加齢臭は何歳から発生する?加齢臭の発生しやすい年齢を男女別に専門家が解説

最終更新日 2024年3月26日

監修:望月みどり プロフィールを見る >
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
体臭に関する専門性の高い記事を数多く執筆。
体臭、加齢臭に関するコメンテーターとしてテレビ出演、雑誌の取材も多数。
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はじめに

加齢臭と聞くと、老人臭のような高齢者にある独特のニオイであるように思われることがあります。

しかし加齢臭は、中年以降、早い方は30代半ばから発生することがあります。

この記事では、加齢臭の原因と発生しやすい年齢を男女別に説明し、加齢臭の対策について専門家が詳しく解説します。

加齢臭は何歳から発生するの?

1-1.加齢臭とは

加齢臭とは、男女にかかわらず、中年以降の人に多くみられる特有の体臭で、油臭く青臭い「古本」や「ロウソク」「枯れ草」のようなニオイのことです。

体全体から漂いますが、胸や背中、首の後ろなどは特に加齢臭が発生しやすい場所といわれています。

この独特の臭いは、加齢に伴い体内で脂質が酸化することによって生じるもので、その原因として「ノネナール」がよく知られています。

加齢臭は、個人の生活習慣や体質によっても左右されるため、その発生や強度は人それぞれ異なります。

参考:J-STAGE

1-2.何歳から加齢臭は始まる?

