「テアニンはサプリメントで摂れるって聞いたけど、種類が多くて選べない。どのサプリでも同じ?」
「テアニンのサプリメントってどうなの?効果ある?」
こんな悩みをお持ちではないでしょうか。
「テアニン」は緑茶に多く含まれる成分で、心身をリラックスさせ、落ち着いた気分にする働きや、睡眠をサポートする作用が知られています。
ただ、効果を実感するには一定量(約200mg)の摂取が必要で、それを緑茶だけから摂るのは難しい(※)ため、吸収の良いサプリメントでの摂取がおすすめです。
(※)一般的な緑茶一杯に含まれるテアニンは10mg程度
といっても、「テアニン」サプリメントならどれでも良いかというとそうではありません。
この記事では、「テアニン」サプリメントについて気になっている方に以下の内容を詳しく解説します。
お悩みのタイプ別におすすめの配合成分も紹介しますので、あなたと相性の良いサプリメントが選べるようになります。
テアニンは副作用の心配がない安全性の高い成分ですが、サプリメント選びを誤ると効果が得られないばかりか、体調を崩す可能性も皆無ではありません。
記事後半では「サプリメントを選ぶときの注意点」を解説しますので、ぜひ最後まで目を通して頂けたらと思います。
まずは、「テアニン」サプリメントの選び方のポイントから、しっかり理解していきましょう。
目次
失敗しない「テアニン」サプリメントの選び方|3つのポイント
最初に覚えておいて欲しい、失敗しない『テアニン』サプリメントの選び方を解説します。
よく読んで、ポイントを押さえておいてください。
1-1.「テアニン」が200mg以上配合されているサプリメントを選ぶ
気をつけて頂きたいのが、目安量としてテアニンが200mg以上摂れるかどうかを確認することです。
これまでの研究で、テアニンは200mgの摂取で効果があらわれることが明らかになっています。
たとえば、閉経後の健康な中高年女性20名を対象にした研究で、テアニン200mg含有の食品を6日間、就寝前に摂取し、起床時の疲労感に関する項目が良好であるとの傾向が認められています。
1日の摂取目安量でテアニンの含有量が200mgになっているか?を、しっかりチェックしましょう。
ちなみに、摂取量や注意点など必要な情報が記載されていないサプリメントは、信頼性の高い商品とはいえません。
テアニンの200mg以上の配合が明記されているサプリメントを選びましょう。
1-2.複合成分配合の「テアニン」サプリメントを選ぶ
ポイントの3つ目は、テアニンの単一処方ではなく、複合成分配合の商品を選ぶことです。
複合成分配合サプリメントには、様々な原因にアプローチする複数の成分が含まれているため、多岐に渡る症状の改善が期待できます。
「テアニン」サプリメント摂取をお考え方の多くは、未病の状態で複雑な不調を抱えていることが多いです。
たとえば、睡眠障害をお持ちの方は、日常生活でストレスを抱えていることが多く、そのせいでイライラや不安感に悩まされていたりします。
仕事と休息のバランスが上手くとれずリラックスできない人の不調は、疲労感や冷え性、肩こり…と多岐に渡ります。
こうした複数の症状を、主たる1つの不調、1点の原因にアプローチする単一成分のサプリメントで解消していこうとすると、いくつもの種類を摂取しなければならなくなります。
「テアニン」のサプリメントを選ぶなら、今抱えている複数の不調にアプローチする、複合成分配合のサプリメントが良いでしょう。
テアニン以外にどんな成分が配合されていると良いのかについては、次章で解説しますので、参考にしてくださいね。
知っているようで知らない「睡眠の質」の重要性。睡眠の質を上げる秘訣を専門家が解説 >>
【お悩みのタイプ別】「テアニン」サプリメント|おすすめの配合成分
「テアニン」のサプリメントは、複数の不調にアプローチする、複合成分配合のサプリメントがおすすめです。
ここでは、お悩みのタイプ別に、テアニンに加えて配合されていると良い成分を紹介します。
あなたのお悩みには、どの成分がマッチするでしょうか。
順番にみていってください。
2-1.女性特有の心の疲れには「カモミール」配合がおすすめ
女性特有の心の疲れを抱えている人は、テアニン+「カモミール」配合のサプリメントを選ぶと良いでしょう。
「カモミール」はヨーロッパ原産のキク科植物で、「心を落ち着かせる」作用があります。
ハーブティなどで親しまれているのをご存知の方もいると思いますが、カモミールは、古くからヨーロッパで利用されてきたハーブで、リラックス効果があることから、不眠症や不安神経症等の治療にも使われてきました。
