最終更新日 2021年3月11日
目次
糖質制限とは
食事で摂取する糖質を制限する
脂肪を減らして体重を減らすには、摂取したエネルギー量以上のエネルギーを消費しなければなりません。
したがって、ダイエットには大きく分けて2種類のアプローチがあります。
ひとつは、運動をすることで消費エネルギーを増やし、脂肪を落とすタイプのダイエットです。
もうひとつは、食事で摂る糖質を制限することで摂取エネルギーを減らし、脂肪を落とすタイプのダイエットです。
いわゆる糖質制限ダイエットはこちらに分類されます。
糖質制限ダイエットは、日常の食事で糖質を多く含む食品の摂取を控える、もしくは量を減らすことで体重を落とすことが可能なので、運動が苦手な人であっても取り組みやすいダイエットとして人気です。
主な糖質制限ダイエット実施時に制限する食品
糖質制限ダイエットで食べるのを制限する主な食品としては、以下のようなものがあります。
- 米やパン、麺類などの主食
- イモ類
- 果物
- 根菜類
- 粉類
- 砂糖類
いかにも糖質量が高そうな食品から、一見糖質が高くなさそうなモノまで様々なものが当てはまります。
糖質制限ダイエットをする際に知っておきたいのは、糖質には2種類あるという点です。
糖質のひとつは主食やイモ類、根菜類などに含まれる複合糖質(多糖類)です。
いわゆる炭水化物と呼ばれるもので、糖質だけでなく食物繊維やミネラル・ビタミンなど様々な栄養素が含まれています。
もうひとつの糖質は単純糖質(単糖類、二糖類)と呼ばれ、果物やハチミツに含まれるブドウ糖や果糖、砂糖に含まれるショ糖などがこれに当たります。
複合糖質は複数の糖が鎖状に結合しているため、消化・吸収に時間がかかります。
一方、単純糖質は分解の必要がないので摂取してすぐに消化・吸収されます。
そのため、果物や砂糖を摂取すると血糖値が急激に上がります。これは、糖質制限ダイエットではもっとも避けたいことです。
血糖値が急激に上がると膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌され、体内に糖を取り込もうとするからです。
よく「糖質制限ダイエットは、主食は抜くけれど甘いデザートを食べるのはOK」と思っている人がいらっしゃいますが、これはNGです。
なぜなら、血糖値の急上昇を招いてしまうからです。糖質制限ダイエットでは、果物や砂糖の摂りすぎにも注意しましょう。
もちろん、主食やイモ類に含まれる糖質の摂取量も制限していく必要がありますが、まず制限するべきは単純糖質だということを覚えておいてください。
糖質制限ダイエットのメカニズム
糖質制限ダイエットを考えているなら、単に糖質を制限するのではなく、なぜダイエットするために糖質を制限する必要があるのかを知っておきましょう。
糖質は生きていく上で欠かすことのできない栄養素です。
体の中に摂取された糖質はブドウ糖に分解され、私たちが生きていくエネルギー源となります。
適量を摂取する分には問題ありませんが、糖質を摂りすぎたり、糖質を急激に摂ったりすると血糖値は急上昇します。
血糖値が上がると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンには摂取しすぎた糖を脂肪に変える性質があるため、糖質を摂りすぎると太るというわけです。
糖質を制限すると血糖値の急上昇を防ぐことができるため、その結果インスリンの分泌を抑えることにつながります。
インスリンの大量分泌が抑えられれば脂肪は作られないので体重は落ちるというメカニズムです。
糖質制限ダイエットの方法
1日当たりの糖質摂取量の抑制
糖質制限ダイエットを始めるにあたって、1日当たりの糖質の摂取量を決めておきましょう。過剰な糖質摂取を防ぐことができます。
1日に摂る糖質量は70~130gに抑えましょう。
どのくらいの量なのかイメージしづらいので、主食の糖質量の目安を以下に挙げておきます。
食事のメニューを考える時の参考にしてください。
- 白米のごはん1杯 約50g
- 食パン6枚切り1枚 約26g
- うどん1玉 約50g
- パスタ1束(100g) 約70g
ご飯やパン、麺類、イモ類などの炭水化物を控える代わりに、タンパク質と脂質が豊富な肉や魚、豆腐など大豆製品、チーズ類はしっかり食べてもOKです。
むしろ、タンパク質は脂肪を燃焼するエネルギーになるので積極的に摂りましょう。
もちろん、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な野菜も忘れずに摂取することが大切です。
ただし、野菜の中にはトウモロコシやカボチャなど、意外と糖質量が高いものも含まれているので注意が必要です。
糖質の低い野菜をあらかじめ調べておくといいでしょう。
また、カロリーを重視しすぎて糖質の量を意識しないのはよくありません。
糖質の量を抑制することがポイントだということを忘れないでください。
咀嚼する回数
昔から「ご飯をよく噛まない、早食いの人は太りやすい」と言われています。
その根拠は、よく噛んでゆっくり食べることで、糖質の消化・吸収のスピードを緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える点にあるのです。
また、食事をすると、食事誘発性熱産生と呼ばれる消化・吸収のためのエネルギーが消費され、安静にしていても代謝量が増えます。
よく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。
咀嚼回数は、一口で30回ほどを目安にしてください。
また、よく咀嚼することで食べ過ぎを防ぐこともできます。
よく噛まないで食べると、満腹感を感じないのでつい食べ過ぎてしまうという経験は誰しもありますよね。
摂取推奨の食品と摂取を推奨しない食品
糖質制限ダイエットを成功させるには「摂取を推奨する食品」と「摂取を推奨しない食品」をきちんと知ることが大切です。
摂取を推奨する食品は以下の通りです。
- 赤身の肉
- 魚
- 海藻
- 乳製品
- きのこ類
- 豆腐
- 卵
- 良質の油
私たちの体は、筋肉も臓器も皮膚や毛髪などまで、ほとんどがタンパク質で構成されています。また、消化酵素やホルモンなどの原料もタンパク質です。
肉や魚、豆腐などのタンパク質をしっかり摂ることで代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。
糖質や脂質をエネルギーに変えるためには、ビタミンやミネラルなどの栄養素が必要不可欠です。
ビタミンやミネラルが不足すると、せっかく糖質の摂取量を減らしても、糖をエネルギーに変えることができず糖が余ることになってしまいます。
特にビタミンB群は糖質の代謝を促します。豚肉、レバー、魚介類、野菜、ナッツ類などを積極的にとりましょう。
サラダ油やコーン油などは摂り過ぎに注意し、オリーブ油などオレイン酸の含まれる油を適度に摂るようにしましょう。
また、α-リノレン酸が含まれる亜麻仁油やえごま油、EPA・DHAが豊富な魚油は、積極的に摂りたい油です。
その他に摂りたい栄養素として、食物繊維がありますが、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
特に水溶性食物繊維が不足しやすいので、豊富に含まれている海藻類や野菜を積極的に摂りましょう。
水溶性食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
一方、摂取を抑えて制限したい食品は以下の通りです。
- 米
- パン
- 麺類
- イモ類
- 根菜
- 果物
- 糖質量の高い野菜
- ビール、梅酒、日本酒などの醸造酒
- スイーツ
主食である米、パン、麺類はもちろんですが、気をつけたいのは清涼飲料水や調味料です。
清涼飲料水や調味料に多く利用されている「果糖ブドウ糖液糖」は、いわゆる食品添加物で、トウモロコシなどのでんぷんを原料としたシロップで人工的に作られた糖です。
血糖値はあまり上げないのですが、中性脂肪になりやすく太りやすいので注意が必要です。
ちなみにスイーツでは、和菓子の方が洋菓子より糖質量が高いものが多いことも覚えておいてください。
糖質制限ダイエットの注意点
炭水化物の摂取の極端な減少は低血糖に
糖質制限ダイエットというと、いきなり主食を抜くなど極端に炭水化物の摂取量を減らす食事に切り替える人がいます。
しかし、糖質の摂取量を急激に減らすと、体脂肪は減っても体内は低血糖という危険な状態になってしまうのです。
低血糖は、初期の異常な空腹感、イライラ、だるさといった症状から始まり、めまいや冷や汗・動悸など身体的な影響も出てしまいます。
さらに、強い不安感といった抑うつ状態に似た症状が現れることもあります。
さらに低血糖が進行すると、意識がもうろうとなり、異常行動をとることもあり得ます。
これは、ホルモンバランスの崩れに加え、自律神経の乱れが引き起こされるからです。
炭水化物に含まれる糖質は生きるために欠かせないエネルギー源です。そのことを忘れずに、体調を見ながら糖質制限を行いましょう。
エストロゲン減少による血糖値の上昇
女性ホルモンのエストロゲンには、月経を起こしたり、女性らしい身体にしたりするだけでなく、血圧やコレステロールの調整をする働きや血糖値の上昇を抑える働きもあります。
そのため女性は、更年期に入ってエストロゲンの分泌が減少すると、体がインスリンの作用に対して鈍感になり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇しやすくなります。
また、エストロゲンには「内臓脂肪」を代謝させて脂肪をつきにくくする働きがありますので、エストロゲン減少は内臓脂肪の蓄積にもつながりかねません。
しかし、エストロゲンの減少は食事の面からフォローすることができます。
大豆に含まれるイソフラボンには、インスリン抵抗性を緩和する働きが確認されています。
イソフラボンを摂取することで、インスリンへの感受性が高まり、その結果、インスリンの過剰な分泌が抑えられるのです。
糖質量も少なくイソフラボンが豊富な豆腐や味噌、納豆など大豆製品を食事に積極的にとりいれましょう。
糖質制限ダイエットのコツ
糖質制限ダイエットを実施する期間は長期的に
糖質制限ダイエットは短期集中して行うよりも、長期的に行うことが成功させるコツです。要は、糖質制限の食事を習慣化させることが大切なのです。
最初は満足感が少し足りないと感じても、それが普通の状態だと脳が理解すれば、意外と慣れてしまいます。
また、糖質の吸収を遅くさせるコツは、食事を食べる順番にもあります。
まず汁物や野菜を摂り、次に肉や魚のたんぱく質、最後に主食の炭水化物という順で食べるようにしましょう。
野菜や海藻、きのこ類など食物繊維の多い食品を先に食べることで、その後に体内に入ってくる糖質を包み込んで排出してくれます。
余分な吸収が抑えられ、血糖値の上昇を緩やかにする効果があるのです。
日本食は主食の割合が高い食事です。
そのため、糖質制限ダイエットは「ご飯好きな人にはツライ」というイメージがありますが、全く食べられないわけではありません。
量を減らすことや食べる順番に慣れれば、決してキツすぎるダイエットではありませんので、時間をかけて取り組んでいきましょう。
朝・昼・夜3食規則正しく
糖質制限を習慣化にするには、朝・昼・夜の3食を規則正しくとることが大切です。
胃や腸、肝臓などといった臓器の働きは、時間によって活動のレベルが異なります。
つまり、同じ量の食事を取っても、食べる時間帯によりエネルギー代謝に与える影響に違いを生じるのです。
朝食は1日の活動を開始するためのスイッチでもあります。起きてから1時間以内にとるようにしましょう。
朝食を抜くと、体内時計の乱れ、太りやすくなる、筋肉量の減少、脳機能の低下など、さまざまな影響がでてきます。必ずとりましょう。
昼食の時間は、朝食から5~6時間後を目安に12時~13時ころにとるのがベストです。
午後は代謝が活発な時間帯なので、昼食には、炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂るように心がけましょう。
夕食は、肥満遺伝子とも呼ばれる「BMAL1(ビーマルワン)」に注意が必要です。
BMAL1には体内に脂肪を蓄積する働きがあり、BMAL1が増えている時間帯に食べると、脂肪になりやすく、太りやすくなってしまいます。
22時~午前2時までの間が最もBMAL1が多い時間帯といわれています。夕食は遅くとも21時頃までに済ませましょう。
糖質制限中も自分の好きなメニューを
糖質制限をしているからといって毎日同じメニューで我慢を続けるのはツライですし、長続きしません。
糖質制限ダイエットでは、好きなものを極端に我慢する必要はありません。むしろ糖質量に気をつければ、自分の好きなものを食べられるダイエットです。
現在は美味しい糖質オフ補助食品もたくさん市販されています。そういった食品の助けを借りるのもひとつの方法です。
例えばパスタは炭水化物の中でも糖質量高めの食品ですが、大好物なのにあまり量が食べられないことがストレスになるという人もいるでしょう。
そんな場合は、全粒粉パスタがおすすめです。
全粒粉パスタとはお米でいうと玄米に当たり、精製されていない小麦粉で作ったパスタです。
通常のパスタよりも食物繊維・ビタミン・ミネラルは豊富で、糖質量は少ないという点で糖質制限向きの食材だと言えます。
通常のパスタよりもGI値が低い点もポイントです。GI値とは、食後の血糖値の上昇を示す指標のことです。
糖質制限ダイエットの補助に
糖質制限サプリ幻糖美人カットカット
どうしても糖質を制限できない、あるいは、たまには好きなものを好きだけ食べたいという人は多いでしょう。
そんな人におすすめの糖質制限ダイエットをサポートするサプリメントが「幻糖美人 カットカット」です。
食前に飲むだけで血糖値の上昇を抑えられるのは、原料にセキレンカの成分が配合されているからです。
セキレンカは「幻の花」とも呼ばれ、血糖値を下げる効果があるとされています。
実際に糖尿病の治療にも使われる成分なので、「食べたいけれど、太りたくない」という人にぴったりのサプリです。
セキレンカの他にも、糖の吸収を穏やかにして血糖値上昇を抑えるサラシアやギムネマなども配合されています。
ダイエットサポートサプリは糖質制限ダイエットの強力な助っ人です。
我慢ばかりのダイエットはリバウンドの可能性もあり、長続きしません。サプリの力を借りながらダイエットをするのがおすすめです。
漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー 望月 みどり