加齢臭は、一般的に40代から自覚されることが多いですが、30代後半から生じる場合もあります。

加齢臭の発生は、生活習慣や遺伝的な要因、体の代謝速度などによって異なるため、一概に何歳からとは言い切れません。

バランスの悪い食生活やストレスなどにより体内に活性酸素が増えると、若い人でもノネナールが生成され、加齢臭が発生するようになります。

加齢臭は年齢や性別が限られるものではないため、自分の体の変化に注意を払い、適切な対策を講じることが重要です。

女性の加齢臭|加齢臭の原因と発生しやすい年齢

この章では、女性の加齢臭の原因はどこにあるのか、何歳から発生しやすくなるのかについて詳しく説明します。

2-1.女性の加齢臭の原因

1. 皮脂の変化

女性は、男性と比べると皮脂の量は多くありません。さらに、加齢とともに皮脂の分泌量は減少します。

しかし、年齢とともに皮脂の質が変化します。皮脂中に、加齢臭の原因物質ノネナールを生成する「パルミトレイン酸」が増加するのです。

2. ノネナール

皮脂の中に含まれるパルミトレイン酸が、過酸化脂質によって酸化することで生成されるのがノネナールです。

皮脂が酸化したものなので特有のニオイがあり、これが加齢臭のニオイのもとになります。

ノネナールの生成には、皮脂量と体内の活性酸素の量が大きく関わっています。

3. ホルモンバランスの変化

女性は更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少します。

女性ホルモンは皮脂の分泌や酸化を抑える役割を担っているため、エストロゲンが減少すると、皮脂量の増加や酸化が進み、結果として加齢臭が生じやすくなります。

2-2.女性の加齢臭が発生しやすい年齢

女性の加齢臭は、40代後半から徐々に始まり、顕著になるのは、おもに50代以降とされています。

これは、更年期に入って女性ホルモンの分泌が減少することとも関連していますが、個人差があるため一概には言えません。

また、生活習慣や体質、健康状態によっても変わってくるため、早い段階から意識して、体の内と外からのアプローチが有効です。

体の外からはスキンケアで皮膚を健康に保つこと、内からはバランスの良い食事や適度な運動で体の機能を維持することが大切です。

また、更年期には女性ホルモンのバランスを考慮した生活習慣の見直しも重要です。

男性の加齢臭|加齢臭の原因と発生しやすい年齢

この章では、男性の加齢臭の原因はどこにあるのか、何歳から発生しやすくなるのかについて詳しく説明します。

3-1.男性の加齢臭の原因

1. 皮脂の変化

加齢により皮脂の質が変わり、皮脂中に加齢臭の原因物質ノネナールを生成する「パルミトレイン酸」が増加します。

脂肪酸の中に不飽和脂肪酸の割合が増えると、皮脂は酸化しやすくなるため、特有のニオイが生じやすくなります。

2. ノネナール

加齢臭のおもな原因は「ノネナール」という物質で、皮脂が酸化する過程で生成されます。

ノネナールの生成には、皮脂量と体内の活性酸素の量が大きく関わっていて、皮脂が酸化したものなので特有のニオイがあります。

3. ホルモンバランスの変化

加齢に伴い男性ホルモンのテストステロンが減少すると、脂質代謝が悪くなり、過酸化脂質が生成されやすくなるため、ノネナールの発生につながります。

また、男性ホルモンには活性酸素を減らす効果もあるため、体内の活性酸素が増えて、加齢臭を引き起こす原因の一つとなります。

3-2.男性の加齢臭の発生しやすい年齢

男性の加齢臭は、30代後半から徐々に始まることもありますが、40代以降に顕著になることが多いとされています。

40代から50代にかけて加齢による体の変化もありますが、動物性の脂肪や糖質の多い食生活や運動不足、ストレス、疲労、寝不足など生活習慣も加齢臭の発生を促します。

加齢臭は、適切な体のケアや生活習慣の見直しによって、その発生を抑えることが可能です。

入浴時の丁寧な洗浄、バランスのとれた食事、適度な運動などが推奨されます。

また、体臭に影響を与える可能性のある病気の早期発見、治療も重要です。

年齢別加齢臭の特徴

加齢臭の特徴は年齢層によって異なります。

以下に30代、40代、50代以上の年齢層ごとに、加齢臭の特徴を説明します。

4-1.30代の加齢臭

30代の加齢臭はまだ顕著ではない

この年代では、まだ加齢臭を生じることは少ないですが、生活習慣や体質によっては加齢臭が始まる場合もあります。

初期段階の体臭の変化

ストレスや不規則な生活、バランスの悪い食事などが原因で、体臭に変化が生じ始めることがあります。

予防が重要

正しいスキンケアとバランスの取れた食生活、適度な運動など、加齢臭の予防に役立つ生活習慣を身につけることが大切です。

4-2.40代の加齢臭

加齢臭が顕著になり始める年代

40代になると、ホルモンバランスの変化や皮脂の質の変化により、加齢臭が徐々にあらわれ始めます。

ノネナールの増加

加齢臭の原因とされるノネナールが増え始める年代です。

ノネナールは皮脂が酸化することで生成され、特有の草っぽい、脂っぽいにおいを発します。

参考:National Library of Medicine

ケアの重要性

定期的な洗浄と保湿、健康的な生活習慣を維持することで、加齢臭を軽減することが可能です。

4-3.50代以上の加齢臭

加齢臭がより顕著になる

この年代では、皮脂の質の変化やホルモンバランスの変化がさらに進み、加齢臭がより顕著になります。

女性では更年期の影響も

女性の場合は、更年期に伴うエストロゲンの減少が皮膚の乾燥を引き起こし、それが加齢臭の原因になることもあります。

体臭ケアと健康管理

体の内と外からのケアが重要になります。

適切なスキンケア、バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠などに加え、必要に応じて専門家にアドバイスを求めることも有効です。

年代に応じて加齢臭の予防や対策を行うことで、体臭の変化に対応しやすくなります。


また、加齢臭は自分では気づきにくいことが多いため、定期的な自己チェックや、信頼できる人からのフィードバックも大切です。

加齢臭対策

加齢臭をなくすにはどうすればいいでしょうか。

加齢臭の対策には、生活習慣の見直しや適切なスキンケア、さらには加齢臭サプリの摂取などがあります。 以下に対策を説明します。

5-1.生活習慣の見直し

1. バランスの良い食事

「主食」「主菜」「副菜」を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。

また、抗酸化作用のある食品(野菜、果物、全粒穀物、魚など)を積極的に取り入れることで、体内の酸化を防ぎます。

×避けるべき食べ物 ◎食べるべき食べ物
  • 動物性脂肪
    (肉類、乳製品など)
  • アルコール
    (ビール、焼酎など)
  • 糖質の多いお菓子・飲料
  • ビタミンE
    (アボカド・アーモンドなど)
  • ビタミンC
    (キウイ・イチゴ・オレンジなど)
  • ポリフェノール
    (緑茶・甜茶など)
  • 食物繊維
    (ゴボウなど)
  • 植物性乳酸菌
    (味噌、ぬか漬けなど)
2. 適切な水分摂取

水分を適切に摂取することで、体内の代謝を促して体臭を軽減させます。

3. 定期的な運動

適度な運動により血行が促進されると、老廃物の排出がスムーズになります。これが体臭予防につながります。

4. 禁煙・節酒

タバコやアルコールは体臭を悪化させる原因となるため、控えめにしましょう。

5-2.スキンケア

1. 正しい洗浄

加齢臭の原因となる皮脂や汗は、毎日の入浴でしっかりと洗い流しましょう。

ただし、過度な洗浄は皮膚を乾燥させるため、肌に優しいボディソープの使用が推奨されます。

2. 保湿

入浴後は、保湿クリームやローションを使用して皮膚の乾燥を防ぎましょう。

乾燥は皮脂の過剰分泌を招き、加齢臭の原因となります。

5-3.加齢臭サプリの摂取

体内からのアプローチとして、消臭効果のある成分や抗酸化作用のある成分をサプリで摂取することも有効です。

サプリは、食事で不足しがちな成分や、摂りにくい成分も効率的に補うことができます。

加齢臭対策のサプリには、発生したニオイを抑える消臭の役割とノネナールの生成を抑える抗酸化作用の両方があるものがいいでしょう。

加齢臭対策は、生活習慣の見直し、スキンケア、加齢臭サプリの摂取を組み合わせて行うことで、より効果的になります。

生活習慣の見直しやスキンケアを基本とし、これらの基本的な対策をサポートする形でサプリを利用すると良いでしょう。

加齢臭サプリを選ぶための5つのポイント

私たちの体には、加齢臭だけでなく、汗の臭いや脇の臭い、足の臭いなど体の中から発生するさまざまな臭いがあります。

多岐に渡るこれらの臭いを抑えて、原因から対策するには、サプリもきちんと選ぶことが大切です。

6-1.消臭成分

加齢臭対策サプリの消臭成分は、植物のポリフェノールや植物由来の酵素などが配合されている場合がほとんどです。

体臭には、トリメチルアミン、メチルカプタンなどの悪臭成分や、アンモニア臭、イオウ系の臭いなどさまざまな臭いがあります。

消臭成分には、例えば、デオアタック®、柿渋エキス、緑茶エキスなどの成分があります。

どの臭いに効果を発揮する成分が、どれくらい入っているのかを確認するといいでしょう。

※デオアタック®(DEOATAK®)は高砂香料工業株式会社の登録商標です。

6-2.抗酸化成分

体の中に活性酸素が増えると、体内の皮脂も酸化が進んで臭いの原因になります。

活性酸素は加齢とともに増えていきますが、飲酒や喫煙、ストレスなどでも多く発生します。

加齢臭対策には、活性酸素を抑える抗酸化成分が含まれたものを選ぶことも大切です。

6-3.乳酸菌

ストレスや疲れ、食生活の乱れなどで、腸内環境が悪化して善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、腸内で老廃物が腐敗して臭いを発生させます。

腸の中で発生した腐敗臭は腸管から血液中に取り込まれ、臭い成分を含んだ血液が全身をめぐることになります。

これが皮膚表面に送られて汗と一緒に排出されてしまうことで、体臭になってしまいます。

そのため、臭わない体を作るには腸内環境を整えることがとても重要です。

善玉菌を増やす乳酸菌が含まれた体臭サプリを選ぶといいでしょう。

6-4.安心で飲みやすい

サプリは毎日継続して飲むものです。飲みやすい小粒のものが続けやすいでしょう。

また、タブレットやチュアブルタイプなど口の中で溶かすものは、爽快感の演出や、食べやすく見た目をおいしそうに見せるために、香料や甘味料、着色料などの添加物がたくさん含まれていることも多いです。

毎日口にするものなので、できるだけ添加物等が入っていないタイプが安心です。

6-5.安全品質

サプリを選ぶ際は、GMPマークがあるかどうかを確認しましょう。

GMPとは、原料の入庫から製造、出荷にいたる全ての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるように定められた規則とシステムのことです。

ガイドラインに則った製造・品質管理が実施されているGMP認定工場で製造された安全なものを選びましょう。

ただし、パッケージには、記載スペースが狭いという理由で表記されていない場合もあります。ホームページやパンフレット等でより詳しい内容を確認するといいでしょう。

参考:公益財団法人 日本健康・栄養食品協会

まとめ

加齢臭の原因は男女とも

  • 皮脂の変化
  • ノネナール
  • ホルモンの変化

年齢別には

  • 30代は、初期段階の加齢臭で、生活習慣や体質によって始まる場合も
  • 40代は、加齢臭が顕著になり始める年代で、体内のホルモンバランスの変化や皮脂の質の変化により加齢臭が徐々にあらわれ始める
  • 50代以上は、皮脂の質の変化やホルモンバランスの変化がさらに進み、加齢臭がより顕著に

加齢臭対策

  • 生活習慣の見直し、スキンケア、加齢臭対策サプリの摂取

加齢臭対策サプリを選ぶときの5つのポイント

  • 消臭成分
  • 抗酸化成分
  • 乳酸菌
  • 安心で飲みやすい
  • 安全皮質

多くの方が加齢臭についての悩みを抱えています。

しかし、デリケートな問題だけに、なかなか人に相談することもできず、できれば人に気づかれないようになんとか解決したいと願っている方がほとんどでしょう。

生活習慣の見直しとサプリの摂取の併用なら、手間もかからず、見た目を気にすることもありません。

誰にも気づかれずにケアできるのもうれしいポイントです。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり