ペット、植物でもOK。
人やペットとのスキンシップ、人のために何かをする、人を思いやる、親切にするなどの行動もオキシトシン分泌によいとされています。
先生の患者さんでも、ペットを飼い始めた方が、急に表情が優しくなった方がいたそうですが、オキシトシンは、特に犬との関係において分泌がうながされるという調査結果があります。
(参考:https://www.azabu-u.ac.jp/topics/pdf/150417_press.pdf)
毎朝、朝日を浴びながらの犬の散歩は、「朝日」「ペット」「運動」全て一度にできてしまう理想的な習慣かもしれませんね。
動物ではなくても、庭やプランターで、植物を育てるのもおすすめです。
「私がお水をあげないと枯れてしまう」という“守らなくては”という気持ちも持つことも母性につながるそう。
イギリスでは、ガーデニングを「Self-Rewarding(自分への報酬)」という人もいます。
「芽が出る」「花が咲く」は、まさに自分へのご褒美。
朝の水やりの際、太陽の光を浴びることで、「セロトニン」の分泌にもいいですね。
ペットにしても、植物にしても、自分のやるべきことがあると生活にハリが出てくるもの。
先生の患者さんで、うつ病を発症し、昼夜逆転の生活で長く引きこもり状態だった方が、何かのきっかけで犬を飼うことになった方がいました。
愛犬の世話をするために、毎朝決まった時間に起きて散歩に連れていくようになったら、処方していた薬は全く変更していないのに、みるみる元気になっていった方がいたそうです。
まとめ
幸せホルモンの分泌に欠かせないのは、ぬくもりや肌の触れ合い。
先生は、「できれば愛する人とのハグをおすすめしています」とのことでした。
お読みいただいたように幸せホルモンは、ちょっとした生活習慣を変えるだけで自ら増やすことができます。
イライラや不安感、感情の不安定さを軽減して、自分もハッピーに。そして周囲の人にもハッピーをふりまきましょう。