最終更新日 2024年6月18日
「女性の体臭の原因は何?」
…と調べている方は、体臭についてお悩み中の方が多いのではないでしょうか。
「女性なのに体臭があるのは恥ずかしい」
そんな声を聞くことがあるのですが、まずお伝えしたいのは、女性にも体臭はあり、それはまったく恥ずかしいことでない、ということ。
必要なのは、いま悩んでいる体臭の原因を突き止めて、適切な対策をすることです。女性の体臭はきちんと解決できます。
今回は、特に女性に多く見られる6つの体臭について、原因を詳しく解説します。
「私の体臭の原因はコレかも?」と思い当たるものがあれば、ご紹介している対策をぜひ試してみてくださいね。
自分の体臭の原因を知ることが、体臭の悩みを解決する第一歩になります。さっそく見ていきましょう。
目次
女性の体臭の原因①行き過ぎたダイエット
女性に多い体臭の原因の1つめは「行き過ぎたダイエット」です。
例えば、食事制限によるダイエットを行ったとき、「なんだか、私くさい?」と思った経験はありませんか。
普段とは異なる甘酸っぱいようなニオイがしたら、それはダイエットが原因かもしれません。
1-1. 原因物質はケトン体
ダイエットで強くなる体臭の原因物質は「ケトン体」。糖質を極端に制限した食事をすると体内に発生する物質です。
特有の甘酸っぱいニオイがあり、「ダイエット臭」「飢餓臭」などとも呼ばれます。
簡単にいえば、体が栄養失調に陥ったときに出てくるのが、このダイエット臭です。
「やせたい!」という気持ちはわかりますが、体臭がくさくなってしまっては本末転倒。
本来の美しさを引き出すためには、無理しないこと。体に必要な栄養素を、しっかり取りましょう。
1-2. 対策はバランスの良い食生活の実践
ダイエット臭によるニオイをケアするために行うべき対策は、バランスの良い食生活の実践です。
とはいえ、ダイエットに夢中になりすぎると、「何をどれくらい食べたら良いのか」を見失ってしまうこともあるでしょう。
そこで参考になるのが、厚生労働省が作成している『食事バランスガイド』です。
出典:厚生労働省
『食事バランスガイド』では、毎日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」の5つの料理グループに区分して考えます。
5つの料理グループの区分ごとに、「つ(SV)」という単位を用いて、何をどれくらい食べれば良いのか1日の目安量が示されています。
詳しくは『食事バランスガイド(基本編) | e-ヘルスネット(厚生労働省)』で解説されていますので、参考に見ながら、自分に必要な食事量を計算しましょう。
女性の体臭の原因②デリケートゾーンの間違ったケア
女性に多い体臭の原因の2つめ は「デリケートゾーンの間違ったケア」です。
なんとなく、下半身からふんわりと異臭が漂う場合、それはデリケートゾーンのニオイかもしれません。
2-1. デリケートゾーンにニオイが出やすい理由
デリケートゾーンは、
- おりもの
- 経血
- 排泄物
などに触れるため、もともとニオイの出やすい部位です。
さらに「アポクリン腺」という汗腺(汗の出口)が集中している特徴があり、これもニオイの原因となります。
汗の出口である汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があるのですが、アポクリン腺から出る汗にはワキガのニオイがあるのです。
アポクリン腺は、ワキのほかに、デリケートゾーンにも多く分布しています。
このように、もともとニオイの出やすい特徴を持っているうえに、高温多湿で蒸れやすく、雑菌の温床となりやすいデリケートゾーン。
デリケートゾーンには適切なケアを施す必要があるのですが、多くの人が間違ったケアをしています。
例えば、以下のような例です。
つい、うっかりやっている人が多いのではないでしょうか。
2-2. デリケートゾーンの正しいケア方法
ここで、デリケートゾーンの正しいケア方法をご紹介します。
2-2-1. デリケートゾーン専用ソープを使う
デリケートゾーンには、タンパク質や脂質を多く含んだ汚れが付着しています。し
っかり落とすために、ボディ用のボディソープや石けんではなく、デリケートゾーン専用ソープを使いましょう。
デリケートゾーン専用ソープを使ってデリケートゾーンを洗うときには、デリケートゾーンを傷つけないように指の腹を使い、前から後ろの方向を守って洗います。
「前から後ろ」の方向で洗うのは、肛門周辺の雑菌が、膣側に移動するのを防ぐためです。
ここで「膣の中まで徹底的に洗いたい」という方もいるかもしれませんが、それはNG。
膣の中には自浄作用が働いていて、細菌などの侵入を防ぐ作用があるためです。
膣の中まで洗ってしまうと膣内環境に変化が起きて自浄作用を邪魔することになり、トラブルの原因となります。
デリケートゾーンを洗うのは、表面に見えている部分まで。膣の中は、体の自浄作用に任せましょう。
2-2-2. 通気性がよく蒸れにくい下着を選ぶ
「おしゃれなランジェリーを身に付けたい」という方も、常におしゃれなランジェリーを身に付けるのではなく、TPOで下着を使い分けるようにしましょう。
日によって・時間帯によって、身に付ける下着を替えて、おしゃれよりも通気性や肌へのやさしさを優先した下着を身に着ける時間をできるだけ長くしてください。
例えば、一時ブームにもなった「ふんどしパンツ」は、通気性が大変良いのでおすすめです。
おしゃれなデザインのふんどしパンツも販売されていますので、お休みの日、体をいたわる意味で取り入れてみてはいかがでしょうか。
2-2-3. 日中のニオイが気になるときはデリケートゾーン用シートが便利
夏の暑い日などは、日中もデリケートゾーンのニオイが気になることがあるかもしれません。
そんなときには、デリケートゾーン用シートが便利です。
デリケートゾーン用シートは、デリケートゾーンの拭き取りに使うことのできるウェットシートです。
10枚程度ずつ小分けにされたパックが市販されています。
ポーチに忍ばせておけば、外出先でデリケートゾーンのニオイが気になったとき、サッと対処ができます。
生理中などで蒸れが気になるときは、デリケートゾーン用シートで清潔に保つことで、肌荒れ予防にもなります。
2-2-4. アンダーヘアを処理する
アンダーヘアが密集していると、どうしても蒸れたり汚れが付着したりしやすく、ニオイも強くなりがちです。
アンダーヘアを処理することも、デリケートゾーンのニオイ対策としては有効です。
最近では「VIO脱毛」も一般的になりました。脱毛クリニックやサロンに通って、脱毛する人が増えています。
アンダーヘアのお手入れをすると、その分、デリケートゾーンのニオイは軽減されます。
アンダーヘアが多く、ニオイに悩まされている人は、脱毛を検討するのも良いでしょう。
特に、汚れがつきやすいIゾーンとOゾーンのアンダーヘアをお手入れすると、ニオイが減りやすくなります。
2-2-5. おりものの異常がある場合は受診する
なお、デリケートゾーンのニオイとともに、おりものの異常がある場合は、何らかの病気の可能性があります。
ニオイ対策をする前に、まずは専門医を受診して、診断をあおぐようにしてください。
おりものの異常以外にも、「何か変だな」と感じる違和感があれば、まずは受診をおすすめします。
女性の体臭の原因③更年期に強くなる汗臭
女性に多い体臭の原因の3つめは「更年期に強くなる汗臭」です。
アラフィフ世代の方に多く聞かれるのが「更年期の前後で体臭が変わった気がする」という声です。
3-1. 更年期には汗量が増える
多くの女性が、更年期に汗量の増加を経験します。
特に、頻繁にホットフラッシュが起きて大量に汗をかく方は、汗のニオイが気になるところかと思います。
ひとつお伝えしておきたいのは、ホットフラッシュによる大量の汗は、かいた直後はそれほど強いニオイではないということ。
何時間も放置すると、雑菌が繁殖して、強いニオイを発するようになります。
「ホットフラッシュで汗をかいたら、すぐに臭くなる」と不安な方は、「汗をかいても、すぐに拭き取ればにおわない」と、認識を改めていただければと思います。
3-2. 更年期におすすめの汗対策
更年期の汗は、自分の意志や努力でコントロールするのは難しいものです。
「汗をかかないようにしよう」と努力するのではなく、「汗をかいたら素早く処理できるようにしよう」と発想を切り替えた方が、精神的にはラクになります。
具体的には、出先でもサッと汗を拭けるようにデオドラントシートを持参したり、ワキの汗を吸収してくれる汗取りパッドを利用したりすると、安心できます。
また、肌着の替えを持ち歩いて、汗をかいたらすぐに着替えてしまうというのも手です。
体調の変化もありつらい時期ですが、なんとか前向きに乗り越えていきたいものです。
女性の体臭の原因④運動不足
女性に多い体臭の原因の4つめは「運動不足」です。
4-1. 運動していないと汗腺が衰える
習慣的に運動している人がかく汗は、サラサラとしていて水っぽく、嫌なニオイはしません。
ところが、運動不足に陥っていると、汗腺が衰えてしまうため、どきどきかいた汗が濃くてクサイ……という状態に。
