最終更新日 2024年11月1日
監修:漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー 望月 みどり
スーパーフードで注目されているユーグレナとスピルリナは同じ緑色の栄養補助食品であるために、その違いがわからない人も多いと思います。 ユーグレナもスピルリナもともに藻類、つまり昆布やワカメと同じ藻の仲間で、水の中で育つ栄養豊富な微生物です。 では、ユーグレナとスピルリナはどんな違いがあるのでしょうか。
ユーグレナは微細藻類の仲間で、5億年以上前に誕生した、体長0.05mm~0.1mmの紡錘形の単細胞生物です。 光合成を行って自ら栄養を作り出す植物でありながら、鞭毛を使って動き回ることができる珍しい生き物です。 2005年に沖縄県の石垣島で食品としての屋外大量培養に初めて成功してから、栄養素の豊かさから地球の未来の食糧問題を解決する切り札として、世界中で研究されています。
約35億年前から地球上に存在していたスピルリナは、らせん状で、長さ0.3~0.5mmほどの藍藻類の一種です。 アフリカやメキシコなどの熱帯地方の塩湖に生息していて、現地では昔から食用として利用されていました。 アルカリ度が18と、非常に高い数値を示すアルカリ性食品です。
ユーグレナは18種類のアミノ酸をはじめ、ビタミン類14種、ミネラル9種など全部で59種類、スピルリナも60種類以上と、どちらも豊富な栄養素を持っています。 スピルリナは、大変良質なたんぱく質(アミノ酸)を65~70%も含んでいます。しかし、 必須アミノ酸バランスの指標となるアミノ酸スコアでは、ユーグレナ83、スピルリナ51と、理想のアミノ酸スコア100に近いユーグレナの方がバランスはいいことがわかります。
また、植物と動物の両方の性質を持ち合わせているユーグレナには、魚油に多く含まれることで知られている不飽和脂肪酸のDHAやEPAなどが含まれいて、非常に栄養バランスに優れています。 そして、ユーグレナの一番の特徴ともいえるのが、ユーグレナだけがもっている「パラミロン」です。パラミロンは、炭のように表面にたくさんの穴が開いた構造をしていて、吸油性に優れ、脂質を取り込む性質があります。食物繊維の一種であるパラミロンは体に吸収されないため、不要な脂も一緒に体外へ排出すると考えられています。 一方、スピルリナは、葉緑素(クロロフィル、緑色)、βカロテン(カロテノイド、橙色)、フィコシアニン(青色)と色素含有率が高いのが特徴です。そのため着色料として利用されることもありますが、これらの成分は体の調子を整える役割も持っています。 フィコシアニンは抗酸化作用があると言われていて、免疫力の向上やエイジングケアにも期待が寄せられています。
野菜や果物などはたくさん食べても消化率が40%程度なのに比べて、ユーグレナの消化率は約93.1%、スピルリナも消化率約95%と、どちらも非常に消化吸収に優れています。 野菜などの植物には硬い細胞壁がるために栄養素が体に吸収されにくいのですが、動物と植物の両方の特徴を持ってるユーグレナには、細胞壁がなく細胞がやわらかな膜でおおわれているため消化率が高く、また、スピルリナの細胞壁はとても薄いために栄養素を消化吸収しやすいのです。
どちらも、毎日手軽に摂取できるサプリメントで摂取する方法が一般的です。 ユーグレナは、1日に1000㎎の摂取が推奨されていて、サプリメントの場合カプセルや錠剤のタイプで、1日に4粒~6粒を目安に飲むものが主流です。水や飲み物に溶かして飲むパウダータイプもあります。 スピルリナは錠剤タイプがほとんどで、小粒で1日に20~40粒を目安などたくさん飲む必要があるものが多いです。
ユーグレナは、サプリメント以外にも、さまざまな商品に利用されています。ヨーグルト、クッキー、パン、スープ、みそ汁、麺類、カレーなど、ユーグレナ入りの商品は数多く販売されていて、コンビニなどで手に入るものも多くあります。 中でも、ユーグレナドリンクは、飲料として手軽にとることができる人気の商品です。 一方スピルリナは、パウダータイプを購入して自分で料理や飲み物に入れて摂取することができます。ただし、スピルリナは着色料としても使用されるように、少量でも色が濃くでるので、入れる量には注意が必要です。
ユーグレナもスピルリナも栄養素が豊富で、健康や美容への効果が期待されます。 では、それぞれどんな人におすすめなのでしょうか?
ユーグレナ
スピルリナ
いかがでしたか? 今注目の緑色のスーパーフード。栄養価や栄養バランス、飲みやすさなどご自身に合ったものを選びましょう。 太古の昔から生き続ける生命力の恵みを受けて、藻活をスタートしてみませんか?
参考:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail86lite.html
参考:国立研究開発法人科学技術振興機構ユーグレナはどこまで高栄養食源として貢献し得るか―その機能と応用―https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/91/5.6/91_323/_pdf