赤ちゃんの爪は、薄紅色でツヤがあり桜貝のようです。
爪は健康のバロメーター。栄養状態や、ストレス、不眠など健康状態が現れやすいところです。中には病気が潜んでいることも・・。
ネイルや爪みがきなどでごまかす前に、まずは健康状態を見直してみることが大切です。
ここでは、爪の縦線をはじめ、爪の状態から見た健康状態について、専門家が解説します。
爪にも水分量がある
お肌の美しさには適度な水分量は欠かせませんが、実は爪にも水分量はあるのです。
水分量が不足すると、お肌と同じく爪にも縦ジワが現れます。
乾燥した爪の甲に現れる縦ジワを爪甲縦線(そうこうじゅうせん)と言います。
さらに、シワが深くなり縦線に沿って割れてしまうと、爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)という状態になり、かなりの痛みを伴うので放置しておくのは危険です。
相当な苦痛を味わうことの比喩に、「生爪を剥がされる」とも表現されますね。
爪の縦ジワは、年老いた印象の見た目を演出してしまうだけでなく、重症化すると日常生活に支障をきたす状態になるので、日頃から徹底的に乾燥から守ってあげましょう。
爪に縦線が入る理由
爪はケラチンというたんぱく質が3層に重なった構造で出来ています。
一番上の層は縦方向に、2層目は横方向、3層目は再び縦方向にケラチンが重なっている構造のため、爪の表面には縦方向に線が入りやすいのです。
縦線が入る原因としては、乾燥のほか、栄養不足や睡眠不足、疲労、ストレスも考えられるので、爪はその時の体調や健康状態のバロメーターにもなるのです。
美しいネイルを楽しむためにも、健康管理には気を配り、爪の状態をよくしておくことが大切と言えるでしょう。
爪の状態と健康の深い関係
爪の縦線の原因として考えられるもの
- 栄養不足
- ストレス
- 血行不良
- 乾燥
- 加齢
- 更年期
- 肝機能の低下
- 皮膚がん(縦線が黒っぽい場合は要注意)
爪の横線の原因として考えられるもの
- 栄養障害
- ストレス
- 不規則な生活
- 高熱後の症状
- 糖尿病
二枚爪の原因として考えられるもの
医学的には「爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)」と呼ばれ、
爪の先端部分が2層に割れるのが特徴です。
- 栄養不足
- 水分量の低下
- 鉄欠乏性貧血
- たんぱく質不足
爪が薄くなる原因として考えられるもの
病気が影響して変化が生じ、爪が薄くなることがあります。
- 鉄欠乏性貧血
- 甲状腺機能亢進
- 末梢循環障害
- 先天性角化異常症
東洋医学は爪から未病サインを知る
東洋医学では、爪は健康のバロメーターと考えられています。五行(木・火・土・金・水)の中で爪は「木」に位置します。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)の「肝」と関りが深く、「肝の華は爪にある」と言い、肝の状態は爪にあらわれます。
栄養状態や血の巡り、病気などは爪に現れ、爪の状態で未病のサインを知ることができます。丈夫でツヤのある爪は、良い血が十分に巡っている現れなのです。
爪の変化は、健康状態を知らせてくれるものです。体のどこかに病気が隠れていることもあるため、爪の変化には注意が必要です。
自分の健康状態を知るためにも、小さな変化を見逃さないように観察してください。
綺麗な爪を取り戻すための5つのポイント
ハンドクリームは塗っていても、爪のケアまで細かく気を配るのはつい忘れてしまいがち。ここからは、美しくツヤのある爪を取り戻すためのポイントをご紹介します。
①栄養バランスに気をつける
先ほどもご説明したように、爪は健康のバロメーターです。
外食ばかりしている、栄養バランスが乱れた食事が多い、不摂生な生活…など、生活バランスが崩れてしまうと、爪もどんどん老化します。
健康な爪は1日に0.1mm、1ヶ月に約3mm程度伸び、良好な健康状態である程よく伸びるので、乱れた生活では爪は成長しません。
爪の主成分は髪と同じで、ケラチンというたんぱく質です。日頃の食生活でもたんぱく質の摂取を意識するといいでしょう。
たんぱく質は、体の中で小さく分解されるとアミノ酸になるため、たんぱく質の栄養価は、その状態の完璧度をあらわす「アミノ酸スコア」という100点満点の数値で見ることができます。
アミノ酸スコアの高い栄養素をサプリメントで摂ることもおすすめです。
参照:ミドリムシ(ユーグレナ)の59種類の栄養素について健康管理士が詳しく解説
食生活を見直しながら、サプリメントなども賢く活用するといいでしょう。
②「ネイルベッド」を伸ばそう
ネイルベッドとは、爪のピンク色の部分です。
この部分に艶があり、スラッと伸びていると若々しく美しい指先に見えますね。
ネイルベッドを伸ばすには、指と爪を密着させているとても薄い皮膚「ハイポニキウム」を育てること。
この薄皮をしっかりと乾燥から守り、丁寧にケアしながら成長させるのが美爪になるコツです。
③ネイルケアをしよう
保湿性の高いハンドクリームに加えて、キューティクルオイルを爪の根元と裏側にも塗り込みましょう。
こうすることで、爪が丈夫になり綺麗に伸ばすことができます。
縦線をとるために、ヤスリで強くこすってしまうと、爪が薄くなってしまうので要注意です。
また、指先を爪の両サイドからよくほぐすようにマッサージすると、血行が良くなり、爪に栄養が行き渡ります。
さらに爪が割れやすい時は、ベースコートを塗ってしっかりと保護してあげましょう。
④伸びた爪にはヤスリをかけよう
爪を整える時は、爪切りではなくヤスリをかけて長さを調節するようにしましょう。
深爪になってしまうと、せっかく美しく育てたいハイポニキウムに傷がついてしまいます。
爪の白い部分はギリギリではなく、ネイルベッドから1mm程度残しておくのがポイントです。
⑤食器洗いの際はゴム手袋を
食器洗いは、多くの人が、ほぼ毎日行なっている家事。
つい面倒なので素手で洗ってしまいますが、食器用洗剤には爪はもちろん、手の皮膚にもダメージを与える成分がたくさん含まれています。
中でも油汚れの除去には欠かせない界面活性剤は、油を分解するパワーが高い分、爪や皮膚の潤いも根こそぎ奪ってしまいます。
特に冬場やしつこい油汚れは、冷たい水より熱めのお湯の方が良く落ちますね。
界面活性剤とお湯のダブルの要素で、爪の水分量は大きく低下してしまい、縦線ができる原因になるのです。
面倒でも掃除や食器洗いの際は、ゴム手袋を着用する習慣をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか。
爪は健康のバロメーターです。爪に変化がある場合は健康状態を見直してみましょう。
きれいな爪を取り戻すためには栄養バランスを整えることがとても大切です。爪に変化がある方は食生活、生活習慣を見直しましょう。
爪はお肌に比べてケアする優先順位が低い分、お手入れ不足が目立ちやすい箇所です。
ちょっと面倒ですが、保湿クリームを手や爪にたっぷり塗ったあと、布の手袋をし、さらにその上にゴム手袋をしてみましょう。
食器を洗いながらお湯の熱でゴム手袋が温まり、スチーム効果で手と爪が驚くほどツヤツヤになります。
食器洗いのたびに、しっとり潤った手に蘇るのが楽しみになり、ゴム手袋を面倒に思わなくなるはずです。
このように日常のほんのちょっとの手間と工夫次第で、若々しさはキープできます。
手間を惜しまないことが、何より大切なのですね。