「汗腺」とは、汗の出口となる器官のことです。汗腺には「ろ過機能」があり、汗の成分からミネラルなどは再吸収してから、汗として体外に排出します。
普段からあまり汗をかかず、汗腺が衰えると、ろ過機能が正常に機能しなくなり、ろ過し切れなかった成分の混ざった臭い汗を排出してしまいます。これが運動不足による体臭の原因です。
何かのきっかけで汗ばんだ瞬間に「汗が強い」と感じる場合は、運動不足に陥っていないか振り返ってみてください。
4-2. 汗ばむ程度の運動を習慣に
汗腺の衰えを防ぐためには、普段から運動して、自力で汗を出せるようにしておくことが大切です。
定期的に汗腺を働かせることが、汗腺を衰えさせず、ろ過機能をキープすることにつながります。
ウォーキングやジョギングなど、30分〜1時間程度の時間をかけて、じんわりと汗をかくような運動がおすすめです。
「どうしても運動が苦手」という方は、半身浴でも代用できます。
みぞおちより下程度の少なめのお湯を湯船に張り、38~40度程度の低温で20~30分、汗をかくようにしましょう。
女性の体臭の原因⑤ストレス
女性に多い体臭の原因の5つめは「ストレス」です。
精神的に不安定になったタイミングで体臭が強くなったと感じたら、ストレスを疑ってみてください。
5-1. 緊張や不安でアポクリン腺から発汗
人前でのスピーチや面接のときなど、緊張して手のひらやワキに汗をかいた経験がある人は多いはずです。
汗には、暑いときや運動したときに出る「温熱性発汗」とストレスを感じた時や緊張した時に出る「精神性発汗」の2種類があります。
「温熱性発汗」は体温調節のために出る汗で、おもに全身のエクリン腺からでて、ほとんどニオイはありません。
一方、ストレスを感じた時や緊張した時の「精神性発汗」では、エクリン腺とアポクリン腺の両方から汗がでます。
ニオイが強く、手や足の裏、ワキなどの限られた部位から出るのが特徴です。
5-2.ストレスを感じたときに出る皮膚ガス
人が緊張によるストレス状態になると、硫黄化合物のような特有のニオイがある「皮膚ガス」が発生することが、資生堂の研究により明らかになっています。
例えば、緊張する会議への出席や仕事中にトラブルが起きたときなど、ふと自分がくさいと感じることはありませんか。
それは皮膚ガスのせいかもしれません。
5-3. ストレスを自覚して必要なケアを
ストレスは、気付かないうちに蓄積しているもの。まずはストレスを自覚して、必要なケアを施すことから始めてみてください。
ゆっくりと休養する、睡眠時間を多めに取る、自分の好きなことをする時間を確保する——など、リラックスできる環境を整えましょう。
女性の体臭の原因⑥食生活
女性に多い体臭の原因の6つめは「食生活」です。
無理なダイエットは体臭の原因となることはお伝えしましたが、体臭が強くなりやすい食べ物を多く食べているときにも、体臭は強くなります。
6-1. 体臭を減らす食生活とは?
まず動物性脂肪の取り過ぎには注意してください。肉類・チーズ・バター・生クリームなどを取り過ぎると、皮脂量が増え、肌に雑菌が繁殖しやすくなります。
また、激辛フードなどの刺激性の強い食べ物は、ワキガ臭の原因であるアポクリン腺を活性化してしまいます。体にとってはストレスとなるからです。
逆に抗酸化作用のある食べ物は、体臭を減らしてくれます。フルーツや野菜は積極的に食べましょう。
水分をしっかり取ることも有効です。体内が水分不足だと、汗が濃縮されてニオイが強くなります。
体臭対策として取り入れたい食べ物について詳しくは「嫌な体臭を食べ物でケア!ニオイを防ぐ食べ物と悪化させる食べ物」にて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
女性に多い6つの体臭の原因を解説しました。
「これが私の体臭の原因かもしれない」と思い当たるものがあれば、対策してみてくださいね。
なお、この記事では女性特有の体臭だけに絞ってお伝えしましたが、体臭の原因はほかにもあります。
ほかの体臭の原因についても知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
また、体臭の対策や、体臭に良い食べ物・悪い食べ物がわかる以下の記事もおすすめです。
体臭の悩みは、とても深刻なものです。しかし、対処法はしっかりあります。
適切な対処をすることで、体臭の原因をひとつずつ、なくしていきましょう。
健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり