【セルフチェック付き】女性の加齢臭とは?ニオイの原因と見分け方

最終更新日 2024年11月19日

監修:望月みどり プロフィールを見る >
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
体臭に関する専門性の高い記事を数多く執筆。
体臭、加齢臭に関するコメンテーターとしてテレビ出演、雑誌の取材も多数。
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「女の人にも、加齢臭ってあるの?」
「加齢臭って、どんなニオイ?何歳から出るの?原因は?」

などなど、「女の加齢臭」について聞きたいことがたくさんある!という方が多いのではないでしょうか。

加齢臭とは、その名の通り、加齢にともなって発生するニオイを指す言葉。「おじさんのニオイ」というイメージを持つ方も多いようですが、女性にも加齢臭はあります。

この記事では「女の加齢臭」をテーマに、加齢臭の原因やメカニズムを詳しく解説していきます。

「私が気になっているこのニオイは、加齢臭?」と不安な方には、自分でセルフチェックができる加齢臭チェックリストもご紹介します。

「加齢臭をなくして、嫌なニオイを消したい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

加齢臭の正体を知ることで「加齢臭をなくすために何をすれば良いのか」が見えてきます。

さっそく、女の加齢臭の詳細を見ていきましょう。

女の加齢臭とはどんなニオイ?

「加齢臭って具体的にどんなニオイなの?」というのが、まずは気になるところかと思います。

ニオイを言葉で表現するのはなかなか難しいものですが、加齢臭は、以下のように表現する人が多いニオイです。

  • 古くて酸化した油のニオイ
  • 古いろうそくのニオイ
  • 青くさいニオイ
  • 古いポマードのニオイ

単なる「汗のニオイ」「ワキガのニオイ」などと違って、独特のニオイがあるのがわかるかと思います。

特に特徴的なのは加齢臭は「古い油のニオイ」がするという点ですね。

汗やワキ・足などのニオイが加齢とともに強くなる人はいますが、「加齢臭」として定義されるニオイは、それらとはまた別のもの。

汗のニオイやワキのニオイは子どもにもあります。ですが、加齢臭は子どもにはない「大人特有のニオイ」なのです。

端的にいってしまえば「おじいさん、おばあさんのニオイ」といって思い浮かぶ独特のニオイが、「加齢臭」といえます。

女の加齢臭の原因は皮脂に増える「ノネナール」

なぜ、加齢臭が出てくるのでしょうか。そのヒントは、さきほど見たニオイの種類にあります。

加齢臭は「古い油のニオイ」が特徴的でしたが、実は実体もそうなんです。

私たちの体からも、油が出ています。「皮脂」と呼ばれ、毛穴のなかにある皮脂腺から分泌されています。

加齢臭の発生源は皮脂。皮脂のなかに、加齢臭のニオイを放つある物質が増えると、体から加齢臭が漂うようになるのです。

その加齢臭の正体となる物質の名前が『ノネナール』です。

2-1. ノネナールとは何か

『ノネナール』とは何でしょうか。

ノネナールとは、専門用語でいえば不飽和アルデヒドの一種。油くさくて青くさいニオイを有する物質です。

ノネナールは、品質劣化したビールや、長時間加熱した食用油からも検出されることが知られています。

例えば、何度も繰り返し使用した揚げ油が、嫌なニオイに変わることってありますよね。

お店で食べた揚げ物から嫌なニオイがして「古い揚げ油を使い回しているのかな」と思った経験のある方もいるかもしれません。

そんな古い油の嫌なニオイの元となっているのが、ノネナールなのです。

2-2. 皮脂におけるノネナール発生のメカニズム

ビールや食用油から検出される『ノネナール』ですが、ヒトの体臭からも検出されることがわかっています。

そのメカニズムをご紹介しましょう。

ヒトの体内では、年齢を重ねると古い揚げ油という脂肪酸が増加します。

これが、『過酸化脂質』によって酸化されたり、皮膚に存在する菌によって分解されたりすると、加齢臭の正体である『ノネナール』が生成されるのです。

ノネナールの原料となる『パルミトレイン酸』や『過酸化脂質』は、加齢による老化現象とともに増える物質です。

そのため、皮脂中のノネナール量は、40代頃から増え始めます。

ノネナールは皮脂に含まれるため、皮脂の多い男性の方が加齢臭が強くなりやすい特徴があります。

しかしながら、当然、皮脂は女性にもあります。性別問わず、男性にも女性にも加齢臭はあるものです。

女性でも、体質や皮脂の状態によって、男性以上に加齢臭は強くなりますので、注意が必要です。

女の加齢臭はどこから臭う?発生しやすい部位

加齢臭の原因は『ノネナール』で、ノネナールは皮脂に存在することがわかりました。

では、ノネナール入りの皮脂は、体のどの部位に多く出現するのでしょうか。

加齢臭が発生しやすい部位を見てみましょう。

3-1. 頭

まず、「頭」です。

なぜなら、頭皮には大量の皮脂腺があるから。頭皮の皮脂腺の数は、ほかの部位に比較して約2倍ともいわれます。

加齢臭に悩んでいる方からよく聞くお話に、「枕についた加齢臭のニオイが取れない」というものがあります。

これは、頭皮から分泌されたノネナールが、枕に付着している状態ですね。

頭は、加齢臭が強くなりやすい要注意な部位です。

3-2. 首の後ろ、耳の後ろ

次に、「首の後ろ・耳の後ろ」も、加齢臭が発生しやすい部位です。

もちろん、皮脂腺からの分泌もあるのですが、洗浄不足も大きな原因となっています。

ワキの下や足指など、ニオイが出やすい場所を石けんでゴシゴシ洗う人は多いのですが、首の後ろや耳の後ろとなると、サッとシャワーで流して終わり…という方も多いのですね。

しかし実は、首の後ろ・耳の後ろにはノネナールが発生しやすい場所です。時間の経過とともにさらにニオイが強くなっていることもあるので、注意が必要です。

3-3. 背中

「背中」も、加齢臭が発生しやすい部位です。

背中は広範囲にわたって皮脂腺が分布しているので、体全体からふんわりと漂う加齢臭の原因となります。

手が届きにくく、洗浄しにくいのも、背中の加齢臭の一因。睡眠中、シーツにうつる加齢臭も、背中から出ていることが多くあります。

背中から漂う加齢臭は、どこから漂っているのかわかりにくいため、自分では気づきにくいものです。

「加齢臭は背中からも発生しやすい」と覚えておく必要があります。

3-4. 胸元、お腹

最後に、「胸元・お腹」からも、加齢臭が発生します。

胸元やお腹から発生している体臭は、自分の鼻にも届きやすいので、比較的自分で気づきやすい場所といえます。

「どうも服の襟口あたりから油臭いニオイがする」と思ったら、加齢臭を疑いましょう。

特に女性の場合、ブラジャーによる締め付けやムレによって、胸元付近の皮脂に雑菌が繁殖しやすく、より一層、加齢臭を強めてしまうことがあります。

私のニオイは加齢臭?簡単にできるセルフチェック方法

加齢臭についてわかってきたら、「私のニオイって、加齢臭なの?」とチェックしたいところですよね。

しかし、他の人に「私の体臭って加齢臭のニオイがする?」と聞くのも、嫌なもの。そこで、自分で簡単にできるセルフチェックをご紹介します。

4-1. 当てはまるなら加齢臭!自分で診断できるチェックリスト

セルフチェックの方法として、自分で診断できるチェックリストをご用意しました。自分に当てはまるものがいくつあるか、数を数えながらチェックしてみてください。

加齢臭のセルフチェックリスト
現在40歳以上である
年齢とともに自分の体臭が変わった気がする
汗をかいていないときでも体臭が気になる
枕カバーを洗わないとニオイが気になる
子どもから「おばさんのニオイがする」といわれたことがある
自分の体臭を嗅ぐと祖父母を思い出す
若い頃はオイリー肌だった(あるいは現在もオイリー肌である)
耳の後ろを指でこすって嗅いでみると油臭いニオイがある
頭皮のニオイがシャンプーでは落ちにくいと感じる
背中・お腹・胸からの体臭がある
シャワーを浴びてもニオイが取れない
揚げ物や脂肪分の多いこってりした食べ物が好き
野菜やフルーツを食べる量が少ない
タバコを吸っている
お酒が好き
ストレスをためやすい

チェックしてみて、5個以上当てはまる方は、すでに加齢臭が出ている可能性が高いといえます。

具体的な対策を、今すぐにでも始めたいところです。対策については、次の章をご覧ください。

女性が自分の加齢臭に気づいたらすぐに始めたい対策

「私って加齢臭かも」と思ったら、すぐに対策を始めることをおすすめします。

どんな人でも、年齢を重ねるとともに、多かれ少なかれ出てくるのが加齢臭です。

加齢臭の兆候を感じた時点で対策を始めれば、将来的にひどくなる加齢臭の予防にまでなります。

具体的な加齢臭の対策としては、以下が挙げられます。

▼ 加齢臭の対策

対策 具体的に心掛けたいこと
加齢臭の原因物質を増やさない
  • 過剰な油分を控えた食生活
    (揚げ物や動物性脂肪を控える)
  • 抗酸化物質の摂取
    (新鮮な野菜・フルーツを積極的に取る)
加齢臭の原因物質を洗い落とす
  • 加齢臭専用ボディソープ・シャンプーの使用
  • 小まめな入浴・シャワー
加齢臭が広がらないようにする
  • 雑菌を抑えるデオドラント剤の利用
  • 寝具や衣類の小まめな洗濯

加齢臭の対策について詳しくは「本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法」の記事にて解説しています。ぜひチェックしてみてください。

他にもある!年齢とともに強くなる女性特有の体臭と対策

さて、「年齢とともに強くなる体臭が気になるのだけれど、私のニオイは、加齢臭ではないみたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

実は、加齢臭以外にも、年を重ねるごとに強くなりやすい体臭がありますので、3つご紹介します。

6-1. 汗臭

ひとつめは「汗臭」です。これは汗によるニオイのことです。

加齢とともに汗臭が強くなる原因は2つあります。

1つめは、汗の量が増えることです。特に、更年期でホットフラッシュを経験している女性に当てはまります。

2つめは、汗腺が衰えることです。汗腺とは汗の出口ですが、汗腺は、血液中の血漿からミネラルなどをろ過して汗を作っています。

若くて汗腺の機能がしっかりしているときには、十分にろ過された汗が排出されます。

十分にろ過された汗には余分な成分が含まれていないので、極めて水に近く、サラサラでニオイもありません。

一方、汗腺が衰えると、ろ過が不十分な汗が排出されます。ニオイのもととなる成分が含まれていて、白く濁ったベタベタとした汗が出ることも。

ろ過が不十分でベタついた汗は、ニオイが強いものです。

対策としては、汗腺を鍛えること。汗腺を鍛えるためには、日常的に汗をしっかりかく習慣を持つことです。

汗をかく機会が少なく、汗腺が怠けている日々が続けば、汗腺も衰えていきます。運動や半身浴で、汗腺をフル稼働させましょう。

▼ 汗臭の対策

  • 普段から汗をかく習慣を持つように心掛ける
  • じんわりと汗をかく程度の有酸素運動または半身浴を1日30分行う

6-2. デリケートゾーン臭

次に「デリケートゾーン臭」もあります。デリケートゾーンのニオイが、加齢とともに変わってきたと感じている方もいるかもしれません。

ホルモンバランスの変化の影響を大きく受ける体臭ですので、上手に付き合っていく必要があります。

対策としては、デリケートゾーンのニオイを消臭することに特化した「デリケートゾーン専用ソープ」を使うのがおすすめです。

外出先でニオイが気になる場合には、トイレに流せる「デリケートゾーン用シート」が販売されていますので、ポーチに入れておくと安心です。

デリケートゾーンは高温多湿のニオイが増大する環境に置かれやすいので、蒸れにくい素材の下着を選ぶこともおすすめです。

綿、麻、絹などの天然素材の下着は、通気性が良く、ニオイが気になる人にも人気があります。

▼ デリケートゾーン臭の対策

  • 入浴時にデリケートゾーン専用ソープを使って丁寧に洗う
  • 外出時はデリケートゾーン用シートで清潔にする
  • 蒸れにくい素材の下着を着用する

6-3. ストレス臭・疲労臭

最後に「ストレス臭」「疲労臭」をご紹介します。これは、心理的なストレスを感じたり、心身が疲労したりしたときに強くなりやすい体臭です。

メカニズムとしては、ストレスを感じたときに出る汗や皮膚ガスのなかに、独特のニオイが含まれているといわれています。

若い頃は、多少の疲れやストレスは、放っておいても回復できたかもしれません。しかし、だんだんとそうはいかないことも増えてきます。

ストレスや疲労を感じているときに体臭が強くなったら、それは「ゆっくり休む必要がありますよ」というサインです。

体に異常が出るほど、心や体に負担をかけていることに気づきましょう。休養を取り、睡眠と食生活で体を整えることで、少しずつ回復していきます。

▼ ストレス臭・疲労臭の対策

  • しっかりと休養を取る
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 栄養バランスを考えた食事を心掛ける

以上、汗臭、デリケートゾーン臭、ストレス臭・疲労臭についてご紹介しました。

まとめ

女性にも加齢臭はあります。その原因物質は加齢とともに皮脂の中に増える『ノネナール』という物質です。

加齢臭のニオイには「油臭くて青くさい」という特徴があります。

皮脂が分泌される場所であればどこでも加齢臭が発生する可能性がありますが、特に多いのは頭、首の後ろ、耳の後ろ、背中、胸元、お腹です。

「私のニオイって加齢臭?」と不安になったら、本文中でご紹介したセルフチェックリストを試してみてくださいね。

なお、加齢臭のほかにも、年齢とともに強くなりやすい体臭があります。以下の3つをご紹介しました。

1. 汗臭
2. デリケートゾーン臭
3. ストレス臭・疲労臭

ニオイの問題は、自分で気づくことさえできれば、あとはもう大丈夫です。なぜなら、その体臭に合わせて、適切な対策を取ることができるからです。

もちろん加齢臭も例外ではありません。加齢臭に気付いたら、食事や対策グッズを上手に使うことで、ニオイを遠ざけることができます。

「もしかして、加齢臭かも?」と思ったら、さっそく今日から対策に取り組んでみてください。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり