最終更新日 2024年6月18日
「加齢臭ってどんな臭い?」
「気になっている“あの臭い”は、加齢臭?」
加齢臭はどんな臭いなのか気になっても、それが本当に加齢臭なのか見極めるのは難しいものです。
香水やアロマオイルの香りなら、店頭で実際の香りを嗅いで確認できますが、加齢臭はそういうわけにもいきません。
そこでこの記事では、「加齢臭はどんな臭いなのか」を、さまざまな具体例を挙げながら解説します。
例えば、よく使われる表現としては次の6つが挙げられます。
自分の体臭、ご主人やご両親のニオイなど「コレって加齢臭?」と確かめたい方は、ぜひ読み進めてみてください。「実際の加齢臭は、具体的にどんなニオイなのか」がイメージできるようになります。
また、自分のニオイが加齢臭なのか診断できるセルフチェック方法もご紹介します。さっそく見ていきましょう。
目次
加齢臭を表すたとえでよく使われる6つの表現
加齢臭のニオイを知りたいけれど、実際に嗅いでみるわけにはいきませんよね。
そこで、より具体的にイメージできるように、加齢臭を表す“たとえ”としてよく使われる6つの表現をご紹介します。
実際の加齢臭は、これからご紹介する6つのニオイが入り混じったようなニオイになります。
頭の中でニオイを想像しながら読み進めてみてください。
1-1. 古い油
まずよく使われる表現が「古い油」です。
油を長期間、保存しておくと、空気中の酸素と反応して酸化し、不快なニオイを放つようになります。
例えば、古くなった調理油や、開封してから時間の経過したスナック菓子などが、嫌なニオイになった経験はないでしょうか。
あの嫌なニオイが「古い油のニオイ」となります。
もし古い油のニオイがわからない場合は、油を少量、ふたのない容器に入れ、直射日光の当たる場所に置いてみましょう。
酸化は光や熱によって促進されるので、酸化が進み、やがて古い油のニオイがするようになります。
1-2. 古いろうそく
「古いろうそく」という表現も、加齢臭のたとえとしてよく使われます。
ろうそくの原料としてよく使われる『パラフィン』は、 石油から採られた物質。油の一種です。
ろうそくも古くなると、油分が酸化して、先ほどご紹介した「古い油」と同系統の不快なニオイが出てきます。
もし、ご自宅に購入してから年数の経ったろうそくがあれば、取り出してニオイを嗅いでみましょう。加齢臭に通じるニオイがするはずです。
1-3. 枯れ草
「枯れ草」は、加齢臭のニオイのたとえとしてよく使われる表現です。
ここまでにご紹介した「古い油」「ろうそく」は、どちらも油が酸化したニオイの表現でした。
実は加齢臭には、油っぽいニオイのほかに「青臭い」という特徴があります。加齢臭のニオイの中から、青臭さの特徴をとらえた人は、加齢臭を植物にたとえる傾向があります。
といっても、単なる植物のにおいではなく、古い油のニオイと混ざって不快な感じがするため、嫌なニオイのする「枯れ草」と表現することが多いようです。
枯れ草は放っておくと、青臭さの中に、腐敗などによる不快なニオイが混ざってきます。これが加齢臭に近いと認識されているのです。
枯れ草と似たたとえとして「古い畳のようなニオイ」「干し草のようなニオイ」という表現が使われることもあります。
1-4. 古本
「古本」のニオイは、加齢臭独特のニオイに通じるものがあります。
というのも、古本には本物の加齢臭が付着していることがあるためです。
詳しくは後ほど「2. 加齢臭のニオイの正体は油臭く青臭い「ノネナール」」の章で解説しますが、加齢臭の原因物質は皮脂の中にあります。
本を触った手指の皮脂が古本に残っていて、古本についた皮脂が加齢臭のニオイとして漂っていることがあるのです。
さらに、インクの油分が酸化すれば「古い油」に似たニオイが出ます。木材を原料としている紙が劣化すれば「枯れ草」に似たニオイがすることもあります。
古本には、皮脂・インクの油分・紙の植物と、加齢臭に通じるさまざまな要素が詰まっているというわけです。
1-5. カメムシ
「カメムシ」は、“ヘッピリムシ”とも呼ばれますが、捕まえると青臭い強烈なニオイを出します。
先ほど「枯れ草」の項目で触れましたが、加齢臭には「青臭い」という特徴があります。
幼少期などにカメムシのニオイを嗅いだことがある人は、青臭いニオイのたとえとして「カメムシ」が思い浮かぶ傾向にあるようです。
ただ、最近では「カメムシのニオイがわからない」という人も、若い世代を中心に多くなっているようですね。
カメムシのニオイは、パクチーの青臭いニオイを凝縮したニオイとも表現されます。
「カメムシのニオイは、耐えられないほどの悪臭」という人も多く、決して良いニオイとはいえません。
1-6. 祖父母のにおい
最後に、加齢臭は「祖父母のにおい」とたとえられることも多くあります。
加齢臭は、年配の方から漂いやすいニオイです。祖父母のにおいにたとえられることは、当然のことともいえるでしょう。
なかには「加齢臭を嗅ぐと、おじいちゃん、おばあちゃんのことを思い出して懐かしい」と感じる人もいるようです。
ただし、注意点として、シルバー世代以上の高齢者になると、体臭に加齢臭以外のニオイも混ざっていることが多くあります。例えば、慢性疾患や介護によるニオイなどです。
それらは加齢臭とは別のものになります。加齢臭のニオイの正体については、次の章で詳しく見ていきましょう。
加齢臭のニオイの正体は油臭く青臭い「ノネナール」
さまざまなニオイにたとえられる加齢臭ですが、その正体となる物質は『ノネナール』です。
ノネナールのニオイの特徴は2つあり、1つめは油臭いこと。2つめは青臭いことです。
▼ ノネナールのニオイの特徴
40代を境に、私たちの皮脂の中には、ノネナールが増えることがわかっています。
油臭く青臭いニオイを持つノネナールが皮脂の中に増えることで、体から加齢臭が漂うようになるのです。
ノネナールが生成されるメカニズムなど、ノネナールについてさらに詳しく知りたい方は「加齢臭の正体ノネナールとは?特徴と生成の仕組みを専門家がわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
加齢臭に通じるニオイ…ノネナールを含む5つのもの
加齢臭の原因となる『ノネナール』ですが、実は身近なものにも含まれています。
ここでは、「ノネナールは何に含まれているのか」を通して、加齢臭のニオイの実態に迫ってみましょう。
ノネナールを含む5つのものをご紹介します。
3-1. ビール
1つめは「ビール」です。
ノネナールはビールの芳香成分のひとつであり、ビール特有の豊かな香りを構成するひとつです。
ですが、ビールが劣化してノネナールが増えすぎると、今度は不快なニオイに変わります。
例えば、お店で生ビールを飲んだときに「どうも嫌なニオイがする」と感じたことはありませんか。管理状態が悪くビールが劣化すると、ノネナールが増えすぎて、嫌なニオイとなることがあります。
これは、加齢臭にもいえることです。多少ノネナールが分泌されていても不快なニオイにはなりませんが、増えすぎると不快なニオイに変わってしまうのです。
3-2. 蕎麦(そば)
2つめは「蕎麦(そば)」です。
「蕎麦の香りが大好き」という方も多いので意外に思われるかもしれませんが、蕎麦の香りにもノネナールは含まれています。
蕎麦の中でも、特に“新そば”は青草さが強く、ノネナール特有のにおいが感じられます。私たちが普段食べる蕎麦は新そばではないことが多いので、ノネナールのにおいは薄まっています。
蕎麦の香りを不快に思う人は少ないですが、もし体臭の中に蕎麦に似たニオイを感じたら、「加齢臭かもしれない」と疑いましょう。
3-3. 食用油
3つめは、「食用油」です。
加齢臭を古い油にたとえる人がいるとご紹介しました。
実際に食用油が劣化すれば、ノネナールが食用油の中に生成されることがわかっています。
「加齢臭=古い油のニオイ」というたとえは、実際にノネナールのニオイを言い当てており、大正解といえます。
3-4. キュウリ
4つめは「キュウリ」です。
キュウリには、特有の青臭さがありますよね。キュウリの青臭いニオイの元となっているのが、ノネナールなのです。
ノネナールの青臭いニオイを実際に体験してみたいと思ったときは、キュウリを嗅いでみるのが最もわかりやすいかもしれません。
体臭からキュウリのようなニオイを感じたら、加齢臭を警戒しましょう。
3-5. スイカの皮
5つめは「スイカの皮」です。
スイカの皮は特有のニオイを持っていますが、やはりここにもノネナールが関係しています。
キュウリもスイカも同じウリ科の植物で、どちらも香気成分としてノネナールが含まれています。
青臭い特有のニオイは、加齢臭にも通じるものがあるのです。
なお、ノネナールを含む食べ物を食べたからといって、加齢臭がひどくなることはありません。その点はどうぞご安心ください。
自分で加齢臭か診断できるチェックリスト
ここまでお読みいただき、
「加齢臭がどんな臭いなのかイメージできたけれど、自分から加齢臭が出ているのかどうかわからない」
という方がいらっしゃるかもしれません。
「これって加齢臭?」と疑問に思ったら、加齢臭チェックリストをやってみましょう。
4-1. 20個の質問に答えるだけで診断できる加齢臭セルフチェック
簡単な20の質問に答えるだけで、加齢臭の可能性があるのかチェックできます。
さっそく回答してみましょう。
20個の質問のうち、10個以上が「はい」だった方は、加齢臭が出ている可能性が高いと判断できます。
できるだけ早く加齢臭対策をスタートしましょう。
「加齢臭かも」と思ったら始めたい対策
「加齢臭が出ているかもしれない」と気づいたら、放置せずに早めに対策することが大切です。
加齢臭の原因物質『ノネナール』は、皮脂の中に生成されています。放っておけば、年齢を重ねるとともに増えていく一方ですから、加齢臭も強くなっていきます。
加齢臭かもと思ったら、加齢臭対策を始めましょう。
▼ 今すぐ始めたい加齢臭対策
「体の内側」からの加齢臭対策でノネナールの生成を抑えつつ、生成されてしまったノネナールは「体の外側」からの加齢臭対策で除去することが、加齢臭対策のコツとなります。
詳しくは「本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法」にて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
「加齢臭ってどんな臭い?」という質問に一言でお答えすると「油臭く青臭いニオイ」です。
具体的には、以下のものによくたとえられます。
▼ 加齢臭を表すたとえでよく使われる6つの表現
加齢臭のニオイの正体は、40代を境に皮脂の中に増える『ノネナール』という物質です。
ノネナールは身近なものにも含まれています。
▼ 加齢臭に通じるニオイ…ノネナールを含む5つのもの
ここで挙げたものに通じる体臭を感じたときには、「加齢臭かもしれない」と警戒しましょう。
ぜひ、早めに加齢臭対策を始めることをおすすめします。具体的な加齢臭対策の方法は「本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法」をご覧ください。
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり