2022年4月、年金制度改正法が施行。比較的大きな改定ですので、ぜひ把握しておきたいものです

1950年には12人で一人を支えている計算だった年金。いまでは2人で一人を支えるまでになっています。つまり支える側をなんとか増やしたいというのが、年金を運営する側の大きな課題です。今回も、そして今回以降も年金制度の改定は続くことになりそうですが、基本は支える人を増やすという狙いは変わらないでしょう。厳しいことばかりだと反発があるので、その一方で、受給側が有利になる改定もあります。つまり飴と鞭改定。年金はまだまだと思わずに、大きな流れとともに、制度自体に理解を深めておきたいものです。

【今回の改定ポイント】

被保険者(保険料を払う側の人)の適用拡大→ パートアルバイト(短時間労働者)でも一定条件以上で加入が必要ですが、今回はその範囲が広がります。これまでは労働者が常時500人を超える会社のみが対象だったのですが、これが100人以上になります。これに加え、これまでは勤務期間が1年以上だったのが2か月以上となります。月額88,000円以上、所定労働時間が20時間以上という条件は変わりません。中小規模の会社でパートアルバイトを続けている人はチェックしてみてください。


在職定時改定制度の新設→これまで働きながら(会社で厚生年金保険料を支払いながら)同時に年金を受給する場合、退職するまで年金額が増えませんでしたが、在職定時改定制度によって1年ごとに年金受給額がアップします。


受給開始時期の選択肢の拡大→現行では基本65歳から受給がはじまりますが、実は60歳〜70歳の間で、自分で受給開始時期を選択することができます。早くもらえば毎月の受給額は減り、遅くすれば多くなります。今回の改定では「〜70歳」が「〜75歳」になります。1カ月遅らせるたびに0.7%受給額が増えるので、75歳まで我慢すれば84%も増えることになります。また早めにもらう選択をした場合、これまでは1カ月あたり0.5%受給額が減っていましたが、これが0.4%になります。


確定拠出年金の加入条件の拡大→これまで制限されていた年齢、企業規模などの条件が緩和され、加入しやすくなります。自分で努力する人を増やしたいということでしょう。

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