最終更新日 2024年6月18日
「体臭を予防したい」
「現在もこれからも、体臭がない状態をキープしたい」
そう考えている方は多いのではないでしょうか。
体臭には、さまざまな種類があります。
ワキガ、加齢臭、頭皮のニオイ、口臭、足のニオイ……これらすべての体臭をケアして、嫌なニオイのない状態を作りたいですよね。
そんなとき「根本的に体臭を予防するための仕組み」を知っておくと、一生もののテクニックとして役立ちます。
なぜなら、すべての体臭には共通して「ブロックすべきポイント(叩くべき箇所)」があり、それさえ押さえておけば、効率的な体臭予防が可能だからです。
そのブロックすべきポイントは、4つのニオイ発生源。汗、皮脂、雑菌、息です。
今回は、この4つのニオイ発生源別に、体臭が気にならなくなる予防策を解説します。
一通り読んでいただくと、体臭の予防方法がわかり「体臭が出ない状態をどう作っていけば良いか」がつかめるようになります。
今日からスタートできる具体策をたくさんご紹介しますので、さっそく見ていきましょう。
目次
体臭を予防するために知っておきたい4つのニオイ発生源
冒頭で触れた通り、体臭を予防するためには「汗、皮脂、雑菌、息」の4つのニオイ発生源をブロックする必要があります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
1-1. 汗
1つめのニオイ発生源は「汗」です。
「汗」と一口にいっても2種類あることをご存じでしょうか。
「エクリン腺」から出る汗と、「アポクリン腺」から出る汗です。
エクリン腺から出る汗は、水に近くてサラサラ。無色透明で、強いニオイはありません。
酸っぱさのある、いわゆる「汗のニオイ(汗臭)」のもととなるのが、エクリン腺から出る汗です。
一方、アポクリン腺から出る汗は、ベタベタとしていて白く濁りがあります。スパイシーさのある独特のニオイがあり、「ワキガのニオイ」のもととなります。
エクリン腺からの汗と、アポクリン腺からの汗。この2種類の汗を予防することが、体臭予防の大きなポイントとなります。
1-2. 皮脂
2つめのニオイ発生源は「皮脂」です。
皮脂は、毛穴の中にある「皮脂腺」から肌の上へと分泌されます。
頭皮や顔(特に鼻のまわり)を触ったときに、油っぽくベタつくことがあるかもしれません。この油分が、皮脂になります。
特に、年齢とともに増える加齢臭の原因物質は、皮脂の中に含まれることが知られています。
加齢臭を予防する上では、皮脂のケアが重要になります。
1-3. 雑菌
3つめのニオイ発生源は「雑菌」です。
先ほどご紹介した汗も皮脂も、雑菌と反応することによって、ニオイが増大します。
雑菌が多いと、その分、体臭が強くなります。
また、体の中で汗や皮脂の少ない部位でも、雑菌の温床となれば体臭が発生します。その代表的な体臭が「足のニオイ」です。
高温多湿な足の環境で雑菌が繁殖するため、強い体臭が生じます。
体臭を予防するためには、雑菌の対策が欠かせません。
1-4. 息
4つめのニオイ発生源は「息」です。
「口臭がある」と意識できている場合もありますし、どこから漂っているかわからないけれど、なんとなく臭いと感じいて、実は息が原因だったというケースもあります。
「息」から体臭が発生する原因をさらに深く見てみると、大きく次の2つに分けられます。
息による体臭を予防するためには、口内環境・体内環境の両方にアプローチすることが大切です。
以上を踏まえて、次の章からは、「汗、皮脂、雑菌、息」の4つのニオイ発生源別に、具体的な予防策をご紹介していきます。
「汗」による体臭を予防する3つの方法
まず「汗」による体臭を予防する3つの方法を見ていきましょう。
2-1. 汗が出ないよう制汗剤で抑える
1つめの体臭予防は「汗が出ないよう制汗剤で抑える」ことです。
汗が臭いのですから、汗が出ないように抑えるというシンプルな予防策ですね。
ただし、注意点として全身の汗を止めることはできません。
方法として難しいですし、できたとしても体温調節ができなくなるので、体にとって危険です。
そこで、特にニオイの強い「アポクリン腺の汗」をターゲットに止めましょう。
アポクリン腺は、特にワキの下に多いので、ワキの汗を止めると体臭予防の効果が得やすくなります。
具体的には、「汗を抑える」と明記された制汗剤を購入し、ワキの下の皮膚に塗ってください。
制汗剤の種類は、ロールオンタイプやクリームタイプがおすすめです。
ニオイを抑えたい部位に直塗りができるので、制汗剤の成分が肌に密着し強力な制汗作用が得やすくなるからです。
毎日、お風呂上がりの清潔な肌に制汗剤を塗ることを習慣にしましょう。
2-2. 濃縮された臭い汗が出ないよう日常的に汗をかく
2つめの体臭予防は「濃縮された臭い汗が出ないよう日常的に汗をかく」ことです。
ここでもう一度、汗が出る仕組みをおさらいしておきましょう。
エクリン腺やアポクリン腺は「汗腺(かんせん)」という器官なのですが、汗腺には汗のろ過機能があります。
「汗のもと」ができあがって、肌の表面に出てくるまでの道のりで、ミネラル分などが再吸収されるのです。
普段から汗をかく習慣がないと、汗腺のろ過機能が衰えてしまいます。
時々かいた汗が濃縮されて、非常に臭い……というマズイ状況になりがちです。
汗腺のろ過機能を十分に働かせ、濃縮された臭い汗が出ないようにするためには、普段からコンスタントに汗をかくことが役立ちます。
普段から汗をかいていれば、汗腺を鍛えることにつながります。
十分にろ過されて水に近い、ニオイのない汗をかけるようになっていきます。
2-3. かいた汗のニオイが倍増する前に拭き取る
3つめの体臭予防は「かいた汗のニオイが倍増する前に拭き取る」ことです。
汗をかいたら、すぐに拭き取ることが大切です。汗は放置していると、ニオイが倍増していくためです。
例えば、汗をかいたTシャツを洗わずに放置していると、汗臭くなりますよね。それと同じことが、肌の上でも起きてしまいます。
「汗をかいたな」と思ったら、できるだけ早く汗を拭き取って、肌の上から除去しましょう。遅くとも「汗をかいてから2時間以内」を目安にしてください。
拭き取りにアイテムは、携帯用のデオドラントシートなら理想的です。ニオイを抑える効果もあるためです。ぜひ購入してポーチに常備しておきましょう。
なお、デオドラントシートがない場合でも、濡れタオルや普通のウェットシートで拭き取るだけでもまったく違います。
外が暑くて汗をかいてしまったときや、仕事中に緊張で汗をかいてしまったときは、トイレに立てるタイミングでサッと全身を拭き取るようにしましょう。
「皮脂」による体臭を予防する3つの方法
次に「皮脂」による体臭を予防する3つの方法を見ていきましょう。
3-1. 過剰な皮脂分泌を抑える
1つめの体臭予防は「過剰な皮脂分泌を抑える」ことです。
皮脂量が増えればその分、皮脂による体臭の強さも強くなります。まずは、皮脂の量を適正に調整することが必要です。
皮脂は油分ですから、油分の多い食事をすると、量が増えます。「脂っこい食事をした翌朝、顔がベタベタしていた」なんて経験のある方もいるかもしれません。
過剰な皮脂分泌を抑えるためには、その原料となる油分の摂取量を抑えることが効果的です。
具体的には、次の食べ物は控えるようにしましょう。
完全にゼロにするのは難しくても、今より頻度を減らすだけで、皮脂量の変化を感じられるはずです。
3-2. 皮脂の酸化を防ぐ
2つめの体臭予防は「皮脂の酸化を防ぐ」ことです。
古い油が酸化すると、嫌なニオイがしますよね。皮脂も酸化すれば、体臭が悪化してしまいます。
酸化を防ぐためには、酸化に対抗する『抗酸化物質』をたっぷりと取ることが役立ちます。
代表的な抗酸化物質には、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイド類、ポリフェノール類があります。
口にする食べ物を変えることで体臭対策をする方法は、とてもおすすめです。実際に、食生活の改善で成果を感じている方がたくさんいらっしゃいます。
詳しくは「食べ物で加齢臭対策!避けるべき食材と食べるべき食材を詳しく解説」や「専門家が教える女性の加齢臭対策!今日からニオイをしっかり防ぐ方法」の記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
3-3. 皮脂を洗い残さない
3つめの体臭予防は「皮脂を洗い残さない」ことです。
ニオイのある皮脂が肌に残っていると、体臭の原因になります。
1日1回、入浴時に、皮脂はしっかり洗浄することを心掛けましょう。
皮脂の出口である「皮脂腺」は、毛穴の中にあります。
毛穴の中に皮脂はたまりやすいので、「毛穴の中まで念入りに洗う」意識が大切です。
そこでおすすめなのが、ゆっくり湯舟に浸かって入浴すること。
毛穴は温めると開くので、湯舟で全身を温めることで、全身の毛穴ケアができます。
「雑菌」による体臭を予防する3つの方法
次に「雑菌」による体臭を予防する方法を3つ、ご紹介します。
4-1. 抗菌作用のあるデオドラント剤を塗布する
1つめの体臭予防は「抗菌作用のあるデオドラント剤を塗布する」ことです。
雑菌の増殖を防ぐためには、デオドラント剤を使って抗菌することが効果的です。
特に、「足指」は、お風呂でよく洗っても、靴を履くたびに雑菌にさらされやすい部位です。
足指用のデオドラント剤を塗布しておくと、まったくニオイに違いがでてきます。
デオドラント剤を選ぶときには、「抗菌効果あり」と明記されているものを選びましょう。
雑菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
4-2. 蒸れない衣類を選ぶ
2つめの体臭予防は「蒸れない衣類を選ぶ」ことです。
というのは、雑菌は高温・多湿な環境が大好き。
蒸れやすい衣類を着ることは、わざわざ雑菌が繁殖しやすい環境を作ってあげているようなものです。
特に、肌に直接触れる肌着(インナー)は、吸湿性・通気性に優れた素材を選びましょう。
天然素材のコットン(綿)、リネン(麻)、シルク(絹)は、吸湿性・通気性に優れた素材として定評ががあります。
また近年では「ハイテク素材」と呼ばれる新たな素材も各メーカーから開発されています。
「高い吸湿性・通気性」を謳う商品をいくつか試して、自分に合うものを探してみましょう。
4-3. ムダ毛を処理する
3つめの体臭予防は「ムダ毛を処理する」ことです。
ムダ毛が生えていると、どんなに清潔にしていても、高温多湿の環境になるのを避けられません。
毛の多い部位でも、例えば頭髪は、帽子をかぶらない限りは常に風通しの良い状況に置かれています。
しかし、ワキの下のワキ毛と、デリケートゾーンのアンダーヘアは、常に衣類で覆われていることが多く、雑菌が繁殖しやすい状況です。
ムダ毛の処理を行って、毛がない状態にしたり減らしたりすることで、体臭の軽減が期待できます。
徹底的に体臭予防したいのであれば、体毛を永久脱毛するのも手です。興味があれば、脱毛クリニックで相談してみましょう。
「息」による体臭を予防する3つの方法
最後に、「息」による体臭を予防する3つの方法を見ていきましょう。
5-1. 口内環境を整える
1つめの体臭予防は「口内環境を整える」ことです。お口の中にニオイの原因がある場合、それを解決する必要があります。
虫歯や歯周病(歯槽膿漏)、歯垢がないか、歯科医を受診して、チェックしてもらいましょう。
口臭が気になる場合には「口臭が気になります」と伝えるようにします。これも症状のひとつですので、診断の手がかりになるからです。
自分でできるケアとしては「舌苔(ぜったい)」の除去があります。舌苔とは、舌の上に白っぽく付着している苔のような汚れのことです。
舌苔は、口臭の原因になることがわかっています。(参考:口臭の治療・予防 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
舌苔を除去するためには、歯ブラシとは別に舌専用の舌ブラシを購入して、毎日1回、舌ブラシでこするようにします。
5-2. 水分補給をしっかりする
2つめの体臭予防は「水分補給をしっかりする」ことです。口の中が乾いていると、口臭が倍増しやすくなるからです。
例えば、緊張して口がカラカラに渇いてしまったとき、口臭が気になったことはありませんか。
唾液量が少なくなると口腔内に細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となることがわかっています。(出典:ドライマウス外来 (大阪歯科大学附属病院))
十分な量の唾液を分泌できるように、水分をしっかり取りましょう。
このとき注意したいのは、カフェインやアルコールを含まない、純粋な水を選ぶこと。カフェインやアルコールには利尿作用があるので、逆に乾燥を加速させてしまいます。
何も含まないシンプルな水を、1日2リットルを目標に摂取しましょう。
5-3. 口臭を抑えるサプリメントを取る
3つめの体臭予防は「口臭を抑えるサプリメントを取る」ことです。
体内環境が悪化して、息自体が臭くなっているときは、体の内側からアプローチする必要があります。
食生活の改善や規則正しい生活など、体の内側からアプローチする方法はいろいろあります。
ですが、なかなか習慣化するのは難しい……というのが本音ではないでしょうか。
そんな人でも、サプリメントを飲むだけなら習慣化しやすいので、現在から未来へ至るまでの体臭予防として、サプリメントはおすすめです。
「お腹の中から息をキレイにする」ために役立つ成分には、植物性乳酸菌、緑茶カテキン、ショウガオールなどがあります。
これらの成分を毎日継続的に取ることで、体臭に悩まされない毎日を送ることができるはずです。
まとめ
体臭を予防するために知っておきたい4つのニオイ発生源として、「汗、皮脂、雑菌、息」があります。
それぞれの発生源に対してご紹介した体臭予防の方法を、下の図にまとめました。
ひとつずつ実践していただければ、体臭が予防できていることを実感できるはずです。
さらに踏み込んだ体臭対策を行いたい方は「体臭をケアする11の対策!3ステップで高レベルな体臭対策ができる」の記事も、参考にしてみてください。
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり