最終更新日 2024年10月8日

「加齢臭のニオイはどこから臭っているんだろう?」
そんな疑問を感じたことはありませんか。
結論からお伝えすると、加齢臭の原因物質は皮脂の中に存在し、皮脂から臭っています。
皮脂の出口である皮脂腺は全身に分布していますから、体中のどこからでも加齢臭が漂うリスクはあります。
ただ、その中でも特に加齢臭が強くなりやすい部位があります。頭や耳の後ろなどの頭周辺と、お腹・背中などの体幹です。

この記事では、加齢臭がどこから出ているのかしっかり理解できるよう、加齢臭が出やすい部位や発生源について、詳しく解説しています。
加齢臭がどこから出ているのかわかれば、効率的に加齢臭対策が可能になります。できるだけスピーディに、少ない手間で加齢臭を遠ざけるために、さっそく続きをご覧ください。
目次
加齢臭はここから臭う!発生源となりやすい6つの部位
加齢臭はどこから臭うのでしょうか。発生源となりやすい6つの部位をご紹介します。
1-1. 頭

1つめは「頭」です。
冒頭でも触れましたが、加齢臭は皮脂の中にニオイの原因物質が存在します。
つまり、皮脂が多く分泌される部位ほど、加齢臭が強くなりやすいのです。
頭皮は、皮脂の出口である「皮脂腺」の数が、体の中で最も多い部位。頭皮の皮脂腺の数は、顔のTゾーンの約2倍といわれます。
頭皮は加齢臭のニオイの元である皮脂の分泌量が多く、加齢臭も強く臭いやすい特徴があります。
実際に、加齢臭のニオイが強く残りやすい物としてよく挙げられるのが「枕」です。睡眠中に頭皮の皮脂が枕に移り、枕から加齢臭が臭うのがその理由です。
さらに、頭皮から分泌された皮脂が髪の毛に移り、加齢臭のニオイを拡散させてしまうこともあります。
1-2. 耳の後ろ

2つめは「耳の後ろ」です。
耳の後ろは、頭皮と同じく、皮脂の分泌量が多い部位です。にもかかわらず、耳の後ろは洗い忘れる人が多い部位でもあります。
シャンプーするときには髪の毛・頭皮を洗い、体を洗うときには首までを洗っていて、耳の後ろを洗う工程がすっぽり抜け落ちている人が多く見られるのです。
耳の後ろに洗い残した皮脂は、時間の経過とともに酸化して、さらに強く加齢臭を臭わせてしまいます。
満員電車などで自分の背後に立った人が、咳払いをしたり露骨に嫌な顔を見せてきたりしたら、耳の後ろから加齢臭が出ているかもしれません。
1-3. 首の後ろ

3つめは「首の後ろ」です。
首の後ろも、皮脂が多く分泌されています。
実際、「Yシャツの襟元が黄ばんだり黒ずんだりする」という経験のある方は、多いのではないでしょうか。
この襟元の黄ばみ・黒ずみ汚れの正体は、皮脂です。それだけ、首の後ろからは皮脂が多く分泌されていることがわかりますね。
首の後ろの皮脂が衣類の襟元に付着すると、衣類からも強く加齢臭が臭うため、注意が必要な部位です。
1-4. 胸元

4つめは「胸元」です。胸元からも、加齢臭の原因物質を多く含んだ皮脂が分泌されます。
胸元は、先にご紹介した頭・耳の後ろ・首の後ろとは異なり、基本的に衣類によってガードされている部位です。
衣類で覆われている分、蒸れやすいため、加齢臭以外のニオイも混ざりやすい部位といえます。加齢臭以外のニオイとは、例えば汗による汗臭や雑菌による雑菌臭です。
特に、ブラジャーを着ける女性の場合、ブラジャーが肌に密着し続けるため、蒸れがひどくなる傾向にあります。
1-5. お腹

5つめは「お腹」です。
お腹は皮脂分泌量が特に多いわけではありませんが、面積が広いので、ふんわりとどこからともなく臭う加齢臭の原因となります。
お腹の加齢臭で注意したいのは「おへそ」です。個人差があるのですが、人によってはおへそに皮脂がたまりやすいケースがあります。
おへその汚れは放置している人が多く、気づかぬうちに強い加齢臭を放っていることがあります。
1-6. 背中

6つめは「背中」です。
お腹と同じく、面積が広いために加齢臭が強くなりやすい部位です。そのうえ、手が届きにくく洗いにくいという問題があります。
洗いにくい背中には、落とし切れない皮脂が蓄積している人が多く見られます。
洗い残した背中の加齢臭が移りやすいのは、就寝時に触れている「シーツ」です。
「シーツに体臭がついて、なかなか取れない」という場合には、背中から加齢臭が出ている可能性が高いでしょう。

加齢臭の原因物質は皮脂の中に存在する「ノネナール」
さて、ここまで「体の部位(パーツ)」別に、加齢臭はどこから臭うのか、ご紹介しました。
次に、「皮膚の構造面」から見ると、どこから加齢臭が臭っているのか、見ていきましょう。
加齢臭の原因物質は、皮脂の中に存在する『ノネナール』。つまり、加齢臭とは「皮脂」から体臭が発生する「皮脂臭」の一種です。

皮脂は、毛穴の中にある皮脂腺から分泌され、肌の上に皮膚膜を作ります。この皮脂膜から加齢臭は臭っているのです。
簡単にいえば、肌全体が加齢臭入りの油でコーティングされている状態です。

「加齢臭は皮脂から臭っている」という事実は、加齢臭を対策するうえで重要な点なので、ぜひ覚えておきましょう。
というのも、よくある勘違いとして、加齢臭が「汗」や「息」から出ていると思い込み、汗や息のケアを熱心に行っているケースがあります。
汗や息をケアすれば、もちろん汗臭や口臭は軽減されます。ですが、加齢臭対策という観点では、汗や息のケアは効果がありません。
加齢臭の原因は汗や息ではなく「皮脂」にあるからです。
加齢臭の原因物質であるノネナールについて、さらに詳しく知りたい方は「加齢臭の正体ノネナールとは?特徴と生成の仕組みを専門家がわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
自分の加齢臭がどこから出ているかわからないときのチェック方法

「自分の加齢臭はどこから出ているのだろう?」と疑問に思ったときに、簡単にチェックできる方法をご紹介します。
3-1. 加齢臭がどこから出ているのかチェックする方法
このチェックは入浴後の肌が清潔な状態は避けて行います。
清潔な状態ではなく、皮脂が十分に分泌されて汚れている状態の方が好ましいので、一日の終わりの入浴前などのタイミングで行いましょう。
① コットンパフを6枚、準備してください。コットンパフがない場合は、ティッシュペーパーや綿棒でも代用できます。

② 加齢臭が発生しやすい6つの部位の皮脂を、コットンパフで拭き取ってください。

3〜4回往復させて、皮脂が十分にコットンパフに移るようにします。
③ コットンパフのニオイを確認します。加齢臭がある場合には、コットンパフから油臭く・青臭い加齢臭特有のニオイがします。
なお、自分のニオイに慣れてしまっている場合、嗅ぎ取れないことがあるので、いったん入浴して嗅覚をリセットした後に嗅ぐのがおすすめです。
家族など、他の人に嗅いでもらうことができれば、なお良いでしょう。
3-2. セルフチェック時の注意点
加齢臭セルフチェックを行う際の注意点をひとつ、お伝えします。
加齢臭のニオイは、汗臭、口臭、足臭、ワキガ臭などとは明らかに異なるニオイです。
加齢臭には油臭さと青臭さがあり、加齢臭を嗅ぐと、他の体臭とは異なるニオイとして区別できます。
もし、セルフチェックの結果、コットンパフから「汗のようなニオイがする」という場合、それは汗臭(汗による体臭)であり、加齢臭とは異なります。
「加齢臭の油臭く青臭いニオイがイメージできない」という方は、「加齢臭はどんな臭い?具体例で専門家が解説!加齢臭かわかるセルフチェック付き」をあわせてご覧ください。
加齢臭がどこから臭うかわかったら取り組みたい対策

加齢臭特有の油臭く青臭いニオイが確認できたら、放置せずにその日からでも対策を始めることが大切です。
加齢臭は、年齢を重ねるごとに加速していきます。放置していて、いつの間にか加齢臭が治ることはありません。
ですが、適切な対策を行えば、最小限まで加齢臭を抑え込むことができます。
具体的に行うべき加齢臭対策は、下の表をご覧ください。

▼ 今すぐ始めたい加齢臭対策
詳しくは「本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法」にて詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
加齢臭の発生源となりやすい部位は、頭、耳の後ろ、首の後ろ、胸元、お腹、背中です。

加齢臭の正体は、皮脂の中に存在する『ノネナール』という物質で、加齢臭は皮脂から臭っています。

自分の加齢臭がどこから臭っているか確認するためのチェック方法は、本文中でご紹介しました。簡単にできますので、ぜひ試してみてください。
加齢臭に気づいたら、できるだけ早く対策を始めることが大切です。ぜひ、今日からでもできる対策をスタートしましょう。

加齢臭の対策について詳しくは「本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法」をご覧ください。
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり