確定拠出年金個人型、iDeCo。あなたは上手に利用していますか?
自分でお金を負担し、自分で運用方法を決め、自分だけもらう年金制度、それがiDeCo(イデコ)ですが、低金利時代で、運用益自体に大きな魅力を感じ得ないので、なかなか人気が「うなぎ上り」にならず、特に若年層の半数以上が「制度自体を知らない」という状態だそうです。でも 少しずつながら、確実に加入者が増えて加入者は200万人に近づいています。
もう、老後、安心して暮らせるような年金額はだせません。足りなくなる部分は、自分で積み立ててください。そのかわり税金をまけてあげますというのがこの制度。ぜひ利用を検討してみてください。(iDeCOの拠出は60歳までしかできませんでしたが、来年5月からは65歳まで可能になります)
今回はそのメリットについて整理しました。秘密は「所得控除」にありそうです。
さっそく3つのメリットを具体的な例をもとに計算してみましょう。
前提/年収500万円(※)、毎月15,000円を60歳までの15年間拠出 運用利回り1% 65歳から年金を受け取り
※拠出時の年収は年金受取金額には関係ありませんが、所得控除額を計算するために設定しています。
所得控除のメリット
●iDeCoの拠出金(毎月の負担)は「小希望企業共済等控除」の枠内で「所得控除」の対象になります。所得税が安くなるばかりでなく、住民税も安くなるので、、
年間36,300円の節税メリット 15年間では合計で544,500円になります。
単純計算ですが、なんと年利20%に相当します。
運用益非課税のメリット
●NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)と同様に運用で得た利益が非課税になります。
今回の仮定では15年間1%の運用益になっていますので運用益の非課税分は72,589円になり、これがメリットになります。株式運用なので運用益が多くなると、当然、非課税分のメリットは増えますが、このメリットはあくまでも不確定なものです。
受取時控除メリット
●受け取りは一時金としても、また年金として毎年、受け取ることも可能です。一時金として受け取った場合「退職所得控除の対象」になりますし、年金で受け取った場合は「公的年金等控除の対象」となりますので、この段階でも節税のメリットがでてきます。
ここまで読むと、良いことばかりですが、通常の貯金や投資とは違うデメリットもあります。
▲突然の出費に対応できない/iDeCoは原則途中解約できません
解約と返金はできなくても拠出をおやすみすることができます。その間も運用は続きます。100%老後資金として拠出額を決めることが大事です。
▲運用方法によっては元本割れの可能性がある/判断に迷うところです
拠出したお金の運用は、自分で決めることができるのがIDeCoの特徴ですが、一方悩ましいとこでもあります。ある程度リスクをとって株式中心で運用するか、かたく債券や預貯金型で運用するか?もちろん株式運用だと元本割れの可能性もあります。
老後資金という性格を考えると、やはりiDeCoではリスク最小で運用し、株式投資はNISAを利用して運用益の最大化を狙うのが本筋かもしれませんね。