最終更新日 2021年11月9日
監修:PURAVIDA編集部
40代後半を迎えた多くの女性から、「急に太った」「ダイエットを意識しても痩せにくくなった」という声を聞くようになります。
インターネットで「更年期 肥満」「更年期 脂肪」などという単語で、検索をしている人も多いようです。
「更年期=太る」というイメージは、昔からありますが、なぜ更年期に入ると体重が増えるのでしょうか?
目次
更年期の体重増加は、女性ホルモンが原因!?
体重増加は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることが一番の理由ですが、年齢を重ねるとその他にも理由が加わります。
加齢に伴い筋肉量が減少し、基礎代謝(生命維持のために必要なエネルギー)が低下するのもその理由の1つ。
基礎代謝は、女性の場合、10代半ばをピークに10歳年齢を重ねるごとに100キロカロリーずつ低下するといわれており、食事の量は以前と変わらないのにだんだん太りやすくなるのはこのためです。
また、あまり知られていないようですが、閉経前に生理で消費されていたカロリーがなくなるので基礎代謝が下がる理由です。
運動をせず食生活もそのままであれば、太るのは当然のことですね。
さらに更年期の肥満は、“女性ホルモン”と深い関係があります。
女性ホルモンのエストロゲンには、悪玉コレステロールの上昇を抑制し、内臓脂肪を減らす役割があります。
閉経により、エストロゲンが減少すると悪玉コレステロールが増加し、中性脂肪、内臓脂肪が増えてしまいますが、これが肥満の原因とされています。
つい「太る」ことだけにフォーカスしがちですが、中性脂肪が増えることで、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症などの健康リスクも高まりますから、軽視できない問題です。
ただし、食べないダイエットは、筋肉量を減少させ、ますます基礎代謝の減少を招きますから注意が必要です。
閉経後は、骨粗しょう症などのリスクが高まるところに栄養不足の状態になると健康トラブルを招きかねません。
自分の肥満度を把握しておくこと
体重が増えたり、ダイエットをしても数字に変化が現れないと、体重計に乗るのが億劫になる気持ちは、とてもよくわかります。
毎日決まった時間に体重計に乗るだけでも、食べすぎに注意したり、運動を意識するようになりますから、ぜひ習慣にしてみてください。
また、自分の肥満度を知るのも大切なことです。
肥満度の国際基準、BMI(Body Mass Index)をご存じでしょうか。
以下の世界共通の算出方法で自分の肥満度を出すことができます。
BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
統計的にもっとも病気にかかりにくいBMI値は、「22」とされています。日本肥満学会は、これを標準値として、25以上を肥満、18.5未満を低体重と定めています。
むやみにダイエットをするのではなく、自分のBMIを知った上で対策を立てたいものです。
50代で肥満に悩み、ファスティングやエステの痩身施術などに挑戦する方は多いのですが、一時的には3~5キロほど減少しても、すぐに元に戻ってしまうとのこと。
「運動、食事などの生活習慣を変えなければ結局どのようなダイエットをしても同じだと気づいたと」と口を揃えておっしゃいます。
根本的に肥満体質から抜けだす生活習慣を見てみましょう。
食べる順番で血糖値の急激な上昇を抑える
血糖値が急激に上がると脂肪が蓄えられやすくなることは知られていますが、それを防ぐには、野菜、きのこ類、海藻などの野菜や汁物から食べるのがおすすめ。
血糖値の上昇、食べすぎの防止にもなります。その後、タンパク質、ご飯の順番で食べることで、糖質の摂り過ぎを防ぐことができます。
アルコールも、なるべく糖質の少ない蒸留酒(焼酎やウィスキー)を選ぶようにしましょう。
運動は、続けやすいマイレージ方式で
運動することで筋肉量を増やし基礎代謝を上げて、脂肪が燃焼しやすい体づくりが可能です。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動が有効といわれていますが、例えば「毎日1万歩のウォーキング」となるとなかなかハードルが高いもの。
達成できないと逆にストレスになってしまい挫折しやすいので、1週間、あるいは1か月トータルで何歩歩くという目標を立てるのはいかがでしょう。
同様に水泳も一度に1キロは難しくても、前回は300メートル、今回は500メートルと少しずつ距離を重ねて、今月はトータルで何キロ泳いだという「マイレージ方式」で考えると楽しみながら続けられます。
また、「買い物に行くときに早足で歩く」「エレベーターやエスカレーターを使わず、なるべく階段を使う」など普段の生活の中で取り入れやすいものから始めてみましょう。
体を動かすと気分転換にもなりますし、運動をしている人の方が、更年期の症状が軽いという調査結果もあります。
睡眠の質が脂肪分解を左右する
また、ホルモンバランスの乱れから起きる自律神経の乱れも、体重増加に関係すると言われています。
脂肪を分解してくれる成長ホルモンは、睡眠中に分泌されます。
自律神経が乱れて睡眠の質が下がると、成長ホルモンが十分に分泌されず、太ってしまうという研究結果もあるようです。
このように、女性ホルモンが肥満にまで影響を及ぼしているということに驚きますが、「更年期だから仕方がない」とあきらめず、更年期には、なぜ太ってしまうのかを理解するところからスタートしてみましょう。
食事と運動をベースに、必要であればサプリメントなどのチカラも借りて、悩みを1つでも減らして、いつまでも若々しくおしゃれも楽しみたいものですね。
PURAVIDA編集部