免疫力にはビタミンCとビタミンA 風邪を寄せ付けないレシピ 管理栄養士が直伝!

2021. 09. 08
監修:宮崎 奈津季 プロフィールを見る >

管理栄養士、薬膳コーディネーター
大学卒業後、介護食品メーカーで営業を経験し、フリーランスの管理栄養士に。菓子メーカーの営業代行・商品開発、料理動画サービスのレシピ開発等を行う。
2019年1月に合同会社HITOOMOIの立ち上げメンバーとして参画。食・健康にかかわるコンテンツ制作など幅広く活動中。 誰かのための料理、労わる料理、作り手も気負わない料理を大切にしている。

(https://profile.ne.jp/pf/nxtxxkx-mine/)

 

私たちの体は、食べ物から栄養を得て、様々な活動をして、睡眠によって機能が修復されます。

食事にも睡眠にも「質」がとても重要です。

質の良い食事をするためには、体を元気にしてくれる栄養素を摂ることがポイントです。

今回は管理栄養士の宮﨑 奈津季先生に、免疫力を上げる食材とそれらを使った免疫力アップレシピを教えていただきました。

 

寒くなると風邪を引いてしまう原因とは?

冬になると風邪薬のCMが増えるように、風邪を引くことがとても多くなる季節です。

その原因のほとんどはウイルス感染です。

冬になると、気温が下がり、ウイルスの活動が活発になります。

さらに私たちの体も、喉や鼻などの粘膜が乾燥し、ウイルスが侵入しやすい状態になることから、冬に風邪を引くことが多くなります。

また、人間の体は生まれながら持っている「抵抗力」と、成長の過程で備わっていく「免疫力」という2つの力で守られています。

私たちの生活環境には、200種類ものウイルスが存在すると言われている中で、その侵入を防いだり、侵入したウイルスを撃退したりと、免疫力は日夜、私たちの体を守るために戦っているのです。

しかし免疫力は年齢と共に低下し、冷え、ストレス、不規則な生活によっても低くなることがわかっています。

 

風邪から体を守る「免疫力」

では具体的に免疫力とは一体どんなものなのでしょうか?

免疫力とは白血球の免疫細胞のはたらきを意味します。

血流に乗って白血球が全身を巡ることで、体の異変や異物から守ってくれる役割をしています。

免疫力が正常に作用できる体温は、36.5度前後です。

体温が1度上がるごとに免疫力はさらに5倍以上もパワーアップし、反対に1度体温が下がると3割もダウンしてしまうと言われています。

このことから、日常的に体を温めることが免疫力アップにはとても大切な条件であることがわかります。

 

風邪を予防!免疫力アップメニュー

それでは、具体的に「免疫力」を高める効果があるレシピを、管理栄養士の宮﨑先生に教えていただきましょう。

まずは寒い時期に風邪を寄せ付けない栄養素には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

免疫力にはビタミンCとビタミンA

免疫力アップのための栄養素として、ビタミンCビタミンAがあげられます。

どちらの栄養素もウイルスへの抵抗力をあげ、免疫力を高める栄養素の代表格です。

まずはビタミンCですが、免疫力の主体である白血球の働きをサポートします。

ビタミンCはゆずなどの柑橘系の果物に多く含まれています。

ビタミンAは、のどや鼻などの粘膜を保護して、ウイルスを体に取り込むのを防ぎます。

パプリカにはビタミンC、ビタミンAが共に多く含まれており、特に赤色のパプリカにはビタミンAが豊富に含まれているのでおすすめです。

ビタミンCとビタミンAがしっかり摂れる、赤パプリカとゆずを使った手軽に作れる一品をご紹介いたします。

 

ゆずの鶏団子丼

(材料)2人分

・白米 360g
・サニーレタス 3枚
・赤パプリカ 1/2個
・サラダ油 小さじ1
・温泉卵 2個
・☆鶏ひき肉 200g
・☆玉ねぎ 1/4個
・☆ゆずの皮 1/4個
・☆おろししょうが 小さじ1/2
・☆酒 小さじ1
・☆塩こしょう 少々
・☆片栗粉 小さじ1
・★砂糖 小さじ1
・★しょうゆ 大さじ1
・★ゆずの絞り汁 1/4個

 

1.サニーレタスは食べやすい大きさに手でちぎる。
玉ねぎはみじん切りにする。
パプリカは食べやすい大きさに切る。
ゆずは手で絞り、残った皮をすりおろす

2.ボウルに☆の材料を入れてよく混ぜ、8等分にし、丸く成形する

3.フライパンにサラダ油を入れて熱し、2を並べて両面に焼き色がつくまで中火で焼く

4.パプリカ、を加えてふたをし、中火で2分蒸し焼きにする

5.器にご飯、サニーレタス、4.、温玉を盛る

 

ゆずは果肉に比べて、皮の部分に4倍ものビタミンCが多く含まれています。

またゆずに含まれる「リモネン」という成分は、体の血流を促進する効果もあるので、冷えの改善にも役立ちます。

冬至の日のお風呂にゆずを入れるのは、一年を通して風邪をひきにくい体を作る目的があるのですね。

 

ゾクっとしたら食べたい、引きはじめの風邪撃退メニュー

風邪はひどくなる前にしっかり治すことが一番です。

風邪の引きはじめに摂った方が良い栄養素は、どのようなものを意識して摂るようにしたらよいのでしょうか。

 

体力作りにはたんぱく質

風邪に負けない基礎体力をつけるためには、必要不可欠な栄養素はたんぱく質です。

たんぱく質を摂取することで、風邪への抵抗力を高めることができます。

その大前提として、栄養バランスが整っている食事を摂ること、無理に体を動かさず睡眠を十分に取ることが基本です。

ウイルスの活動を抑えるためには、部屋を暖かくして湿度を保つことも重要です。

食事の面においても同様で、体が温まるようなおかゆやうどんがおすすめです。

良質なたんぱく質を摂るために、肉、魚、卵、大豆製品を意識するのが良いでしょう。

その他のおすすめ食材には、生姜ネギがあります。

生姜には、発汗・解熱作用があるといわれており、風邪の引きはじめにおすすめです。

ネギには、硫化アリルと呼ばれる成分が含まれており、これは血行を促進させ、発汗を促す働きがあります。

これらの食材は体温をあげて、免疫力をアップさせることで、風邪を初期症状の段階にとどめ、ひどくなる前にしっかりと回復することをサポートします。

風邪の引きはじめにおすすめなレシピはこちらです。

 

豚バラのねぎ塩かきたまうどん

(材料)1人分

・豚バラ薄切り肉 120g
・ねぎ 1本
・卵 1個
・うどん 1玉
・水溶き片栗粉 大さじ1(片栗粉小さじ1+水小さじ2)
・☆おろししょうが 小さじ1
・☆練り中華だし 小さじ1
・☆塩 小さじ1/2
・☆ごま油 大さじ1
・☆水 400cc

 

1.豚バラ肉は一口大に切る

2.ねぎは斜め薄切りにする

3.卵はボウルに入れて溶きほぐす

4.鍋に☆をすべて入れて煮立たせ、うどん、豚肉を入れて肉の色が変わるまで煮る

5.ねぎ、卵を加えて混ぜる。水溶き片栗粉を入れてとろみをつける

 

まとめ

寒い冬を元気に乗り越えるには、免疫力が低下しないよう注意が必要だという事がわかりました。

そのために、体を温める効果のある食材は、免疫力アップのためには毎日の食事でも取り入れたいものですね。

宮﨑先生に教えていただいたレシピを、さらに自分流にアレンジし、飽きのこない免疫力アップメニューを続けてみてはいかがでしょうか。

 

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