高い鎮静作用を持っており、自律神経を整え、不安やイライラを和らげる働きをします。
加えて、気持ちを落ち着けてリラックスさせる作用があることから、安眠効果でも知られています。
また、平滑筋(心臓を除く内臓や血管などの壁をなす筋肉)を落ち着かせる効果があるため、ストレスからくる腹痛、胃痛、生理痛等の改善も期待できます。
更年期で、これといった理由がないのに落ち着かない、不安でイライラする、眠れない…といったお悩みをお持ちの方には、テアニンに加えて「カモミール」を摂ることで、症状の改善が期待できます。
参照:総説植物カモミールの摂食が心身に及ぼす効果| 北海道大学大学院教育学研究科
2-2.精神が不安定になる人には“抗うつ効果”のある「ラフマ」配合がおすすめ
精神の安定を求めている人は、テアニン+「ラフマ」配合のサプリメントを選ぶと良いでしょう。
おすすめしたいのはこんな人です。
- 少しのことですぐいっぱいいっぱいになってしまう人
- 躁鬱(そううつ)が激しい人
- 疲れや睡眠不足で感情がコントロールできなくなる人
キョウチクトウ科の多年草「ラフマ」には、精神を安定させる効果があります。
ラフマは、古来より中国では、精神を安定させる薬として使用されてきました。
実際に、ラットを使って抗うつ作用を調べる調査を行ったところ、ラフマの投与でうつ状態が抑えられたという結果が出ています。
また、ラフマの葉はフラボノイドやアミノ酸を豊富に含んでおり、血圧が正常に保たれ、高血圧予防になるなど、生活習慣病の予防や改善の効果が期待できます。
さらに、眠りの深さや、起床時の睡眠に対する満足感の向上に役立つことも報告されています。
精神を安定させて、質の高い睡眠をとりたい人には、ラフマを配合した『テアニン』サプリメントがおすすめです。
参照:https://www.e-expo.net/information/venetum/
機能性研究レポート 睡眠改善に向けたラフマ葉エキス「ベネトロン」の研究動向
2-3.緊張を和らげたい人・気を抜けない日々を送る人には「レモンバーム」配合がおすすめ
緊張感を緩和したい人は、「レモンバーム」配合の『テアニン』サプリメントを選ぶと良いでしょう。
おすすめしたいのはこんな人です。
- 試合や試験の前、緊張し過ぎてしまう人
- 一時も気を抜くことのできない仕事をしている人
- 休みたいときに肩の力を抜くことができない人
シソ科のハーブ「レモンバーム」には、緊張を和らげる作用があります。
レモンバームは精油成分(シトラール、シトロネラールなど)、タンニン類、フェノール類(ロスマリン酸、カフェ酸)などで構成され、特に精油成分が、イライラや興奮を落ち着かせるといわれています。気分を鎮静させ、心を穏やかにし、抑うつ症を好転させます。
ヒステリーやパニック、神経の緊張による不眠などにも効果があります。
古くから「長寿のハーブ」として知られ、近年の研究ではアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防や、記憶力や学習力など脳機能の維持に効果・効能がある成分としても注目されています。
またレモンバームには、女性ホルモンのプロゲステロンと似ている作用があるため、ホルモンバランスを整えて、生理不順や生理痛を改善する効果が期待できます。
2-4.寝つきが悪い人には「グリシン」配合がおすすめ
睡眠障害の中でも、特に寝つきが悪いことに悩んでいる人は、テアニン+「グリシン」配合のサプリメントを選ぶと良いでしょう。
グリシンは体内で合成できるアミノ酸の一種で、睡眠に入りやすくする効果があります。
グリシンには血管を拡張させ、表面体温の上昇を促すことで体内の熱を放出し、体の中心温度を下げる働きがあります。
人の体は、体温が下がると眠くなる仕組みになっているので(※)、グリシンを摂取することで自然な眠りに導かれます。
(※)人間の体は、眠るときに深部体温を下げて眠る準備をします。眠くなると手足が温かくなるため、眠るときには体温は上がっているように思いがちですが、実は人間は手足から放熱することで体温を下げ、眠る態勢に入っているのです。
またグリシンには、睡眠の質を高める働きもあります。
これまでの研究で、グリシンを摂取すると、翌朝の疲労感や眠気が減り、仕事の効率が良くなる結果が報告されています。
参照:アミノ酸医薬の新たな治療戦略:睡眠の質を高めるグリシン
2-5.ストレスを軽減したい人には「GABA」配合がおすすめ
ストレスを軽減したい人は、テアニン+「GABA」配合のサプリメントがおすすめです。
GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で、ストレスを軽減させる効果があります。
GABAは抑制性の神経伝達物質で、副交感神経を優位にして脳内の興奮を鎮め、平常心を保つ働きをします。
不安や恐怖の原因となる神経の興奮を鎮めることで、精神的なストレスや疲労感が緩和されます。
日々の生活の中でストレスによる心身の不調を抱えている人は、テアニンに加えてGABAが配合されたサプリメントを飲むことで、リラックス感を得ることができるでしょう。
参照:γ-アミノ酪酸の経口摂取は、メンタルタスクによって誘発されるストレス状態の気分と中枢神経系の活動に影響を与える
いかがですか。
サプリメントを購入する際は原材料表示を確認し、テアニンと併せてこうした有効な成分が配合された商品を選ぶようにしてください。
「テアニン」サプリメントを選ぶときの注意点
「テアニン」サプリメントを選ぶときには、いくつか注意点があります。
それぞれ解説します。
サプリメントを購入する前に、しっかり把握しておきましょう。
3-1.レビューや体験談だけを指標にしない
注意点のひとつめは、レビューや体験談だけに注目して、それに流されないことです。
「テアニン」サプリメントに限らず、サプリメントの効き方には個人差があります。
信じるなとはいいませんが、個人のレビューや体験談だけを鵜呑みにして選ぶと期待外れになることが少なくありません。
たとえば、タレントや有名人の感想は、全てとはいいませんが、仕事として行っている場合がほとんどです。実際にそのサプリメントを飲んでいるかどうかも定かではありません。
テレビやインターネットの広告では、よく見ると「個人的な感想です」と表示されていますよね。
あれは、「効果が絶対ではない」「誰にでも効果があるわけではない」という但し書きです。
実際に摂取した人の感想がきちんと紹介されている場合もありますが、効果を感じた人のものばかりで、効果が得られなかった人の感想は出ていないこともあります。
レビューや体験談をチェックするのは良いですが、参考程度の受け止め方に留め、それだけを指標にすることは避けましょう。
3-2.「錠数が多すぎない」&「飲みやすい形状」を選ぶ
一度に摂る錠数が多すぎず、飲みやすい形状のサプリメントを選ぶことも、注意して欲しいポイントのひとつです。
サプリメントは毎日続けて摂取することが重要ですが、飲みにくい量や形では、それが負担になって続けにくくなります。
ただ1日1錠となると、今度は粒が大きくて飲み込みづらかったり、必要な「テアニン」200mgが摂れなかったりするので、少なければ良いというわけでもありません。
目安としては2錠〜3錠で、自分が飲み込みやすそうな形状を選ぶと良いでしょう。
3-3.安価にとびつかない
3つ目の注意点は、安価なサプリメントにとびつかないことです。
一定額より安価なサプリメントには、それなりの品質の原料しか使われていないと判断しなければなりません。
また、サプリメントは製造の過程で濃縮や混合などの作業が行われるため、製品中に含まれる成分量にバラつきがでたり、汚染などにより有害物質が混入したりする可能性があります。
このような問題を未然に防いで、良い原料を使用してきちんと管理し、製造するにはそれなりの費用がかかります。
高額なら良いというわけではありませんが、サプリメントに関して、少なくとも「破格の安さで質の高いものはない」という認識を持っておいた方が良いでしょう。
3-4.服薬している人は飲み合わせを医師に確認する
病院から処方された薬を飲んでいる人は、飲み合わせを医師に確認しましょう。
自己判断で「テアニン」サプリメントを摂取すると、薬の効き目を薄くしてしまう可能性があります。
テアニンは、副作用のない安全性の高い成分です。
過剰摂取をしても健康に悪影響がないことが、これまでの研究で確認されています。
ただ、薬との併用で問題が生じる可能性はあります。
たとえば、エナジードリンクや栄養剤など体を覚醒させるために飲む薬と同時に摂取すると、テアニンの神経を落ち着かせる作用によって、薬の効果を弱めてしまうことが考えられます。
血圧を下げる薬と併用した場合、テアニンには血圧を下げる作用があることから血圧が下がりすぎることがあります。
ですので、薬と併用して「テアニン」サプリメントを飲むかどうかは、必ず主治医と相談してから決めるようにしてください。
また、妊娠中や母乳授乳期の女性の使用、また幼児の使用については、今時点で安全性の確たるデータがありませんので、必要に応じ、薬剤師や病院の指示を仰いでから摂取した方が良いでしょう。
参照:健康成人を対象としたL-シスチンおよびL-テアニンの長期・過剰摂取の安全性評価
「テアニン」サプリメントを飲むベストなタイミング
テアニンは薬ではないので摂るタイミングに決まりはありませんが、おすすめしたいのは、効果が得たい時間帯の約40分前の摂取です。
実験等で、テアニンを摂取してから約40分で効果があらわれた例が数多くあります。
4-1.「テアニン」サプリメントを飲むべきタイミング
「テアニン」サプリメントを飲むベストなタイミングは、効果が得たい時間帯の約40分前の摂取です。
これまでの研究で、摂取後40分でアルファ波の出現が観測され、少なくとも2時間は持続することが確認されています。
従って、たとえば睡眠障害にお悩みの方は、ベッドに入る40分ほど前を目安にテアニンを摂取すると良いでしょう。
リラックス効果や、緊張、不安の緩和を求める場合も、このタイミングを図って摂るのが効果的です。
4-2.【事例】「テアニン」摂取後40分でα波が増加した
テアニン摂取後40分で、心身共にリラックスした状態のときに出るα波(アルファ波)が増加することが検証された事例をご紹介しましょう。
このように、テアニンの摂取でα波が増加すると、リラックスできて緊張が和らぎ、ストレスの軽減や不安感の解消が望めます。
α波が出現するのには(個人差はありますが)40分程度かかるので、タイミングを測って飲むようにすると良いでしょう。
参照:L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響|太陽化学株式会社総合研究所/愛知淑徳大学
【Q&A】「テアニン」サプリメントのよくある3つの疑問
ここまでのまとめとして、「テアニン」サプリメントに関するよくある3つの疑問にお答えします。
それぞれ解説しますので、興味のあるところからご覧になってください。
5-1.「テアニン」サプリメントは睡眠薬とどう違うのですか?
医薬品として認定されている睡眠薬は、脳の活動を抑制させたり、脳を覚醒させる物質をブロックしたりすることによって眠気を誘うもので、強い睡眠導入作用があります。
その分、使い方によっては、肝機能障害や意欲の低下、疲労感、記憶障害など副作用のリスクがあり、また、長く常用すると依存が生じて服用前より強い不眠があらわれる場合もがあります。
「テアニン」サプリメントは、テアニンをはじめとする“質の高い睡眠を促進する栄養素”を補うもので、副作用のリスクはほとんどありません。
睡眠に関わる栄養素だけでなく、ビタミンなどの体調を整える栄養素を含有しているケースも多く、トータルで自然治癒力を高め、体質改善をめざすものです。
「テアニン」サプリメントは、病院で治療を受けるほどではないけれど、寝つきを良くしたい、睡眠の質を今より高めたいという人におすすめです。
5-2.「テアニン」サプリメントは毎日飲んでも大丈夫ですか?
前述のように「テアニン」サプリメントには即効性はありません。
すぐに効果を実感する人もいますが、基本的には、テアニンやその他の有効な栄養素によって体質を徐々に改善していくものです。
テアニンは副作用のない安全性の高い成分です。
薬のように依存が起きる心配もないので、毎日続けて飲むようにしてください。
5-3.「テアニン」サプリメントはどこで購入したら良いですか?
「テアニン」サプリメントは多数販売されており、店舗でもネット通販でも購入出来ます。
ただ、手軽に買えるからといって、どんな「テアニン」サプリメントでも良いかというとそうではありません。
1章の「失敗しない「テアニン」サプリメントの選び方|3つのポイント」や、3章「「テアニン」サプリメントを選ぶときの注意点」を参考に、あなたの悩みにこたえる、相性の良いサプリメントを選びましょう。
【医師監修】寝ても寝ても眠いのはなぜ?原因と対処法を詳しく解説 >>
まとめ
失敗しない「テアニン」サプリメントの選び方のポイントは3つあります。
- 「テアニン」が200mg以上配合されているサプリメントを選ぶ
- 複合成分配合の「テアニン」サプリメントを選ぶ
サプリメントを選ぶときは、次の点に注意しましょう。
- レビューや体験談だけを指標にしない
- 「錠数が多すぎない」&「飲みやすい形状」を選ぶ
- 安価に飛びつかない
- 服薬している人は飲み合わせを医師に確認する
良質の「テアニン」サプリメントを選んで、大切な自分に癒しと心の余裕を取り戻しましょう。
不安のない日々とスッキリした目覚めが、あなたの日々を輝かせます。