「カリウムってどんな効果があるの?」
「カリウムはむくみに効果があると聞いたけれど、本当だろうか?」
あなたは今、カリウムにどんな効果があるのか疑問に思っていませんか?
結論から申し上げると、カリウムには以下2つの働きにより、4つの効果が期待できます。
このように、カリウムは私たちの健康にとって、大きな役割を果たしてくれます。
しかし、カリウムを大量に摂取すればいいかというとそうではありません。
カリウムには摂取する人の年齢や性別により、きちんとした適正量があるからです。
この量を守らず、カリウムを過剰摂取したり不足したりすると、深刻な体調不良を引き起こしてしまうリスクがあります。
そこで今回の記事では、カリウムがもたらしてくれる効果を詳しく解説すると同時に、カリウムの摂取目安量についても説明していきますので、ご自身の場合はどれぐらいを目安にすればいいのかを、ぜひチェックしてみて下さいね。
あわせて、カリウムの過剰摂取やカリウム不足により、どのような体調不良が起こるのかについても、詳しく説明していきます。
この記事をお読みいただければ、カリウムの効果について正しい知識を身に付けることができ、効果を実感できる適正量も知ることができます。
ぜひ最後まで記事をお読みいただき、正しいカリウム生活を始めてみましょう!
カリウムに期待できる4つの効果
冒頭でもお伝えしたように、カリウムは次のような働きをすることで、4つの効果をもたらしてくれます。
体内のナトリウムを排出することで、「むくみの解消」「高血圧の予防」「脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げる」効果が期待できます。
また、筋肉を正常に収縮させることでスムーズな体の動きをサポートしてくれます。
早速詳しく見ていきましょう。
1-1.むくみを解消する
カリウムは、体のむくみを解消してくれます。
なぜならカリウムには、むくみの原因の一つであるナトリウム(塩分)を、体外へ排出する働きがあるからです。
そもそもむくみとは、体内を巡る水分のバランスが崩れ、細胞と細胞の間の水分が増えて皮下にたまってしまうことで起こります。
ナトリウムは水分を溜めこむ性質を持っているため、体内に多くのナトリウムを抱え込んでいると、水分が体に溜まりやすくなってしまい、結果的にむくみが生じてしまうのです。
こうしたむくみを避けるためには、一度体内に溜まってしまった塩分をどんどん体の外に排出する必要があります。
そこで役立つのがカリウムです。
カリウムは、汗や尿として排出される際、ナトリウム(塩分)の排出も同時に促す役割があります。
そのため、カリウムをきちんと摂取することで体内のナトリウム量が減り、体のむくみも解消されていきます。
1-2.高血圧を予防する
カリウムは高血圧を予防するのに役立ちます。
理由は、高血圧を引き起こす原因であるナトリウム(塩分)をカリウムが排出してくれるからです。
そもそもなぜナトリウムが多いと、高血圧になりやすいのでしょうか?
国立研究開発法人 国立循環器病研究センターでは、以下のように説明しています。
血液中のナトリウム濃度が高くなると、人は喉の渇きを感じて、水分を摂りがちになります。
水分を多く摂ることは、血管に流れる血液量を増やすことになり、血液量が増えると血管の内側を強い力で圧迫するようになるため、血圧が上がってしまう(=高血圧になる)のです。
結果として、ナトリウムを多く摂ることは、高血圧を引き起こすことにつながります。
1-3.脳卒中や心筋梗塞のリスクが下がる
カリウムには、脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げる効果もあります。
「1-2.高血圧を予防する」で、高血圧が起こる仕組みをご紹介しましたが、高血圧が続くと血管はどんどん厚くなり、硬化していきます。
すると血流の流れが悪くなり、ひどく悪化した結果、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすことになります。
ハーバード公衆衛生大学院・Yuan Ma氏らの研究によると、1日のナトリウム排出量が1000mg増えると心血管リスクは18%増え、逆に1日のカリウム排出量が1000mg増えると、心血管リスクは18%低くなると述べています。
つまり、ナトリウム摂取量が増加し、反対にカリウム摂取量が低下することは、心血管リスクを高めることにつながると指摘しているのです。
こうした恐ろしい病気を避けるためには、病気の一原因である高血圧にならないよう注意する必要があります。
そして、高血圧を防ぐためのもっとも大きな対策の1つが、体内の塩分量を減らすことなのです。
この点でいうと、カリウムは体内の塩分量(ナトリウム)を体外に押し出してくれる役割を持ちます。
そのため、カリウムをきちんと摂取し、多く摂りすぎてしまった塩分(ナトリウム)を体外へ排出することは、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気を予防することにつながっていきます。
1-4.筋肉の収縮をスムーズに行う
筋肉の正常な収縮を保つ際も、カリウムが活躍します。
カリウムは筋肉の収縮に関わっていて、カリウムをきちんと摂取することは、筋肉のスムーズな収縮を助けることにつながります。
さらに、カリウムは神経に体の情報を伝達するための働きを良くしてくれます。
このように考えると、私たちが毎日健やかに過ごすためには、カリウムは決して欠かすことのできない要素であることがお分かりいただけるでしょう。
カリウムの効果を充分に感じるための摂取目安量とは
カリウムには4つの効果があることがわかりましたが、十分な効果を感じるためには、毎日きちんとした摂取目安量を守る必要があります。
前述したように、カリウムの1日の摂取目安量は、年齢・性別によってそれぞれ異なるため、ご自身の場合は一体どれぐらいのカリウムが必要なのかを、あらかじめ正確に知っておくことが大切です。
そこでこの章では、年齢・性別に応じたカリウムの1日分の摂取目安量を見ていくことにしましょう。
さらに、高血圧などの生活習慣病を防ぐためには、摂取目安量よりもさらに多くのカリウムの摂取が必要になりますが、一体どれぐらいのカリウム量がお勧めなのかについても、合わせて見ていくことにしましょう。
2-1.年齢・性別によって1400㎎~3000mgを摂るべし
さっそくカリウムの1日の摂取目安量を見てみましょう。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、カリウムの食事摂取基準として以下の数値を定めています。
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より抜粋
上図にある「目安量」と「目標量」とは、それぞれ以下のことを指しています。
ここでは「目安量」に着目してみます。
例えば、30歳~49歳の成人男性の場合、カリウムの1日の摂取目安量は2500mgとなっています。
これが同じ年齢範囲の女性のケースを見ると、カリウムの1日の摂取目安量は2000mgとなっていますね。
個人差もありますが、年齢や性別により必要とされるカリウム量は少しずつ異なってきています。
こうした「目安量」に対して、生活習慣病を防ぐための「目標量」は、当然ですがより高い数値を求めています。
それでは私たちは普段の食事で、実際どれぐらいのカリウムが摂れているのでしょうか?
次項で詳しく見ていきましょう。
2-2.【セルフチェック】あなたは食事でどれだけカリウムが摂れている?
カリウムがどれだけ摂れているかを知るためには、それぞれの食品に含まれるカリウム量を合算してみる方法が手っ取り早いでしょう。
例えば、「2-1.年齢・性別によって1400㎎~3000mgを摂るべし」の「カリウムの食事摂取基準」の表を参考にしながら、以下のケースを見てみましょう。
という条件で考えた場合、それぞれのカリウム含有量は以下の通りです。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に表を作成
上記のような朝食メニューだと、1279mgのカリウムが摂れることがわかります。
つまり、生活習慣病などの病気予防のために、毎日2600mg以上のカリウムを摂取したいならば、カリウムを多く含むわかめ・のりなどの藻類や、果物・魚類などをバランスよく食べることで、ほぼクリアできることがわかります。
もう少し詳しく見ていきましょう。
そもそもカリウムは、藻類や果実類、野菜類、穀類、豆類、肉・魚介類など幅広い食品に含まれています。
厚生労働省でも「カリウムは多くの食品に含まれており、通常の食生活で不足になることはない」と指摘している通り、毎日の食事をきちんと取れていれば、カリウム不足に陥ることはほぼありません。
しかしそうはいっても、私たち一人一人の食生活はバラエティーに富んでいるため、一概にすべての人がカリウムの摂取目安量を満たしているとは言えないかもしれません。
そこで、一体どの食品にどれぐらいのカリウムが含まれているのかについて分野ごとにご紹介していきますので、ご自分がきちんと目安量を満たしているのか、一度チェックしてみて下さいね。
このように見ると、普段から3度の食事をきちんと摂っている方は、カリウムが不足することはあまりないかもしれません。
現段階で適切な量を摂取できているようであれば、ぜひそのままの健康的な食生活を継続していきましょう。
しかし、現時点でカリウムを摂りすぎていることが判明した方は、カリウムが原因で起こる体調不良に注意しましょう。
次章で、カリウムの過剰摂取によって起こる病気について解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
カリウムの過剰摂取は「高カリウム血症」を引き起こすので注意
私たちの健康に大きな影響を与えてくれるカリウムですが、カリウムを過剰摂取し続けると、「高カリウム血症」という病気を引き起こしてしまいます。
カリウムを摂りすぎることで、一体どのような症状があらわれるのか、一緒に確認してみましょう。
3-1.高カリウム血症とは
通常、血液中のカリウム濃度は、3.5~5.0mEq/Lが正常値とされていますが、カリウムを過剰摂取したり、カリウムがうまく体外に排出されず体内に残ったりしてしまうと、カリウム濃度の正常値を超えてしまうことになります。
高カリウム血症を引き起こす原因として、カリウムの過剰摂取以外にも以下のような点が挙げられています。
上記のような原因が思い当った場合は、カリウムの摂取量を削減するよう努力したり、食事療法や薬物療法を取り入れたりしながら、症状を改善していく必要があります。
3-2.高カリウム血症の症状
高カリウム血症になると、次のような症状が現われます。
カリウムは、心臓の筋肉(心筋)を始めとした全身の筋肉に働きかけて、その収縮をスムーズにする役割があります。
ところが、このカリウムが増えすぎてしまうと、筋肉の収縮がうまく行われず、四肢の筋力低下が起きます。
さらに、心筋にも影響が出てしまい、結果、動悸や不整脈が起こります。
最悪の場合には、心臓自体が止まってしまう恐れもあり、とても危険です。
このように見ると、カリウムは毎日の食事で手軽に摂れる分、全体の摂取量を上手に調節しないと、自らの命を縮めてしまうことにもつながることがわかります。
もちろん、日々の摂取量以外にも、高カリウム血症になってしまう原因としては、腎機能の低下やカリウムの排出を妨げる薬が関わっているケースもあるため、1つの原因だけを追究するのはナンセンスですが、それでも毎日のカリウム摂取量を意識するだけでも、高カリウム血症の予防になります。
今日からでもぜひ、カリウム摂取について注意してみることをお勧めします。
カリウムを効果的に摂取するには食品とサプリがお勧め
普段の生活の中でカリウムを適切に摂取するには、食品は当然ですが、サプリメントを活用する方法もあります。
但し、食品でもサプリメントでもやみくもに摂取すればいいというわけではなく、それぞれコツを押さえた効果的な摂取方法があるので、注意しましょう。
食品やサプリメントそれぞれの効果的な摂取方法とは、一体どのようなものなのでしょうか?
早速見ていきましょう。
4-1.食品から効果的に摂取する方法
カリウムは水溶性ミネラルのため、茹でたり煮たりすると、水の中に溶け出してしまいます。
そのため、カリウムをきちんと摂取したいのであれば、生野菜や生の果物を食べるようにしましょう。
但しほとんどの食品に含まれているカリウムは、食事量によっては摂取しすぎることもあるかもしれません。
そうなると、カリウムの摂り過ぎによる体調不良が心配になってきますよね。
カリウムを多く摂りすぎないための対策として、料理法の工夫があります。
このように、あなたが1日に食べる食事量を確認しながら、カリウム量が不足していると感じる時はできるだけ生野菜や生の果物を食べるようにし、反対に、カリウム量が増えていると感じる時は、食材を茹でたり水にさらしたりすることで、カリウム量を減らすなどしながら、上手に調節していけるといいでしょう。
4-2.サプリから効果的に摂取する方法
カリウムはサプリメントからも摂取することができます。
サプリメントであれば、きちんと決められた摂取目安量を、手軽に体内に取り入れることができるため、とても便利です。
特に、食品と比べてサプリメントの大きなメリットは、カリウムだけ摂取するのではなく、体調不良にアプローチできる様々な有効成分も配合されている点です。
例えば、「1-1.むくみを解消する」でもカリウムの効果としてむくみ解消を挙げていますが、実はむくみの原因は、カリウムを摂取するだけでは根治出来ないものも含まれている場合があります。
塩分の摂り過ぎ以外にも、女性ホルモンのゆらぎ、冷え、疲れなど様々な原因が絡み合い、むくみを引き起こしているケースも多々あるのです。
そんな時サプリを活用すれば、こうした様々な症状に働きかける複数の成分をバランスよく摂取することができるため、効率がいいと言えるでしょう。
まとめ
今回はカリウムの効果についてご紹介しました。
カリウムには次のような2つの働きがあり、私たちの体に4つの効果をもたらしてくれることがわかりました。
但し、きちんとした効果を得るためには、性別や年齢に適した正しい量のカリウムを摂取する必要があります。
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より抜粋
上記の数値を大幅に超えてカリウムを摂取してしまうと、「高カリウム血症」を引き起こしてしまうので注意が必要です。
そうならないためにも、上記の表を参考にして、ぜひ上手にカリウムを摂取してみて下さいね。
本記事があなたの健康作りに少しでもお役に立てたのなら幸いです。