寒い冬が近づくと、女性にとって気をつけなくてはならないのが「体の冷え」。
冷えた体を放っておくと、さまざまな不調があらわれ、将来的には万病の元になる可能性があります。
冷えを撃退するためには、毎日の食事、運動、体を温めるための生活習慣の3つのバランスがきちんととれていることが大切です。
今回は、この3つの中の食事に着目し、温かい体を作るための秘訣を管理栄養士の宮﨑 奈津季先生にご紹介いただきます。
冬は体の中から温めよう!体を温めるとどんないいことがあるの?
冬場の体は、常に寒さにさらされています。
根本的な冷えを解決するためには、体の中から多くの熱を作り出せる代謝の良さが大切です。
手袋、靴下、カイロなど体を外側から温めるのは、熱を逃さないための工夫なので、あくまで体の中が温かい状態であることが基本となるのです。
代謝の良い体になるためには、体を温める食事の他に、筋肉を動かす運動も大切です。
ウォーキングや階段の昇り降りなど、日常のなかで無理なくできる運動を取り入れましょう。
代謝が上がると血流も促進されて、体の隅々まで温かい血液が行き渡り、手足などの末端の冷えも解消されます。
それと同時に脂肪の燃焼率もアップし、太りにくい体質に変わっていきます。
また、体温が1度上がることで免疫力は5倍以上アップすると言われているので、病原菌に負けない体になるなど、まさに良いこと尽くしといえるでしょう。
私たちの理想的な体温としては、36.5~37度程度です。
平熱が36度を下回っている場合は、代謝機能が低く、自律神経の乱れ、アレルギーなどの症状が現れやすく、女性の場合は婦人科系の病気のリスクも高まりまるので、大変危険です。
体を冷やす食材と温める食材が知りたい!
ここでは代謝アップにつながる食事を作るために、まずは食材の選び方を知っておきたいと思います。
宮﨑先生に具体的な食材と含まれる栄養素について、教えていただきましょう!
体を温める作用のある食材
冬に旬を迎える野菜や土中で育った野菜は、体を温める作用があります。
下記にあげる3つの食材は、宮﨑先生のおすすめです。
しょうが:生のしょうがに含まれている「ジンゲロール」では体の深部を冷やしてしまうことがありますが、乾燥、もしくは加熱すると「ショウガオール」になり、体を温めてくれます。
にんじん:血行を良くするビタミンEや血管の機能を良くするビタミンCが豊富に含まれています。
唐辛子:唐辛子に含まれている「カプサイシン」が体を温めてくれます。
体を冷やす作用のある食材
トマト、レタス、きゅうりなどの夏野菜:「カリウム」が多く含まれており、利尿作用が強く、尿を排泄して体を冷やす働きがあります。
体を温める食材かどうかの見分け方の一つは、旬の時期がいつか、土の中で育つかどうかということですね。
そのほかの方法としては、寒い地方が原産地のものは体を温める作用があり、暑い地方の場合は冷やす傾向にあるようです。
発酵食品は全般的に体を温める作用があるので、たくさん食べるようにしましょう!
調理法で変わる!体を温める調理方法って?
先ほど教えていただいたしょうがのように、調理法によって効果に変化があるのでしょうか?
宮﨑先生:煮る、ゆでる、蒸すなど、生で食べるのではなく加熱調理することをおすすめいたします。
また、水溶性ビタミンは水に溶け出して流れ出てしまうため、スープなど丸ごと栄養素を逃がさない工夫をすることが大切です。
水溶性ビタミンとは、水に溶けやすい性質のあるビタミンです。
ビタミンB1、B2、B6、B12やビタミンC、葉酸などが水溶性の性質を持っており、ブロッコリー、大根、キャベツ、アスパラガスなどに多く含まれています。
水溶性ビタミンは、たくさん摂り過ぎても尿として排泄されてしまうので、過剰摂取の心配はありませんが、煮る、茹でるなどの調理法では、かなりの量の栄養素が失われてしまいます。
スープの他には、炒める、蒸す、レンジで調理をするなどの工夫して、しっかりと栄養分を吸収できるようにしましょう!
冬に最適な体ポカポカレシピ
ここでは、宮﨑先生おすすめの体が温めるメニューを教えていただきます。
かぶの葉にはたくさんのカルシウム、ビタミンC、βカロテンが含まれていて、じつは根の部分より何倍もの高い栄養価があります。
また、先生にご紹介いただいたしょうがと共に、鳥の胸肉は体を温める効果が高いため、薬膳料理にも良く使用される食材です。
自宅に手軽にできるレシピですので、ぜひ作ってみてください。
かぶと鶏肉のしょうがスープ
<材料>2人分
しょうが 1かけ
鶏むね肉 1/2枚(150g)
かぶ(葉を含む) 2株
☆塩 小さじ1/3
☆和風顆粒だし 小さじ1/2
☆水 500cc
塩こしょう 少々
①しょうがはすりおろす。かぶは葉と根に分けて、根は皮をむいてくし切りにする。葉は3cm幅に切る。
②鶏肉は一口大に切る。
③鍋に☆、しょうがを入れて火にかけ、煮立ったら鶏肉を入れてふたをし、5分煮る。
④かぶの根の部分を加え、やわらかくなるまで煮る
⑤かぶの葉を加えてさっと混ぜ、塩こしょうで味をととのえる
まとめ
かぶと鶏肉のしょうがスープは、作り置きも出来て、寒い冬の朝ごはんにもぴったりですね。
ご飯を入れたらお粥にもなるので、保温機能のあるスープジャーがあれば、オフィスや外出先でのランチにも良さそうです。
代謝の良い体作りには、体を温めるための正しい食事管理は欠かせません。
ほんのちょっとの手間をかけることで、毎日少しずつ体は変わってくるので、毎日の温活メニューを楽しみながら作ってみましょう!